ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

新春到来!2016年に飛躍が期待されるイースタンリーグの選手

 

 あけましておめでとうございます。本年も弊ブログをご支援賜れますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 さて、新年最初のエントリーとしまして、一応二軍中心のブログを銘打っておりますからそれらしく、昨シーズン見ていて「2016年が楽しみだな」と感じたイースタンの選手について、球団の垣根を超えて語ってみたいと思います。

 それぞれのチーム毎に何人までと制限を設けることはせず、1チームに必ず1人入れるみたいな配慮もせず、ただただ僕の独断と偏見を頼りに書きますので、1人も含まれないヤクルトスワローズファンの皆様には予めお詫びしておきたいと思います。

 

■読売巨人 金伏ウーゴ選手

 

 いの一番はイースタンの優勝チーム巨人から。ヤクルトを戦力外となり、今季から巨人の育成選手になったウーゴ選手を取り上げたいと思います。

 

 ウーゴ選手は球の速さや重さに定評がある左投手です。恐らくリリーフ向きと思われます。ヤクルトでは戦力外になってしまいましたが、昨シーズンの終盤に向かうにしたがって何かを掴んだような雰囲気、そして自信を持って投げ込んでいるように僕には見えました。

 ウーゴ選手の欠点は制球難であろうかと思いますが、その点はコーチ陣が多士済々の巨人に移籍した事がプラスに働くのではないかと見ています。コーチにも相性がありますので、数多くいるコーチの中でウーゴ選手と相性の合うコーチに出会いやすくなる筈です。

 制球難にも人によって程度の違いがありますが、ウーゴ選手の制球難はそれほど極端なものではなく、また、精神的な弱さから生ずる類のものでもありません。ピンチの場面で追い詰められて制球を乱すタイプではなく、単なる技術的な問題に過ぎません。ですから少々のフォームの修正が決まれさえすれば、遠からず支配下登録されて巨人のリリーフ陣の頼もしい一員になるに違いありません。

 

 巨人は昨季の堂上選手や吉川選手など、戦力外市場から良い選手を拾い上げるようになりましたね。

 

 

■読売巨人 辻東倫選手

 

 もう一人巨人から注目選手ですが、内野手の辻東倫選手がいよいよ1軍定着を視野に入れられるのではないかと見ています。

 

 辻選手は巨人のファームで主にショートの守備についています。守備については普段からジャイアンツ球場の土のグラウンドで鍛えられているおかげで1軍のスタメンで起用しても差し支えないレベルまで成長していますし、打撃についても1軍で1つでも多く打席をもらって一軍のスピードを学ばせたい所まで来ていると思います。

 しかしながら、巨人のショートといえば言わずもがなの坂本選手がいて、サードには村田選手や新外国人選手、それに新進気鋭の岡本和真選手もレギュラーの座を虎視眈々とうかがう、非常に分厚い選手層がありますので、そのへんとの兼ね合いがポイントになるのではないでしょうか。

 

 そんなにホームランをたくさん稼ぐタイプではなく、ゆくゆくは3割10本20盗塁くらいでチームの攻守の要になるような選手なのではないかと思いますが、いずれにせよそろそろ1軍で活躍し始めてもおかしくない選手に違いありません。

 

 

■横浜DeNA 山下幸輝選手

 

 お次はイースタンリーグの第2位、我らがベイスターズから山下幸輝選手をフューチャーしたいと思います。

 

 昨シーズン入団1年目を迎えた山下選手は慣れないプロ生活で七転八倒の苦しい1年を過ごしていたようですが、ある程度プロ生活に馴染み始めた夏以降については守備にしても打撃にしても、適応力の高さを見せてくれるようになりました。不慣れな守備位置や打順になると途端に考えこんで成績を落とすような融通の効かない選手が少なくない中で、山下選手はどこのポジションについても、そこがまるで自分の本職であるかの如くスイスイと気分よさ気にこなす姿が垣間見えたのです。

 打撃面については台湾のウインターリーグで好成績を挙げられた事からもわかるように、シーズン中から日増しにレベルアップしているのが伝わっていましたし、2016年はどれくらいやってくれるだろうかと楽しみで仕方ありません。

 

 恐らく山下選手にとって最も良い守備位置はセカンドになるだろうと思います。しかしそこにはラミレス監督直々にご指名の石川選手という壁がそびえ立っているわけでして、そうすると今度はショートを狙ってみるのも悪くないかもしれません。他球団の一流のショートと比べるとフィジカル面で見劣るのですが、ベイスターズの他のライバルたちと比べると総合力の面で、もしかしたら上回れるかもしれませんね。

 

■横浜DeNA 百瀬大騎選手

 

 ベイスターズからもう一人、こちらも内野手の百瀬選手を取り上げたいと思います。

 

 百瀬選手についてはシーズン中から試合の観戦記でちょくちょく書き続けてきましたが、高卒1年目らしからぬ落ち着き払った、肝が座った人物でありました。最近は関根選手や砂田選手など高卒1年目から度胸満点な人物が現れるようになりましたが、百瀬選手もその度胸の良い高卒ルーキーシリーズの1人だと思います。

 その百瀬選手の性格がよく現れているのが出塁率です。昨季ファームで打率.154というのは高卒ルーキーとしてはこんなものですが、出塁率となると.325まで跳ね上がるのです。同じ若手選手でも山下幸輝選手が出塁率と打率の差異が.064、宮崎選手が.042、関根選手が.077、倉本選手が.068ですから、百瀬選手がいかに落ち着き払ってボールを選べているかがわかると思います。これでパワーや技術を磨き上げれば一体どのような打者になるのか、とても素晴らしい出塁マニアになってくれるのではと期待せずにはいられません。

 守備については、肩の強さは眼を見張るものがあります。ショートといえば三遊間を抜けようかというゴロを逆シングルでキャッチして厳しい体勢から1塁に力強い送球で打者走者を仕留めるような、肩や体幹の強さが求められるポジションです。そういう部分について、目下ベイスターズの内野陣で最も有力なのではないかと見ています。捕球などの技量についても元の水準が高いですから、プロで1年やった積み重ねが今季どのように花開くか、高卒選手ならではの急成長が見られるのではないでしょうか。

 

 今季いきなり1軍のレギュラーを奪う所までいくかといえばそこまでは時期尚早でしょうけれども、夏くらいには「期待の若手」的な存在として一軍ファンから熱い期待を一身に背負う位になれるのではないでしょうか。

     

 

埼玉西武 駒月仁人選手

 

 お次はイースタンリーグ第3位の埼玉西武ライオンズから魅惑の大砲駒月仁人選手を取り上げたいと思います。

 

 西武といえばおかわり中村選手を筆頭に、浅村選手や森選手など和製大砲のるつぼと化し、ファームにも山川穂高選手や坂田遼選手のような他球団から垂涎の的となるような選手が少なくありません。裏を返せば駒月選手にとっても同じキャラクターを持つライバルが非常に多い、難しい環境にあるとも言えると思います。

 その駒月選手は昨年の春、素晴らしいスタートダッシュを決めたのが記憶に新しい所です。僕は巡り合わせの関係で昨季は2試合しか西武戦を見られませんでしたが、そのうち春に見た1試合で、9番で出場した駒月選手が「これが9番打者か」と目を疑うほど大きな打球をポンポン飛ばしまくっていたのです。結局5月にはファームの月間MVPも獲得し、ファームのオールスターにも選ばれるほどになりました。

 ただ、そこから先は尻すぼみになってしまったようで思うように数字も伸ばせず、1軍昇格を果たすことも出来ませんでした。秋にも1試合西武戦で駒月選手を見られましたが、観客席まで伝わってくるような威圧感みたいなものが失われていましたし、技術的にも精神的にもうまく咬み合っていないんだろうなと感じられました。

 

 おかわり中村選手が最初に1軍でブレイクしたのは交流戦の時でした。本当に突然キラ星のごとく登場して打ちに打ちまくって「おかわり君」というニックネームが知れ渡ったのもその時でした。

 和製大砲タイプの選手というのは、徐々に伸びてくるというよりも、ある日突然神様が舞い降りて1軍で打ちまくる、そういうものというイメージがあります。ですから、駒月選手が今季そのような具合に突然神様が舞い降りてきて派手に打ちまくることがあっても、もう不思議ではない所まで来ているのではないかと、そのように見ています。

 

 

千葉ロッテ 二木康太選手

 

 お次はイースタンリーグ第4位の千葉ロッテから右投げ投手の二木康太選手を取り上げたいと思います。

 

 二木選手は既に昨季最終盤になって1軍で初登板初先発し、好投してみせていますので、今更フューチャーするまでも無いかもしれません。昨年夏のものすごく暑い日のデーゲームで、この暑さを物ともしない容赦なく苛烈なピッチングでベイスターズ打線が完璧に抑えこまれ、恐ろしいピッチャーが登場したものだと圧倒されたのが非常に強く記憶されているのです。それは楽天の釜田選手を初めて見た時以上のインパクトが有りました。

 ウィキペディアでは二木選手が最速143キロと書かれてありますが、恐らく150キロ近い球速が出るまで成長しているようですし、何よりコントロールが良いのが魅力的です。精神的な弱さみたいなものも感じられませんので、あえて弱点らしいものを見つけようとしても、スタミナがどのようなものかとか、なかなか見つかりません。

 あとは1軍の駆け引きであるとかシーズン通してローテを守るための調整法とかを学んでいくことになるのでしょうが、それにしてもロッテは地味なところから逸材を見つけてきたものだなと感心させられる次第です。

 

 

東北楽天 片山博視選手

 

 お次はイースタン5位の楽天から、今季はひとまず育成枠で再スタートを切ることになった片山選手を取り上げたいと思います。

 

 片山選手といえば元々はピッチャーとして入団して1軍で活躍した時期もありましたが、故障などもあって昨春から野手に転向しました。野手転向を春のキャンプで決めた都合上、昨季は支配下登録のままプレーを続けましたが、今年はもう少し時間が必要と見えて一旦は育成枠になったようです。枠は育成でも年俸は支配下並に据え置かれていますので、チームが片山選手をそれなりに重く見ているのは確かです。

 昨季は春から野手として試合に出て、時にはクリーンアップを任されることもありました。数字的には打率.238の1本塁打と物足らなさが残りましたが、なにぶん指名打者制のパリーグで10年もピッチャーをやっていましたので、長きに渡って打席に立つ機会がありませんでした。これだけのブランクがありながらこれだけの数字を残せたと、むしろ褒められても良いくらいかもしれません。

 その片山選手の何が良いかといえば、あの日本人離れした体格の良さと、そして打席での風格です。とにかくものすごいパワーの持ち主なのは改めて言うまでもありませんし、ただ体格が良いというだけでは説明がつかない、言葉で言い表しようがないオーラを持っているのが片山選手です。首脳陣が彼をクリーンアップに置く理由もよくわかります。

 これだけのブランクがありながらすぐにこれくらいの数字を残せたわけですし、たぶん春秋のキャンプとオープン戦をこなせば、すぐに支配下登録に戻って1軍の戦力になるのではないでしょうか。オリックスの糸井選手やヤクルトの雄平選手等の野手転向の先輩格よりもブランクは長かったわけですが、去年の様子を見ても、割とすぐに出てこれるのではないかと期待させるだけのものがあります。

 

 楽天は球団創設以来和製大砲の育成に苦労し続けていますが、中川大志選手と並ぶ左右の和製大砲が東北のファンを喜ばせる日もそう遠くはないのではないでしょうか。

 

北海道日本ハム 高濱祐仁選手

 

 ラストはファイターズで今季入団二年目を迎える高濱選手を取り上げます。

 

 昨季は日本ハム戦で必ずフル出場していた印象があり、NPBのホームページで確かめてみると、チームでただ1人400打席以上もらっているのがわかりました。昨季のイースタン全体で400打席以上立った選手は高濱選手を含めて4人しかおりませんし、しかもそのうちルーキーは高濱選手ただ1人しかおりません。それでファイターズが彼をどれくらい重く見ているのかがわかりますし、それくらい期待に値する逸材であると僕も思います。

 和製大砲を見極める上で重要な要素は、やはり体格の良さが最も重要です。ゴツイ人でなければなりません。その点で高濱選手は中田翔選手の1年目を凌ぐくらいの体格の良さが魅力的です。ファイターズでは昨季限りで退団した鵜久森選手が和製大砲として期待された存在でしたが、鵜久森選手でもまだ体格の面で物足らなさがありました。その点高濱選手は今でも充分ゴツイですが、今オフはさらにもう一回り大きくならなければ札幌ドームでホームランをバンバン打てるようにはなれません。

 和製大砲は1軍でそれなりの成績を残せるようになるまで時間がかかるものです。中田翔選手にしても1軍で二桁ホームランを打てるようになったのは入団4年目になってからでした。その点高濱選手はまだ今季で高卒2年目ですから、今年は1軍の試合になるべく機会をもらってスピードに慣れる必要がありますし、いきなりレギュラーを狙うのもまだまだ気が早いですが、昨季の夏以降の成長ぶりを見てみると、スピードに慣れてから成績を残せるようになるまでは、それほど時間がかかるタイプでもないように感じます。

 

 ファイターズでは中田翔選手のFA権がそろそろ心配になってくる時期でありましょう。残ってくれるのが一番ですが、高濱選手をいち早く育てて、あわよくば二枚看板で屈強なソフトバンクに太刀打ちできるようにしておきたい所ですね。

 

 

               ■

 

 長くなりましたが、今シーズン特に注意してみておきたい選手を取り上げてみました。

 

 これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

以上