ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

僕は若返りという言葉が嫌いだ

 

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 村田修一選手がどうやら引退するらしい、というこのニュース。

 

 まだ事実だと認めたくないのが正直な所ですが、事実だとすれば本当に残念で無念で仕方ありません。

 

 今年の春先に足を軽く痛めた以外はおおむね健康状態に問題がなく、技術面も衰えが見られないのは皆様も先刻ご承知おきの事と思います。

 実績もあるそういった選手がユニフォームを脱がざるを得なくなっている事が、ただただ腹立たしいと感じています。

 

 

 僕は思うに、村田修一選手が最後のプレーをするのに最もふさわしい球団は、我らがベイスターズ以外に無かったのではないでしょうか。

 

 ラミレス監督は12球団でも代打の起用数がとりわけ多い監督であるから、実績があって顔で勝負できるバッターが居るに越したことはありません。

 ラミレス監督がたまにしか代打を出さない監督なら中川大志選手を1人ベンチに置いておくだけでも良かったのかもしれませんが、1イニングに2人も3人も代打を使うことだってあるのがラミレス監督なのですから、代打の切り札として、かつてベイスターズの4番を張った村田修一選手が居てくれれば、どんなにか心強かったでしょうか。

 

 また、ベイスターズのクリーンナップ3人はいずれも故障に強いとは言い難く、今季も既にロペス選手と筒香選手が数試合から十数試合欠場したのは記憶に新しい所ですし、今季チームで唯一全試合でスタメンを張っている宮崎選手とて、プロ入り以来シーズン最多出場数は去年の128試合であります。

 ですから、クリーンナップに穴が空いた時に起用する候補としても村田修一選手を獲得する必要が大いにあったと言えるでしょう。

 

 

 

 参考事例として取り上げたいのがカープ新井貴浩選手です。

 

 

 新井貴浩選手がFA宣言をして阪神に移籍した時の一連の騒動により新井貴浩選手に恨みにも近い思いを抱いたカープファンも少なくなかったと聞きますが、それでもカープ球団とカープファンは彼の出戻りを許容し、そして彼もその恩に報いる大活躍を果たしました。

 

 その新井貴浩選手の阪神最終年の成績は94試合に出場して打率.244に3本塁打31打点。カープへの出戻りを決意した時の年齢は37歳でありました。

 

 それに対して村田修一選手の昨年の成績は118試合に出場して打率.262に14本塁打58打点で、現在37歳であります。

 

 

 であるから、新井選手の事例と比較すると、年齢とファンの心情はほぼ同じであると見なせるでしょうし、そして何より成績面は村田選手のほうが大きく上回っているのがわかると思います。

 

 

 ベイスターズのチーム事情を踏まえても、他球団が出戻りを受け入れた直近例と比較しても、なぜベイスターズが、高田GMが彼を獲らなかったのか、全く理解不能であると、そのように意見表明する次第であります。

 

 

 

                ■

 

 優勝から遠ざかっているチームほど「若返り」を叫びたがるものだと、僕は考えています。

 

 

 そして、「若返り」の為だとして脂の乗った選手を他球団に放出して、自らは実績も実力もおぼつかない選手でアップアップになりながらリーグの下位の方をさまよい続けるというのがお決まりのパターンであります。

 

 もちろん、「若返り」の成功例が無いわけではありません。ベイスターズが1993年オフに行った大粛清でチームの顔ぶれが大幅に刷新された事が5年後の優勝に繋がったという意見は非常に多くあります。

 

 ですが、成功例が1つか2つくらいあるからといって、その他大多数の失敗例を無視して良いとは言えないのではないでしょうか。

 

 ベイスターズでも1993年の事例に続けとばかりに21世紀に入ってから何度となく「若返り」をやりましたけれども、それによってチームが強くなったとは誰も評価していないのであります。

 最近ようやくクライマックスシリーズに出場出来るようになりましたが、その要因が若返りだとはどの解説者も口にしておりません。

 

 

 ベイスターズは昨年オフに久保康友選手を放出しました。

 

 昨シーズンの久保選手は7試合に先発して4勝2敗で防御率5.35であります。1シーズンフルに先発ローテを守り続けてもらおうと考えるには厳しい実績でしょうが、先発の頭数に事欠いた時に助けてくれる存在としてであれば、特に今シーズンの台所事情が厳しいだけに、必要だったと言えるのではないでしょうか。

 

 他球団を見渡してみても、1年や2年振るわなくても戦力外にせずにユニフォームを着続けているベテランピッチャーはチームに何人かいるもので、そういった選手がチームの危機を救う場面も起きています。

 セリーグだけで見てもカープの永川選手、阪神の能見選手、巨人の内海選手、中日の山井選手や岩瀬選手、そして松坂選手、ヤクルトは近藤選手といったあたりが、不振の年でもクビにならずにユニフォームに袖を通し続けた結果、今季チームに無くてはならない存在として活躍しています。

 

 チームの日本人投手最年長が33歳なんていうのは本当にベイスターズくらいのもので、そうやって若い選手ばかり集めた結果が今季のような不安定極まる有様なのですから、ベテランを大事にしなかったツケがここに集中しているのではと、指摘しないわけにはまいりません。

 

 

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 要するにバランスが重要なのであります。

 

 

 「若返りだ!」といってまだ働けるベテランを排除して若い選手ばかり集めてもダメですし、かといってベテランばかり残してもダメなのです。

 

 そして、そのバランスが悪い時には、トレードであったり、または村田修一選手のような浪人中の選手を獲得して人為的にバランスを改善させる事が必要なのではないでしょうか。

 

 その点においては昨シーズン最下位から見事にV字回復を果たしたヤクルトがオリックスから坂口選手や近藤選手を獲得して活躍させたりしている事例が非常に良い事例だと思いますから、ぜひ見習って頂きたいと思います。

 

 

 今シーズンの補強期限は昨日で終了となりましたから、あとは来季以降における課題という事にはなりますが、一言感想を述べておきたいと思います。

 

 

以上