ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ガムクチャだっていいじゃない。野球選手なんだもの

 このニュースがヤフージャパンのトップページに掲載されてバズっていた模様です。

DeNA後藤がガムをかむワケ 繊細な性格“やってやる”スイッチ

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/07/12/kiji/K20150712010717830.html

 後藤選手は見た目こそ無骨そのものですが、実際には盟友の小池さん(現コーチ)の引退試合で試合中から大号泣していたり、また能見台にある横浜高校生徒いきつけのお店が店じまいする時には記念にユニフォームを持参してみたりするような、とても心優しい人物であります。人を見た目で判断してはならないという格言を地で行く人物であります。

 ですから、このニュースで紹介されたガムを噛む理由というのは、非常にしっくりくるものがあります。後藤選手はプロ入り一年目の開幕戦でいきなり4番を任されるほどの期待された選手でありながら、思うような結果を残せないままベイスターズに移ってきた経緯がありますので、ガムで心をリラックスさせてプレーに挑めば、元々のポテンシャルが見事に発揮されるのだ、という事です。

 ベイスターズから出て行った選手が出て行った先で花開く話ばかり聞かされている我々にとって、ベイスターズに入ったことで花開いたニュースというのは殊更嬉しいものが有ります。これからも大器晩成で益々のご活躍をお祈りする次第です。

 それはさておき、このスポニチさんの記事の中にあるこの部分が気になりました。

>ある日、関係者と雑談した際に後藤の話題になった。「本当にナイスガイ。真面目な性格だし人望も厚い。

>ただ試合中にガムをかんでいるのがね…」。確かに、後藤はガムをかんでグラウンドに立っている。その姿に

>不快感を覚える人もいるだろう。ソフトバンク、巨人は試合中のガムかみを禁止している。

 確かにネット上でもガムを噛みながらプレーする選手のことを批判する意見を時々目にするのですが、果たして、プレー中にガムを噛むことはそんなに悪いものなのでしょうか?

 僕は昭和の時代からプロ野球ファンとして過ごしてきました。昔はガムを噛むどころか風船ガムをこれみよがしに膨らませて遊ぶ選手もいたものです。別に「昔はよかった」等と懐古趣味的な話をするつもりはありませんが、その頃は風船ガムを膨らませるシーンを面白おかしく取り上げるテレビ番組もあったほどで、むしろ今みたいに見苦しいと批判する声等存在しただろうか?という疑問が湧き上がるのです。

 インターネットの発達で声なき声が見える化したからこその問題かもしれません。昔も今と同じくらい眉をひそめている人がいたのかもしれません。テレビや新聞が報じることが全てではありませんから、声なき声が見える化したのは素晴らしい事ですが、そこをあえてきつい言い方をするならば、些細な戯言もまた見える化しているのであります。全ての声にいちいち耳を傾けていたら、それこそ全員黒髪七三分けで銀行員みたいな格好でプレーしなければならなくなる、という話もあるのではないでしょうか。

 だからこそ僕は言いたいのです。「チマチマとした事を言うな」と言いたいのです。

 それこそ中学高校の生徒指導のような趣があります。

 僕が中学生の頃は、野球部の練習中は水を飲んではいけないと言われていました。野球部の顧問の先生は保健体育が担当で、授業では「運動中は適度な水分補給が必要だ」等とご高説をぶっておきながら、部活では真逆の事を指導するのです。

 それと同じで、ガムで行き過ぎた緊張感を緩和させてプレーに適切な心理状態を保てるのであれば、どうぞご自由にとガムを噛ませるべきなのです。なんといっても野球選手はアスリートなのであって、サラリーマンでもなければ演技中の役者さんでも無いのです。プレー中のアスリートにとって、プレーを最高レベルに持っていく事より大切なものなど無いのであります。

 それにそもそも、ガムを噛むことがみっともないとする意見そのものにも疑義を呈したいのです。世の中には「いい大人が漫画雑誌なんか読んで…」とか「いい大人がアニメなんか見て…」という声が少なからず存在するのをご存知の方も多いと思いますが、根っこはそれと同じではないでしょうか。要するに自分の思い込みや価値観を押し付けているに過ぎないわけです。

 選手がガムを噛んでいる場面に目くじらを立てている人は、野球に集中していないのではないでしょうか。僕などは、試合中は各野手の守備位置であったりベンチの様子であったり様々な所を見るのに忙しすぎて、選手がガムを噛んでいるのに目くじらを立てる余裕などありませんよ。そうやってガムを気にしている人は、自身の集中力の低さこそ見つめなおすべきではないでしょうか。

 というわけで、選手は大いにガムを噛みなさい、と言いたいと思います。

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 もう一つアピアランス(容姿、外見)についても意見を申し述べたいと思います。

 選手の髪型、特に染髪について文句を言い募る人が少なくないようです。

 確かに僕自身の考え方としても、ベイスターズ在籍時代の内川選手や村田選手の金髪姿は、田舎の、今で言うマイルドヤンキー的なお兄ちゃんだなぁと、もっと具体的に言えばダサいなぁと思いましたけれども、それは「ダサい」と思っただけであって、野球選手は品行方正であるべきとか染髪は止めるべきみたいな考えには至りませんでした。

 繰り返しになりますが、中学高校の生徒指導みたいな話をする人たちがいるようです。まるで自分の学生時代が思い出されて非常にウンザリとした気持ちになります。だいたい中学高校というのは偏差値の低い学校ほど生徒指導が厳しいものです。僕は頭が弱いせいで生徒指導が厳しい学校に通っていたわけですが、やれ髪の毛が天然パーマで風紀を乱すだの、やれ女物の派手な腕時計をするなだの、実によく指導され続けたものです。ですからあの当時の記憶が思い起こされて、そして「ウザイなぁ」という心境に至ってしまうのであります。

 プロ野球選手がどういう格好をしようが、自由で良いではありませんか。

 職業に応じてTPOをわきまえれば良いのです。野球選手が髪を黒くして七三分けにすれば良い成績になるのだったらそうすべきですが、実際には全く関係ありません。ですから自由にやれば良いと思うのです。

 人間の印象は見た目で殆ど決まってしまいます。ですが、野球の成績は見た目では決まりません。見た目で成績や査定が左右されるような職業の基準と一緒にしてはならないのだと思います。

 破天荒な人がいても良いのではないでしょうか。僕は日ハムの中田選手が気になって仕方ありません。彼は新人時代から言葉に妙な味わいがあって気になる人で、今や成績面においても球界を代表する選手になりましたけれども、残念ながら日本ハムグループのコマーシャル出演の座を大谷翔平選手に持って行かれてしまいました。ですが、やはりああいうコテコテな選手は一家に一台ならぬ1球団に1人はいて欲しいものです。

 その点、我らがベイスターズは人畜無害な選手ばかりになってしまいました。ハマの番長三浦大輔選手のリーゼントくらいしか目立つものがありません。もっとコテコテな選手に現れて欲しいと思っています。いでよ中村紀洋二世であります。

 昔の暴走族の人みたいな出で立ちでプレーをされても言葉に窮してしまいますけれども、それもまた個性なのであります。プレー中は帽子をかぶってしまうので髪型までなかなか見えてきませんが、オシャレさで少年少女を魅了する選手がいても、それはそれで良いではありませんか。

 とにかく僕としてプロ野球界で没個性化が進むような事は断じて認められませんし、選手各人にはグラウンド内外で個性をいかんなく大爆発させてプロ野球界を盛り上げていって欲しいものであると、そのように考えているところであります。

以上