ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

球団職員の労働問題

 

 

 元選手で今年からベイスターズの球団職員をされていた井手正太郎さんの、このツイートに僕のアンテナが反応しました。

 

 

 

  監督、コーチや選手などのユニフォーム組の契約が明日をも知れぬ厳しいものだというのはファンの間でも充分承知されている話ですが、その理屈が球団職員にまで持ち込まれるのは、いかがなものでしょうか。

 

 井手さんの雇用契約がどのようになっているのかいまいち不明で、1年毎に契約を結ぶ契約社員のようなものなのか、それとも期限の定めがない無期契約で労災や社会保険が完備されたいわゆる正社員としての扱いなのか、それによって判断の分かれる所ではありますが、仮に前者の契約社員的な立場であったとしても、通告が期日の1ヶ月前ギリギリ入るかどうかというのはあまりにも遅過ぎますし、球団側の対応は誠実さに欠けるものであると批判されて然るべきではないでしょうか。

 

 井手さんご本人がツイートで「いきなり過ぎて頭真っ白」と激白しておりますように、下手をすると労働基準法の定めに抵触する恐れも有り得るのではないだろうかと、僕は疑っております。

 

roudou-pro.com

 

 選手たちがインタビューなどで折に触れて裏方さんへの感謝の言葉を述べているのを皆さんもよく耳にしているかと思います。

 裏方さんといってもプレーをサポートする職員も営業面をサポートする職員もいて色々ですが、チームを縁の下で支える裏方さんの雇用が、こんな不安定な、場合によっては違法性の疑いもあるような状況では、ベイスターズの将来が危ぶまれると言っても過言ではないと思います。

 

 ベイスターズ球団が井手さんに対して行った行為に違法性は無いのか。双方にしっかりと齟齬が無い円満退社が図られたのか。今後のベイスターズを考える上で非常に重要な事ですから、何らかの情報公開を求めたいと思います。

 

 

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スタッフの交通費支給を球団に直訴しソフトバンク動かした和田の交渉力東スポ

 

 

 ソフトバンクと言えば選手の総年俸が12球団トップで、孫正義オーナー自ら「金満球団で結構」と言って憚らないリッチな球団ですけれども、そのソフトバンクをして、裏方さんの交通費で自腹を切らせていたというのが驚きでした。

 そして、裏方さんの窮状に真摯に耳を傾け、球団に直談判をした和田選手は素晴らしいと、最大級の賛辞を送らなければなりません。

 

 で、僕は神奈川県民ですので、このHAWKSベースボールパーク筑後までの交通費というのは一体どれくらいの距離で、どれくらいの費用が生じるのか見当がつかなかったものですから、少し調べてみました。

 

 すると

 

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 ヤフオクドームの最寄り駅である唐人町を起点に計算すると、片道の在来線移動で1370円。通勤定期を買うと37200円もの額で自腹を切らせていたというわけで、これは非常にヤバいぞと、和田選手に直談判されるまで放っておいた球団首脳陣の神経を疑わざるを得ないという結論に達しました。

 

 東スポの記事にある、支度金として50万円を支給されたといっても、通勤定期を買えば13ヶ月で底を突くような、慰めにもならないような僅かな額と言えるでしょう。

 

 選手に高い給料を払うのは大変結構な事ですけれども、裏方さんに対する待遇面でももう少しレベルを高めないことには、黄金時代を長続きさせる事は出来ないのではないでしょうか。

 

 

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 ソフトバンクで2軍や3軍の投手コーチを務めている入来祐作さんが、その前までベイスターズで用具係をしていた事をご存知の方も多いと思います。

 

 用具係時代の入来さんに対しては、ベイスターズの若手選手が失礼な言動をするような事も、ままあったと聞いています。入来さんの選手時代もろくに知らず、ただの用具係と下に見るような態度を取っていた選手がいた、という話です。

 

 それを何かの記事で見た時には怒髪天を衝くような、ものすごい怒りに打ち震えたのを、今でもよく覚えています。

 

 日頃お世話になっている裏方さんがどういう人なのか興味も知識もないというのがそもそもダメですし、失礼な態度を取るというのがそれに輪をかけてダメである、という事です。

 

 くだんの失礼な態度を取った選手というのは誰なのかわかりませんでしたから、ベイスターズ全体に対して、一体何をやっているのだという怒りに繋がりました。

 

 選手はマスコミ向けのインタビューなどで裏方さんへの感謝の言葉を口にしますけれども、それはパフォーマンスとか、リップサービスの類ではもちろんダメで、心の底から選手と裏方さんとか一蓮托生で、共に戦う姿勢が無いと、本当に強いチームになんかなりっこないと、僕は思います。

 

 だからこそ、ソフトバンクの和田選手がチームスタッフの窮状にしっかりと耳を傾けて、そして直談判をした件を聞いて、なるほどこれこそが強いチームの真髄だと感服させられましたし、ベイスターズも筒香選手が裏方さんのグローブをプレゼントしたりして少しづつそういう空気が醸成されつつある感じもありますので、そこからさらにもう一段上に、井手さんのような事が起きないように声を上げる選手が出てきて欲しいと、そのように願っている所です。

 

 

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 野球は総合力の時代になろうとしています。昭和のON時代のような一握りのスターに富と権限が集中する時代は終わり、これからはプレーする選手だけでなく、監督やコーチはもとより、スコアラーや、さらにアメリカMLBではセイバーメトリクスを始めとした理工学系の学者さんまでもが加わって、より高度な野球を追い求める時代になろうとしています。

 

 だからこそ、裏方さんの雇用をぞんざいに扱っているようなチームは早晩時代に取り残されるだろうし、優勝を目指すなどもってのほか、という事になるのではないでしょうか。

 

 最初の話に戻りますが、ベイスターズは裏方さんの雇用にしっかりと目を配り、全員が一致して優勝を目指せるようにしてもらわなければならないと、改めて主張したいと思います。

 

 

以上