2年目のジンクス(新型)
野球界で昔から言われている格言の1つに「2年目のジンクス」というものがあります。
通常これは、1年目に大活躍したルーキーが2年目に思ったような活躍ができなかった時に言われる言葉ですが、僕は最近、ちょっと違った意味で2年目のジンクスを感じるようになりました。
何が違うのかと言いますと、1軍2軍レベルは別にして、高卒1年目にそこそこ見どころのあった選手が2年目に大して成長していなかったり、むしろ悪くなってしまうような、ある意味クラスダウンしたような、そういう意味で感じ始めているという事です。
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僕はベイスターズファンですからベイスターズの選手で事例を示しますが、まず最初にご紹介するのは桑原将志選手です。
これは数年前に書いた僕のブログエントリーで、この中でも桑原選手の2年目について触れています。1年目が非常に良かったのに、2年目にあまり成長が見られなかった、あのガッカリした時の感想も僕なりに書きました。
上の表は桑原選手のイースタンの公式記録ですが、1年目から2年目にかけて打率こそ順調に伸びているものの、持ち前の俊足をアピールするための盗塁は前年比ダウン、その他の数字も伸び悩んでいます。
3年目は1軍昇格を果たしたぶんファームの出場試合数が減りましたが、それでも前年比で大幅に数字を伸ばしている事からも、2年目の伸び悩みがどれほどのものだったか、ハッキリ見て取れるのではないでしょうか。
桑原選手以上に、もっとハッキリと数字に現れているのが筒香選手です。
筒香選手は1年目のイースタンの全日程が終了した後、3試合だけ1軍の試合に出場しました。2年目は故障で休んだ時期もありつつ、1軍の試合にもそこそこ出つつ、という具合でしたのでイースタンの出場試合数はだいぶ少なくなりましたが、それにしても打率の下がり方が尋常ではありませんでした。
この筒香選手の2年目のジンクスについては、周囲の環境の変化による影響も少なからずあったと見られます。
1年目は当時の加地球団社長号令のもと「700日計画」なるものが発動し、ほぼ筒香選手のためといっていいタイミングで鈴木尚典さんがファームの打撃コーチに就任したり、田代富雄さんがファームの監督として見守ったりして英才教育が施された1年でした。
それが2年目に入る前のシーズンオフで鈴木尚典さんはコーチを外され、田代さんも監督をクビになってしまいました。
それに加えて春のキャンプのシート打撃中にデッドボールを受けて骨折してしまった影響も、かなり大きかったのではと思われます。
そんなこんなで、僕が提唱する新型2年目のジンクスにどっぷりとはまり込んでしまった、当時の筒香選手でありました。
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筒香選手にしても桑原選手にしても紆余曲折を経て今は1軍でレギュラー級の立場になりましたから、この2人については良い経験になったと言えると思いますが、残念ながらこれが終わりの始まりになってしまった選手もおりました。
筒香選手と同期入団で筒香選手よりも先に1軍デビューを飾った眞下選手です。最近ファンになられたばかりの方にはピンと来ない人もいらっしゃるかもしれませんが、言うならば現在の砂田選手か、それ以上に期待の高かった左腕ピッチャーでした。
ですが、2年目に監督直々にフォーム修正を指示されてから調子を狂わせて、結局は数年後に戦力外通告を受けるまでになってしまいました。
ものすごく悔やまれる事例としては、桑原選手と同期入団の伊藤拓郎選手に触れない訳にはいきません。元々故障持ちを承知の上で支配下ドラフトで獲得し、状態が良くなったと見てイースタンで4試合投げただけですぐに1軍昇格という、大変なスピード出世を遂げた伊藤選手でしたが、今になって振り返れば、この時に急ぎ過ぎた事がかえって仇になったと思えてなりません。
伊藤選手は戦力外になった後もBCリーグで元気にプレーを続けていますので、フロントや首脳陣が投げる時も戦力外にする時もあんなに拙速にならなければと、僕は今でも考えています。
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2016年のベイスターズには飯塚選手、百瀬選手、亀井選手と3名の高卒2年目の選手が在籍していたわけですが、僕の感想としては、3人とも伸び悩んだ、ガッカリした1年だったという風に見ています。
で、問題なのは、この3人が2016年をどのように振り返り、どのように考えてこのオフを過ごしているのだろうか?という事と、あとは2016年に高卒ルーキーとしてプレーした綾部選手、青柳選手、網谷選手、山本選手の4人が、3人のしくじり先生達の振る舞いを見て、反面教師にして欲しい、という事でしょうか。
高卒2年目3年目の選手に1軍の戦力になって欲しいだなどと欲張りな要求をするつもりは毛頭なく、まずはしっかりと食事を取って、ハードなウエイトトレーニングに取り組んで、身体を一回りも二回りも大きくする位の事は、必ずやっておいて欲しいと思います。
プロ野球選手は身体が資本なのですから、少なくともそれくらいの努力は高卒1年目のオフくらいにはしっかり習慣づけておいてもらわなければ困るのであります。
また、きちんと体作りをしておけばキャンプでハードな練習に取り組めるし、ハードな練習に取り組みながらも、なおかつ頭を使う余裕も生まれることでしょう。それが数年後の自分に跳ね返ってくるのだと、全員で理解しておいてもらいたいです。
とにかく最近のベイスターズは高卒選手が特に育っていないという危機感があります。これ以上しくじり先生を量産しないでおいてもらいたいものであります。
以上