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毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

星野仙一さんにはプロ野球コミッショナーを務めて欲しかった

 

 星野仙一さんがお亡くなりになられました。今朝起き抜けにテレビを付けて、そこで流れていたニュースで訃報を知り、それから今までずっと星野さんのことを考えていました。

 最近は以前と比べてメディア露出の機会がめっきり少なくなっていましたし、昨秋の祝賀イベントで登場された時のお姿が少し痩せて見えましたので、健康面で少し不安を抱えておられるのかとはお察ししていましたけれども、それにしても亡くなられたとは、本当に驚きました。

 

 ご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 さて、星野仙一さんが一流の選手であり監督であった事は今更僕ごときが申し述べるまでもありませんが、それに加えて、プロ野球界の歴史上でも類を見ない、最も素晴らしい改革者であったと、僕はそのように考えています。

 

 そして、だからこそ星野仙一さんにプロ野球コミッショナーを務めてもらいたかったと、かねてより考えておりました。

 

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 日本プロ野球コミッショナー職には、昨年11月に民間出身の斉藤惇さんが就任なさいました。民間出身のコミッショナーになるのはおよそ40年ぶりの事で、それまでは全て国や公的機関の要職を務めてこられた方々の専用席となっておりました。

 さらに言えば、「プロ野球コミッショナー」というポジションでありながら、1951年のポスト創設以来、選手出身者がただの一人も選ばれてこなかったのであって、これは非常に問題であると、僕は考えています。

 

 なぜならば、プロ野球が政官財界の道具として扱われている、何よりの証拠ではないかと捉えているからです。

 

 サッカーのJリーグではコミッショナーに相当する立場をチェアマンと呼びますが、その初代チェアマンは元サッカー選手の川淵三郎さんでありました。

 2015年に創設された国のスポーツ庁長官は元水泳選手の鈴木大地さんであります。

 

 こういう様々なスポーツ団体の長の顔ぶれと見比べてみると、プロ野球の異様さがより一層浮かび上がるのではないでしょうか。

 だからこそ、プロ野球界自身がこの異様さに気付き、競技者出身のコミッショナーを据えて、世界に伍していけるだけのものを作り上げていかなければならないのではないか、と考えていました。

 

 そして、もしもこれから日本プロ野球コミッショナーに選手出身者を擁立するとするならば、もっともふさわしいのは星野仙一さんを置いて他にはいないと、そこまで考えていました。

 

 

 プロ野球が他のスポーツと明らかに違うのは、政官財の道具として便利に使われてきたという側面があるという事です。

 その具体的なエピソードを語るのは控えますが、要するに選手出身者がコミッショナーとなるからには、政官財とがっぷり四つに組めるタフネゴシエーターでなければならないわけです。

 

 その点で言えば中日ドラゴンズ阪神タイガースで、時には経営陣やタニマチ衆とも派手にやりあう位の大改革を成し遂げた星野仙一さんこそが実績的にも申し分がないのでありまして、さらに選手としても監督としても超一流の実績があるから各方面に対する発言力も抜群に発揮できるのであります。

 

 こんな風にして考えていましたので、まだやるべき仕事をたくさん残したままあの世に逝ってしまわれた事に、ただただ悔しくてならないのです。

 

 

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 日本プロ野球界は長年に渡り鎖国状態にあります。

 

 「外国人登録枠」や「WBC」などの出島を設けてごく僅かに海外との交流を残していますが、それは選手数や試合数の比率でいっても数%程度にしかならず、それは要するに徳川幕府鎖国政策を現代風に劣化コピーしたに過ぎません。

 

 そしてその影響は競技能力に禍根を残しています。

 

 1984年に公開競技としてスタートしたオリンピックの野球種目において日本代表は、1984年に金メダル、1988年に銀メダルを獲得した程の競技能力を有しておりましたが、それが今ではWBCにおいて2大会連続でベスト4に留まっています。

 世界が着実に力をつけて加速度的な成長を遂げているというのに、日本は30年前40年前と同じ強化体制のまま、明らかに世界に遅れを取っています。

 

 つまり、まさに今こそ日本プロ野球界は維新を成し遂げなければならない時期に来ているわけですが、その軸と成るべき星野仙一さんを失ってしまいました。

 

 とてつもない損失であると言わざるを得ません。

 

 

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 ポスト星野仙一と呼べる人材はいるでしょうか。

 

 落合博満さんは選手や監督として超一流ではあるものの、星野さんのような人望はありません。改革は一人では出来ません。一人でも多くの仲間を必要とします。だから人望は必須要件なのです。

 

 古田敦也さんは選手として超一流でしたし、プロ野球再編問題の折には改革者として辣腕を振るった実績もありますが、残念ながらあまり人望のようなものが見えてきません。むしろ最近は野球界から離れる一方という感じもします。

 

 こうしてポスト星野仙一候補を考えに考え続けても、かえって星野仙一さんの偉大さをますます思い知るだけで終わってしまうのが実情です。

 

 

 簡単なことではありませんが、ポスト星野仙一が必要であると主張したいと思います。

 

 

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 かえすがえすも、本当に惜しい人を亡くしました。

 

 ご本人は今頃何をお考えになっているのかわかりませんが、現役時代からハードに働き続ける毎日でらっしゃいましたので、ここでひとつゆっくり休んでいただき、天国から日本プロ野球の未来を見守り続けて頂きたいと、祈念致します。

 

 

 故人のご冥福をお祈りします。

 

 

 

以上