僕が選ぶ 2018年ベイスターズ五大ニュース
早いもので、もう今年も残す所数時間となりました。
40年も生きておりますと、もはや年越しなんかどうでもよく、ただカレンダーの刷新作業に取り掛かるタイミングというくらいの感慨しかありません。ソバも食いませんし紅白も見ません。見たかった孤独のグルメの特番は山梨県では放送されません。チーン。
というわけで、ストロングゼロでも飲みながら、今年のベイスターズの五大ニュースなどを考えていきたいと思います。
5位 村田修一選手を獲得せず
誰もが「どこか獲るだろう」と信じて疑わなかったBCリーグ栃木の村田修一選手がNPB復帰の願い叶わず現役引退を表明した事は、いまだに悔やまれてなりません。
特に古巣のベイスターズが手を挙げなかった事が大きかったと思います。
ベイスターズは今年約270回の代打を送っていますから、1試合平均で約2回の代打を出したことになります。
それでいて、戦力外から獲得して代打要員を務めた中川大志選手の代打率が.200、同様に戦力外から入団の田中浩康選手が代打率.188と、期待に応えたとは評し難い数字に終わっています。
であるからこそ単純に戦力として村田選手の存在が必要だったと言えると思いますし、そういう判断を出来なかったベイスターズのフロントに失望感を禁じえませんでした。
4位 予想外の戦力外通告
10月1日から始まる戦力外通告は毎年の出来事でありながら、しかし毎年のように我が身が切り捨てられるかのような辛い感情に打ちひしがれて、そしてそれはいつになっても慣れる事がありません。
そんな中で今年、また例によって10月初旬に戦力外通告を受けた選手の顔ぶれを眺めたわけですが、とりわけ意外に感じたのが、支配下の荒波選手、そして育成の網谷選手と山本武白志選手、この3名でしょうか。
そしてまた意外なこと続きで、この3名はいずれもすぐに移籍先が見つかるだろうと思っていたのが、一番可能性の高そうな荒波選手の行き先が決まらず、網谷選手は社会人野球のヤマハ野球部、そして山本武白志選手に至っては引退表明と、いつにも増して厳しい情勢となりました。
近年のNPBは一部の例外球団を除けば和製大砲の育成を半ば諦めてしまったような傾向もあって、それが網谷選手や山本武白志選手の厳しい状況に繋がったというのが僕の見立てで、荒波選手について言えば、足の故障が懸念されたという感じでしょうか。
いずれにせよ、本当に無念という他ありません。
3位 京山選手、チーム先発陣で2位となる6勝をマーク
今永選手や濱口選手や東選手のように入団初年度から先発ローテで二桁前後勝つピッチャーもありがたいものですが、ただ、「自前で育てた!」と素直に喜んで良いものか、複雑な気持ちがありました。
それはあたかも、完成した状態で納品されたタミヤのラジコンを手に「俺が組み立てたんだぜ!」とドヤ顔するかのような、いまいち座り心地の悪さみたいなものが僕にはあったのです。
ですから、入団二年目で、正真正銘の「自前で育てた!」と胸を張れる存在たる京山選手が開幕から無傷の3連勝を達成した時には、いよいよこの時が来たんだと、本当に嬉しく思ったのです。
それで4勝目を賭けて臨んだ横浜スタジアムのデーゲームで、よりによって負け慣れている事で知られる僕がスタンドで見守っていたがためにボッコボコに打たれて初敗北を喫した時には、これはひとえに僕のせいに違いないとの横浜地裁の判断に基づき山梨への流刑を言い渡されたのも、致し方のない事でありました(※)。
※ 京山選手は僕が見に行ったファームの開幕戦でもボッコボコに打たれている
来季入団2年目を迎える阪口選手もラミレス監督の覚えもめでたく来季の1軍入りは確実とも言える情勢のようですし、いよいよ先発ピッチャーも自前で育てちゃうベイスターズの時代がやってきたなぁと、感慨深く感じている所です。
2位 V逸
常識的なベイスターズファン諸兄ならば「CSに出られなかった」くらいの強度で書くべき案件だろうと思いますが、そうは言っても昨年の11月に日本シリーズで2勝して3勝目もあと僅かという所まで上り詰めた我らがベイスターズですから、いまさらCS云々なんていう低い目標でグラついてはなりません。「V逸」という二文字で語られるべき時、それが今なのです。
昨年はおおむね安定していた先発投手陣が揃って大不振に陥ったりロペス選手が故障で離脱する時期が長かったりと計算外の出来事があったのも確かですが、ただまぁ、4位に終わった原因の大部分はラミレス監督のご乱心だっただろうと、最終的な3位とのゲーム差を見て、改めてそう思いました。
シーズンが終わるのと同時に監督とコーチ陣の間で不協和音があった等と大々的に報じられて監督自ら謝罪したり協調路線が表明されたり、そして不協和音を解消するのにもってこいな感じのする三浦大輔さんのコーチ就任の報があったりして、同じ過ちを繰り返す事はどうやら無さそうだぞという感じもありますので、来季こそはリーグ優勝から堂々と日本一を勝ち取って欲しいものだと、僕は頭を切り替えております。
1位 高城選手の放出
僕が今年最も衝撃を受けた事態は、CSに出られなかった事でもなければBCリーグ静岡の設立がボツになった事でもなく、彼こそが将来のベイスターズを背負って立つ男だと密かに思っていた高城選手をオリックスに放出された件、なのであります。
特に高城選手を贔屓にしていたわけでは無いのです。ただ、「扇の要」たるキャッチャーという重要ポジションを高卒1年目から1軍で務めてきてそれなりの経験を積んできましたし、守備力も申し分ありませんし、明るいキャラクターがまさにベイスターズの明るい未来を予感させるから、だから高城選手こそがベイスターズのど真ん中で、背負って立つのだと、そのように密かに考えてきたのです。
今回のトレードでキャッチャー陣の年齢バランスがかなり偏ってしまったのも気掛かりです。
この前のドラフトで指名した高卒ルーキー1名を含めて現時点で総勢6名しかおらず、そのうち4名が30歳前後(西森、戸柱、伊藤、嶺井)で、残る2名が20歳前後と、極端過ぎやしないでしょうか。もしも高城選手を残していたらこの中間にうまい具合にはまってバランスが保たれていましたし、リーグ最少の6名体制というのも不安でなりません。
出された高城選手は結局オリックスの1軍では1試合も出場する事ができませんでしたから、オリックスがどうしても彼を欲しかったという印象は持てません。だからなおのこと、不満が募るのです。
過ぎたことをグチグチ言うなと言われればそれまでですが、シーズンを終えた今尚、僕には解せないトレードだったと申し上げたいと思います。
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4位に終わった今シーズンで一つ収穫があったとするならば、ファンの間で「CSに出られなくて悔しい」という気持ちが共有されつつある、という所でしょうか。
ほんの数年前までのベイスターズファンの間では「最下位でも楽しければ良いじゃん」のような事を言う人が結構多くいらっしゃって僕はそれが非常に不満に感じていたのですが、この3年間の間でファンが勝つ喜びを学び、負ける悔しさを学んだという事が証明されたのが今シーズンだったと言えるのではないでしょうか。
いくらチームが頑張ってもファンが緩いとチームは強くならないんだと、僕は川崎から千葉に出ていった某球団を見て実感をしております。
ですから来季以降は、程よい厳しさを胸に、ベイスターズの躍進を支えていこうではありませんかという事で、締めくくりたいと思います。
今年も一年ご愛顧いただきありがとうございました。
来年も宜しくお願い申し上げます!
以上