ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ドラフトの入団拒否くらいでガタガタ騒ぎ過ぎ問題

 

 今日お昼頃のヤフージャパンのトップニュースにこの記事が取り上げられていました。

 

thepage.jp

 プロ野球界の一大イベントであるドラフト会議で指名された選手が入団を拒否するケースは、そんなに珍しいものではありません。

 去年も育成指名の選手が故障を理由に入団を拒否して今年改めて指名されたケースがありますし、巨人にいる長野選手や菅野選手が日本ハムへの入団を拒否したケースも記憶に新しい事だと思います。

 

 ですから、こんな毎年のように起きるありふれた出来事を、わざわざ取り上げること自体が、ネットニュースのページビューが欲しいあまりに針小棒大に論っている、炎上ビジネスみたいなものだと、バカバカしく感じております。

 

 こんなものは本来なら、知識のない人に向けた、状況を解説する目的で小さく載せるレベルの些末なニュース価値しかないものです。

 

 

 しかしその一方で、世の中のニュースへの捉え方として、ある程度の知見を有しているから冷静に受け止められる人と、あまりこれといった知見を持たずに何事も浅く捉えて、テレビ新聞ネットニュースが騒ぐのについつい過剰反応を示してしまうような、悪い意味でミーハーな人達というのも一定程度おりまして、ですから、世の中の反応については注意して事態を見守らなければならない、と言う風にも受け止めております。

 

 

 なぜなら、元々大した興味も知識もない人に中途半端に首を突っ込まれて豊洲の例の件みたいにされては困るからです。ミーハーな人達を集めるだけ集めて、後処理で無駄な苦労をするハメになりたくないのであります。

 

 ですから、ドラフトで指名されたからと言って、入団を断ることは全く珍しくないし、悪いことでもないと、改めて周知を図る必要があるでしょう。

 

 

 もしもですよ、貴方が何の前触れもなく、とりわけ忌み嫌っている某球団から育成ドラフト9位くらいで指名されて、年俸240万支度金50万で入団しろとか言われたら、どう思われますか?僕だったら断りますよ。収入が減って、さらに今の仕事を失ってまで、どうして入団しなければならないのか?という、基本的人権の根本部分に関わる話であります。

 

 ですから僕は、この程度の出来事で「条件付きプロ志望が問題か?」などと論って、高校3年生の未成年を批判の的にするかのような「THE PAGE」などというネットニュースは実に低俗であると批判したいわけであります。

 

                ■

 

 ドラフトは各球団の戦力均衡の狙いがあるので、今の物事の進め方としてはおおむね正しいと、僕は思います。

 

 あとは、「入団拒否」となった場合にその後どう処理していくのかは、多少議論の余地があるのではないかとも思います。

 

 過去にはドラフトで入団拒否されたチームの担当スカウトが自ら命を絶ってしまう、大変痛ましい事件もありました。入団拒否をした選手も当時未成年でしたから、選手もスカウトもどちらも気の毒な結末を迎えてしまったと、あれから20年近く経った今なお、忘れられない記憶として残っています。

 

 「入団拒否」という言葉も、あまりに重いと思います。ドラフトの場合はかなりの人数の未成年がそこに関わってくるわけですが、その未成年に「入団拒否」という重い十字架を背負わせてしまうのは酷ではないかと、僕は思います。

 先述した「THE PAGE」の件はそういう意味でなおさら腹立たしいと考えています。

 

 せめてね、恋愛でフラれた時のような、「善悪」とは別の語感を得られるような言葉に言い換えられないものか、とも思います。

 

 社会人に置き換えて考えれば、雇用契約のようなものです。ですから、入社試験を受けても「お祈りメール」が届く人もいれば、逆に内定を断って別の会社に入社する人もいれば、社会人になって他社からヘッドハンティングを受けても誘いを断る人もいるわけで、ですから両思いの結末なんて、そこまで多くないと思います。

 

 なのに、なぜ野球選手がドラフト指名を受けて入団拒否をするだけでこれだけ話題にされるのでしょうか。変な先入観があるのではないでしょうか。

 

 

 ベイスターズが指名した選手には皆さん入団してもらいたいですが、されとて、仮に入団拒否をされるような事になっても、その人を責める気持ちにはなりませんし、そういう事を言ってはならないと思います。

 

 入団拒否をして、一体何が悪いのだ。そういう事ではないでしょうか。

 

 

以上

 

 

 

 

 

ハマの大エース山口俊

 

 山口選手がFA権を行使する可能性が高いと報じられています。

 

www.sanspo.com

 他球団に移籍したいから行使するのか、それとも自分の客観的な評価を知りたいから行使するのか、意図する所まではわかりませんが、僕が山口選手の立場なら、わからないでもないなと感じています。

 

 というのも、山口選手については球団もファンも過小評価をしていると感じるからです。

 

www.plus-blog.sportsnavi.com

 これは僕が今年の1月に書いたエントリーのスポーツナビ側ですけれども、コメント欄を見れば、ベイスターズファンが山口選手をどのように言っているのか明らかだと思います。

 僕は何の根拠も示さずに山口選手を持ち上げているわけではない事はエントリーを読んでいただければわかると思いますが、そういった論拠に対して具体的な指摘も無しに、ただただ山口選手を忌み嫌うようなコメントが出ています。

 

 ブログコメントとは別に今日のツイッターのタイムライン上で眺めたツイートにこういうものもありました。

 

f:id:suguru0220:20161020114220j:plain

 

 書いた人を個人攻撃する目的ではないので名前は載せませんが、この中にある「前年までの成績が微妙」とは、いかがなものでしょうか。

 

 山口選手が1軍定着を果たしたプロ入り4年目から今季までの8シーズン中で、年間の防御率が3.50を越えてしまったのは2013年と2015年の2回だけです。あとは全てのシーズンで防御率3.50を下回り、1軍のレギュラー投手として評価できる数字を安定して残し続けています。先発をやったり中継ぎをやったり抑えをやったりしながら、です。球界最年少で100セーブを達成したのも然りです。

 

 他方で、今季限りで惜しまれつつ引退を表明した三浦大輔選手はというと、山口選手と同じ基準でプロ入り4年目から昨季までの21シーズン中で防御率が3.50を上回った回数は9回にのぼります。職務は先発だけに限られても、です。

 

 仮に防御率3.50をクリアしたシーズンをクオリティシーズンとするならば、山口選手は8シーズン中6回の達成でクオリティシーズン率は.750です。三浦選手は.571ですから、山口選手のほうがはるかに安定して好成績を収め続けていると言えようかと思います。

 

 そして、こういった厳然たる事実がありながらも、かなり大勢のベイスターズファンから「前年までの成績が微妙」とか、ネガティブな声ばかり乱れ飛んでいるのですから、それはFA権を行使したいと考えるのも無理からぬ事だと、僕は思うのです。

 

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 最近話題になったこの件が、山口選手にネガティブな言葉を発し続ける人達と相通ずるものがあると思いました。

 

「いじめられる側にも原因がある」に対するはるかぜちゃんの指摘が相変わらず鋭かった件 - Togetterまとめ

 

 いじめをやる人達というのは、なんだかんだと理由というかいいがかりを付けていじめるのであって、だからやっぱりいじめる側に問題がある、みたいな話でしょうか。

 

 山口選手について言えば、成績が安定しているとか最年少100セーブとか色々と好材料があるにもかかわらず、重箱の隅をつつくようにしてネガティブな言葉を浴びせ続けられているわけでありまして、ですから似ている話だなぁと僕は感じたのです。

 

 でね、山口選手にネガティブな言葉を発し続ける人達と、いじめをやる人間というのは、それがその人の本質的な所だから、今更どうにもならないんじゃないかと、そのように考えております。

 厳しい言い方をすれば、そういう考え方が骨の髄まで染み込んでる人達だから、今更咎めた所で改まる可能性は薄い。そう思っております。

 

 だからこそ重要なのは、そういうネガティブな人達から山口選手を守るためにも、我々があえて声を上げていく必要があるのではないか、という事です。

 

suguru0220.hatenablog.com

 また手前味噌で恐縮ですが、みんなで褒めようという事です。

 

 そうやって褒める声を多数派とし、ネガティブな人達を隅っこに追いやることが必要なのではないかと思うのです。そうすることで山口選手が自信をつけ、ベイスターズにさらなる愛着を持ってくれれば、お互いがハッピーになれるのではないでしょうか。

 

 そのように考えております。

 

 

               ■

 

 最後に、今シーズンの山口選手について感想を書きますと、年初に20勝出来ると書いた僕ですので、物足らないシーズンであったと感じております。

 

 今シーズンは都合3度の故障で合計2ヶ月位に渡ってチームを離脱したのが痛手でした。それまで大きな故障をせずにきた山口選手なので、勝数はともかく長期に渡ってチームを離脱することは想定していませんでした。

 

 3度の故障の内、最初の1回は調整のために登板したファームの試合で後藤選手の気の抜けたような悪送球を必死に追いかけた末での故障なので、これは仕方がありません。調整目的で出場したファームの試合でも手を抜かない山口選手の生真面目さが仇となったものです。

 残りの2回はいずれも練習中の、避けられた故障では?と感じております。だからモヤモヤしているのです。

 

 2ヶ月くらいチームを離脱して規定投球回にも達していないのに11勝でチームの勝ち頭ですから、故障がなければ16~18勝くらいはしていてもおかしくなかったと思います。

 しかも今シーズンの前半は打線が低調で、そのせいで今永選手がなかなか初勝利にたどり着けなかったのも記憶に新しい所ですから、来シーズンは20勝出来ても全く不思議ではないだろうし、その事について異議を挟む人も今年の年初ほど多くはないだろうと思います。

 

 

 だから今の僕が山口選手に言いたいのは、今年はFA権の行使をするのは止めて、来シーズンに最高のパフォーマンスを発揮して、国内はもとよりMLBからの耳目を集めてから、そこで改めてFA権を行使してみてはどうか?という事です。

 

 そうなると恐らくベイスターズ側が提示する年俸も今年の提示と比べてはるかに高額になるのは間違いないですし、今年はクライマックスシリーズに登板できなかった、その心残りも解消できるのではないでしょうか。

 

 

 山口選手は野球選手として、人間として大変素晴らしい人物であるのに間違いは無いのですけれども、ただし、自分を売り込むことにかけては、だいぶ御下手であるとも思います。

 それが三浦選手や山崎康晃選手との評価の違いに繋がっていっているのは間違いないですし、その差を今から挽回するための戦術として、今オフにFA権を行使するのは得策ではないと僕は思います。

 

 来年も再来年もその先も、山口選手には末永くベイスターズの中心人物でい続けてもらいたいですけれども、今の僕としては、ひとまず今オフのFA行使を留まるよう、お願い申し上げる次第であります。

 

 

以上

 

 

 

ドラフト会議は週末のドーム球場でお客を入れて実施すべき

 

 毎年この時期になると自分がドラフトで指名された場合を想定したシュミレーションに余念がない僕ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今回のドラフト会議におきましては、僕は決意の上で12球団OKの意向を表明したいと思います。もしも巨人から指名された暁には、マスコミ各位へのコメントにおいて「子供の頃から大の巨人ファンでした。高橋由伸さんのガッツあふれるプレーに憧れていました」などと申し述べ、そしてこのブログの存在など何もなかったかのように、蓮舫さんばりの強気のコメントで押し通す所存でおります。

 

 

 それはさておき、周知の通り明日10月20日はプロ野球ドラフト会議です。昔は平日の昼間に行われ、テレビ中継が行われる時もあれば無い時もあるという位の扱いに過ぎなかったドラフト会議ですが、近年は夕方からスタートとなり、冠スポンサーがついて地上波のテレビ中継が欠かさず行われるよう、様変わりしました。

 そして、昔と大きく違うのはお客さんを入れるようになった事です。昔はどこかのホテルの大広間で政治家の政治資金パーティーのような趣で行われていたのが、近年では観覧希望のファンを募って、毎回かなりの競争率になっているという盛況ぶりであります。

 

 プロ野球ファンにとって見れば、ドラフト会議というのは年に一回必ずやってくる一大イベントですから、盛り上がって当然と言えるでしょう。

 

 日本シリーズは出られないチームのほうが多いですし、オールスターも監督推薦で申し訳程度にしか選手を送り込めないチームもあるという中で、唯一ドラフトだけは他の球団と同じ土俵に立って、ガチンコ勝負を挑めるのですから、注目しないはずがありません。

 公式戦で苦汁をなめさせられたリベンジをしてやるぞと、毎年この時期になると気合が入っていたベイスターズファンも少なくないのではないでしょうか。ま、今年は公式戦でもあまり苦汁をなめませんでしたけれどもね。

 

 

 というわけで近頃のドラフト会議のショー化の流れは大いに賛同する所でありますが、ただし、まだまだ規模が小さいし、手ぬるいとも感じています。もっと大々的に派手にやってはどうかと言いたいのです。

 

 それこそ、より多くの観客を集められる週末にドーム球場でドラフト会議を開催してはどうかと思うわけです。自由席と指定席を設けて入場料を取れば財源不足に苦しむNPBの懐を暖めてくれるでしょう。

 ドラフト会議本番前は現役選手やOBを連れてきて目の前でチャリティオークションを実施したり、トークショーを催しても良いと思います。ドラフトの時にどういう心境だったとか、上位指名と下位指名の選手同士がふた手に分かれてトークバトルをするとか、球団の垣根を超えたドラフトならではの面白いイベントに出来るのではないでしょうか。

 

 また、せっかく我々野球を楽しむものとしては、ホテルの大広間ではなく、球場で会議をするほうがよりイベント気分が高まるのではないでしょうか。単純にハコが大きいぶんお客さんもたくさん入れられるメリットもあるでしょう。

 

 

 その日の指名状況から、スポーツ新聞各紙が特別に号外を作って場内で配布をしつつ、アピールをしたりするのも良いかもしれません。各スポーツ紙でブースを作って各記者が各球団の予想をしたりして読者やファンと交流する場を設ける意義もあると思います。

 

 

 まぁとにかくドラフト会議には様々な利用価値があるという点ではTBSが毎年やるようになった「お母さんありがとう特番」の例を見ても明らかですし、NPBはそこにもっと掘り下げて、ファンサービスと収益拡大に繋げていくべきであるという風に僕は考えております。

 

 ご一考いただきたいものですね。

 

 

 

以上

長かったシーズンが終わった

 

 土曜日に行われたベイスターズ球場パブリックビューイングを訪れ、結果的にベイスターズの今シーズン最後の試合を見届ける事となりました。

 

 ケーブルテレビのパックに入っているので自宅で大人しくテレビ観戦するプランもありましたけれども、普段立ち入ることが出来ないベイスターズ球場のグラウンド内に入れるまたとないチャンスなので、パブリックビューイングを選びました。

 

 試合開始の1時間前には到着をして、立ち入りを許可されたエリアは隅から隅までくまなく見回ってきました。レフト側のフェンス越しに、たまに乙坂選手が釣りをしているという海辺を見たり、外野フェンスの高さを確かめたり、所々に生えている雑草を見たり、色々な発見がありました。

 

 ベイスターズが前回優勝を果たした1998年から今に至るまで、のべ数百人もの選手たちがこの場所で、いかに暗黒時代と言われようとも、プロとして練習を積み重ねてきたんだなと、そして、これから始まるクライマックスシリーズの試合に繋がる、いわば地層とも言えるものを感じずにはいられませんでした。

 

 

 これまでのベイスターズファンにとって、シーズン最終戦というのは10月の初頭に本拠地横浜スタジアムで行われる最後の公式戦を意味していたと思います。公式戦の最後の試合を見て、監督コーチ選手がグラウンドに一列に並んで、監督が挨拶をして、それでシーズンの終わりを噛みしめるのが、これまでのシーズン最終戦でした。

 

 それが今年はこうやって、なぜか自分がベイスターズ球場のグラウンドに立ち、約120メートル前方にある大型ビジョンで映し出されるクライマックスシリーズの試合をもって今シーズンが終わる、この違和感というか、いつもと明らかに違うこの感じが、やがてベイスターズの新しい時代の到来へ、確信に変わる。そんな風に試合後にしみじみとしました。

 

 今シーズンは終わりましたけれども、これからが新しい時代の幕開けなんだ。確信を致しました。

 

 こんなにも嬉しい負け試合は、いまだかつて存在したでしょうか。

 

 

                 ■

 

 広島カープは強かったです。

 

 ですが、ベイスターズの何が足らないのか、非常にハッキリしたと思います。

 

 カープの選手はそれぞれ自分の役割を高度に理解し、それを高度に実行していました。田中広輔選手のように神がかった活躍をする選手もいましたし、中崎選手の故障明けを感じさせない、堅実な仕事ぶりも見事でした。

 

 戦前は、カタログスペック的にはベイスターズの選手層もさほど劣っていないと考えていたのですけれども、それはあくまでカタログスペックなのであって、クライマックスシリーズという大一番において実測値が大きく異なってしまいました。

 

 でもまぁ、これが経験の違いだと思います。この経験を糧にして、来年のクライマックスシリーズカープと相まみえる事ができたならば、その時は互角か、それ以上の力を発揮できるくらいの潜在能力が、今のベイスターズも充分あると思います。

 

                 ■

 

 来季に向けて、ラミレス監督は「あと少しの補強で」と補強を希望する発言をされたそうです。

 

 しかし僕はそこに疑問があって、僕が補強が必要だと感じるポイントはせいぜいリリーフの、7回~9回のどこか1イニングを任せられるタフな外国人ピッチャーが居てくれたら良いなと思うくらいで、あとはさほど大きな補強は要らないのではないかと思っています。

 

 クライマックスシリーズで筒香選手が崩れた理由は、筒香選手がまともに勝負してもらえず、打ち気にはやってボール球に手を出すようになったからだと言われています。つまり筒香選手の後ろを打つ5番バッターは宮崎選手では不足だという話ですが、それならロペス選手を5番に戻せば良いではないかと思います。少なくともシーズン中はそれでうまく回っていたわけですから。そして梶谷選手なり宮崎選手なりが3番を打つようにすれば良いと思います。

 

 カープにしても今日の試合で日本シリーズ進出を決めた日本ハムにしても、そこまで補強頼みのチーム作りはしていないと思います。カープエルドレッド選手、日ハムはレアード選手という中心になる外国人バッターが居ますけれども、ベイスターズでそれと同じ役割を担うのがロペス選手であって、そこに上乗せするように何人も外国人選手を連れてくるとか、FAの選手を連れてくるとか、そこまで重要だとは思えません。

 

 とにかくこの度のクライマックスシリーズで実際に試合に出て悔しさを味わった選手こそが、来シーズンの飛躍にもっとも重要な役割を担うような体制でなければなりません。

 

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 僕が自分自身をベイスターズファンと自負し始めた2002年からのシーズンの中で、これ以上のないくらい達成感のある、良いシーズンだったと思います。

 

 この経験が必ずや来シーズンの飛躍に繋がるものと信じて、楽しみに来シーズンを待ちたいと思います。

 

 選手を始め、ベイスターズ関係者の皆様方、お疲れ様でした。

 

 

以上

 

 

 

 

 

2軍で頑張ってきた

 

 昨日行われたクライマックスシリーズ第3戦は試合冒頭からテレビにかじりついて応援してまいりましたが、色々あった中でも特に、嶺井選手が放ったレフトへの決勝タイムリーは、言葉に出来ないくらい嬉しいものがありました。

 よく「涙がでるくらい」と形容されますが、本当に涙を流して喜びました。

 

 レギュラーの選手が活躍するのも嬉しいですけれども、今年はほとんど2軍で歯を食いしばって頑張ってきた嶺井選手が打ったからこそ、感動が何十倍にも膨れ上がったのだと思います。

 

www.nikkan-gendai.com

 

 

  湘南ケーブルの馬場さんのツイートやゲンダイさんの記事にも書いてありますが、今シーズンのベイスターズファームで最も努力したと言っても過言でないくらい、嶺井選手は人一倍地道に頑張ってきたと思います。

 

 ベイスターズファームの主催試合でチームが勝利すると試合後にヒーローインタビューを行うのですが、入団からある程度年数が経った選手は面白い話をしたりにこやかに話したりする選手が殆どという中にあって、嶺井選手だけは表情を全く崩さず、一日でも早く一軍に呼んで貰えるよう固い決意を語っていたのが、強い印象として残っています。

 真面目過ぎてつまらないと感じてしまうくらい無骨なヒーローインタビューでしたけれども、1分1秒足りとも慢心しない、嶺井選手のストイックさがヒシヒシ伝わってきました。

 

 昨日の試合後のヒーローインタビューも見ましたけれども、たぶん頭の中が真っ白になっていたのではないでしょうか。インタビュアーさんと言葉が噛み合わない所もありましたけれども、それくらい必死になってプレーしていたのだと、微笑ましく思いました。

 

 こういう選手がいるからこそチームが強くなるんだと、改めて心強く感じました。

 

 嶺井選手に盛大な拍手を贈りたいと思います。

 

 

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 昨日はリリーフで登板した田中健二朗選手が、代走で登場した鈴木尚広選手を牽制球で仕留めるビックプレーでチームを勢い付けてくれました。気合の入ったピッチングも、それこそ往年の木塚敦志さんの魂を受継いだかのように、炎がメラメラと燃えたぎっているのがテレビ越しでも伝わってきました。

 

 田中健二朗選手も2軍暮らしの長い選手でした。

 

 もう何年も前になりますが、当時1軍と2軍を行ったり来たりしていた田中健二朗選手が平塚球場の監督室で1軍昇格を言い渡されて、暗い顔で部屋から出て来る場面に、たまたま僕が居合わせた事を思い出します。

 なぜ僕がそこに居合わせたのかといいますと、ベイスターズファームで行っていたヒーロー選手のサインボールプレゼントの抽選に当選して、球団職員さんの誘導で関係者専用の通路を通って平塚球場のグラウンドに移動する途中だったからです。

 

 普通は1軍昇格を言い渡された直後とあれば、喜色満面とか、飛び上がって喜んでいる姿をイメージするものですけど、あの表情を見た限り、当時の田中選手がそういう心境になかったのは、たぶん間違いないと思います。

 あの時に田中健二朗選手が1軍昇格を言い渡されていたと僕が知ったのは翌日のことでしたから、あの表情を見た瞬間は「監督に怒られてシュンとしてるのかな?」くらいに思えたものです。

 

 元々才能が高く評価されていたからこそ高校生ドラフトで1位の指名を受けたわけでして、そこから故障もあったにせよ、せっかくの才能がありながら飛躍を阻んだ一番の要因は、気持ちの問題が大きかったのではないかと思います。

 それが今では表情が全く別人のように精悍になって、逞しくなったなぁと、我が事のように嬉しく感じています。

 

 これから先、リリーフを続けるのか先発に戻るのかわかりませんけれども、もう彼の飛躍を阻むものは何も無いのではないでしょうか。ますますの活躍を期待します。

 

 

                  ■ 

 

 

 今年ようやくその実力を評価してもらえるようになった宮崎選手もそうですが、2軍で頑張っていた選手が1軍の試合で、2軍の何十倍もの人数のお客さんを前に活躍する姿を見るのは、本当に言葉に言い表すのが難しいくらいに、とても嬉しいことです。

 

 プロ野球選手とて僕達と同じ人間ですから、ただ練習や年数を重ねれば単純に上達するというものではなく、様々な紆余曲折を経て、何人かに1人くらいが1軍で日の目を見るという事でしかありません。

 

 努力をすれば必ず結果につながるという単純なものではないけれども、努力をしなければ結果につながらないのであって、見ている側としても、やっぱり結果に結びついた瞬間の嬉しさは格別です。

 

 そりゃー入団1年目からサクサク活躍してくれたら苦労もありませんけれどね、2軍で殆ど誰も見ていないような所で地道に頑張って、それでようやく結果を残した喜びは、何者にも代えがたいです。

 

 

 2軍にいる若い選手たちにも、嶺井選手や田中健二朗選手の生き様をしっかりと見ておいてもらいたいものですね。

 

 

以上

 

 

 

戦力外の話題をおもちゃにしないで欲しい

 

 NPB各球団から、来季の契約を結ばない選手の発表が行われております。我らがベイスターズでも9名に通告が行われたとニュースで報じられています。

 

 毎年のことではありますけれども、胸が痛むニュースです。

 

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 「プロ野球選手はプロだから、結果を残せなければクビを切られても仕方がない」とはよく言われることで、正論だと僕も思います。

 けれども、会社員や公務員だってその道のプロとして、仕事の対価で給与を受け取っているのであります。だから社会に出て働いている人の多くは何かしらのプロなのであって、ことさらプロ野球選手ばかり厳しい自己責任が求められる理由の多くは、結局は雇用契約の性質の違いでしかありません。

 

 言うならば、元請け会社(球団)と下請け会社(選手)の間柄みたいなものでしょうか。

 

 建設業界等では「一人親方」と呼ばれるプロフェッショナルが数多くおられますけれども、プロ野球選手はその方々と近いのかなと、勝手に想像しています。

 元請け会社と専属契約を結んでいた一人親方が、ある日「来年からは契約を結びません」と通告されるようなものです。そういった境遇に置かれた一人親方に対し第三者である我々は、「プロだから、結果を残せなければクビを切られても仕方がない」と突き放すような事はなかなか言えないのが人情かなとも思います。

 

                 ■

 

 

 だから僕は、戦力外通告された選手や、当落線上にあると見られる選手に対して、「プロだから仕方ない」と突き放すような言葉をかける気分には、全くなれません。

 

 ましてや、僕が雲の上の人とあがめるプロ野球選手です。これまで何度となく楽しませてくれたプロ野球選手です。

 

 

 その戦力外通告を受けたプロ野球選手に対し、プロ野球ファンが辛辣な言葉を浴びせたりネットに書き込んだりするのは、あってはならない事だと思います。心がないと僕は思います。

 

 プロ野球が好きで、何かにつけて贔屓チームへの忠誠心をアピールしたり観戦試合数を誇ったりしている人が、戦力外の選手に向かって厳しい言葉を投げつける場面を僕はこれまで数え切れないくらい目の当たりにしてきたのですが、そういう神経が僕にはわかりません。

 

 「応援していたんじゃないんですか?」

 

 いつもそんな感じでフラストレーションを溜め込んできました。

 

 感謝や惜別の言葉を述べるとか、思い出を振り返るとか、何も思い浮かばなければ何も言わずに黙っておく位の事ができないものでしょうか。これまでチームの一員として頑張ってきた選手に対して、どうして冷たい言葉を吐けるのか。僕には理解し難いのです。

 

 

 ツイッターでも掲示板でもどこでもそうですが、一部の超一流選手や人気選手には絶賛の嵐が吹き、そうでない選手に対しては全く反対の辛辣できつい言葉ばかり吹きすさぶ、そういう印象が僕にはあります。

 

 でもね、選手だって人の子ですから、あんまり厳しいことキツイことばかり言われ続けたら、良い気はしないと思いますよ。頑張る気持ちが萎えると思いますよ。

 戦力外通告を受けてチームを去る選手が、それに輪をかけて辛辣な言葉を浴びせられでもすれば、チームそのものや、所属した記憶そのものが、忌々しいものになってしまうかもしれませんよ。

 

 そういう事で良いのでしょうか。

 

                 ■ 

 

 ネット上なら何を書いても構わない、というものでもないのは今更言うまでもないのですが、しかし、相変わらず何を書いても構わない状態に近いと思います。

 

 ですが、そんな事では選手が安心してプレーに集中することは出来ないだろうし、戦力外通告を受けた選手が次のステージに向かって力強く歩むための足かせになるのではなかろうかと思います。

 

 何が言いたいかと言いますと、ネット上に飛び交う汚い言葉をかき消すくらい、感謝やねぎらいの言葉をたくさん投げかけよう、という事です。

 

 戦力外通告を受けた選手が新たな所属球団を見つけたり、ユニフォームを脱いで新しい一歩を踏み出したり、道は人それぞれでしょうけど、みんながプロ野球選手だった事を誇りに思って、良い人生を送ってくれる事を、僕は願わずにいられません。

 

 

以上

 

 

引退試合

 

 現在はベイスターズのフロント職員として働く新沼慎二さん。今年もベイスターズの試合でベンチ入りしている様子がしばしば見受けられましたが、僕は彼のことを密かに「ミスター湘南シーレックス」だと思っています。

 湘南シーレックスが誕生した2000年から廃止された2010年まで毎シーズン欠かさずシーレックスのユニフォームに袖を通し続け、そして最後の2010年についに一軍定着を果たした新沼さんこそがシーレックスの生き字引ともいうべき存在で、その全てを担ってきたと言っても過言ではないと僕は考えているからです。

 

 しかし、その新沼さんが一軍定着を果たしたのも束の間、その翌年の2011年、チームから戦力外通告を受けて、現役を引退する事となりました。

 チームは新沼さんの長年の功績をたたえ、引退試合を執り行いました。

 

 引退試合後のセレモニーで挨拶をした当時の中畑監督は、彼のことを「大した選手じゃなかったが」と言いました。

 

 なにもこんな場面で、ご家族や大勢のファンを前にしてそんな事を言うのは無粋だと思いましたが、ただ、確かにその通りだとも思いました。

 

 僕は新沼選手がとても好きで、それまで何度となく「野手転向すればいいのに」と思い続けてきた人ですが、ただ、これまでの既成概念の中で言えば引退試合をするほどの選手だったとは言い難く、全く新しい概念の引退試合がここに誕生したのだな、と思いました。

 

 長年の功績に感謝をしたり労ったり、選手が現役と決別するための区切りをつけるための儀式は非常に重要で、その事の意味を改めて考えるようになったキッカケとして、新沼さんの引退試合は今でも僕の胸に深く刻み込まれています。

 

               ■

 

 先日行われた三浦大輔選手の引退試合は、球史にその名を残すといっても大げさではない、極めて歴史的な引退試合となりました。

 

 僕がこれまで見てきた中で最も印象に残った引退試合村田兆治さんが黄金時代真っ只中の西武ライオンズを5回完封(雨天コールド)した試合なのですけれども、三浦大輔選手の引退試合はそれとはまた別の意味で、球史にその名を残す素晴らしい引退試合だと深く感じ入りました。

 

 皆様ご承知の通り、三浦選手は完膚なきまでに打ちのめされました。

 

 それはあたかも、あしたのジョーの世界観を再現したかの如く、でありました。

 

 あしたのジョーの最終話で、ホセ・メンドーサから何度もコークスクリューを浴びせられながらも屈すること無く判定まで持ち込んだ、矢吹丈の姿が重なって見えて仕方がなかったのです。

 

 何度となく、もうダメだと思いました。僕がリングサイドにいたら間違いなくタオルを投げ込んだでありましょう。だけれども、ラミレス監督は最後までタオルを投げませんでした。その瞬間、ラミレス監督は丹下段平になったのです。

 

 三浦選手は打席でヒットを放ちました。矢吹丈が対戦中にコークスクリューを習得して、メンドーサにコークスクリューを浴びせる場面がオーバーラップしました。

 そして僕は、来年から野手転向して右の代打として活躍する三浦選手の姿を夢見ました。昭和のスポ根マンガみたいな世界観がごった煮になって、三浦選手の引退試合をますます濃厚に彩りました。

 

 ベイスターズの選手たちにも、対戦したヤクルトの選手たちにも、これ以上無い勉強になったと思います。いや、勉強と呼べるような柔らかいものではなかったかもしれません。一流の生き様とはこうだ。ここまでやってこそ一流なんだと、目の前に大きな壁を突きつけられた思いかもしれません。

 

 それは球場やテレビやネットを通して応援している我々に対しても突きつけられる、とても大きくて険しい壁のようでありました。

 

 こんな果てしなく大きな壁を、我々は乗り越えていくことが出来るだろうか。

 

 ただ感動をありがとうと一時的に涙を流して終わるようなさわやかな引退試合ではありませんでした。

 

 だからこそ僕は、球史にその名を残す素晴らしい引退試合だったと、そう感じずにはいられないのであります。

 

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 中日ドラゴンズに移籍していた多村選手、阪神タイガースに移籍していた鶴岡一成選手がそれぞれ引退を発表しました。

 

 毎年この時期は色んな選手が引退を発表して暗い気持ちになるものですけれども、こと今年に至っては、三浦選手といい多村選手といい鶴岡選手といい、僕にとって暗くなるとか重くなるとか、とにかく辛い発表ばかり相次いで、正直な所クライマックスシリーズで喜ぶ気持ちなど雲散霧消しております。

 

 言いたいことは山ほどありますが、未練は横に置いておくとして、ぜひベイスターズ球団にお願いしたいことがあります。

 

 それは、来年春のオープン戦で、多村選手鶴岡選手を一日契約して、そして引退試合を開いてほしいのです。

 

 多村選手はソフトバンクにも中日にも所属した選手ですが、しかしどこのチームの選手だったかと言えば、それはやはり「ベイスターズの多村」選手だったという思いが強いのです。鶴岡選手も「ベイスターズの鶴岡」ではないでしょうか。

 

 その多村選手の最後が、中日球団の報道陣控室の隅っこで申し訳程度に引退会見を開いて終了だなんて、あまりにも無情過ぎると思うのです。

 

 多村選手鶴岡選手こそは、最後に大勢のファンに見送られて盛大にその瞬間を終えるべきスター選手では無かったかと、そう思うのです。

 

 

 ベイスターズは暗黒時代に幕を閉じ、過去の清算をする時が来ました。

 

 だからこそ、この機会にお願いしたいのは、多村選手鶴岡一成選手の引退試合もやって欲しいし、もうだいぶ前に引退してしまったけれども、谷繁さんや佐伯さんへの過去の功績を称えるセレモニーを開いて欲しいと思うのです。

 

 そういう、儀式が必要なのではないでしょうか。

 

 過去のわだかまりを全て清算し、皆が笑顔で握手をし、新生ベイスターズが黄金時代を迎えるにふさわしい、そういうムードを熟成するべきではないでしょうか。

 

 

 新沼さんの引退試合は過去の既成概念とは少し違う趣があったと書きました。だからもう、既成概念にとらわれる必要がなくなったと言えます。引退試合は最終所属球団で、という因習だって、もう気にする必要は無いのではないでしょうか。

 

 

 ぜひともベイスターズ球団にて、多村選手鶴岡選手の引退試合をやって欲しいと、切に願う所であります。

 

 

以上