ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

プロ野球選手のセカンドキャリアについて考える

 

 昨シーズン限りでベイスターズを退団した小杉陽太さんが、退団した次の月に会社を立ち上げたという事で、大変驚きました。

 

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 選手時代は表情を表に出さないタイプでしたので、何を考えているのかよくわからない選手として見ていましたが、思った以上に冷静に色んなものを見ていたのだと、とても感心しました。感心したなんて言うと少し上から目線な感じで恐縮ですが、共感とも言えないし、感動とも言えないし、やはり感心というのが一番しっくり来ました。

 

 プロ野球選手といえば、現役時代は野球のことで頭が一杯になって、いざ戦力外通告を受けると頭が真っ白になって何も動けないという人が少なくないようですから、小杉さんが会社を立ち上げて何をやろうとしているのか、それがまた実に具体的な事に、深い感銘を覚えました。

 

 僕も一応起業家の端くれなのですが、起業する前の準備段階からこれまで十数年の間に、「起業を目指してます!」という割には具体的にどういう事業を手がけるのかさっぱり考えていない自称起業候補生の人をたくさん見てきました。

 ですから、退団翌月でここまでディテールがしっかりしているのは本当に素晴らしいと思いました。

 

 今後小杉さんにくれぐれも気をつけて頂きたいのは、見栄を張らない事、でしょうか。会社の立ち上げ時期は比較的融資を受けやすいですから、割と手元資金がリッチになったりします。

 で、それでついつい見栄を張って費用対効果の見えない設備投資や広告出稿をしてしまったりして、後で「あの時のカネがあれば」なんて後悔する事がありますので、設備投資や広告宣伝費はくれぐれも控え目に、地に足の着いた経営をして軌道に乗せて頂きたいと願っております。

 

 

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 ソフトバンク自由契約にした選手全員に対して原則としてソフトバンクグループの仕事のオファーを出しているようです。それ以外にも、トレードやトライアウト経由で他球団に移った選手を引退後に呼び戻して仕事を与えるような事までしていると言います。

 

 プロ野球チームの親会社はどこでも大きな会社ですから毎年10名前後の雇用の受け皿くらいすぐに用意できるのかもしれませんが、それにしても普通の大学や高校を出たての若者と違って、ビジネスマンとして養成するのは一筋縄ではいかないでしょうから、ソフトバンクの取り組みは賞賛に値すると思います。

 

 

 また、これまで球界の盟主として君臨してきた巨人も自由契約にした選手のアフターフォローは手厚い方で、元ベイスターズで昨シーズン限りで引退した北篤さんをアカデミーのコーチとして契約したというニュースも流れました。

 

www.sanspo.com

 最近は子供向けの野球教室を展開する球団が他にも複数あって、そこが引退した選手の雇用の受け皿になっているようでありますが、ただし、加速度的に進む少子化の影響もありますので、果たしてどこまでこの方向性を伸ばせていけるのかは、あまり楽観視も出来ないかなと見ています。

 

 

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 近年のプロ野球選手のセカンドキャリア対策について、盛り上がってきているのは非常に良いことだと思う反面、ややホワイトカラー系の職業に偏っているように思えるのが、気がかりと言えば気がかりです。

 

 これまでユニフォームを泥だらけにして野球をやってきた人達ですから、引退したら今度はパソコンに向かってカタカタしたり取引先と言葉で交渉したりする仕事にすんなりと転身できる人ばかりではないと思います。

 

 ですから、大雑把な言い方をすればガテン系の道を作っていく事も必要なのではないでしょうか。

 

 

 その中で僕が推奨したいのは、漁業です。

 

 いくらIOTや科学技術が発達したとは言っても、人間のエネルギー源は食料のまま、数千年も変わっておりませんし、これから数十年で劇的な変化が訪れそうな予兆もありません。

 

 ですから食料を作るための農業や畜産業も含めて今後も非常に重要である事に変わりはないのですが、ただし農業や畜産業に関しては海外との競争が非常に熾烈であるのに対し、漁業に関しては海外勢との競争が農業や畜産業ほど厳しくありませんし、何より我が国は世界で五指に入る海洋国家ですので、このアドバンテージを活かせる漁業が、プロ野球チームのセカンドキャリアの方向性として注目されるべきではないだろうか、と言いたいのです。

 

 さらに言えば食のヘルシー志向が非常に高まっておりますので、漁師さんになるというセカンドキャリアを明瞭にシステム化して、引退後も選手や家族が安心して暮らせる方向性作りをしていったら良いのではないでしょうか。

 

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 一部では人手不足が盛んに言われていますが、詳しく状況を見ると人手不足が生じているのはコンビニや外食チェーンのアルバイトが足りていない等の非正規需要がもっぱらで、数十年先を見据えて働く場所というのは、まだそれほど選べるほどの数はないのが実情です。

 

 そういった場所へ引退間もない選手を放り込むのは非常に無責任な事ですから、様々な進路を作って、良きセカンドキャリアを送れるようにしたいものだと思いますね。

 

 

 

以上

 

 

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