ベイスターズの育成方針はこれで良いのか? その3
今季は嶺井選手がマスクを被る機会が昨季と比べて増加しています。昨季はトータルで11試合の出場に留まったのが、今季は既に13試合に出場していますので、もちろんスタメンで起用される機会も増えているのであります。
それで、出場試合数が増えたのですから、昨年ファームで苦労したような事柄が色々と成長の跡として見えていておかしくない筈だと思うのですが、目下のところ、皆様の感想はいかがなものでしょうか。
僕の感想としては、守備面はそれより前と比べてもあまり代わり映えがしないと思っていまして、その思いを何かの数字で裏付けられないものかと試行錯誤を重ねたのですが、元々数字に弱い僕が一朝一夕でどうにかなるものでもなく、相変わらず単なる主観の域を超えられないでいます。
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NPBのホームページに載せてあるようなオーソドックスなキャッチャーの守備成績を、ベイスターズファームのみ2012年から並べてみます。
なんかちょっと表が崩れてるとか細かいことはともかく、DeNAベイスターズになってから5年半の歩みを見て頂いているわけですが、ここ4年くらいの間、しのぎを削るメンバーの顔ぶれが固定化されているのがわかります。
黒羽根選手と西森選手と嶺井選手が常連で、4番手以降の顔ぶれからつる岡選手や亀井選手と新陳代謝しているのが見て取れます。
そしてこの常連の3選手の成績は毎年同じような数字の羅列と言っても良いでしょうか。これらは打率や防御率と違ってそもそもそんなに大きく上下動するような数値ではありませんけれども、それにしても毎年毎年代わり映えがありません。
で、こうやってどんぐりの背比べのような状況に陥っている間に、ポンと入ってきた戸柱選手に玉座を奪われてしまったわけであります。
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ターニングポイントは2015年にあったと言えましょうか。
黒羽根選手が2014年に盗塁阻止率リーグ1位の栄誉に輝き、これにてレギュラー争いが一段落ついたと思ったのも束の間、その黒羽根選手がスランプに陥ります。
黒羽根選手の最大のセールスポイントである盗塁阻止率は2015年になると一気に1割以上もダウンしてしまうわけですが、しかしその他のキャッチャー達も黒羽根選手を上回るまでには至らず。
捕手別の防御率ではこのような大惨事(防御率4.64)を招いてしまうのです。
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要するに何が言いたいのかと言えば、まだ入団して1年やそこらの戸柱選手に危機感を与えられるレベルのキャッチャーすら育てられていないではないか!という事です。
特に2014年に盗塁阻止率リーグ1位を記録した黒羽根選手にはその才能が充分にあった筈ですし、高城選手もルーキーの頃から1軍の試合に抜擢されて様々な解説者から高く評価されていながら、それから6年経っても尚、立ち位置があまり変わっていないのは、おかしいではないかと、伸び悩んでいるではないかと、そう指摘せざるを得ません。
今シーズンのベイスターズは筒香選手がいつまでも調子を取り戻せずに苦しんでいたり先発ローテに故障者が相次いでいるにも関わらず、なんとかリーグ3位をキープしているわけですが、一番恐いのはキャッチャーであります。
もしも戸柱選手が大怪我を負って中長期間に渡って戦線を離脱するような事態に陥ろうものなら、ついにダムが決壊してAクラスの死守すらもおぼつかなくなるという危機感が、僕にはあります。
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なんでもかんでもコーチのせいにしてはいけませんが、キャッチャー陣がどんぐりの背比べから抜け出せなくなった時期と現体制の年月が重なって見えるのが、僕は気になって仕方がありません。
そろそろ、テコ入れが必要と思われませんでしょうか。
特に、2013年までバッテリーコーチとして黒羽根選手や高城選手の育成に貢献した高浦さんの復帰が必要と思われますが、いかがなものでしょうか。
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まだまだ課題は山積みであります。ついては、このシリーズは引き続き書いていこうと思います。
以上