ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ベイスターズはコーチにお金を遣うべきだ

 

 この記事を読んで、イラッとしてしまいました。

 

number.bunshun.jp

 池田社長はソフトバンクとの差に触れておられますが、そもそもソフトバンクとはあまりに格が違いすぎて、比較の対象にするのも馬鹿らしく思えるほどです。

 だいたい、年俸総額がソフトバンクの半分程度の日本ハムと3試合して1つも勝てなかったベイスターズなのですから、ソフトバンクの高額年俸を羨んだり、暗にサラリーキャップ制を希望する一文を織り込んだりする以前の状態ではないでしょうか。

 

 もしもこの池田社長の言い分を取り込んでリーグ運営をしたならば、恐らく弱いチームに足を引っ張られる格好で日本プロ野球の競技レベル向上が足踏みするか、もしくは退化する恐れもあるのではないでしょうか。

 それこそ、政治力を武器として政府に過保護を求め、それによって産業の合理化を阻み、結果として取り返しの付かない所まで退化してしまった日本の農業のようになってしまうでしょう。

 

 だから僕はこの池田社長の独り言なるものを読んでイラッとしましたし、「こりゃダメだ」と、脳内にいかりや長介が憑依したかのような気分に陥ってしまったのです。

 

 そもそも池田社長は、選手というのは放っておいても勝手に育つとでも思っているのでしょうか?

 

 交流戦を戦うなかで印象的だったのは、13勝4敗1分と圧倒的な成績で連覇を果たした福岡ソフトバンクホークスとの対戦です。ベイスターズは敵地で3連敗。敵ながら、年俸が億単位の選手がずらりと並ぶ打線には、すごさを感じました。

 年俸が1億円を優に超えるには、ホップ・ステップ・ジャンプと3年連続で活躍を続けることが大まかな目安となります。ベイスターズの日本人1億円プレーヤー(推定)は、筒香嘉智と三浦大輔の2人だけです。

 

 

 ソフトバンクは他所からカネで買い集めたり勝手に育った選手ばかりで「年俸が億単位の選手がずらりと並ぶ打線」になったわけではありません。

 

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 交流戦初戦、ソフトバンクはスタメン10人中8人が生え抜き選手であるのに対し、ベイスターズは生え抜き選手が6人しかおりません。きちんとドラフトで取った選手を育ててメンバーを組んでいるソフトバンクを、ベイスターズに批判する筋合いなどあるでしょうか。

 

 ちゃんと選手を育てもしない、ベテランも大切にしない、中間層もいない若手だらけのスカスカのメンバー構成だから総年俸が安く、そして勝負弱いと言えるのではないでしょうか。

 

 こういうチームの社長が言う

「勝てば官軍だから、多くの人が幸せになるルールを。」

 って、一体何なのでしょうか。みんなで弱くなって拮抗すれば良いとでも言うのでしょうか。そんなものはまっぴらごめんだと、野球ファンの一人として断固反対したいと思います。

 

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 ベイスターズは選手の育成を軽んじてきたと思います。

 

 まず何より、ほとんどの選手はコーチの助けがないと成長できないという現実を無視し、毎年のようにコーチの顔触れを入れ替え、腕の良いコーチを失い、将来良いコーチになれそうなベテランをポイ捨てしてきました。

 だからこそ、本来であればコーチから何年もかかって継続性のある指導を受け続けて、それでようやくモノになるような、ソフトバンクの中心にいるような生え抜き選手が育たないのだと僕は考えています。

 

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 大雑把ですがソフトバンクベイスターズの一軍コーチの年俸を一覧にしてみました。ソースは「2016年プロ野球選手名鑑 - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)」です。

 

 この表によればベイスターズの一軍コーチでソフトバンクの平均を上回っているのは進藤ヘッドと光山コーチの2人しかおりません。数百万円の違いを「些細な違い」ととるか、それとも同じ役職でも数十%も給料が違うととるか人それぞれでですが、ソフトバンクがコーチにお金をかけているのは見ての通りです。

 まして、ソフトバンクはこれに三軍まであって、コンディショニングコーチにまで千万単位の年俸をそれぞれ払っているのですから、相当な違いであります。

 

 選手の総年俸が大きく違うのは、長年常勝チームだったソフトバンクと長年最下位が定位置のベイスターズとで差がでるのは致し方ありませんが、コーチに費やすお金までここまで差があるとなると、果たして本当に強くするつもりがあるのかと、池田社長の本気を疑ってみたくなるのも人情ではないでしょうか。

 

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 今日はカープに負けました。カープといえば予算の少ないチームの代名詞のような存在ですが、最近は意外とそうでもなく、また、コーチも外様も生え抜きも関係なく優秀な人をどんどん呼び寄せて生え抜き選手の育成にとことんこだわり、その成果がハッキリ目に見えるようになりました。

 巨人も三軍を作って育成に本気で取り組み始めましたし、阪神も掛布さんを二軍監督に据えて注目度を高め、選手への意識向上に勤め始めています。

 

 そうした中で、ベイスターズの育成に関する取り組みはいささか立ち遅れ気味であると指摘せざるを得ません。その原因の一端が池田社長の意識にもあるのではないかと、先述したコラム記事から読み取りました。

 

 ベイスターズが本気で先々に強いチームを作っていくつもりがあるならば、来季のコーチ人事から徹底してこだわりぬいて、育成力の向上に努めて欲しいものであると僕は願ってやみません。

 

 

以上