2017年8月29日 埼玉西武vs横浜DeNA (横須賀) の感想
今日は横須賀スタジアムで行われたナイターの西武戦を見てきました。
対戦相手の西武はベンチも出場中の選手も大変元気に大きな声を出していたのに対し、ベイスターズの選手は実に大人しかったです。
今日の試合では、西武の攻撃中に2塁ランナーが飛び出してしまう場面がありました。ピッチャーが投球動作に入る前に盗塁のスタートを切って二三塁間まで進んでしまったのですが、ベイスターズの内野手から声は出ず、ピッチャーはそのまま投球してしまいました。
ランナーが焦って帰塁したので盗塁には至りませんでしたが、ああいう場面では内野手がピッチャーに声をかけて牽制を投げるように促し、二三塁のどちらかで刺殺をするのがプロのセオリーという状況でしたから、なんという無気力な事だろうかと嘆かわしく思いました。
もうかれこれ3年位は、こういう草食系のような雰囲気が続いています。一軍に上がれば、選手の声掛けなど大観衆の歓声にかき消されてしまうから、二軍でそれをやっても、あまり意味がない。そんな解釈なのでしょうか。
今年のベイスターズファームは、これといった戦力を一軍に送り込めていません。せいぜい平田選手と嶺井選手、それに飯塚選手くらいでしょうか。これでは一軍選手の危機感を促すどころではありません。
もう少し活気が欲しい、近年のベイスターズファームです。
本日の先発ピッチャーはベイスターズが高卒2年目の綾部選手、西武は今季途中に入団したファイフ選手です。
まずベイスターズ綾部選手ですが、7回を投げて被安打3の1失点で負け投手になりました。この数字を見てもわかるように、内容的には大変評価できるものでした。被安打3のうち、強い打球と言えるのは山田遥選手に打たれた2ベースくらいだったのでは?と思います。
綾部選手をこの目で見るのは今回で2回目か3回目くらいですから脳みそにそこまでの記憶がストックされていませんが、今日の綾部選手はストレートの球速が134~130キロと、プロとしては非常に控えめなものでした。あとは120キロ前後のカーブとフォークを投げていたと思います。
ただ、スピードガンに表示されるのは130キロ台前半なのですが、球場で見た感じとしてはもっと速く感じましたし、対戦するバッターも非常に手を焼いていました。このストレートが主体ですから簡単に打てるかと思いきや、奪三振が二桁の10に達するほどで、とても謎めいていました。
最近はオーバーハンドというよりはスリークォーター気味のフォームで投げるピッチャーが多いですが、綾部選手は古典的なオーバーハンドの、とても高いリリースポイントから投げ下ろすようなフォームです。身長が189センチもあり、さらにあの高いリリースポイントですから、この高低差が打ちにくい秘訣なのかもしれません。
今日は7回まで投げて球速は立ち上がりから全く変わらず、疲れた様子も見えませんでしたので、スタミナ面でもなかなか良いところを見せ始めています。
球速はこれ以上伸びないのか?という点が気がかりですが、非常に良いものを見せてもらいました。
西武のファイフ選手は5回を投げて被安打5の無失点で勝ち投手になりました。球速は記憶している範囲では146キロが最速で、最近よくいる6回3失点をコツコツこなすのを信条とするコントロール重視の打たせて取る外国人ピッチャー、という雰囲気です。ベイスターズで言う所のウィーランド選手みたいなタイプです。
最近はこういうタイプのピッチャーが本当によく目につきますので改めて特徴を言葉で申し上げるまでもありませんが、特にコントロールに難があるわけでもなく、ランナーを出すとイライラするようなタイプでもなく、どうしてここにいるのかよくわからない、力のあるピッチャーだったと思います。
次に打線について。
今日はチーム全体で6安打で、内訳は荒波選手白崎選手細川選手がそれぞれ2安打づつです。西武よりチーム安打数が多いのに点が取れない理由は、ごく一部の人しか打てなかったからという事になります。
荒波選手の2安打はいずれもしっかりと狙い通りに打球を飛ばせたクリーンヒットでした。恐らく初対戦であろうファイフ選手のボールをしっかりと見て、好球必打が出来ました。集中力は非常に高いと思います。
白崎選手と細川選手のヒットはコースヒットと言いましょうか、センター前にキレイに打ち返せていますが、そんなに強い打球でもなく、しぶといヒットとでも言いましょうか。
完封負けですから、あまり鮮烈なものはありませんね。
西武打線も散発の5安打ですから、これといった話もありません。
ベイスターズ55年会の数少ない生き残りである木村昇吾選手は大怪我から復帰して支配下登録になりましたが、ゴールデンルーキーの源田選手とキャラが丸被りという悲運もあって、ファーム暮らしが続きます。この年齢ながらセカンドを軽快にこなせているのは本人の鍛錬の賜物だと思いますので、引き続き頑張ってもらいたいものです。
次にリリーフについて。
ベイスターズは8回三上選手、9回三嶋選手がそれぞれ1イニングづつ投げました。
まずは三上選手ですが、今日は最速が149キロです。この前鎌ヶ谷で見た時と比べるとボールの高さが低めにくるようになっていて、完全に打ち取った当たりのボテボテの内野安打と、あとは3人を打ち取りました。
三上選手のコントロールがアバウトなのは今に始まった事ではないのですが、今日のようにコンスタントに狙って低めにさえ集められれば一軍に戻れる日も遠くないのかもしれませんが、それがなかなか安定してくれませんね。
三嶋選手は初球から148キロのストレートを投げ込みました。とにかくストレートばかり投げ込み、最速は150キロに達しました。ルーキーの頃の豪速球を取り戻した感じがあります。
今日は最初と次のバッターにストレートしか投げず、さすがに一軍実績のある大崎選手にはそれが通用せずにセンター前にキレイに運ばれたものの、その次からようやく130キロ台の曲がりの小さな何かの変化球を投げ始めて、4人で終えました。
リリーフでいくなら、本当にこのストレートと130キロ台の落ちるボールの2つだけで充分勝負できそうですし、早々に一軍に呼んであげて欲しいなと思いました。
西武は6回7回をガルセス選手、8回キャンデラリオ選手、9回誠選手の継投となりました。
ガルセス選手は球速が140キロ台後半のエスコバー選手のようなピッチャーですが、こちらはリリーフに特化しているのか、微妙にフォームを変えてタイミングをずらして投げるテクニックもあるようです。コントロールもエスコバー選手ほどアバウトではありません。
先頭の白崎選手にシングルヒットを打たれたものの、それ以外は非常に見どころのある面白いピッチャーではないかと思いました。
一つ飛ばして誠選手についてですが、打者4人を相手に三振2つ(うち1つ振り逃げ)とキャッチャーファールフライを2つという内容です。今日は149キロのストレートと急角度に落ちるボールで、それで振り逃げされたりワイルドピッチになってしまったりしたものの、投げたコースは決して悪いものではなく、ワイルドピッチはフォークピッチャーの性みたいなものではないでしょうか。
これだけの素質の持ち主ですし、抑えの切り札のような使われ方をしたら相当いい線いきそうだなぁと感心いたしました。
■
明日と明後日も同じく横須賀スタジアムで西武とのナイターが行われます。
まだまだ昼間は酷暑が続きますが、ここ横須賀スタジアムは海が近いおかげで、夕方くらいになると絶妙な海風が吹いて非常に心地よい環境になります。
また、明後日までは2000円でビール飲み放題のサービスも行われますので、ぜひ皆様もお誘い合わせの上、横須賀スタジアムに足を運んで下さいませ。
勝:ファイフ
敗:綾部
S:誠
観客数:930人くらい
以上