ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ラミレス監督とベイスターズ

 

 僕は昨年の春、BCリーグの開幕戦を見るために群馬県に行きました。群馬県を本拠地とする群馬ダイヤモンドペガサスと、その年に誕生したばかりの武蔵ヒートベアーズ(埼玉)の開幕戦が群馬県上毛新聞敷島球場で行われるからです。

 

 それで試合開始のかなり前に球場について、グラウンド内にいる関係者の様子を見ていたのですが、そこには群馬ダイヤモンドペガサスでシニアディレクターを務めることになったアレックス・ラミレスさんの姿もありました。

 ラミレスさんは群馬のスポンサー筋とおぼしき中高年男性の方々や、武蔵ヒートベアーズの首脳陣にも自ら積極的に近づいて、そして親しげに挨拶を交わしていました。武蔵の小林宏之監督とは弾けるような笑顔でハグをしたりもしていました。

 

 そこで僕の目を引いたのは、どの人と会話をする時も、ラミレスさんは一切通訳を挟まずにスムーズに語り合っている事でした。

 

 ラミレスさんが母国語のスペイン語とアメリカ時代に覚えた英語を喋る所までは知っていましたが、それに加えて日本語までスムーズに喋るとは驚きました。まさにトリリンガルです。

 よくよく考えてみれば、選手としてベイスターズで過ごした時代にも、同僚の選手たちと通訳を介さずに語り合っている場面をしばしば目にしてきました。ベイスターズの入団初年度に、当時極度のスランプに陥っていた吉村選手の打撃指導を買って出た事もあったくらいでしたから、それなりに日本語を使いこなしているのは、当たり前といえば当たり前だったのかもしれません。

 

 ですが、我々の感覚からすると、3ヶ国語を操るというだけで既に相当に頭脳明晰な人であるというのは間違いない所でして、よく知られているパフォーマー的な側面とは全く違う顔があるものだなと、再認識をしたのであります。

 

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 僕はそれからしばらくして、こういうブログエントリーを書きました。

 

www.plus-blog.sportsnavi.com

 

 であるからして、監督候補には集客力に乏しい地味な人をあてがうことは出来ません。そこで導き出されるのが、元ベイスターズ選手で強い監督願望を持つアレックス・ラミレスさん、その人です。

 

 いやらしい言い方になりますが、昨夏、当時の中畑監督が2016年シーズンも続投するのが既定路線と言われる中で、僕はあえてラミレスさんの監督就任を希望したわけです。

 

 なぜそう思ったのか、おおまかな理由はそのブログエントリーの中で書いた通りですが、日本でプロ野球の監督になるためにしっかり日本語を学び、その他の面でもしっかりと準備を重ねているのがハッキリとわかったのが一番の要因です。

 

 それで今年早速結果が出たからドヤ顔をしたい、という意味合いも無いわけでは無いですが、それよりもむしろ、多くのプロ野球ファンはラミレスさんのパフォーマー的な側面ばかりを見て、その裏側にある言語力の高さや、データ分析、メンタルに対する認識などの、要するに知性的な要素を全くもって評価してこなかった事実について、これは僕も含め、僕たちは今まで一体野球のどこを見てきたのだろうと、大いに反省しなければならないと、そのように感じた所であります。

 

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 ホリエモンこと堀江貴文さんとベイスターズの池田社長が対談しているネット番組の中で、あまりフォーカスされることがないベイスターズの取り組みについて語られています。

 

www.youtube.com

 食生活の管理などもそうですが、特に興味を持ったのは、ピッチャーが投げるボールの回転数を細かく分析しているというくだりです。まさかこんなに細かいことをやっているとは、ちょっと嬉しくなってしまいました。

 

 そして、こういう細かいデータ分析こそが、現役時代からデータ分析を熱心にやり続けてきたラミレス監督のスタイルと非常にマッチするのではないだろうか、とも感じました。

 

 今年はまだ就任1年目という事で噛み合ったり噛み合わなかったりする所もあったでしょうが、これが2年3年と続けば、広島カープと肩を並べて優勝争いできるくらいになれるのではないだろうかと、まだ今年のクライマックスシリーズも始まっていないのに来年以降が楽しみになってきました。

 

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 ネットメディアが様々な形で進歩してきたおかげで、それまで知ることができなかったありとあらゆる情報を、安価、もしくは無料で手軽に手に入れられるようになりました。だからこそラミレス監督のあまり知られてこなかった側面や、ベイスターズの地味で目立たない取り組みを知ることが出来るようになりました。

 

 今から30年以上前に江本孟紀さんの著書「プロ野球を10倍楽しく見る方法」が大ブームになったそうですが、今は10倍どころでなく、ますます深く楽しめる良い時代になりました。

 

 せっかくこういう時代に生きているのですから、この恩恵を存分に活かして、ベイスターズをより深く知って、明日への希望を膨らませたいと、そのように感じる今日この頃であります。

 

 

 

以上

 

BCリーグのプレーオフ 石川ミリオンスターズvs群馬ダイヤモンドペガサスを見に行ってきました (2016年9月24日)

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 9月24日は西武第二球場のイースタンの試合か、BCリーグのプレーオフのどちらかを見に行きたいなとあらかじめ考えていたのですが、プレーオフ予告先発ピッチャーを見て、BCリーグのプレーオフを見に群馬県に行くことを決めました。

 群馬ダイヤモンドペガサス予告先発ピッチャーが元ベイスターズの伊藤拓郎選手だったからです。

 

 BCリーグの試合を見るのはこれが通算で5試合目で、去年2試合、今年は3試合目です。なにも元ベイスターズの選手ばかりをい追いかけているわけではなく、昨年から新たに創設された埼玉県の武蔵ヒートベアーズの主催試合も2試合見てきました。

 どの試合も集客的には厳しい模様ですが、わざわざ遠くから時間をかけて訪れるだけの価値はあると、過去4試合を見て、実感してきました。それでまた見に行こうと思い立った次第です。

 

 僕はまだBCリーグとは何かを解説するほどの見識を持ち合わせていないのですけれども、まだ見に行ったことがない人にも興味を持って頂くキッカケにでもなれば良いとの気持ちを大前提として書き進めていきたいと思います。

 

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 試合開始直前の上毛新聞敷島球場の様子です。たまにNPB1軍の試合が行われるくらいの規模を持つ球場です。観客が行き来するエリアは席も通路もトイレもとてもキレイです。

 

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 スタメン表の画像がないので取り急ぎエクセルで作ってみました。

 

 ホームの群馬ダイヤモンドペガサスは4番が元オリックスカラバイヨ選手、キャッチャーは元ソフトバンクの八木選手、ピッチャーが元ベイスターズの伊藤選手とNPB経験者を3名擁しています。

 対する石川ミリオンスターズのスタメンにNPB経験者はおりません。今日9月25日の先発を予定しているのが元阪神の西村選手ですね。シリアコ選手についてはベイスターズがマークしているという話もあったくらいの、BCリーグを代表するスラッガーです。

 

 まず群馬ダイヤモンドペガサスの先発ピッチャー伊藤選手ですが、ベイスターズにいた2年前と比べると身体が一回り大きくなりました。最近はダルビッシュ選手や大谷翔平選手のように身体を大きくするのがトレンドになりつつありますが、伊藤選手もそんな感じかもしれません。

 イニングを終えてマウンドからベンチに戻る際の悠然とした歩き方にも風格が出てきました。まだ22歳なのに、もう大エースのような雰囲気を醸し出しています。ピッチャーの特性を考えれば、これくらい堂々と偉そうに構えているくらいのほうが頼もしく、良いことだと僕は思います。

 

 肝心の投球内容ですが、7回を投げて無失点で勝ち投手となりました。被安打も6とか7くらいだったように思います。

 球速はだいたい138キロとか137キロくらいで、試合中盤に2度ほど140キロを掲示するのを見ましたが、それほど速くはありませんでした。ベイスターズで一番登板機会の多かったルーキーの頃も球速はこれくらいでしたので、特に変わらないように感じます。

 ちょっと厳しい言い方になりますが、対戦した石川ミリオンスターズの選手にはややパワー不足の小兵選手が非常に多く、相手に恵まれた感は拭えません。小兵選手に引っ張って強い打球を打たれるような場面もありましたし、試合後のインタビューで本人があまり調子は良くなかったと言っていましたので、今日は悪いなりに投げた結果という事なのかもしれません。

 

 試合後のインタビューの写真はこちらです。

 

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 石川ミリオンスターズの先発ピッチャーは左投げのレオ選手です。球速は伊藤選手と同じく130キロ台が中心で、打たせて取るピッチングをする選手のようです。

 しかしながら、非常に気の毒なことにバックの守備の乱れが何度となく繰り返され、被安打はそこまで多くはないものの、どんどん失点を重ね、5回で5失点になってしまいます。記録がつくエラーだけでも3つ、さらにショートへの強いゴロが強襲の2ベースとなる不運もありました。普通ならレフト前ヒットの打球が野手の追い方がまずく、左中間を抜ける3ベースになる場面もありました。

 

 強い打球もかなり打たれているのでバックのせいにばかりも出来ませんが、プレーオフの大事な試合で気の毒なマウンドになってしまいました。

 

 

 バッターにも触れたいと思います。

 

 先に結論を書いておくと、この試合は群馬ダイヤモンドペガサスが14-0で大勝しましたので、したがってバッターについてもペガサスの選手について書くことのほうが多くなります。

 

 ペガサスのバッターで目を引いたのは高卒ルーキーの速水選手でした。地元の桐生第一高校を卒業して入団した身長188センチ体重94キロの大型内野手だそうですが、ただ身体が大きいだけでなく、バッティングがすこぶる器用で、第三打席で詰まりながらも押し込むようにしてライト線へ3ベースを打てば、三塁ランナーを置いて迎えた第四打席はセンターへ犠牲フライ、第五打席はボールに逆らわずにセンター前へ強いゴロで抜けるシングルヒットを放ちました。

 高卒ルーキーの大型野手というと背丈は大きいけど横は細いという人も少なくありませんが、速水選手は縦にも横にもちょうど良いくらいのバランスの良い体格をしており、打席においての瞬間瞬間の判断力も抜群のものがあると感じました。

 DHだったので守備を見ることは出来ませんでしたが、ペガサスファンの非常にお詳しい方いわく非常に賢く守れるポジションも多いのだと聞きますので、行く末が楽しみでならない逸材ではないでしょうか。

 こんな選手がよくNPBのドラフトに引っかからなかったものだと思います。

 

 今季のBCリーグでホームランと打点の二冠王に輝いた主砲のカラバイヨ選手も注目してみました。

 試合の前半は集中力も高く、自身が次の打者としてネクストサークルにいる時にバッテリーエラーで三塁ランナーがホームを狙うかどうかという瞬間にはネクストサークルからとても大きなリアクションでランナーに指示を送りました。そういう状況で指示をだすのは打席に立つバッターの役割なのでネクストサークルにいるカラバイヨ選手は黙ってみているだけでも良かったのですが、黙ってみていられないくらいチームと一体となって戦っている姿勢が伝わってきました。

 ただし点差が開き始めた試合中盤以降は目に見えて集中力を切らし始め、守備ではなんでもないフライとゴロを立て続けにエラーし、打席でもあっさりと空振りする場面が目立ちました。このへんが南米人らしいなと改めて感じました。

 オリックスでは一度目の入団と二度目の入団の時期があって二度目の時は1軍で大爆発した事もあったと記憶しています。年齢的にも来月で33歳ですから老け込むような時期でもありませんので、また今オフあたりに獲得を検討するNPB球団もあるかもわかりませんね。

 

 

 石川ミリオンスターズのバッターでは、シリアコ選手を一度この目で見てみたいとかねてより大変強い関心を持っていまして、それがついに叶いました。

 残念ながら昨日の試合はレフト線へ1安打を放ったのみであとは凡退してしまいました。DHだったので守備を見ることも出来ませんでした。

 ただし、非常にガッシリとした身体つきでバッティングフォームにも変な癖は見られず、適応力の高さみたいなものを感じました。唯一のヒットも少しタイミングを外されて早めに動きすぎてしまった所から下半身で踏ん張ってバットの先で拾ったという感じでしたし、日本野球に合いそうな気がします。

 守備力がどうなのかわかりませんでしたが、こちらもカラバイヨ選手と同様にマークするNPB球団があっても不思議ではないと思います。ミリオンスターズだと阪神あたりはいかがでしょうかね。

 

 

 リリーフについても触れたいと思います。

 

 ペガサスは8回から左腕の山崎選手、9回は右腕の町田選手がそれぞれ1イニングづつ投げました。

 

 山崎選手は130キロ台後半のストレートを中心に投げるオーソドックスなリリーフピッチャーです。ベイスターズの大原慎司選手に似たようなスタイルですね。コントロールもよく無失点で抑えました。

 

 9回の町田選手は去年の開幕戦で先発ピッチャーを務めた選手なのでよく覚えています。開幕投手を任されるような所から14点リードの最終回にリリーフで出てくる所に配置転換された理由はよくわかりませんが、この試合で初めて140キロ以上の球をポンポン投げるピッチャーが出てきましたので、球が速く見えました。こちらも無失点で抑えました。

 

 

 石川ミリオンスターズは大量ビハインドという事で何人ものピッチャーがマウンドに上がりましたが、その中でなんといってもお伝えしなければならないのが、女子野球選手の先駆け的存在の吉田えり選手です。

 

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 ミリオンスターズに吉田選手が所属しているのは知っていましたので、まだ試合序盤のうちにリリーフピッチャーの待機所近くに行って吉田選手の写真を撮ってきました。

 実はこの球場はリリーフピッチャーの待機所に隣接するカメラマン席も自由に行き来できるので、一旦は吉田選手のかなり近くまで行ってみたのですが、あまりにも近くで僕が恐縮してしまい、わざわざ観客席まで戻って、背後から撮影しました。

 小柄な普通の女の子が男子選手と同じユニフォームを着てそこにいるというのは日本全国でもこのチームだけですから、もう少しアピール材料に使わなきゃもったいないなぁと思いました。

 

 そして登板です。公式戦でも6試合しか登板していないくらいですから、登板するところを見られるのが大変幸運です。しかもランナー満塁で2番の竹内選手から、アメリカの独立リーグでもプレーしていた井野口選手、カラバイヨ選手、チャベス選手とBCリーグを代表するごっついバッターばかり居並ぶ、恐ろしい場面での登板となりました。

 先頭の竹内選手と相対する吉田選手は緊張の色を隠せていません。なんとかリラックスしようとマウンド上でぴょんぴょん飛び跳ねたり肩を回したりしますが、コントロールが定まらずにフォアボールを出してしまいます。

 しかし続く井野口選手にはストライクが決まるようになり、なんと空振り三振をとりました。

 ただ、続くカラバイヨ選手にはデッドボールを当ててしまい、カラバイヨ選手はニヤニヤしながら、からかうように足を引きずるポーズをしながら1塁に歩きます。

 最後は5番チャベス選手を外野フライに打ち取って、ようやく登板終了となったように記憶しています。

 球速はコンスタントに110キロ台をマークしていまして、結構出るものだなと感心しました。お恥ずかしながら、僕は100キロ出るか出ないかくらいですから、女性が110キロをコンスタントに投げることに驚きを隠せませんでした。

 コントロールに苦しんだのは緊張ゆえなのかもしれませんが、これからも女子野球の牽引役として末永くご活躍頂きたいと思いました。

 

 

               ■

 

 というわけで通算5試合目のBCリーグ観戦を終えました。

 

 来場者数の発表はありませんでしたが、ざっと見た限りでは300人いるかどうかだろうと感じました。僕はこれまで計5試合見てきましたが、非常に面白く、常に満足させていただきましたから、このお客さんの数には寂しさを禁じえませんでした。

 

 ごくたまに見に行くだけのにわかファンとして感じるのは、地味過ぎると言いましょうか、謙虚過ぎるというか、アマチュアリズム的なものの悪い部分が出てしまっていると思いました。

 「僕たちはお金儲けを目的でやっているのではありません」というのがモットーとしてあるのかもわかりません。僕は日頃そういう考えと正反対の、ある種拝金主義的な考えの持ち主なので自分のこととしてそういう思想を理解することは出来ませんけれども、ただ、そういうものを由とする人々が一定数存在するのは承知致しております。

 

 しかしながら、やはりある程度お金を稼げなければ、いくら崇高な理念があろうと、続くものも続かないと思います。

 

 現在BCリーグの経営を金銭的に支えているのは大小様々な企業スポンサーが出すお金であろうと思いますが、スポンサーに対する満足度も考えなければならないと思います。スポンサーはお寺の檀家ではありませんので、ただチームが存続すれば良いというものでもないと思います。

 スポンサーの満足度を高め、チームの経営基盤を強固なものにするためにも、もっと集客に本腰を入れなければならないと僕は感じます。

 

 BCリーグはどこかの企業を親会社にしたりチーム名に企業の名前を入れることを認めていないようですが、そこは意固地にならずに、NPBの経営形態を範にとっても良いのではと思います。

 そうすることで選手や監督コーチ、チームスタッフの待遇が改善されて、お客さんが増えて、そういう循環を作っていけるのではないでしょうか。

 

 

 とにかくBCリーグが素晴らしいことは論をまたないと思いますから、今後ますます発展するために、より一層の奮闘を期待したいと思います。僕もまた見に行きます。

 

 

石川0-14群馬

勝:伊藤

敗:レオ

本塁打:八木(僕の推定飛距離105メートル)

 

 

以上

 

 

 

2016年9月21日 読売巨人vs横浜DeNA (横須賀) の感想

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 とうとうイースタンリーグも残り5試合(この日を含め)となりました。そのうち21日22日の横須賀スタジアム2連戦がホーム最終戦となります。僕は22日の試合は見に行けませんので、今日で最後となります。

 この前の日曜日に行われる予定だった平塚球場の試合が雨で流れてしまったため、ファームプラスの観戦試合数をピッタリ30試合に乗せることは叶いませんでした。イースタンは雨天中止の振替を行わない協定となっているからです。

 まぁ、年会費1万円で29試合も観戦させていただきましたので、毎度のことながら本当にお世話になりました。

 

 また、今日は1軍の試合が組まれていなかった影響からか、平日にも関わらず横須賀スタジアムは満員となりました。TBSベイスターズ最終年からDeNAベイスターズの始めの頃は本当にお客さんが入らずに寂しい球場でしたから、隔世の感があります。そしてとてもうれしく思っております。

 

 明日22日は午後2時から、今日と同じ横須賀スタジアムで対巨人戦です。お時間のある方は、ぜひ最後の本拠地試合をご覧になっていただければ幸いです。

 

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 今日のスタメンはご覧の通り。ベイスターズが国吉選手、巨人は左腕の今村選手の両先発ピッチャーです。今日のベイスターズは一軍登録の控え野手が出番を求めてこちらに回ってきた関係で、いつもとは少し趣が違う顔触れになりました。

 

 まずはベイスターズ国吉選手についてですが、今日はニコニコ生放送の中継をご覧になった方も多いかと思いますけれども、その皆様方におかれましては嫌というほどよくおわかりのように、6回無失点で勝ち投手にはなったものの、フォアボールを6つも出す、実に国吉選手らしいピッチングでした。

 今日も先発ということでリリーフの時と比べて球速は抑えめで、僕の記憶では4回の宇佐美選手の打席で150キロの球を1球投げたくらいで、あとはだいたい140キロ台中盤のストレートが中心だったと思います。だいたいストレートでも変化球でもコントロールがアバウトなのは変わらず、ワンバウンドさせる球がそこまで多くなかったからバッテリーエラーが云々みたいな事態には陥りにくかったのかと思います。

 このアバウトさこそが国吉選手の持ち味なのだと開き直ることが、本人にも首脳陣にも必要なのかなと思います。彼は筒香選手と同期入団の7年目で、これからコントロールが画期的に向上するような期待はまずもって不可能でしょうから、この持ち味をどのように活かすか、ポジティブに考えてもらいたいものです。

 

 一方の巨人先発の今村選手は7回を投げて2失点ながら味方の援護に恵まれずに敗戦投手となりました。

 国吉選手はフォアボールを出しまくるピッチングですが、今村選手は7回まででヒットを9本も打たれながら、ランナーを出したところでやる気スイッチがオンになってしっかり低め、かつコースのキワキワに決まる、1軍のピッチングをする、という塩梅でした。

 打たれたヒットは右打者から5本で左打者から4本なのでどちらに偏っているわけでもありませんが、見た感じの印象としては左打者の方が今村選手に手を焼いているように見え、左打者のバットを2本折りました。

 球速は降板した7回まで衰えること無く145キロくらいの数字が出ていたように思いますし、ランナーを出してからの内容があまりにも良いので、こっちのほうが本当の今村選手なのかな?と僕は感じました。

 1軍でも結構投げているピッチャーですから、1軍途上の選手とは異なる課題を持ちながら投げていた結果として被安打がかさんだだけで、最初からピッチを上げて投げていたらこんなものでは済まされなかったような気はします。

 

 

 次に打線について。

 

 8月以降は好調をキープしているロマック選手が今日も初回にレフトへ2ランホームランで先制点を挙げてくれました。その後の打席は三振とフォアボールのみでしたが、いずれも粘った結果でして、春頃のクルクル回ってばかりいたロマック選手とは別人のようです。

 試合終了後にはヒーローインタビューでロマック選手がインタビューに出てきたわけですが、本人はすこぶる上機嫌で、ホームランを打てた理由は「試合前にファンの女の子からもらった青いハイチュウを食べて打席に挑んだから」とか、他にも軽妙なトークで場内を沸かせてくれました。

 過去2度の1軍昇格で悪いイメージをびっしり抱えたままのお客さんからは「これで見納めだな」などと厳しい声もかなり飛び交っていたのですけれども、僕は、もしかしたらもしかするのではないかと、そのように感じ始めております。

 

 スタメンマスクで最後まで出場した嶺井選手が2安打を放ちました。そのうち1本は内野安打ですが、もう1本は今村選手が投じた甘い球を見逃さずに左中間の奥深くへ3ベースヒットとなりました。やや弾道が低かったものの、その割に飛距離が伸びました。

 キャッチャーですから守備の話もしなければなりません。今日は4つか5つくらい盗塁を企図されて、そのうち北選手が走った際にどストライクの2塁送球が決まって盗塁阻止に成功したものの、あとはいずれも送球が大きく逸れ、2塁への盗塁を許すどころか3塁まで進めてしまってエラーをつけられた場面もありました。

 ピッチャーがコントロールのアバウトな国吉選手だったので普通に2塁に送球するより多少難易度が上がるのは理解しますが、それにしても精度がよろしくないと思います。ラミレス監督がキャッチャーに求める能力はキャッチングとスローイングであると春のキャンプからずっと言われ続けてきている事で、それが秋になっても甘いままでは、ちょっと厳しい評価を免れないかなと思いました。

 

 巨人打線は1安打の選手が5人でマルチヒットは1人もいない寂しい一日でした。その中で目を引いたのは、8回に3ベースヒットを打った重信選手です。

 3ベースヒットは左中間へのものでレフトセンターともそつなく守ったと思いますが、それにしても重信選手のベースランニングが速かったです。足が速いのは開幕前から散々言われていたので知っていましたが、ベースランニングで塁を回る時に全くスピードを緩めず、走路に無駄な膨らみもなく、最短距離を最高速度のまま3塁に到達してしまう、素晴らしい走塁でした。これは鈴木尚広二世だと思いました。

 プロ野球界には足の速い野手はゴマンといますけれども、それでも体力に衰えが見える鈴木尚広選手が1軍で重宝され続け、他球団から警戒され続けるのは、走塁は足の速さだけで決まるものではないという事ですから、その意味において重信選手の走塁は見事だと感心しました。

 

 

 次にリリーフ陣について。

 

 ベイスターズは7回から高崎選手が1イニング、8回先頭から小林寛選手が打者3人で1アウトを取って、そこから大原選手、藤岡選手とワンポイントで繋ぎ、9回は福地選手が1イニングで試合を締めました。

 

 その中で高崎選手について触れますが、今日はいつにも増してテンポの早いピッチングで三者凡退に切って取りました。僕が見ていた位置からだと変化球の球種までよく分かりづらかったのですが、ストレートが145キロ程度、変化球は130キロ台のスライダーらしきもので打者に的を絞らせないピッチングが出来ていたと思います。

 今年の高崎選手は良い時と悪い時の落差が相当大きいので、今日が良かったから、ではすぐに1軍で見たいですとはなかなか言いにくいのですけれども、願わくば年内に1試合くらいは一軍で投げる所を見てみたいと個人的には思っています。

 

 

 巨人のリリーフは8回から公文選手がマウンドに上って簡単にアウトを取ったものの、次の渡邊雄貴選手の打ち取った当たりのサードゴロを岡本選手の1塁への送球エラーで出塁を許し、さらに2塁への盗塁の際に今度はキャッチャーが悪送球で3塁まで進まれ、続く乙坂選手白根選手に連打を浴びて、西村選手にバトンタッチとなりました。

 最後の1アウトを託された西村選手は嶺井選手をあっさりと内野ゴロに打ち取って終了です。

 

 公文選手は昨年より少しマウンドの立つ位置を1塁寄りにずらして、ボールのリリースポイントをバッターに見えづらくしたように思います。それによって以前よりコントロールがしづらくなったと思いますけれども、最近はこのフォームも完全に自分のものにしたのか、コントロールの問題もなくなってきたと思います。

 だいたい左のワンポイントリリーフというのは球速はそこまで速くないものですが、公文選手は常時140キロを越えるストレートが投げられますので、もうちょっと実績をつければ1軍に呼んでもらえるのかもしれませんね。

 

 

               ■

 

 というわけで僕にとって今年最後のベイスターズファーム戦観戦となりました。いつもなら最終戦も見て、セレモニーで監督挨拶を見届けてシーズンの終わりを実感するのですけれども、今年はシーズン最終戦が祝日ということで、デーゲームなので見に行くことが出来ず残念です。

 

 この残念な気持ちを皆さんに代わりに果たして頂けたら、僕は嬉しいです。

 

 

読売巨人1-3横浜DeNA

勝:国吉

敗:今村

S:福地

本塁打:ロマック(僕の推定飛距離120メートル)

観客数:1561名

 

 

以上

 

三浦大輔選手の引退について

 

 昨日はクライマックスシリーズ進出が決定したという事で僕も僕なりに嬉しい気持ちで過ごしていたのですが、それが今日のお昼前、ヤフージャパンのトップページに三浦大輔選手が引退するとの情報が挙げられているのを見て、気分が一転してしまいました。

 血の気が引きました。

 

 それからの僕の過ごし方はさておき、15時から始まった記者会見のネット中継を開始前から、最後に三浦選手が会場を後にする様子まで一部始終を見届けました。

 

 一つ安心したのは、球団側から肩叩きを受けた末での決断ではなかったという事くらいでしょうか。あとはただただ残念という他なく、会見した後でもいいから引退を撤回して欲しいと未だに考え続けています。

 

                ■

 

 三浦選手は引退の理由を「勝ててないから」という趣旨の言葉で説明されていました。それは単純に今シーズン0勝だからという意味もあれば、今後の一軍での登板機会の見通しであるとか、その他様々な意味も含まれているのだろうと、僕なりに解釈しました。

 

 これまでのベイスターズなら先発投手陣の頭数が不足しているのが当たり前で、ですから少々調子が悪くても登板する機会はそれなりにあっただろうと思います。しかし今のベイスターズは実力の高いルーキーも中堅もいて、先発登板するための道のりからして楽ではありません。

 それで、このままではコンスタントに先発登板する機会を得られそうにないから、したがって勝ち星を得られず、引退決意に至った。そういう事なのかなと思います。

 

 

 僕が今更どうしてグズグズと文句を言い出しているのかと言いますと、それは非常に単純で、まだやれると思っているからです。

 

 確かに若手や中堅選手のように開幕から閉幕まで先発ローテを守り続けることが至上命題とされるのは苦しいでしょうが、チームで1年を通して必要とされる先発ピッチャーの頭数が常に同じということではなく、夏場は連戦が増えるからいつもより1人か2人多く必要だったり、怪我人が出て追加メンバーが必要になったりする事が、毎年必ずあるわけです。

 ですから、6月とか7月くらいから1軍に出てきて中10日で先発をしてシーズン5勝を目指す、みたいな立ち位置でも、これから充分やっていけたのではないかと、僕は未だに考えているのです。

 

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 人は何かと潔い去り際を求めがちです。中には身体が動かなくなるまで選手としてプレーし続ける選手を見苦しい等と言い募る人もいます。ですが、僕は、最後までもがき続ける野球人生もまた、尊いと考えています。

 

 それは全盛期のように億を越える年俸を貰うことは出来ないでしょうが、入団したばかりの若者が1軍で戦力になるまで何年もかけて努力するように、大ベテランが衰えを感じてから引退するまで何年もかけたって良いではないかと、そのように考えています。

 

 プロ野球というのは筋書きのないドラマなのでありまして、ただ単純に旬の選手を揃えて勝てば良いというものではありません。何年ももがき苦しんだベテランピッチャーがチームの窮地を救うべくマウンドに上って、そして勝利するような、汗臭いドラマがなければならないのです。

 

 その主人公として、三浦大輔選手ほどふさわしい選手は他にいないと僕は思うのです。

 

 

              ■

 

 

 三浦選手といえば、もう近年はほとんど140キロを越えるような球速が出なくなりました。しかしそのかわりに、130キロ台のストレートと90キロ台のカーブを中心に、ピッチングは球速だけじゃないんだと僕達ファンに本当の野球の奥深さを教えてくれる、特別な価値のあるピッチャーになりました。

 

 元々そこまで球速が速くなかったとはいえ、常時150キロを越えるようなピッチャーばかり持て囃している我々ファンに、いつもとは違う世界を見せてくれる貴重な存在であり続けてくれました。

 

 だからこそ、もっともっと野球の奥深さを教えてもらいたかったのです。

 

 ピッチングは球速だけじゃないという事と、若さやパワーだけじゃないという事を、もっと教わりたかったです。

 

 

             ■

 

 普通はもっとさわやかに、これまでの功績を振り返るとか、お礼の言葉を述べるのが野球ファンとしての振る舞いなのだろうと僕も頭ではわかっているものの、まだそこまで落ち着いたり頭を切り替えたりも出来ていません。

 

 かつての川相昌弘さんのように引退を撤回して現役続行してくれないものだろうかとか、往生際の悪い妄想を思い描いていたり、そんな感じの今の僕の心境なのであります。

 

 ただただ残念という以外に言葉が見つからないのですが、これまで色々なことを野球を通じて教えてくださり、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

 

 

 

以上

三軍ブームがやってきた

 

 オリックスと中日が近いうちに三軍制を敷こうとしているのではないかと言われております。

 

オリックスが育成大量指名へ 3軍制導入への布石 - 野球 : 日刊スポーツ

中日・落合GM「来季三軍監督」の仰天情報

 

 いずれも確定していない情報ですが、もし実現するのであれば僕としては非常に良いことであると考えています。

 

 現在はソフトバンクと巨人が三軍制を敷いておりますから、これが2つ増えて4球団になれば、その4球団で新たにリーグを創設する事も可能になるでしょう。

 リーグというのはあくまで僕の私案に過ぎませんが、毎年春季キャンプと秋季教育リーグを行っている宮崎県に4球団共同の宿泊所を設けて、そこで寝泊まりしながら毎日毎日練習と試合に明け暮れることも出来るのではないでしょうか。

 三軍を独立採算制で利益が出るようにするのは現状では非常に厳しいと言わざるを得ませんから、したがって合理化、コストをいかに絞るかが重要です。あまりに出費がかさむようだと事業の継続性が危ういものになるからです。「親会社の経営不振で支援が薄くなってきたから三軍止めます」みたいな事にならないような制度設計にしなければなりません。

 

               ■

 

 あとは、このリーグについては国際化をするべきではないかとも考えています。

 

 既に春のオープン戦と秋の教育リーグで韓国のプロ野球チームが加わるようになりましたが、さらに台湾のプロ野球チームにも加わってもらって、トータルで6球団とか8球団に増やしても良いのではと思います。

 

 我が国も韓国も超のつく少子高齢化で国内の経済規模は縮小する一方ですから、自分たちの国の中だけを商売相手とする考えのままでは、今後ますます厳しくなっていきます。

 ですから、まずは3軍リーグを共同で運営する所からスタートして、ゆくゆくは成長著しい東南アジア各国に野球の和を広げていくような方向性が必要なのではないでしょうか。

 

              ■

 

 指導者の育成も問題になるでしょう。

 

 僕は思うに、プロ野球のコーチや指導者という職業の有り様は、あまりにアバウト過ぎるのではないでしょうか。

 

 例えばトレーニングの基礎知識を学ぶとか、スポーツ心理学を学ぶとか、野球そのものの技術論の構築とか、そういった、指導者として本来持っているべき基礎的素養を顧みられることがあまりに少なすぎると思います。

 

 同じ指導者と呼ばれるような職業だと、学校の先生になるためには大学で学んで免許を取り、さらに最近は何年かに一度講習を受けたり試験を受けたりするようになりました。学校の先生といっても色々ありますが、小学校、中学校、高校と上のレベルになるに連れて教える科目の専門性が高まっていくのが通常です。

 ですが、日本プロ野球の場合はコーチになるのに何の研修も試験も受ける必要がなく、専門性も結構いい加減です。守備走塁コーチだった人が次の年に打撃コーチに配置換えになる、みたいな事もザラにあります。

 そしてそういったいい加減な制度設計の弊害として、未だに体罰の問題が露呈したり、選手にとってとても重要である投球や打撃フォームをコーチ毎にコロコロ替えさせられて怪我をしたり調子を崩したりといったトラブルも出ています。

 

 そういった日本プロ野球における指導者の問題についても、これを機に根本から見直しを図るべきです。

 

 なぜなら、三軍制を敷いて選手の育成にますます注力するのであれば、当然避けては通れない道だからです。やみくもに指導者の人数を増やすのではなく、三軍コーチという肩書を持って選手の指導に当たる傍らで、コーチ自身も体系立てて勉強していくようにするべきだ、という事です。

 

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 近年は何かにつけて「補強」が叫ばれるようになりました。どのチームも毎年大勢の外国人選手を獲得してきては、若い選手の出場機会を奪い、それがうまくいかずにさらに「補強」を必要とする悪循環に陥っています。

 

 とても安直で由々しき事態だと思っています。

 

 外国人選手を全く不要だとは僕も思いません。むしろ外国人選手枠など撤廃してしまえとすら考えています。しかし、それはそれとして、もう少し自分たちのチームにいる若い選手を信用してはどうでしょうか。もう少しまともに育成の技術向上を目指すべきではないでしょうか。

 外国人選手を何人も連れてくるお金があるなら、コーチに大学に通わせて勉強させるとか、練習場の設備を整えるとか、怪我をしないようにトレーナーを増員するとか、もっと効果的なお金の使い方が他にあるのではないだろうかと、僕はかねてから考えてきました。

 

 ですから、この三軍ブームともいうべき機運はとても喜ばしく思いますし、単なる人数増やしに留まらない、中身の向上についてもしっかり煮詰めて欲しいと期待している所です。

 

 我らがベイスターズもぜひ追随してもらいたいものですね。

 

 

 

以上

 

 

 

 

2016年9月17日 千葉ロッテvs横浜DeNA (横須賀) の感想

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 イースタンリーグの日程も残す所一週間と少しとなり、年々月日が経つのを早く感じている僕ですが、皆様こんばんは。

 人間は年をとればとるほど月日が経つのを早く感じると聞きまして、今更ながら顔にオールインワンジェルを塗りたくったり、髪の毛を色んな色に染めてみたりして、なんとか老いから逃れようと悪あがきに励む毎日を過ごしております。

 

 さて、残り日程も僅かということで、ここ最近の横須賀スタジアムは連日のように満員になって立ち見客も少なからず出てくるようになりました。

 にも関わらず外野席を閉鎖したまま、立ち見客を暑い中でも立たせたままにしているDeNA球団の運営部の皆様、せめて22日の最終戦くらいは外野席を開放して、ホスピタリティを発揮してもらえないものでしょうか。

 ここ最近は球場スタッフの人数も少し増やしているように見えますので、その人数を外野席開放のために充てがってくれるだけで良いのではと、僕は願って止みません。

 

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 本日の先発ピッチャーはベイスターズがペトリック選手、ロッテが唐川選手でございます。どちらも今季一軍でそれなりの試合数をこなしてきている、あまりファームにふさわしくない顔触れです。

 

 まずはベイスターズ先発のペトリック選手ですが、6回を投げて2失点で負け投手となりました。初回こそフォアボール3つにレフトを守るロマック選手が目測を誤って頭を越されてしまった2ベースヒットで1失点を喫してしまったものの、その後は、いかにもペトリック選手らしい打たせて取るピッチングで2回から5回までゼロを続け、6回に少し疲れが見えて3安打でさらに追加点を奪われてしまいました。

 ただしペトリック選手を擁護しておくと、初回の失点は充分守備範囲のレフトフェンス手前の外野フライを2ベースにされてしまった事と、6回の1失点もセンターへの浅いゴロヒットで乙坂選手がまずまずの所へバックホームするも、キャッチャーの黒羽根選手が捕球し損ねて刺殺に仕留めることができなかったという事情があります。ですから両方のイニングとも、打たれたと言えば打たれたと言えるでしょうが、まともに守ってくれさえすれば防げた失点だった、とも言えるでしょう。

 球速の方はあまりしっかり見ていなかったので見落としが多かったですけれども、記憶の範囲では141キロとかそのへんの、これもペトリック選手らしい所だったと思います。残りの公式戦やクライマックスシリーズで登板する機会があるのかどうかわかりませんが、いい意味でも悪い意味でも変わらない様子だったと思いました。

 

 一方のロッテ先発の唐川選手ですが、5回1失点で勝ち投手となりました。球の速さがペトリック選手と少ししか違わない、だいたい138キロくらいをMAXとして、曲がりの小さい変化球を多投して打たせて取るピッチングを心がけていたと思います。ペトリック選手も唐川選手も、あまりスピードガンを注意して見ようという気が起こらない、普通の球速が非常に多かったものですから、球速についてはほとんど記憶がありません。

 唐川選手といえば100キロ前後のスローカーブというイメージが有るのですが、今日はあまり投げているのを見ませんでした。110キロ台のカーブを2回位見たかな?という程度です。元々あんまり頻繁に使うボールではないのでしょうが、それにしても今日は速いボールと遅いボールの球速差があまり大きくなかったと感じました。

 今年は春から復活を果たして一軍で輝きを放ち始めていたように思いますが、それがこの大切な時期にどうしてファームの試合で投げているのか僕にはわかりません。エースのようなピッチングを望むのは酷でも、コンスタントにクオリティスタートをマークできるくらいの調子にはあると思いますので、次は一軍で投げてもらえればと期待します。

 

 

 次に打線について。

 

 今日のベイスターズ打線も褒める場所が数少なかったのですが、その中でロマック選手が本日唯一の打点となるソロホームランを放ちました。

 少しタイミングを外されているような体勢から、しかも低めの球をうまくすくい上げて左中間のセンター寄りに力強い一発でした。あの無理な体勢からホームランを打つだなんて、往年の金城選手、もしくは外国人バッターにしか出来ない芸当だと感心してしまいました。

 テレビ中継の解説者が時々「タイミングを外されてもうまく重心を残す」みたいなコメントをおっしゃいますが、最近のロマック選手は少しづつそれを会得し始めているように感じます。その技術はこれまで、ただバットに当ててファウルを稼ぐという活かし方をされていたのですが、今日はそれがホームランになりました。

 これが将来を嘱望されるような若手選手の成長過程の話なら手放しで褒め称えて大いに夢を語りたい所なのですけど、果たしていかがなものでしょうか。「フロントは来季も契約するつもりなのでは?説」が僕の脳内でますます信憑性を高めつつある現状です。

 

 もう一人、ここ最近毎回のように触れている柴田選手についてですが、今日はホームラン性の打球を計3本も打ちました。そのうち2本はファウルで残り1本はフェンス手前でキャッチされた外野フライでしたが、春の2軍落ちしてきたばかりの頃の強い打球が蘇ってきました。

 ヒットは三遊間をライナーで抜けるシングルヒットを1本打ちました。この打席で先述したホームラン性のファウルを右左へ一本づつ打ち、色気が出て強振するかと思いきや、コンパクトなスイングで見事なレフト前ヒットとなりました。非常に落ち着いて平常心で打席に挑めているのだと思います。

 守備の方ではセカンドを守り、満員のお客さんを唸らせる好プレーを連発し、今日もさすがという所を見せつけてくれています。僕の近くにいたお客さんからも「柴田がセカンドでいいんじゃないの?」という声が挙がっていましたし、いよいよ1軍昇格の準備は万端ではないかと、改めて感じた今日の試合でした。

 

 

 ロッテ打線について、ちょっと気になったのは今季から加入のナバーロ選手です。

 

 セカンドの守備についていましたが、明らかに心ここにあらずという感じで、ピッチャーが投球モーションに入っているのにグラブを外したままプラプラしていたり、イージーなセカンドゴロを緩慢に処理して危うく内野安打にしそうになる場面も何度か繰り返しましたし、網谷選手のセンター前ヒットも打球への反応がものすごく遅く、まともに守れば捕球できる打球に全く追いつけませんでした。

 打席では4打席立ってノーヒットでしたが、最後の打席で空振り三振を喫した直後はバッターボックスにぼーっと立ったまま、まるで気を失っているような表情を浮かべていました。

 2軍落ちした時に伊東監督がスポーツ新聞に寄せたコメントの中でナバーロ選手の精神的な所に言及していたのを記憶しているのですが、本当にこれでは手のうちようがないと感じました。

 韓国プロ野球で好成績を残して来日した選手は日本球界でも活躍するケースが多いので春から注目していたのですが、ちょっと残念な状況だと感じました。

 

 

 次にリリーフについて。

 

 ベイスターズは7回福地選手8回小林寛選手9回長田選手が1イニングづつ継投しました。

 

 その中で今日は福地選手について書きますが、今日はいつもより若干球速を抑えめに投げているように見え、確か最速は144キロだったように思います。それが功を奏したのか、福地選手らしからぬコントロールの良さで平沢大河選手と加藤選手から連続三振を奪いました。特に加藤選手から空振り三振を奪った時は内角低めにビシっと決まり、思わず「かっこいい」と呟いてしまいたくなるほど素晴らしいものがありました。

 今日の内容がたまたま調子が良かっただけなのか、それとも成長の兆しなのかわかりませんが、今日の内容を継続できるなら1軍の大事な場面で起用されても大丈夫ではないかと、つい舞い上がってしまいます。それくらい今日の福地選手は素晴らしかったと言いたいわけであります。

 

 

 ロッテは6回から大嶺選手、阿部選手、大谷選手、金森選手がそれぞれ1イニングづつ継投しました。

 

 それぞれの選手に大雑把に触れますが、大嶺選手も今日はいくぶん球速を抑えているように見え、無難に3人で抑えました。阿部選手は大嶺選手と同様に長いキャリアのある選手です。フォアボールを一つ出し、青柳選手と黒羽根選手にやや強めの外野フライを2本打たせました。ボールの威力が足らないのか、使う側からするとちょっと恐さがあるピッチャーなのかなと思いました。8回の大谷選手は元々1軍にいるはずのピッチャーだけあって考える時間も与えてもらえないままあっさりうち取られました。ラストの金森選手は少しコントロールに苦しんでいるようにも見えたものの、ベイスターズのバッターが打ち急いでくれて助かりました。

 

                ■

 

 というわけでベイスターズは本日も貧打がたたって敗れてしまいました。全く手も足も出ないという感じではなかったと思いますが、しかし色々と突き詰めて考えれば全体としてバッターが力不足というほかありません。少しモヤモヤとした気持ちが残る負け方だったように思います。

 

 明日と明後日は今年最後の平塚球場開催です。本拠地横須賀スタジアムの試合も21日22日の二日間となりますので、悔いの残らぬよう、ぜひ一度皆さんにもファームの楽しさを味わって頂きたいと思います。

 

 

千葉ロッテ2-1横浜DeNA

勝:唐川

敗:ペトリック

S:金森

本塁打:ロマック(僕の推定飛距離130メートル)

観客数:15??人

 

 

以上 

 

そろそろクライマックスシリーズを見据えた戦い方をする必要がある

 

 我らがベイスターズがいよいよクライマックスシリーズに初めて参加出来そうである、という事で少しニヤニヤしている諸兄もおられる事と思いますが、しかしクライマックスシリーズに出るからには、やはりファーストステージもファイナルステージも勝って、そして日本シリーズに進出したいものだと僕は思います。

 

 勝率5割にも満たないくせに日本シリーズだなんておこがましい!という声もあるかもしれませんが、悪法もまた法なりでありますから、狙えるものなら狙うべきであります。

 

 で、僕が言いたいのは、このままではクライマックスシリーズのファーストステージで顔を出して終わりじゃないっすか?という危機感であります。

 たまたま過去の積み重ねのおかげで現在リーグ3位にいるわけですが、クライマックスシリーズにおいては過去の積み重ねなど全部チャラであります。その瞬間の実力や調子や運が全てでありますので、今シーズン頑張ってくれた功労者だからといって調子の出ない選手を温情采配で出場させていては、勝てるものも勝てなくなってしまうのです。

 

 ですから、そろそろそういった空気感の中で戦う準備に取り掛からなければなりません。

 

 

                 ■

 

 この中で特に重要な事は、なによりもリリーフ陣の再整備であります。

 

 まずなんといってもクライマックスシリーズのファーストステージは2つ負けたらジエンドだと知る必要があります。ですから、先発ピッチャーの頭数を5人も6人も揃える必要が無い代わりに、先発がダメだった時の早めの継投に耐えうるだけの、リリーフ陣の厚みを整える必要があるのです。

 

 我々ベイスターズは短期決戦に慣れておりませんので、したがって、公式戦で先発をやっていた人がプレシーズンマッチになるとブルペン待機にジョブチェンジしたりする経験を経ておりません。だから尚の事、早めに準備する必要があるのです。

 

 

 クライマックスシリーズのファーストステージを確実に取りに行くためには先発ピッチャーの頭数は3人いれば充分で、あとは出来るだけブルペン待機する事が求められますし、先発ピッチャーの中でリリーフにジョブチェンジしてもすぐに実力を発揮できる選手とできない選手とを見極める作業も必要となります。

 

 僕が考えるクライマックスシリーズファーストステージの先発ピッチャーはこうです。

 

第一戦 今永選手 第二戦 石田選手 第三戦 砂田選手

 

 今季チーム最多勝の山口選手をあえて外しました。なぜなら、彼はリリーフとしてプレーした経験も長いからです。ですから、この3試合のうちで必要なだけロングリリーフで最後まで投げるフォーメーションをして欲しいと思っています。

 例えば今永選手や石田選手が6回7回まで投げて、その後は山口選手がリリーフで

出てきて9回まで投げきる、盤石の体勢を築くのです。

 

 問題は3人目の先発ピッチャーです。一応砂田選手を指名しましたが、せいぜい3イニング保てば上等だという考えです。その後は相手の打順の巡り合わせなどを見ながら、井納選手や三嶋選手や山崎康晃選手などが入れ代わり立ち代わり出てきて逃げ切りを図る構えです。当然、ラスボスとして山口選手も出てまいります。

 

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 打線も今のままで良いはずがありませんが、されとて、急に変えても今年の春みたいにドタバタするだけで結果が伴わなくなる恐れが大だと言えます。

 

 ですからメンバーを大きく入れ替えるような提案はできませんが、終盤に1点が欲しい時の攻撃パターンとか、僅少差で勝っていて終盤を守り抜きたい時の守備固めの有り様については、もう少し考えたほうが良いように思います。

 

 僕は守備固めについては重く考えていまして、特に内野の守備固めとして柴田選手を使わない手はないと思います。セカンドに柴田選手を入れて、二遊間を鉄壁な守りにすることで、ピッチャーが安心してゴロを打たせられる環境つくりをする必要があるでしょう。

 

 そういう細々とした詰めの作業を、今やらずにいつやるのだと、僕は申し上げたいのであります。

 

                 ■

 

 こういう起用法は、その時になって急にやろうと思って出来るものではないでしょうし、されとて、残りわずかとなったイースタンの公式戦でやるのも難しいでしょうし、クライマックスシリーズで対戦することになる巨人や広島を相手にテストするのは手の内を明かすようなものだから、やはり難しいと思います。

 

 ですから早めに準備する必要があるのです。

 

 今日の試合でベイスターズもヤクルトも敗れたのでゲーム差は3.5のまま。残り試合は11試合ですから、あと4つ勝てばクライマックスシリーズ進出は決まったも同然ですから、公式戦を実験場にする余裕は、まだ残されているのではないでしょうか。

 

 クライマックスシリーズに出ることも一つの目標ではあるでしょうが、それで終わっては来年以降の糧になりません。来年こそは優勝するのだと、この短期決戦にその決意をぶつける必要があります。

 

 いつもと変わらない戦い方で選手と首脳陣の信頼関係を高め合う時期は、そろそろ考えなければならないと僕は思います。

 

 

以上