2018年8月19日 東北楽天vs横浜DeNA (平塚) の感想
見に行く予定だった試合が台風で中止になったりして結局1ヶ月半ぶりの球場観戦になりました。
今日は世間では激しいUターンラッシュが予想されておりましたのでいつもより多少早めに家を出て、それで試合開始ちょうどくらいの到着となりました。
今日はたまたま涼しい気候に恵まれましたが、それにしても今年のベイスターズファームは夏真っ盛りの時期のデーゲームが多過ぎるのではと、憤慨に近い気持ちを持っています。
元ベイスターズ選手の高森さんもコラムで書いていますが、真夏のデーゲームは体力に自信のある選手ですら熱中症になるほど、非常に危険なものです。もちろん選手以外の首脳陣やチームスタッフも危険に晒します。
平塚球場で接客にあたる球団スタッフの方々の衣服を見ましたが、すべてのスタッフさんが帽子を被られていないのが非常に気になりました。この炎天下に帽子も被らずに立たせるとは、スタッフさんの健康管理を全く軽んじていると腹立たしく思いました。
ベイスターズファームがこの時期にデーゲームをやるのは恐らく集客の面と球場賃借料(ナイターのほうが高い筈)が主だった理由だろうと思われますが、このあたりはTBSベイスターズの頃のように選手やスタッフさんの健康管理を第一に考え、夏の主催試合はほぼすべてナイターで開催するべきだと、強く主張したいと思います。
本日の先発ピッチャーはベイスターズが育成ルーキーの中川虎選手、楽天は入団2年目の西口選手です。僕はご両名とも初めてお目にかかれます。
まずはベイスターズ先発の中川虎選手。今日は5回を投げて3失点で敗戦投手となりました。
初回は140キロ台前半のストレートが中心のピッチングで、試合が進むに連れて147キロを出すようになりましたが、これくらいの球速になるとまだコントロールが不安定なようでした。
ストレートを投げる時と変化球を投げる時のフォームが多少違ったように見えて、変化球を投げる時に多少腕の振りが鈍り、それで球種を見切られているような印象を受けました。
高校生になってからピッチャーになったという遅咲きの選手ですからフォームや球種や変化球や体力や、これから身につけなければならないことが山のようにある若い選手です。気長に見守りたいものです。
楽天の西口選手は8回を投げて1失点で勝ち投手になりました。立ち上がりこそストレートが高めに浮いて強い打球を打たれる場面が繰り返されましたが、回を追うごとに修正され、やがて凡打と奪三振の山を築きました。
特筆すべきなのがスタミナです。初回から148キロを連発していたので速いピッチャーなのだなとは思いましたが、これが7回8回あたりになってますます球速が上がって150キロオーバーを連発させる抜群のスタミナを披露してくれました。それこそ甲子園で話題を集める金足農業の吉田選手のような、非常に逞しいピッチャーだと感心しました。
剛球ピッチャーというのは得てしてコントロールに難があるものですが、西口選手は特にそういった問題もなく与四球もたったの1つで、ベイスターズのバッターに粘られてもしっかりゾーンで勝負し続けられる粘り強さも持ち合わせていました。
ウイニングショットになるような変化球に多少弱みがあるようで、それで当てるのがうまいバッターに粘られる場面がいくらかありましたけれども、遠からずロッテの二木選手のようなローテーションピッチャーになれるのではと、非常に良い印象を持ちました。
次に野手について。
昨シーズンの終盤からクライマックスシリーズにかけて1軍でも活躍した細川選手が4番で出場して1安打です。
一言で「脆さ」がハッキリと見て取れたと言いましょうか、緩急をつけたピッチングとか、ストライクゾーンの内外を使い分けるピッチングをされると全く追いつけずに力ない空振りをしてしまう、そんな感じがしました。唯一のヒットも、嫌な言い方をしますけれども、たまたまバットの軌道に球が来たからヒットになったというか、あんまり狙って打った感じがしませんでした。
フォーム固めをするためにしばらく試合出場を控えていた時期もあったと聞きますが、ちょっと初歩的な所で躓いてしまっているなと、寂しく感じました。
今シーズンは何度か一軍のチャンスを貰って涙のサヨナラタイムリーも記憶に新しい山下幸輝選手が4打数1安打です。ヒットは1本ですが、4打席目のライトフライのような鋭い打球もありましたので、内容的には決して悪くなかったと思います。
ただ、これは強く指摘しておかなければならないのが、確か3回表のノーアウト1塁でバッターが送りバントを転がした場面です。送りバントですからピッチャーとファーストが打球を追ってセカンドが1塁ベースカバーに入るのが少年野球でも学ぶ初歩的なセオリーですが、そこで山下幸輝選手がベースカバーに入るのが遅れ、内野安打となってしまいました。
ベースカバーに入るのが遅れ、というか、バントの打球が転がされた瞬間の山下選手はほぼセカンドの定位置でボーッと突っ立つように留まっておりましたので、非常にお粗末なボーンヘッドであったと僕は解釈しました。
山下選手は決して守備の下手な選手ではありません。逆シングルのグラブさばきも強い打球への反応も非常に巧みです。ですが、技術力とは違う理由と見られるミスが他の選手と比べて、かなり多いように感じています。確か昨年もそれが理由で、懲罰的に2軍降格を言い渡された事があったと記憶しています。
現在のベイスターズ1軍の二遊間はいずれもレギュラーが定着したとは言えず、山下選手にとって見れば千載一遇のチャンスといって良いと思いますが、それなのにどうしてこういう基本的な所で失敗してしまうのか、とても歯がゆく感じます。
遠くから見ているだけの僕ごときが偉そうに申し上げるのは大変僭越ですけれども、ソフトバンクの内川選手を見習って自費でメンタルトレーナーを雇って、自分に足りないものを補う努力を、もう一段強く取り組んで頂きたいと、そのように感じました。
楽天の4番内田選手が4打数1安打です。僕はかねてから内田選手の抜群の長打力に惚れ込んでおります。
今年は巨人の岡本和真選手が大ブレークしていますが、飛距離は岡本選手の更に数段上をいきます。去年東京ドームで放った1軍初ホームランは看板のさらに上を行く超特大弾でしたが、その内田選手がいまだにファームでくすぶっているのが腹立たしくて仕方ありません。
内田選手がどうしてファームでくすぶっているのか。それがハッキリわかれば楽天球団も苦労しないと思いますが、近年の楽天は打者の育成が全般的に停滞していますので、それが内田選手の現状と大きく関係しているのは間違いないと思われます。
岡本選手のようにあっという間に大ブレークするのを期待するのはさすがに酷ですが、今はベイスターズでプレーしている中川大志選手や、今年入団したばかりで今日も出場した岩見選手の状況などを見ていると、和製大砲には和製大砲に合った、おおらかで豪放磊落なバッティングをさせてあげて欲しいものだと思います。
次にリリーフについて。
ベイスターズは熊原選手が6回からマウンドに上って最終9回まで投げきりました。
僕が今季始まる前に最も期待していた若手選手がこの熊原選手で、コントロールはアバウトだけれども、なんといってもベイスターズ随一の剛速球の持ち主であるし、その剛速球を立ち上がりから最終回まで延々と投げ続けられる抜群のスタミナが、必ずやベイスターズ投手陣を助けるに違いないと、そう期待したのでした。
果たして、今日の熊原選手は引き続きアバウトなコントロールで2ボールカウント3ボールカウントになる事しばしばでしたが、そこから踏ん張って踏ん張って与四球を1つに留め、それでいて150キロオーバーの剛速球をビッシビシ投げ込んで無失点と、申し分のない結果を残しました。
熊原選手の成績は不安定極まりないもので、だから今季はこれまでただの一度も1軍昇格の機会を与えられていないのだと思いますが、ただし、今季のベイスターズの先発陣で、熊原選手を2軍に押し込めておいてもファンを納得させられるような立派な成績を残している選手が、一体どれほどいるんだろうかと、僕は言いたいです。
具体的に名指しするのは控えますが、毎試合のように先制ホームランを打たれては降格。2週間位して1軍で登板してもやっぱり先制ホームランを打たれての繰り返しをしている選手がいると思いますが、どうして彼らの代わりに熊原選手を1回試してみようとならないのか、僕は不思議で仕方ありません。
熊原選手は粗いです。不安定です。だけれども、その欠点を補ってあまりある魅力があります。
ですから、次回の登板は必ずや1軍の舞台で行われるよう、強く要望したいと思います。
楽天は9回の小野選手が1イニングです。なかなか球速のあるピッチャーだというくらいしか記憶が残っていません。ごめんなさい。
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というわけで久しぶりの球場観戦を振り返ってみました。
2週間後に横須賀スタジアムでナイターの連戦がありますので、少し遅くなってしまったけどお盆のお墓参りと合わせて最低1試合は見に行っておきたいと考えている感じです。
勝:西口
敗:中川虎
S:小野
観客数:1300名くらいとアナウンス
以上