三軍ブームがやってきた
オリックスと中日が近いうちに三軍制を敷こうとしているのではないかと言われております。
オリックスが育成大量指名へ 3軍制導入への布石 - 野球 : 日刊スポーツ
いずれも確定していない情報ですが、もし実現するのであれば僕としては非常に良いことであると考えています。
現在はソフトバンクと巨人が三軍制を敷いておりますから、これが2つ増えて4球団になれば、その4球団で新たにリーグを創設する事も可能になるでしょう。
リーグというのはあくまで僕の私案に過ぎませんが、毎年春季キャンプと秋季教育リーグを行っている宮崎県に4球団共同の宿泊所を設けて、そこで寝泊まりしながら毎日毎日練習と試合に明け暮れることも出来るのではないでしょうか。
三軍を独立採算制で利益が出るようにするのは現状では非常に厳しいと言わざるを得ませんから、したがって合理化、コストをいかに絞るかが重要です。あまりに出費がかさむようだと事業の継続性が危ういものになるからです。「親会社の経営不振で支援が薄くなってきたから三軍止めます」みたいな事にならないような制度設計にしなければなりません。
■
あとは、このリーグについては国際化をするべきではないかとも考えています。
既に春のオープン戦と秋の教育リーグで韓国のプロ野球チームが加わるようになりましたが、さらに台湾のプロ野球チームにも加わってもらって、トータルで6球団とか8球団に増やしても良いのではと思います。
我が国も韓国も超のつく少子高齢化で国内の経済規模は縮小する一方ですから、自分たちの国の中だけを商売相手とする考えのままでは、今後ますます厳しくなっていきます。
ですから、まずは3軍リーグを共同で運営する所からスタートして、ゆくゆくは成長著しい東南アジア各国に野球の和を広げていくような方向性が必要なのではないでしょうか。
■
指導者の育成も問題になるでしょう。
僕は思うに、プロ野球のコーチや指導者という職業の有り様は、あまりにアバウト過ぎるのではないでしょうか。
例えばトレーニングの基礎知識を学ぶとか、スポーツ心理学を学ぶとか、野球そのものの技術論の構築とか、そういった、指導者として本来持っているべき基礎的素養を顧みられることがあまりに少なすぎると思います。
同じ指導者と呼ばれるような職業だと、学校の先生になるためには大学で学んで免許を取り、さらに最近は何年かに一度講習を受けたり試験を受けたりするようになりました。学校の先生といっても色々ありますが、小学校、中学校、高校と上のレベルになるに連れて教える科目の専門性が高まっていくのが通常です。
ですが、日本プロ野球の場合はコーチになるのに何の研修も試験も受ける必要がなく、専門性も結構いい加減です。守備走塁コーチだった人が次の年に打撃コーチに配置換えになる、みたいな事もザラにあります。
そしてそういったいい加減な制度設計の弊害として、未だに体罰の問題が露呈したり、選手にとってとても重要である投球や打撃フォームをコーチ毎にコロコロ替えさせられて怪我をしたり調子を崩したりといったトラブルも出ています。
そういった日本プロ野球における指導者の問題についても、これを機に根本から見直しを図るべきです。
なぜなら、三軍制を敷いて選手の育成にますます注力するのであれば、当然避けては通れない道だからです。やみくもに指導者の人数を増やすのではなく、三軍コーチという肩書を持って選手の指導に当たる傍らで、コーチ自身も体系立てて勉強していくようにするべきだ、という事です。
■
近年は何かにつけて「補強」が叫ばれるようになりました。どのチームも毎年大勢の外国人選手を獲得してきては、若い選手の出場機会を奪い、それがうまくいかずにさらに「補強」を必要とする悪循環に陥っています。
とても安直で由々しき事態だと思っています。
外国人選手を全く不要だとは僕も思いません。むしろ外国人選手枠など撤廃してしまえとすら考えています。しかし、それはそれとして、もう少し自分たちのチームにいる若い選手を信用してはどうでしょうか。もう少しまともに育成の技術向上を目指すべきではないでしょうか。
外国人選手を何人も連れてくるお金があるなら、コーチに大学に通わせて勉強させるとか、練習場の設備を整えるとか、怪我をしないようにトレーナーを増員するとか、もっと効果的なお金の使い方が他にあるのではないだろうかと、僕はかねてから考えてきました。
ですから、この三軍ブームともいうべき機運はとても喜ばしく思いますし、単なる人数増やしに留まらない、中身の向上についてもしっかり煮詰めて欲しいと期待している所です。
我らがベイスターズもぜひ追随してもらいたいものですね。
以上