ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2021年3月20日 千葉ロッテvs横浜DeNA (横須賀) の感想

f:id:suguru0220:20210320234927j:plain

 

 皆様あけましておめでとうございます。

 

 今年もプロ野球の季節がやってまいりました。今年も昨年と同様にコロナ禍で不自由な日々が続きますが、それでもプロ野球を球場で生で見られるようになった事を素直に喜びたいと思います。

 

 さて、僕は先週の日曜日に静岡県草薙球場で行われた楽天ベイスターズのオープン戦で今季初観戦をし、そして今日は横須賀スタジアムにてファームの開幕戦を見てまいりました。

 

 一軍は三浦大輔監督、二軍は仁志敏久監督といういずれも新しいリーダーが率いる今季がどのような行く末を辿るのか、楽しみにしていきたいと思います。

 

 

               ■

 

 

f:id:suguru0220:20210320235727j:plain

 

 今日のスタメンと試合の結果はご覧の通りです。上記を踏まえ、僕の感想を投手と野手にわけて振り返っていきたいと思います。

 

 

 まずベイスターズの先発は育成ドラフトで入団して4年目を迎える中川選手。既に支配下登録の2ケタの背番号への昇格を済ませ、ファームとはいえ栄えある開幕投手となったわけですが、プレイボール前の投球練習の段階からコントロールが定まっていないのが明らかで、女房役の高城選手が球審にお願いしてもう1球投げさせてもらう、そんな立ち上がりでした。

 

 投球練習の時も試合が始まってからもセットポジションでコントロール重視といった雰囲気で投げましたが、初回、ロッテの2番三木選手の背中にデッドボールを当ててしまったあたりから更にコントロールが悪化し、3四死球で先制点を与えてしまいます。

 2~4回は持ち直したかに見えたものの、5回に再びコントロールが定まらなくなってホームベースの手前でワンバウンドする球を何度も投げてみたり、キャッチャーがジャンプしても取れない暴投をしてみたり、それでゾーンに置きに行った半速球をキレイに狙い打たれたりで、この回だけで7失点でKOされてしまいました。

 

 数字だけ見れば4回1/3で9失点と救いようが無い感じでありましょうが、まぁただ、僕はそこまで心配しておりません。

 京山選手が1軍で5連勝した年もファームの開幕投手でボコボコに打たれていましたし、若手ピッチャーの春先というのは得てしてこういうものだと僕は思っています。

 

 中川選手は1年目2年目の頃と比べて別人のようにゴツい身体つきに進化しています。フィジカルの進化というのは本人の心がけとか努力がそのままストレートに反映されるもので、要するに中川選手にはそれだけ死物狂いで頑張ってきた成果が身体つきに見て取れるのです。

 それに、2回から4回の安定していた時がそうでしたが、フィジカルが強くなった事であまり力を入れずにリラックスしながら150キロ近い速球を投げられるようになっていますし、ブレーキのよく効いた変化球も効果的に決まるようになってきています。

 

 1軍でコンスタントに登板機会を与えられるようになるには今日のようないまいち調子の良く無い時にどうやってうまくさばいて最低限の数字を残せるようにするのかという所がカギとなってきます。

 今日の成績は見ての通り散々ではありますが、こなすべき課題のレベルが格段に高度になってきたのを感じ、楽しみになってきました。

 

 

 ロッテ先発は中村稔選手です。僕は初めて見る選手ですが、なぜこのピッチャーがファームで投げているのか、よくわかりませんでした。

 コントロールが実に素晴らしく、ストレートも変化球も意のままに操っている、まさに1軍の先発ローテに入って何年か経っている風な感じのする完成度の高い選手だと思いました。

 

 ファームのバッターは首脳陣にアピールするために積極的に振ってくる傾向がありますので、対するピッチャーは緩急とコントロールをある程度うまく使えばそれなりの結果が出るものです。

 だから中村選手のようなピッチャーの場合、いくらファームで投げてもあまり練習にならないような気がしないでもありません。

 

 今日のベイスターズのバッターの中で山下選手にはキレイにヒットを打たれていまして、彼のようなミートのうまいバッターと対戦した時に、いかに芯を外すか、タイミングをずらすか、そういった細かい作業を学んでいく事が求められるのかもしれませんね。

 

 

 

 次に野手について。

 

 

 ベイスターズのバッターでは、先程も少し触れた山下選手が4打数3安打と格の違いを見せつけました。

 

 1本目のヒットは地を這うような低い弾道のライナーでライトフェンスに直撃する当たりで、打った山下選手はあまりに良い打球だったからか打った瞬間に「おりゃー!」と雄叫びを上げるほどでありました。

 2本目3本目はいずれも3塁方向へ図ったように低いライナー性のヒットで、こちらは「おりゃー!」の雄叫びは無しで、涼しい表情で1塁に到達致しました。

 

 ベイスターズファンの多くの方は充分ご存知だと思いますが、彼の打撃センスは目をみはるものがあります。定位置を掴みそれなりの打数を与えられさえすれば宮﨑敏郎選手と比肩するような打率を残せそうな、それくらいの実力者であります。

 しかしいかんせん、ベイスターズの内野にポジションが有りません。今年は外国人選手の来日が遅れている都合でいつもより若干スキがあるような気がしたものの、そこへルーキーの牧選手が好アピールを続けて、道が塞がれてしまった感があります。

 ファームでは少しだけ外野を守った事もあってまぁまぁ器用にこなした実績もありますので、内野でも外野でもどこでもよいので、もう少し1軍でスタメンの機会を与えてあげて欲しいと願うばかりです。

 

 

 ロッテ打線については誰かを名指して言及するのではなく全体的に感じた事を書いていきたいと思うのですが、皆さん非常に選球眼が良く、打てそうなボールだけを待って、来たらコンパクトにシングルヒット狙いのバッティングをしてくるという印象を持ちました。

 パリーグの野球と言うと得てして剛速球と豪快なフルスイングのぶつかり合いのようなイメージが持たれがちですが、今日見たロッテ打線は、長距離砲タイプが居なかった影響もあるのでしょうが、軽打をしてくるな、と感じました。

 ただ、こういうタイプが1軍でどれくらい通用するのか。なかなか難しいと思いました。1軍の、とりわけパリーグのピッチャーは強いボールを投げてきますから、当てにいくだけでは詰まらされてヒットにならない、だからしっかり振らないと、という印象を持ちました。

 

 

 

 次にリリーフについて。

 

 まずなんと言ってもトミージョン手術から復活を期す田中健二朗選手が登板しました。

 

 先日の教育リーグの試合で復活登板を果たしたのをニュースで知っておりましたが、こうして目の前で投げる姿を見ると、本当に涙を禁じえませんでした。

 

 石川雄洋選手が引退を表明し、梶谷選手が巨人へ行き、筒香選手はアメリカ、残る湘南シーレックス戦士は国吉選手と彼しかおりません。

 

 入団したばかりの頃は体質が弱くして試合に投げられず、やっと投げられるようになって実力の片鱗を見せるものの1軍と2軍を行ったり来たり。

 それがようやくリリーフで花開いたかと思えば、今度はわずか数年でヒジが悲鳴を上げて再び戦線離脱。

 

 頼むから這ってでもグラウンドに帰ってきてくれ!と願い、それがようやく叶ったのです。

 

 

 故障明けの選手というのは感覚が狂ってコントロールに苦しむような事が少なく有りませんが、今日見た限りそういった問題は無く、ストレートは140キロ前後で、代名詞とも言うべきスローカーブはストレートと同じ腕の振りから110キロ未満で繰り出され、ファームのバッターではクルクル回るしか他にありません。

 ややすっぽ抜けの感じの半速球を育成ルーキーの山本大斗選手に思い切りよくライトスタンドに運ばれてしまったものの、それを除けば本当に充分な内容で、今季の早いうちの支配下復帰は充分可能だと確信致しました。

 

 僕としては、彼があまり丈夫ではないという点も踏まえて、先発に再転向してもらえないか、と思っています。

 今のベイスターズの先発ピッチャー陣は若手主体でいずれも球速のある本格派タイプで揃ってしまっている所があって、そこに田中健二朗選手のような球速よりも緩急をうまく使い、140キロのストレートを150キロ以上に見せるタイプを入れる意義は大きいと考えます。

 若い頃と違って相手バッターと落ち着いて駆け引き出来るようになりましたので、先発で選手寿命をうまく伸ばしてやれないものか、そういう事を考えました。

 

 いずれにせよ大変嬉しい登板でありました。

 

 

 もうひとり、入団3年目の勝又選手も1イニングながら非常に良い内容でありました。

 

 勝又選手も非常にガッチリした身体つきに進化し、リラックスして150キロのストレートを投げられるようになりました。

 そのリラックスがコントロールに良い影響を与えているのかどうかわかりませんが、今日投げたピッチャーの中では1番安心して見られる、三者凡退でありました。

 今日はリリーフで登板していますが、彼も中川選手と同様に先発を目指すタイプの選手だろうと思いますし、今年中の1軍デビューが既定路線なのではないでしょうか。

 

 

 

             ■

 

 

 というわけで今季最初のファーム観戦となりました。

 

 来月上旬から平塚球場でナイターの予定が組まれていますし、なるべく見に行っておきたいと考えております。

 

 

 

以上