ベイスターズの育成方針はこれで良いのか? その2
前回のブログエントリーに続きまして、ベイスターズファームの育成のあり方について、前回とは違う点で疑問を呈していきたいと思います。
前回は主に2軍選手の出場試合数に疑問を呈したわけですが、今回は監督やコーチ等の指導者について疑問を呈したいと思います。
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いきなり表を2つ出しました。これは昨シーズンのセパ両リーグ(1軍)でAクラス入りした6球団の2軍首脳陣の顔ぶれ、年齢、NPBの指導年数を列挙したものです。
年数については全てNPBの指導者としてコーチや監督を務めた年数を指します。この中には韓国台湾中国のプロチームを指導されていた方や、独立リーグやアマ球界の指導をされていた方もおられますが、それらの年数は全てノーカウントです。トレーニングコーチも除外しております。
この中でざっと見渡してみてベイスターズの中で違和感を覚えるのが、打撃コーチの2名が3年目と2年目で、いずれもキャリアが浅く、これといった代表作が見当たらない人達である、という事です。
実績のある、名伯楽との誉れ高いコーチにはだいだい代表作と言われる選手がおりまして、例えば巨人の田代コーチだと首位打者を取った金城龍彦さんや本塁打王と打点王を取った村田修一選手等がそうですし、ロッテの大村巌コーチだと糸井嘉男さんを育てたとして知られています。
ですから、もし打撃コーチを2名も配置するのであれば、せめてそのうち1名を、ある程度実績のある人にして欲しかったと僕は思うのです。
残念ながらコーチとして芽が出ない人も中にはおります。これがもし2名のコーチのどちらとも芽が出ないタイプのコーチだったとするならば、そのコーチが在籍していた期間、チームでは選手育成の機能不全を起こし、ある種の空白期間をもたらすこととなります。
プロ野球界には「球界きっての理論派」というキャッチフレーズのついた人物が結構おりますけれども、ではそういった人達が必ずしも指導者として成功するかと言えば、そうではありません。蓋を開けてみるまでわからないのは、選手もコーチも一緒だと思います。
ですから、コーチ人事には慎重に慎重を期してもらいたいものだと、申し上げたいと思います。
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打撃コーチが2名ともキャリアが浅いという文句をつけました。でも、もしもそれで結果が伴うのなら結果オーライで、とりあえず良しとする意見もあるかもしれません。
ですから、結果が伴っているのか、数字を見てみたいと思います。
ベイスターズファームのチーム打撃成績をDeNA初年度の2012年から並べてみました。今年の数字については6月3日(土)終了時点までとなっています。
こうしてみると、打率については2014年2015年に良化したものの、2016年から一気にリーグ最下位になってしまったのがわかります。
本塁打については2015年からリーグ6位を3年続けていますが、この場合に注意しなければならないのは、2012年から2014年にかけてのベイスターズファームには筒香選手や中村紀洋選手や多村選手といったホームランバッターが複数いて、2012年と2013年には更にラミレスさん(現監督)までいたという特殊事情を考慮しなくてはなりません。
ですから、総合的に見ると、ベイスターズファームの打者の育成については、あんまり芳しい成果は出ていないのではないか?と判断する事ができると思います。
また、先程触れたキャリアの浅い打撃コーチ2名体制になった2016年以降のチーム打率の低さは目を覆わんばかりである、と付け加えなければなりません。
厳しい言い方になりますが、このままでは短中期的にベイスターズは貧打のチームに陥りかねないと、大変な危惧をしております。
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今回も一旦ここまでにして、続きはまた折を見て書きたいと思います。
続く