長かったシーズンが終わった
土曜日に行われたベイスターズ球場のパブリックビューイングを訪れ、結果的にベイスターズの今シーズン最後の試合を見届ける事となりました。
ケーブルテレビのパックに入っているので自宅で大人しくテレビ観戦するプランもありましたけれども、普段立ち入ることが出来ないベイスターズ球場のグラウンド内に入れるまたとないチャンスなので、パブリックビューイングを選びました。
試合開始の1時間前には到着をして、立ち入りを許可されたエリアは隅から隅までくまなく見回ってきました。レフト側のフェンス越しに、たまに乙坂選手が釣りをしているという海辺を見たり、外野フェンスの高さを確かめたり、所々に生えている雑草を見たり、色々な発見がありました。
ベイスターズが前回優勝を果たした1998年から今に至るまで、のべ数百人もの選手たちがこの場所で、いかに暗黒時代と言われようとも、プロとして練習を積み重ねてきたんだなと、そして、これから始まるクライマックスシリーズの試合に繋がる、いわば地層とも言えるものを感じずにはいられませんでした。
これまでのベイスターズファンにとって、シーズン最終戦というのは10月の初頭に本拠地横浜スタジアムで行われる最後の公式戦を意味していたと思います。公式戦の最後の試合を見て、監督コーチ選手がグラウンドに一列に並んで、監督が挨拶をして、それでシーズンの終わりを噛みしめるのが、これまでのシーズン最終戦でした。
それが今年はこうやって、なぜか自分がベイスターズ球場のグラウンドに立ち、約120メートル前方にある大型ビジョンで映し出されるクライマックスシリーズの試合をもって今シーズンが終わる、この違和感というか、いつもと明らかに違うこの感じが、やがてベイスターズの新しい時代の到来へ、確信に変わる。そんな風に試合後にしみじみとしました。
今シーズンは終わりましたけれども、これからが新しい時代の幕開けなんだ。確信を致しました。
こんなにも嬉しい負け試合は、いまだかつて存在したでしょうか。
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広島カープは強かったです。
ですが、ベイスターズの何が足らないのか、非常にハッキリしたと思います。
カープの選手はそれぞれ自分の役割を高度に理解し、それを高度に実行していました。田中広輔選手のように神がかった活躍をする選手もいましたし、中崎選手の故障明けを感じさせない、堅実な仕事ぶりも見事でした。
戦前は、カタログスペック的にはベイスターズの選手層もさほど劣っていないと考えていたのですけれども、それはあくまでカタログスペックなのであって、クライマックスシリーズという大一番において実測値が大きく異なってしまいました。
でもまぁ、これが経験の違いだと思います。この経験を糧にして、来年のクライマックスシリーズでカープと相まみえる事ができたならば、その時は互角か、それ以上の力を発揮できるくらいの潜在能力が、今のベイスターズも充分あると思います。
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来季に向けて、ラミレス監督は「あと少しの補強で」と補強を希望する発言をされたそうです。
しかし僕はそこに疑問があって、僕が補強が必要だと感じるポイントはせいぜいリリーフの、7回~9回のどこか1イニングを任せられるタフな外国人ピッチャーが居てくれたら良いなと思うくらいで、あとはさほど大きな補強は要らないのではないかと思っています。
クライマックスシリーズで筒香選手が崩れた理由は、筒香選手がまともに勝負してもらえず、打ち気にはやってボール球に手を出すようになったからだと言われています。つまり筒香選手の後ろを打つ5番バッターは宮崎選手では不足だという話ですが、それならロペス選手を5番に戻せば良いではないかと思います。少なくともシーズン中はそれでうまく回っていたわけですから。そして梶谷選手なり宮崎選手なりが3番を打つようにすれば良いと思います。
カープにしても今日の試合で日本シリーズ進出を決めた日本ハムにしても、そこまで補強頼みのチーム作りはしていないと思います。カープはエルドレッド選手、日ハムはレアード選手という中心になる外国人バッターが居ますけれども、ベイスターズでそれと同じ役割を担うのがロペス選手であって、そこに上乗せするように何人も外国人選手を連れてくるとか、FAの選手を連れてくるとか、そこまで重要だとは思えません。
とにかくこの度のクライマックスシリーズで実際に試合に出て悔しさを味わった選手こそが、来シーズンの飛躍にもっとも重要な役割を担うような体制でなければなりません。
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僕が自分自身をベイスターズファンと自負し始めた2002年からのシーズンの中で、これ以上のないくらい達成感のある、良いシーズンだったと思います。
この経験が必ずや来シーズンの飛躍に繋がるものと信じて、楽しみに来シーズンを待ちたいと思います。
選手を始め、ベイスターズ関係者の皆様方、お疲れ様でした。
以上