ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

和製大砲は一日にしてならず

 

 高卒ルーキーの細川選手が1軍デビューの第1打席から特大ホームランを放ち、続く2試合目でもライトへ2号ホームランという離れ業をやってくれました。

 1本目はテレビで、2本目は出先でabemaTVを通して見ていましたが、本当にビックリしましたし、ますます将来を楽しみに感じました。

 

 で、この偉業を受けてベイスターズファンの中からは早くも「クライマックスシリーズに代打要員で帯同を!」との声が増えてきているようですが、僕の意見としてはNOであるという事を申し上げておきたいと思います。

 

 というのも、細川選手のような若くて経験の少ない選手に、目先の結果が必要とされる代打の1打席勝負をさせる事で、バッティングフォームを壊しかねないと危惧しているからです。

 

 バッターもピッチャーもフォームというのは非常に重要であり、繊細なものであります。

 

 オールスターゲームホームラン競争に出たバッターがそこでフォームを崩してシーズン後半に大不振に陥ったり、WBCに出たバッターがWBC仕様にフォームを改造して、あとでNPBの公式戦で大不振に陥るというのはザラにある事ですから、それを高卒ルーキーの細川選手に課すのは、とても危険であると、僕は言いたいのです。

 

 代打の切り札として結果を出せる選手にベテランが多いのも、このへんの捉え方ではないだろうかと僕は考えています。

 スタメンで4打席立つのと違い、代打はその場で結果を出す事が求められます。そしてその都度「バットを短く持とう」とか「テークバックを小さくしよう」とか修正しようとしてしまうのが比較的若い選手の傾向であるのに対し、ベテランは泰然自若として自分のフォームで勝負が出来るから、調子が安定しやすいのではないかと、そう考えているのです。

 

 なにせ代打要員は生きた球を打つ機会が1試合に1回あるかないかですから、その1打席でフォームを狂わせたら、修正する機会を次の試合まで待たなければなりません。だからやはり、高卒ルーキーの細川選手に代打要員をやらせるのは、僕は反対なのであります。

 

 

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 今シーズン細川選手をずっと見てきましたが、春から秋まで一貫していたのは、フルスイングを続けることでした。

 

 プロのボールに面食らってスイングが中途半端になってしまうのはルーキーによくある事で、2年目3年目になっても相変わらずフルスイングを貫けない選手も少なくありません。

 2年目の青柳選手や網谷選手も今シーズンの中で迷いが生じて中途半端なバッティングをしてしまう場面が往々にして見られたのですが、細川選手にはそれが一切ありませんでした。

 

 細川選手がファーム公式戦で180三振という大記録を打ち立てたのも、思えばそのへんの理由に依るものだと思いますが、ベイスターズの首脳陣がブレずにその方針を支持し続けたのは、本当に素晴らしい事だと思います。

 

 

 他球団を対比に出して申し訳ありませんが、巨人が長年に渡って和製大砲を育てられないのも、そのあたりの首脳陣の胆力の違いが出ているように思われてなりません。

 

 巨人にも岡本和真選手や和田恋選手といった素晴らしい素質を持った和製大砲候補がいるものの、彼らは中途半端な起用をされたり、中途半端なチームバッティングをさせられたりして、一番の魅力である長打力を伸ばす機会に恵まれていないようです。

 

 巨人から日本ハムに移った大田泰示選手が早速結果を残せるようになったのも、そのあたりの要因があるように思います。

 日本ハムも近年は和製大砲候補の伸び悩み傾向がありましたが、今年は横尾選手がシーズン途中に昇格してから7本のホームランを放ち、ブレイクしかかっています。横尾選手も昨年は多少中途半端な所がありましたが、今年は春から一貫して振れるようになり、結果が伴うようになりました。

 

 やはり、和製大砲候補はとにかくバットを強く振り抜ける事が重要で、目先の結果が出ずとも、ブレずに続けるチーム方針が必要なのではないでしょうか。

 

 

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 細川選手は早速結果を出して、今年のクライマックスシリーズに帯同するのかどうかわかりませんが、秋のフェニックスリーグから来春のキャンプ・オープン戦、そして来シーズンへと高い期待を背負い続ける事になるだろうと思います。

 ファンとしては、目先の結果でいちいち一喜一憂せず、数ヶ月結果が出なくても狼狽えたりせずに、放出論など唱えたりせず、落ち着いてじっくりと見守れるように、心の準備をしていただきたいと思います。

 

 筒香選手もかつてはなかなか結果を出せず、「ドラフト同期の菊池雄星選手のほうが良かった」とか「トレードに出せ」と無責任に言い放つ人が非常にたくさん見受けられたわけですけれども、今ではこうしてベイスターズが世界に誇る大選手に育ってくれたわけです。

 

 ですから、どうかファンの皆さん、細川選手にも落ち着いて暖かく見守って頂けますよう、宜しくお願い申し上げたいと思います。

 

 

以上