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毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2017年10月1日 千葉ロッテvs横浜DeNA (横須賀) の感想

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 まずはベイスターズの2年連続クライマックスシリーズ進出おめでとうございます。ありがとうございます。

 

 僕は今日の横須賀スタジアムで試合と終了後のセレモニーを見た後、ただちに帰宅して自宅のテレビで1軍の試合を観戦したのですが、まだまだ試合の中盤から終盤にかけての場面でしたので、じっくりと見ることが出来ました。

 これもひとえに、ベイスターズOBの佐藤祥万さんのご尽力の賜物ではないかと、深く感謝しております。

 

 さて、本日の横須賀スタジアムで行われたイースタンリーグ終戦ですが、試合開始前に急遽、下園選手のサイン会が行われました。

 

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 既にご存知の方も多いと思いますが、数日前に複数のスポーツ紙でベイスターズの5選手が来季の構想外であるとの報道がありました。そのうちの1人がこの下園選手だったわけですが、それと関係するのかどうかはともかく、本当に急遽、1時間ほどサイン会をする事になったそうです。

 僕は球場につくまでそれを知らなかったので、球場前に何やら人だかりがあるなと気付いて近づいてみて、それでようやく知った次第でした。

 

 先述した5名のうち4名は今日の試合にも出場しておりますので、このブログエントリーの中でそれぞれに触れていきたいと思います。

 

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 今日の先発ピッチャーはベイスターズが高卒ルーキーの京山選手、ロッテもルーキーで左腕の土肥選手です。

 

 まずはベイスターズの京山選手ですが、8回を投げて被安打3の1失点で勝ち投手になりました。

 今日の立ち上がりは3回2アウトまで一人のランナーも許さないパーフェクトピッチング。そこから突然コントロールを乱して2者連続でストレートのフォアボールで初めてのランナーを出すものの、その後を締め、最後のイニングとなった8回も144キロを連発して、まだまだ余力がある様子を見せつけてくれました。

 球速は144キロが最速だったと思いますが、それに120キロ前後のチェンジアップとスライダーらしき変化球をうまく混ぜていきました。速いボールを投げる時も遅いボールを投げる時もフォームに違いがないせいか、バッターがタイミングを取るのに苦労している風にも見えました。

 これからまた宮崎のフェニックスリーグに行くだろうと思いますけれども、高卒1年目としては申し分のない、非常に良いシーズンを終えることが出来ました。もう少しストレートのスピードがあったほうが良いとは思いますが、このままシーズンオフでしっかりトレーニングと正しい生活を送れば、来春のキャンプは一軍スタートも充分狙えますし、先発ローテ入りも見込めると思います。

 

 京山選手と綾部選手の若い右投げの2人の先発ピッチャーを、皆さんにもよく覚えておいてもらいたいですね。

 

 

 ロッテの土肥選手は3回2アウトまで投げて4失点で敗戦投手となりました。球速はあまり覚えていませんが、飛雄馬選手や狩野選手や網谷選手といった右バッターに徹底的に打ち込まれ、逃げ腰気味なフォアボールもありました。引っ張られてレフト方向にライナー性の強い打球を打たれる事がしばしばで、球速といい高さといい、今日は全て打ち頃の所に集まってしまったのかもしれません。

 まだルーキーですし、1軍でもそこそこ投げているようですので、疲れが溜まっているのかもしれませんね。

 

 

 次に打線について。

 

 1番サードでスタメン出場の飛雄馬選手が1打席目2打席目と連続してレフト方向に強烈なライナー性のヒットを打ちました。ラミレス監督仕込みの初球から積極的に振っていくスタイルで、相手ピッチャーの出鼻をくじきました。

 守備の方でも久しぶりに大きな声を出しているのが聞こえてきましたし、少し飛雄馬選手らしさが戻ってきたかな?と感じました。

 

 今日はスタメンでマスクを被った網谷選手が第一打席でレフトフェンス付近までライナーで届くタイムリー2ベースを打ちました。

 網谷選手は今年の夏から本格的にキャッチャーとして活動し始めましたが、それがバッティングにも好影響を与えているようで、ここ最近は見に行く度に最低1本は強い打球のヒットを打っています。それより前と比べると別人のようで、そしてスイングにも迷いが見られなくなりました。

 守備で一軍レベルに追いつくにはまだまだ時間が要るでしょうが、バッティングに関しては、この調子を維持しさえすれば、来年のシーズン中に支配下登録してもらえても不思議ではありません。

 このままキャッチャーを続けるのか、それとも佐野選手と枠を争うようになるのかわかりませんが、ここにきてようやく彼の持ち味が発揮されるようになったのは喜ばしいことだと思います。

 

  先述した構想外とされる5名のうち、野手の山崎憲晴選手と下園選手が途中出場しました。

 

 山崎選手は確かグラウンド整備後の6回の守備からショートに入り、打席は1打数ノーヒットでした。昨年の大怪我で体重を少し落としたそうで、ややパワーの面で心許なさがあった山崎選手ですが、ショートの守備をソツなくこなしました。

 

 下園選手は7回に松本選手の代打で登場して、非常に高く上がったセカンドフライに終わりました。そのまま守備に就くこともなく、ベンチに戻る際にはヘルメットを取って1塁側3塁側それぞれに挨拶をされました。

 こういう終わり方ですから、僕は「ああ、現役続行を諦めたのだな」と感じてしまいました。

 

 

 ロッテ打線は一つ朗報があって、昨日の試合で外野フェンスに直撃して担架で運び出された脇本選手が今日もスタメンで出場し、怪我をしていない事をアピールしてくれました。

 昨日のあの場面を見たときは「怪我が大きくなければ良いが」と、怪我をしているのはやむを得ないという気持ちにもなりましたが、予想が外れてくれて良かったです。バットでは結果を残せませんでしたが、ご無事で何よりです。

 

 

 次にリリーフについて。

 

 京山選手が8回までで、9回は1人づつ、高崎選手、大原選手、そして加賀選手の継投です。林選手は最後のセレモニーに参加していましたが、登板はしませんでした。

 近年のベイスターズは構想外選手のお別れ出場をやらない事が続いたのですが、今年はそれより前の伝統であるお別れ出場を行ってくれました。二宮監督に感謝申し上げます。

 

 まずは高崎選手。横須賀スタジアムブルペン部屋から外に出る扉の前には、野手も含めたベンチ入りのほぼ全ての選手が整列して出迎え、扉から出てきた高崎選手は一旦立ち止まって深呼吸すると、いつもの、いや、いつも以上の全力疾走でマウンドに上がり、ともすると投げやりにも思えるような大雑把な投球練習で130キロ台中盤のストレートを続けて放りました。

 そしていざ本番、対戦するバッターは昨年ソフトバンクを戦力外になってロッテにやってきた猪本選手ですが、初球をフルスイングすると、高く上がったファーストファウルフライでアウト。最後の登板が、たった1球で終わりになってしまいました。

 そして二宮監督が球審に選手交代を告げると球場中からスタンディングオベーションが起こり、感極まった高崎選手を、側に居た石川選手が肩を抱くようにして慰め、マウンドにやってきた大原選手にボールを渡して去っていきました。

 

 そして大原選手。大原選手がマウンドに上がるまでには、普通のリリーフの時と比べて少し時間が多くかかりました。その理由はよくわかりませんが、やがてグラウンドに姿を表した大原選手は高崎選手とは対象的に、いつも通り冷静にマウンドに上がり、いつも通り淡々と投球練習をし、そしてバッターに向き合いました。

 対戦するバッターは若き大砲候補の香月選手。大原選手が投じた第一球をスイングすると、やや力ないライナーがファースト正面に飛び、なんと大原選手までもがたった1球で最後のピッチングを終えることとなりました。

 そして再び二宮監督がグラウンドに出て球審に選手交代を告げると、またしても球場中がスタンディングオベーションです。大原選手は、あまりいつもと変わらない表情で場内の観客に挨拶をし、ベンチへと戻っていきました。

 

 最後は加賀選手。この並びでマウンドに上がったものですから、球場中から「なんで加賀さんも???」と悲鳴にも似た声が飛び交いましたが、ブルペン部屋の前でお見送りする選手の数が前2人と比べて極端に少ないのを見て僕は、「ああ良かった。今日が最後ではないな」と安心いたしました。

 そして、あまりに安心し過ぎたせいでどういう状況だったかよく思い出せませんが、とりあえず1人で抑えてゲームセットとなりました。

 

 

 ロッテのリリーフは3回途中から島選手、黒沢選手、大嶺兄選手、東條選手、益田選手、そして高野選手と大勢の継投になりました。

 

 その中でまず触れたいのが、ランナーを2人置いた場面で登板した高卒ルーキーの島選手。投球練習の時点から荒っぽい不穏な雰囲気でございまして、まず第一球が狩野選手の頭上を通過するワイルドピッチでランナーが1人生還し、続くボールがキャッチャー寺島選手の股間を通過するパスボールでもう1人も生還でランナー無しとすると、今度は狩野選手の背中にズドンと当ててデッドボールでランナー1塁とし、初球を盗塁されてランナー2塁で、再びワイルドピッチで2塁ランナーの狩野選手がそのまま生還してしまう、という内容でした。

 高卒ルーキーでコントロールにかなり苦労しているというのもありましたし、バッテリーを組む寺島選手も、せめて身体で前に止めてあげないとピッチャーが可哀想というボールもありましたし、いずれにせよファームの試合でたまにある、誰もバットを振っていないのに点がサクサク入る状況になりました。

 まだまだ高卒1年目の未成年ですから、これに懲りずに頑張っていただきたいと思います。

 

 もう1人は、何事もないかのようにさらっと混じって出てきた益田選手です。球場では益田選手の名前がコールされても特にこれといった反応は見られなかったのですが、かつては1軍でシーズン33セーブをマークしたこともあるビッグネームです。

 今日は球速が140キロ台中盤で本来の調子と比べるといくぶん抑えめだったとは思いますが、さすが歴戦の猛者だけあってコントロールは抜群に良く、ヒットを1本許したものの、トータル11球の打たせて取るピッチングで片付けました。

 やはり毎年のように投げまくっていますから少し疲れもあるのでしょうが、ファームで調子を整えて、来年はまた1軍の主戦級として活躍してくれるのではないでしょうか。

 

 

               ■

 

 今日の試合を見ながら、しみじみと「暗黒時代は終わったんだな」と思いました。

 

 今日を最後にチームを去るであろう高崎選手や大原選手や下園選手や山崎憲晴選手といった暗黒時代を支えてきた面々にも、歓喜に湧く1軍のあのメンバーの輪に入れて上げたかったなぁと、悔しい思いが湧き上がって、たまりませんでした。

 

 今日の1軍のベンチ入りメンバーを見渡してみても、暗黒時代にレギュラーを張っていた選手が誰ひとりとして居ないのがわかると思います。

 この、今のメンバーが2年連続クライマックスシリーズ進出の立役者に違いないのですけれども、では、この4名の去っていく選手たちに力が足りなかったのかと言えば、そうでは無かったのだと、僕は声を大にして言いたいと思うのです。

 

 あの4名の選手たちが今、どのような気持ちで過ごしているのかわかりませんが、涙を流してマウンドを降りていった高崎選手の姿を見ていると、さぞや無念だったに違いないと、僕は感じました。

 

 高崎選手のルーキーの時のことはよく覚えています。開幕からファームのエース格となってイースタン最多勝を取り、イースタンの優勝争いの原動力になりました。ファームのシーズンが終わる頃までなかなか一軍に上げてもらえずヤキモキしましたが、1軍のシーズン終盤にやっと上げてもらうと、すぐに結果を残しました。

 その後はチーム事情で先発をやったりリリーフをやったり馬車馬のように一生懸命働いてくれたのですが、いざ1軍がクライマックスシリーズ争いを出来る状態になった時には、長年の疲労がたたって、かつてのようなボールを投げられなくなっていました。

 

 大原選手もそうです。ルーキーの年から70試合以上も投げさせられました。チームは毎年のように90敗するようなチーム状態で、果たしてそこまで酷使する必要があったのかどうか疑問符のつく起用法でしたけれども、そういった事も影響してか、まだ7年目の32歳にして、クライマックスシリーズ進出に湧く1軍とは別の道を歩まざるを得なくなりました。

 

 山崎憲晴選手も、下園選手もそうです。暗黒時代に常にグラウンド上で厳しい野次や批判や誹謗中傷の矢面に立たされ続けてきました。

 

 無念としか言いようがありません。

 

 彼らが積み重ねてきた苦労があってはじめて今日のベイスターズがあるというのに、どうしてこういう最後を迎えなければならないのだと、そんな事を今日一日考え続けてきました。

 

 せめて、全てのベイスターズファンの皆様方に彼らの無念を知って欲しいし、そしてこれからクライマックスシリーズに向かう選手たちに、彼らの分まで死ぬ気で戦い、絶対に勝てと、僕は言いたいと思います。

 

 今日という日を、僕は絶対に忘れません。

 

 

 

千葉ロッテ1-5横浜DeNA

勝:京山

敗:土肥

観客数:2200人くらい

 

 

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以上