ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

暗黒時代に終わりを告げた

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 日本シリーズ進出を決めて歓喜に湧くベイスターズの選手たちをテレビ越しに眺めながら、あの輪の中に高崎選手や山崎憲晴選手や下園選手や大原選手の姿がない事に、少し寂しい思いが入り混じりました。

 

 タラレバを言っても仕方がないのだけれども、あと2年年早くこの瞬間を迎えることが出来ていたならば、きっとこの4人もあの輪の中に入ってくしゃくしゃの笑顔を見せてくれていたに違いないだろうと思いましたし、無念だと思いました。

 

 暗黒時代は終わりました。

 

 暗黒時代の最中は、果たしてこの暗黒時代はどのような結末を迎えるのか、想像することさえ出来ませんでした。

 毎年開幕する時期を迎える度に「今年こそは」の思いを持っていたものの、では一体どうやってこの暗黒時代に終わりを告げるのか。どういうシーンが描かれるのか。それが全く思い浮かびませんでした。

 

 ただなんとなく思っていたのは、高崎選手や山崎憲晴選手や下園選手や大原選手といった面々の苦労がついに報われて、みんなが笑顔で大団円を迎えるというイメージは持っていました。

 

 ですから、愛するベイスターズがついに日本シリーズ進出を決めたという喜びはもちろんあるものの、ただ、あの頃思い描いていたものとは違う現実に直面して、「厳しいプロの世界」と簡単に結論付けられるような単純ではない、喜びも悲しみも、実に様々に入り混じった、うまく言葉に言い表しにくい感情が、僕の心を包み込んでいるわけです。

 

 

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 日本シリーズで対戦するのは工藤監督率いるソフトバンクホークスです。改めて言うまでもなく、工藤監督は元ベイスターズ選手でもあります。

 

 その工藤公康さんがFAの人的補償ベイスターズに移籍してきた時のことは、今でも克明に記憶しています。たまたまスーパー銭湯のテレビをぼんやり眺めていたら、巨人の工藤公康選手がFAの人的補償ベイスターズに移籍するというニュースが流れてきたわけです。

 とにかくセンセーショナルな出来事でした。

 

 工藤公康選手の稼働1年目となった2007年は、大矢監督が再登板で就任した1年目と重なり、工藤さんと時期同じくしてトレードで巨人からやってきた仁志敏久選手や、やはりトレードでソフトバンクからやってきた寺原選手といった新しい顔ぶれがレギュラーを占めるような形で開幕をスタートし、前年最下位だったベイスターズを躍進させてくれました。

 

 2007年はセリーグクライマックスシリーズが導入された最初の年となったわけですが、この年のベイスターズはベテランも若手も一致団結をして上位争いを繰り広げたものの、最後は3位阪神に一歩及ばずにクライマックスシリーズ進出を逃してしまいました。

 ベテラン勢では工藤さんや三浦さんがいて、若手では34本塁打を放った吉村選手や移籍1年目の寺原選手や、それにまだブレイク前の控え選手だった内川選手もいました。この人達がクライマックスシリーズ争いの原動力となって、僕達ベイスターズファンに夢と感動を与えてくれました。

 

 この時の僕は、今こそ暗黒時代に終わりを告げる時であり、翌シーズンはクライマックスシリーズ進出も手の届く範囲にあるものだと信じて疑わなかったのですが、その後どうなったかは、皆様もよくご存知の通りとなります。

 

 

 あの2007年のクライマックスシリーズ進出を目指して悪戦苦闘していたベイスターズの中心メンバーだった工藤さんや内川選手や吉村選手や寺原選手と、こうして日本シリーズで相まみえることになろうとは、不思議な縁のようなものを感じずにはいられません。

 

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 今日一日ずっとテレビの前でこの記念すべき、歴史的な試合を見守り続けてきまして、ですからこの感動は骨の髄まで染み渡っている筈なのですが、今のところ僕は割りと冷静で、いや、冷静というかいまいち現実に起きている出来事のように実感しきれていないのですけれども、ドラフト会議を挟んで、今週の土曜日から早くも日本シリーズが開幕するという事で、そこに向けて徐々に感情が仕上がっていくんだろうなと、予想したりしています。

 

 とにかく、日本シリーズ進出を掴み取ったベイスターズの全メンバーにお礼の気持ちと、さらなる奮闘をお祈りしつつ、この幸せな時間を噛み締めたいと思います。

 

 

以上