2018年3月10日 ヤクルトvs横浜DeNA (横須賀・教育リーグ) の感想
今季初の球場観戦だよ!という事で今日は横須賀スタジアムで行われた春季教育リーグの試合を見に行ってまいりました。
これまで教育リーグの試合はこけら落とし等の特別な場合を除いて入場無料なのが通例だったのですが、今年は特別でもなんでもないけど500円になりました。というわけでその500円のチケットをひけらかしたいと思います。
ちなみに、現在横須賀スタジアムのある追浜公園ではベイスターズの新しい練習場を建設しております。といってもまだ現状は地面を整地している段階で、建物は何一つ作られておりません。
当初は来春開業予定でしたが、どうやら数ヶ月ほど遅れそうだぞという事だそうですから、来年ベイスターズに入団する若人は1月末から数ヶ月だけ長浦町の旧選手寮の住人となり、それからシーズン中に改めてバタバタとお引越しをする流れになりそうです。ですから、新選手寮にお引越しする前はあんまり大きな家電や家具を買うのは控えておいたほうが良さそうだよ!と、まだ誰になるかもわかりませんけど、ご忠告申し上げたいと思います。
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本日のスタメンはご覧の通りです。ベイスターズが今永選手、ヤクルトが高橋選手の左腕対決です。
春季教育リーグの先発で1軍の主戦級ピッチャーが出てくるのは例年のことなので特に驚くものでもありませんが、今日はリリーフで出てくるピッチャーが全員1軍入りが当確じゃないかと思われる面々ばかりなので、これはサプライズでした。後ほどお伝えします。
まずはベイスターズ今永選手ですが、4回を投げて被安打1の無失点で順調な仕上がりぶりをアピールしてくれました。
ストレートの球速は140kmを多少上回る程度で抑えめな感じも受けましたが、しっかりとストライクを先行させて状態の良さそうな感じが見て取れました。唯一のヒットはベテランの井野卓選手だったと思いますが、さすがベテランだけあって甘く入ったところをすかさず振り抜かれたという感じでした。
調子はすこぶるよく、開幕投手も充分狙えるのではないでしょうか。
ヤクルトは高卒3年目の高橋選手。こちらも4回を投げて被安打4くらいで無失点でした。右バッターを相手にした時にコントロールで苦しむ所が見られましたが、ベイスターズ打線の再三の拙攻に助けられました。球速も今永選手と同じような140km前後でまとまっていて、投球練習の時に内側に小さく曲がるシュートのような変化球を投げていて、これはちょっと魅力的だぞ!と思いました。
これから順調なら早い内に1軍の初マウンドも充分見込めるのではないでしょうか。
次に野手について。
今日のベイスターズ打線は全部で8安打するもヤクルト村上選手のタイムリーエラーによる1得点のみと、決め手に欠ける一日となりました。
春のキャンプからオープン戦初頭まで1軍に帯同していた細川選手が2安打をマークしました。2安打とも少しタイミングを外されながら、なんとかバットの先で拾って内野の頭を越していく打球を打てました。
上記の2打席でラミレス監督から指摘されたフォームの崩れを改善できたかな?と嬉しく感じていたのですが、最終打席に、やはりタイミングを外されて完全に腰砕けになりながら腕だけで当てるようなスイングで内野ゴロに倒れる場面がありまして、まだまだ自分のスイングを貫き続ける所までには戻っていなかった、と今日は結論づけたいと思います。
細川選手といえばフルスイングのイメージですが、今日は8分くらいのスイングでしたので、まだまだ道半ばといった感じですね。
その他は、「首脳陣に猛アピール!」という感じの野手はおりませんでしたね。飛雄馬選手もずいぶん大人しくなっちゃったなぁと、寂しく思いました。
ヤクルトではドラ1ルーキーの村上宗隆選手に注目しました。4打席立って全て凡退に終わりましたが、ただしそのうち3打席はいずれも外野の定位置より後ろに飛ばす外野フライで、打球の角度はいかにもホームランバッターという感じの、ハッとさせられる美しい打球を打ち上げる選手だなと感心しました。
外野フェンスの向こうまで残り数メートル飛距離が足らなかったその理由は、初めてのプロ野球による疲れなのか、単なるパワー不足なのかわかりませんが、さすがプロ野球のドラフト一位で複数球団が競合指名するだけの風格のある選手だと感心させられました。
打席での振る舞い方も実に落ち着いて堂々たるもので、度胸の良さもあるように思いました。
目下の課題は、やはり内野手転向間もないという事で守備でしょうか。今日もやや強めのゴロを弾いてタイムリーエラーを喫し、牽制で飛び出した2塁ランナー(西森選手)が3塁に向かってくるのに対するタッチプレーも甘さが出て進塁を許す場面がありました。
ヤクルトがどうして彼をサードに転向させたのか理由はわかりませんが、いくら打撃の才能が超一流でも、守備を猛勉強しなくては1軍入りもまだまだ先の話となるのではないでしょうか。
次にリリーフについて。
ベイスターズは5回からなんと山崎康晃選手、6回エスコバー選手、7回砂田選手、そして8回と9回の2イニング井納選手という豪華な継投になりました。
山崎康晃選手は先頭の山川選手にいきなりセンター前へライナーのクリーンヒットを打たれるも、後続2名をボテボテの内野ゴロ(2つ目が併殺)に打ち取って3人で片付けました。
攻守交代で気が緩んでいる間にヤスアキジャンプの曲が流れ出してスカスタ場内の空気が一変しまして、本当にビックリさせられました。僕はベイスターズファンでありながら山崎康晃選手を生で見たことが今まで殆どなかったので(彼が2軍に落ちてこないので)、だいぶ感動しました。大谷翔平選手がスカスタに来た時クラスの感動を覚えました。
エスコバー選手は150キロ弱のストレートばかり投げまくってヒットを1本許すも4人で打ち取ったように思います。コントロールがとても良く、今年は去年よりも遥かに良い成績を残してくれるのではと、非常に良い印象を持ちました。
砂田選手は育成選手の頃から見てきましたが、あの頃とは違い、実に落ち着いた無駄のないフォームで淡々と3者凡退に切って取りました。砂田選手は10代の時からコントロールが良かったと思いますが、フォームはいかにも野球少年的な「うぉりゃー!」という感じでしたので、1軍に定着してすっかり大人びた都会の人になってしまったなぁと、遠くの人のように思いました。
僕としては先発に戻って欲しいのですけど、なんせ1軍の先発ローテが充実しておりますので、このまま今季もリリーフで続けるんでしょうね。くれぐれも怪我だけは注意してもらいたいものです。
最後に井納選手。春の練習試合から見ていますが、最初の1イニングは本当に鬼のように良いボールを投げて打たれる気配が微塵もありません。だけど回跨ぎで2イニング目に入ると急に別人になり、山川選手にレフトへ弾丸ライナーのホームランを浴びてしまいました。
8回が終わってベンチに下がった後の井納選手の様子を眺めていたのですが、やはり本人も回跨ぎに対する問題意識は持っているようで、普通なら味方打線が1つか2つはアウトを取られるまでキャッチボールを休む所ですが、井納選手はルーキーの山本選手を相手にキャッチボールをやり続けておりました。少しでも休むと不安なのではないでしょうか。
ずっと先発をやっていた人なだけに回跨ぎもへっちゃらかと思いきや相当慣れに苦しんでいるようで、このままロングリリーフ要員としての働きを期待され続けるのもちょっと酷かな?と感じ始めました。
ヤクルトの継投は5回から石山選手、6回久古選手、7回山本哲選手、8回中尾選手、9回沼田選手でそれぞれ1イニングづつとなりました。
その中ではBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに所属していた頃に見ていた沼田選手について。味方が9回表の土壇場で同点に追いついた為急遽回ってきた出番だと思いますが、全くその影響もなく、1軍実績のある白崎選手を腰砕けにさせて内野ゴロに打ち取ると、左打ちに楠本選手にライトへクリーンヒットを1本許すも後続を抑えて、充分首脳陣へのアピールとなる無失点ピッチングとなりました。
球速はあんまり覚えておりませんが、本人のMAXと比べればまだ多少届いてない140km台中盤のストレートと曲がりの小さな変化球で打たせて取る、という感じだったと思います。
1軍のリリーフで結果を残していくためには決め球になる強力な変化球が重要で、それをこれからどれだけ磨いていけるのかだと思いますが、器用さもあるようですし、環境の変化に対する強さもあると思いますので、ぜひ横浜スタジアムでの登板をお待ちしたいと思います。
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というわけで今季最初の球場観戦が終わりました。
毎年この時期に思うことですが、やはり野球は球場で見るのが一番です。選手1人1人の細かな動作を確認できますし、打球の速さを味わえます。
仕事や家庭の事情などで球場に通える回数に限りがあるのは当然なのですけれども、今年もなるべくそういった障壁を乗り越えて、1試合でも多く球場で野球を見たいと、改めて噛み締めました。
本:山川(僕の推定飛距離110メートル)
観客数:1200人ちょっと
以上