ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

長かったシーズンが終わった

 

 土曜日に行われたベイスターズ球場パブリックビューイングを訪れ、結果的にベイスターズの今シーズン最後の試合を見届ける事となりました。

 

 ケーブルテレビのパックに入っているので自宅で大人しくテレビ観戦するプランもありましたけれども、普段立ち入ることが出来ないベイスターズ球場のグラウンド内に入れるまたとないチャンスなので、パブリックビューイングを選びました。

 

 試合開始の1時間前には到着をして、立ち入りを許可されたエリアは隅から隅までくまなく見回ってきました。レフト側のフェンス越しに、たまに乙坂選手が釣りをしているという海辺を見たり、外野フェンスの高さを確かめたり、所々に生えている雑草を見たり、色々な発見がありました。

 

 ベイスターズが前回優勝を果たした1998年から今に至るまで、のべ数百人もの選手たちがこの場所で、いかに暗黒時代と言われようとも、プロとして練習を積み重ねてきたんだなと、そして、これから始まるクライマックスシリーズの試合に繋がる、いわば地層とも言えるものを感じずにはいられませんでした。

 

 

 これまでのベイスターズファンにとって、シーズン最終戦というのは10月の初頭に本拠地横浜スタジアムで行われる最後の公式戦を意味していたと思います。公式戦の最後の試合を見て、監督コーチ選手がグラウンドに一列に並んで、監督が挨拶をして、それでシーズンの終わりを噛みしめるのが、これまでのシーズン最終戦でした。

 

 それが今年はこうやって、なぜか自分がベイスターズ球場のグラウンドに立ち、約120メートル前方にある大型ビジョンで映し出されるクライマックスシリーズの試合をもって今シーズンが終わる、この違和感というか、いつもと明らかに違うこの感じが、やがてベイスターズの新しい時代の到来へ、確信に変わる。そんな風に試合後にしみじみとしました。

 

 今シーズンは終わりましたけれども、これからが新しい時代の幕開けなんだ。確信を致しました。

 

 こんなにも嬉しい負け試合は、いまだかつて存在したでしょうか。

 

 

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 広島カープは強かったです。

 

 ですが、ベイスターズの何が足らないのか、非常にハッキリしたと思います。

 

 カープの選手はそれぞれ自分の役割を高度に理解し、それを高度に実行していました。田中広輔選手のように神がかった活躍をする選手もいましたし、中崎選手の故障明けを感じさせない、堅実な仕事ぶりも見事でした。

 

 戦前は、カタログスペック的にはベイスターズの選手層もさほど劣っていないと考えていたのですけれども、それはあくまでカタログスペックなのであって、クライマックスシリーズという大一番において実測値が大きく異なってしまいました。

 

 でもまぁ、これが経験の違いだと思います。この経験を糧にして、来年のクライマックスシリーズカープと相まみえる事ができたならば、その時は互角か、それ以上の力を発揮できるくらいの潜在能力が、今のベイスターズも充分あると思います。

 

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 来季に向けて、ラミレス監督は「あと少しの補強で」と補強を希望する発言をされたそうです。

 

 しかし僕はそこに疑問があって、僕が補強が必要だと感じるポイントはせいぜいリリーフの、7回~9回のどこか1イニングを任せられるタフな外国人ピッチャーが居てくれたら良いなと思うくらいで、あとはさほど大きな補強は要らないのではないかと思っています。

 

 クライマックスシリーズで筒香選手が崩れた理由は、筒香選手がまともに勝負してもらえず、打ち気にはやってボール球に手を出すようになったからだと言われています。つまり筒香選手の後ろを打つ5番バッターは宮崎選手では不足だという話ですが、それならロペス選手を5番に戻せば良いではないかと思います。少なくともシーズン中はそれでうまく回っていたわけですから。そして梶谷選手なり宮崎選手なりが3番を打つようにすれば良いと思います。

 

 カープにしても今日の試合で日本シリーズ進出を決めた日本ハムにしても、そこまで補強頼みのチーム作りはしていないと思います。カープエルドレッド選手、日ハムはレアード選手という中心になる外国人バッターが居ますけれども、ベイスターズでそれと同じ役割を担うのがロペス選手であって、そこに上乗せするように何人も外国人選手を連れてくるとか、FAの選手を連れてくるとか、そこまで重要だとは思えません。

 

 とにかくこの度のクライマックスシリーズで実際に試合に出て悔しさを味わった選手こそが、来シーズンの飛躍にもっとも重要な役割を担うような体制でなければなりません。

 

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 僕が自分自身をベイスターズファンと自負し始めた2002年からのシーズンの中で、これ以上のないくらい達成感のある、良いシーズンだったと思います。

 

 この経験が必ずや来シーズンの飛躍に繋がるものと信じて、楽しみに来シーズンを待ちたいと思います。

 

 選手を始め、ベイスターズ関係者の皆様方、お疲れ様でした。

 

 

以上

 

 

 

 

 

2軍で頑張ってきた

 

 昨日行われたクライマックスシリーズ第3戦は試合冒頭からテレビにかじりついて応援してまいりましたが、色々あった中でも特に、嶺井選手が放ったレフトへの決勝タイムリーは、言葉に出来ないくらい嬉しいものがありました。

 よく「涙がでるくらい」と形容されますが、本当に涙を流して喜びました。

 

 レギュラーの選手が活躍するのも嬉しいですけれども、今年はほとんど2軍で歯を食いしばって頑張ってきた嶺井選手が打ったからこそ、感動が何十倍にも膨れ上がったのだと思います。

 

www.nikkan-gendai.com

 

 

  湘南ケーブルの馬場さんのツイートやゲンダイさんの記事にも書いてありますが、今シーズンのベイスターズファームで最も努力したと言っても過言でないくらい、嶺井選手は人一倍地道に頑張ってきたと思います。

 

 ベイスターズファームの主催試合でチームが勝利すると試合後にヒーローインタビューを行うのですが、入団からある程度年数が経った選手は面白い話をしたりにこやかに話したりする選手が殆どという中にあって、嶺井選手だけは表情を全く崩さず、一日でも早く一軍に呼んで貰えるよう固い決意を語っていたのが、強い印象として残っています。

 真面目過ぎてつまらないと感じてしまうくらい無骨なヒーローインタビューでしたけれども、1分1秒足りとも慢心しない、嶺井選手のストイックさがヒシヒシ伝わってきました。

 

 昨日の試合後のヒーローインタビューも見ましたけれども、たぶん頭の中が真っ白になっていたのではないでしょうか。インタビュアーさんと言葉が噛み合わない所もありましたけれども、それくらい必死になってプレーしていたのだと、微笑ましく思いました。

 

 こういう選手がいるからこそチームが強くなるんだと、改めて心強く感じました。

 

 嶺井選手に盛大な拍手を贈りたいと思います。

 

 

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 昨日はリリーフで登板した田中健二朗選手が、代走で登場した鈴木尚広選手を牽制球で仕留めるビックプレーでチームを勢い付けてくれました。気合の入ったピッチングも、それこそ往年の木塚敦志さんの魂を受継いだかのように、炎がメラメラと燃えたぎっているのがテレビ越しでも伝わってきました。

 

 田中健二朗選手も2軍暮らしの長い選手でした。

 

 もう何年も前になりますが、当時1軍と2軍を行ったり来たりしていた田中健二朗選手が平塚球場の監督室で1軍昇格を言い渡されて、暗い顔で部屋から出て来る場面に、たまたま僕が居合わせた事を思い出します。

 なぜ僕がそこに居合わせたのかといいますと、ベイスターズファームで行っていたヒーロー選手のサインボールプレゼントの抽選に当選して、球団職員さんの誘導で関係者専用の通路を通って平塚球場のグラウンドに移動する途中だったからです。

 

 普通は1軍昇格を言い渡された直後とあれば、喜色満面とか、飛び上がって喜んでいる姿をイメージするものですけど、あの表情を見た限り、当時の田中選手がそういう心境になかったのは、たぶん間違いないと思います。

 あの時に田中健二朗選手が1軍昇格を言い渡されていたと僕が知ったのは翌日のことでしたから、あの表情を見た瞬間は「監督に怒られてシュンとしてるのかな?」くらいに思えたものです。

 

 元々才能が高く評価されていたからこそ高校生ドラフトで1位の指名を受けたわけでして、そこから故障もあったにせよ、せっかくの才能がありながら飛躍を阻んだ一番の要因は、気持ちの問題が大きかったのではないかと思います。

 それが今では表情が全く別人のように精悍になって、逞しくなったなぁと、我が事のように嬉しく感じています。

 

 これから先、リリーフを続けるのか先発に戻るのかわかりませんけれども、もう彼の飛躍を阻むものは何も無いのではないでしょうか。ますますの活躍を期待します。

 

 

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 今年ようやくその実力を評価してもらえるようになった宮崎選手もそうですが、2軍で頑張っていた選手が1軍の試合で、2軍の何十倍もの人数のお客さんを前に活躍する姿を見るのは、本当に言葉に言い表すのが難しいくらいに、とても嬉しいことです。

 

 プロ野球選手とて僕達と同じ人間ですから、ただ練習や年数を重ねれば単純に上達するというものではなく、様々な紆余曲折を経て、何人かに1人くらいが1軍で日の目を見るという事でしかありません。

 

 努力をすれば必ず結果につながるという単純なものではないけれども、努力をしなければ結果につながらないのであって、見ている側としても、やっぱり結果に結びついた瞬間の嬉しさは格別です。

 

 そりゃー入団1年目からサクサク活躍してくれたら苦労もありませんけれどね、2軍で殆ど誰も見ていないような所で地道に頑張って、それでようやく結果を残した喜びは、何者にも代えがたいです。

 

 

 2軍にいる若い選手たちにも、嶺井選手や田中健二朗選手の生き様をしっかりと見ておいてもらいたいものですね。

 

 

以上

 

 

 

戦力外の話題をおもちゃにしないで欲しい

 

 NPB各球団から、来季の契約を結ばない選手の発表が行われております。我らがベイスターズでも9名に通告が行われたとニュースで報じられています。

 

 毎年のことではありますけれども、胸が痛むニュースです。

 

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 「プロ野球選手はプロだから、結果を残せなければクビを切られても仕方がない」とはよく言われることで、正論だと僕も思います。

 けれども、会社員や公務員だってその道のプロとして、仕事の対価で給与を受け取っているのであります。だから社会に出て働いている人の多くは何かしらのプロなのであって、ことさらプロ野球選手ばかり厳しい自己責任が求められる理由の多くは、結局は雇用契約の性質の違いでしかありません。

 

 言うならば、元請け会社(球団)と下請け会社(選手)の間柄みたいなものでしょうか。

 

 建設業界等では「一人親方」と呼ばれるプロフェッショナルが数多くおられますけれども、プロ野球選手はその方々と近いのかなと、勝手に想像しています。

 元請け会社と専属契約を結んでいた一人親方が、ある日「来年からは契約を結びません」と通告されるようなものです。そういった境遇に置かれた一人親方に対し第三者である我々は、「プロだから、結果を残せなければクビを切られても仕方がない」と突き放すような事はなかなか言えないのが人情かなとも思います。

 

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 だから僕は、戦力外通告された選手や、当落線上にあると見られる選手に対して、「プロだから仕方ない」と突き放すような言葉をかける気分には、全くなれません。

 

 ましてや、僕が雲の上の人とあがめるプロ野球選手です。これまで何度となく楽しませてくれたプロ野球選手です。

 

 

 その戦力外通告を受けたプロ野球選手に対し、プロ野球ファンが辛辣な言葉を浴びせたりネットに書き込んだりするのは、あってはならない事だと思います。心がないと僕は思います。

 

 プロ野球が好きで、何かにつけて贔屓チームへの忠誠心をアピールしたり観戦試合数を誇ったりしている人が、戦力外の選手に向かって厳しい言葉を投げつける場面を僕はこれまで数え切れないくらい目の当たりにしてきたのですが、そういう神経が僕にはわかりません。

 

 「応援していたんじゃないんですか?」

 

 いつもそんな感じでフラストレーションを溜め込んできました。

 

 感謝や惜別の言葉を述べるとか、思い出を振り返るとか、何も思い浮かばなければ何も言わずに黙っておく位の事ができないものでしょうか。これまでチームの一員として頑張ってきた選手に対して、どうして冷たい言葉を吐けるのか。僕には理解し難いのです。

 

 

 ツイッターでも掲示板でもどこでもそうですが、一部の超一流選手や人気選手には絶賛の嵐が吹き、そうでない選手に対しては全く反対の辛辣できつい言葉ばかり吹きすさぶ、そういう印象が僕にはあります。

 

 でもね、選手だって人の子ですから、あんまり厳しいことキツイことばかり言われ続けたら、良い気はしないと思いますよ。頑張る気持ちが萎えると思いますよ。

 戦力外通告を受けてチームを去る選手が、それに輪をかけて辛辣な言葉を浴びせられでもすれば、チームそのものや、所属した記憶そのものが、忌々しいものになってしまうかもしれませんよ。

 

 そういう事で良いのでしょうか。

 

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 ネット上なら何を書いても構わない、というものでもないのは今更言うまでもないのですが、しかし、相変わらず何を書いても構わない状態に近いと思います。

 

 ですが、そんな事では選手が安心してプレーに集中することは出来ないだろうし、戦力外通告を受けた選手が次のステージに向かって力強く歩むための足かせになるのではなかろうかと思います。

 

 何が言いたいかと言いますと、ネット上に飛び交う汚い言葉をかき消すくらい、感謝やねぎらいの言葉をたくさん投げかけよう、という事です。

 

 戦力外通告を受けた選手が新たな所属球団を見つけたり、ユニフォームを脱いで新しい一歩を踏み出したり、道は人それぞれでしょうけど、みんながプロ野球選手だった事を誇りに思って、良い人生を送ってくれる事を、僕は願わずにいられません。

 

 

以上

 

 

引退試合

 

 現在はベイスターズのフロント職員として働く新沼慎二さん。今年もベイスターズの試合でベンチ入りしている様子がしばしば見受けられましたが、僕は彼のことを密かに「ミスター湘南シーレックス」だと思っています。

 湘南シーレックスが誕生した2000年から廃止された2010年まで毎シーズン欠かさずシーレックスのユニフォームに袖を通し続け、そして最後の2010年についに一軍定着を果たした新沼さんこそがシーレックスの生き字引ともいうべき存在で、その全てを担ってきたと言っても過言ではないと僕は考えているからです。

 

 しかし、その新沼さんが一軍定着を果たしたのも束の間、その翌年の2011年、チームから戦力外通告を受けて、現役を引退する事となりました。

 チームは新沼さんの長年の功績をたたえ、引退試合を執り行いました。

 

 引退試合後のセレモニーで挨拶をした当時の中畑監督は、彼のことを「大した選手じゃなかったが」と言いました。

 

 なにもこんな場面で、ご家族や大勢のファンを前にしてそんな事を言うのは無粋だと思いましたが、ただ、確かにその通りだとも思いました。

 

 僕は新沼選手がとても好きで、それまで何度となく「野手転向すればいいのに」と思い続けてきた人ですが、ただ、これまでの既成概念の中で言えば引退試合をするほどの選手だったとは言い難く、全く新しい概念の引退試合がここに誕生したのだな、と思いました。

 

 長年の功績に感謝をしたり労ったり、選手が現役と決別するための区切りをつけるための儀式は非常に重要で、その事の意味を改めて考えるようになったキッカケとして、新沼さんの引退試合は今でも僕の胸に深く刻み込まれています。

 

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 先日行われた三浦大輔選手の引退試合は、球史にその名を残すといっても大げさではない、極めて歴史的な引退試合となりました。

 

 僕がこれまで見てきた中で最も印象に残った引退試合村田兆治さんが黄金時代真っ只中の西武ライオンズを5回完封(雨天コールド)した試合なのですけれども、三浦大輔選手の引退試合はそれとはまた別の意味で、球史にその名を残す素晴らしい引退試合だと深く感じ入りました。

 

 皆様ご承知の通り、三浦選手は完膚なきまでに打ちのめされました。

 

 それはあたかも、あしたのジョーの世界観を再現したかの如く、でありました。

 

 あしたのジョーの最終話で、ホセ・メンドーサから何度もコークスクリューを浴びせられながらも屈すること無く判定まで持ち込んだ、矢吹丈の姿が重なって見えて仕方がなかったのです。

 

 何度となく、もうダメだと思いました。僕がリングサイドにいたら間違いなくタオルを投げ込んだでありましょう。だけれども、ラミレス監督は最後までタオルを投げませんでした。その瞬間、ラミレス監督は丹下段平になったのです。

 

 三浦選手は打席でヒットを放ちました。矢吹丈が対戦中にコークスクリューを習得して、メンドーサにコークスクリューを浴びせる場面がオーバーラップしました。

 そして僕は、来年から野手転向して右の代打として活躍する三浦選手の姿を夢見ました。昭和のスポ根マンガみたいな世界観がごった煮になって、三浦選手の引退試合をますます濃厚に彩りました。

 

 ベイスターズの選手たちにも、対戦したヤクルトの選手たちにも、これ以上無い勉強になったと思います。いや、勉強と呼べるような柔らかいものではなかったかもしれません。一流の生き様とはこうだ。ここまでやってこそ一流なんだと、目の前に大きな壁を突きつけられた思いかもしれません。

 

 それは球場やテレビやネットを通して応援している我々に対しても突きつけられる、とても大きくて険しい壁のようでありました。

 

 こんな果てしなく大きな壁を、我々は乗り越えていくことが出来るだろうか。

 

 ただ感動をありがとうと一時的に涙を流して終わるようなさわやかな引退試合ではありませんでした。

 

 だからこそ僕は、球史にその名を残す素晴らしい引退試合だったと、そう感じずにはいられないのであります。

 

                 ■

 

 中日ドラゴンズに移籍していた多村選手、阪神タイガースに移籍していた鶴岡一成選手がそれぞれ引退を発表しました。

 

 毎年この時期は色んな選手が引退を発表して暗い気持ちになるものですけれども、こと今年に至っては、三浦選手といい多村選手といい鶴岡選手といい、僕にとって暗くなるとか重くなるとか、とにかく辛い発表ばかり相次いで、正直な所クライマックスシリーズで喜ぶ気持ちなど雲散霧消しております。

 

 言いたいことは山ほどありますが、未練は横に置いておくとして、ぜひベイスターズ球団にお願いしたいことがあります。

 

 それは、来年春のオープン戦で、多村選手鶴岡選手を一日契約して、そして引退試合を開いてほしいのです。

 

 多村選手はソフトバンクにも中日にも所属した選手ですが、しかしどこのチームの選手だったかと言えば、それはやはり「ベイスターズの多村」選手だったという思いが強いのです。鶴岡選手も「ベイスターズの鶴岡」ではないでしょうか。

 

 その多村選手の最後が、中日球団の報道陣控室の隅っこで申し訳程度に引退会見を開いて終了だなんて、あまりにも無情過ぎると思うのです。

 

 多村選手鶴岡選手こそは、最後に大勢のファンに見送られて盛大にその瞬間を終えるべきスター選手では無かったかと、そう思うのです。

 

 

 ベイスターズは暗黒時代に幕を閉じ、過去の清算をする時が来ました。

 

 だからこそ、この機会にお願いしたいのは、多村選手鶴岡一成選手の引退試合もやって欲しいし、もうだいぶ前に引退してしまったけれども、谷繁さんや佐伯さんへの過去の功績を称えるセレモニーを開いて欲しいと思うのです。

 

 そういう、儀式が必要なのではないでしょうか。

 

 過去のわだかまりを全て清算し、皆が笑顔で握手をし、新生ベイスターズが黄金時代を迎えるにふさわしい、そういうムードを熟成するべきではないでしょうか。

 

 

 新沼さんの引退試合は過去の既成概念とは少し違う趣があったと書きました。だからもう、既成概念にとらわれる必要がなくなったと言えます。引退試合は最終所属球団で、という因習だって、もう気にする必要は無いのではないでしょうか。

 

 

 ぜひともベイスターズ球団にて、多村選手鶴岡選手の引退試合をやって欲しいと、切に願う所であります。

 

 

以上

 

 

ラミレス監督とベイスターズ

 

 僕は昨年の春、BCリーグの開幕戦を見るために群馬県に行きました。群馬県を本拠地とする群馬ダイヤモンドペガサスと、その年に誕生したばかりの武蔵ヒートベアーズ(埼玉)の開幕戦が群馬県上毛新聞敷島球場で行われるからです。

 

 それで試合開始のかなり前に球場について、グラウンド内にいる関係者の様子を見ていたのですが、そこには群馬ダイヤモンドペガサスでシニアディレクターを務めることになったアレックス・ラミレスさんの姿もありました。

 ラミレスさんは群馬のスポンサー筋とおぼしき中高年男性の方々や、武蔵ヒートベアーズの首脳陣にも自ら積極的に近づいて、そして親しげに挨拶を交わしていました。武蔵の小林宏之監督とは弾けるような笑顔でハグをしたりもしていました。

 

 そこで僕の目を引いたのは、どの人と会話をする時も、ラミレスさんは一切通訳を挟まずにスムーズに語り合っている事でした。

 

 ラミレスさんが母国語のスペイン語とアメリカ時代に覚えた英語を喋る所までは知っていましたが、それに加えて日本語までスムーズに喋るとは驚きました。まさにトリリンガルです。

 よくよく考えてみれば、選手としてベイスターズで過ごした時代にも、同僚の選手たちと通訳を介さずに語り合っている場面をしばしば目にしてきました。ベイスターズの入団初年度に、当時極度のスランプに陥っていた吉村選手の打撃指導を買って出た事もあったくらいでしたから、それなりに日本語を使いこなしているのは、当たり前といえば当たり前だったのかもしれません。

 

 ですが、我々の感覚からすると、3ヶ国語を操るというだけで既に相当に頭脳明晰な人であるというのは間違いない所でして、よく知られているパフォーマー的な側面とは全く違う顔があるものだなと、再認識をしたのであります。

 

               ■

 

 僕はそれからしばらくして、こういうブログエントリーを書きました。

 

www.plus-blog.sportsnavi.com

 

 であるからして、監督候補には集客力に乏しい地味な人をあてがうことは出来ません。そこで導き出されるのが、元ベイスターズ選手で強い監督願望を持つアレックス・ラミレスさん、その人です。

 

 いやらしい言い方になりますが、昨夏、当時の中畑監督が2016年シーズンも続投するのが既定路線と言われる中で、僕はあえてラミレスさんの監督就任を希望したわけです。

 

 なぜそう思ったのか、おおまかな理由はそのブログエントリーの中で書いた通りですが、日本でプロ野球の監督になるためにしっかり日本語を学び、その他の面でもしっかりと準備を重ねているのがハッキリとわかったのが一番の要因です。

 

 それで今年早速結果が出たからドヤ顔をしたい、という意味合いも無いわけでは無いですが、それよりもむしろ、多くのプロ野球ファンはラミレスさんのパフォーマー的な側面ばかりを見て、その裏側にある言語力の高さや、データ分析、メンタルに対する認識などの、要するに知性的な要素を全くもって評価してこなかった事実について、これは僕も含め、僕たちは今まで一体野球のどこを見てきたのだろうと、大いに反省しなければならないと、そのように感じた所であります。

 

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 ホリエモンこと堀江貴文さんとベイスターズの池田社長が対談しているネット番組の中で、あまりフォーカスされることがないベイスターズの取り組みについて語られています。

 

www.youtube.com

 食生活の管理などもそうですが、特に興味を持ったのは、ピッチャーが投げるボールの回転数を細かく分析しているというくだりです。まさかこんなに細かいことをやっているとは、ちょっと嬉しくなってしまいました。

 

 そして、こういう細かいデータ分析こそが、現役時代からデータ分析を熱心にやり続けてきたラミレス監督のスタイルと非常にマッチするのではないだろうか、とも感じました。

 

 今年はまだ就任1年目という事で噛み合ったり噛み合わなかったりする所もあったでしょうが、これが2年3年と続けば、広島カープと肩を並べて優勝争いできるくらいになれるのではないだろうかと、まだ今年のクライマックスシリーズも始まっていないのに来年以降が楽しみになってきました。

 

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 ネットメディアが様々な形で進歩してきたおかげで、それまで知ることができなかったありとあらゆる情報を、安価、もしくは無料で手軽に手に入れられるようになりました。だからこそラミレス監督のあまり知られてこなかった側面や、ベイスターズの地味で目立たない取り組みを知ることが出来るようになりました。

 

 今から30年以上前に江本孟紀さんの著書「プロ野球を10倍楽しく見る方法」が大ブームになったそうですが、今は10倍どころでなく、ますます深く楽しめる良い時代になりました。

 

 せっかくこういう時代に生きているのですから、この恩恵を存分に活かして、ベイスターズをより深く知って、明日への希望を膨らませたいと、そのように感じる今日この頃であります。

 

 

 

以上

 

BCリーグのプレーオフ 石川ミリオンスターズvs群馬ダイヤモンドペガサスを見に行ってきました (2016年9月24日)

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 9月24日は西武第二球場のイースタンの試合か、BCリーグのプレーオフのどちらかを見に行きたいなとあらかじめ考えていたのですが、プレーオフ予告先発ピッチャーを見て、BCリーグのプレーオフを見に群馬県に行くことを決めました。

 群馬ダイヤモンドペガサス予告先発ピッチャーが元ベイスターズの伊藤拓郎選手だったからです。

 

 BCリーグの試合を見るのはこれが通算で5試合目で、去年2試合、今年は3試合目です。なにも元ベイスターズの選手ばかりをい追いかけているわけではなく、昨年から新たに創設された埼玉県の武蔵ヒートベアーズの主催試合も2試合見てきました。

 どの試合も集客的には厳しい模様ですが、わざわざ遠くから時間をかけて訪れるだけの価値はあると、過去4試合を見て、実感してきました。それでまた見に行こうと思い立った次第です。

 

 僕はまだBCリーグとは何かを解説するほどの見識を持ち合わせていないのですけれども、まだ見に行ったことがない人にも興味を持って頂くキッカケにでもなれば良いとの気持ちを大前提として書き進めていきたいと思います。

 

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 試合開始直前の上毛新聞敷島球場の様子です。たまにNPB1軍の試合が行われるくらいの規模を持つ球場です。観客が行き来するエリアは席も通路もトイレもとてもキレイです。

 

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 スタメン表の画像がないので取り急ぎエクセルで作ってみました。

 

 ホームの群馬ダイヤモンドペガサスは4番が元オリックスカラバイヨ選手、キャッチャーは元ソフトバンクの八木選手、ピッチャーが元ベイスターズの伊藤選手とNPB経験者を3名擁しています。

 対する石川ミリオンスターズのスタメンにNPB経験者はおりません。今日9月25日の先発を予定しているのが元阪神の西村選手ですね。シリアコ選手についてはベイスターズがマークしているという話もあったくらいの、BCリーグを代表するスラッガーです。

 

 まず群馬ダイヤモンドペガサスの先発ピッチャー伊藤選手ですが、ベイスターズにいた2年前と比べると身体が一回り大きくなりました。最近はダルビッシュ選手や大谷翔平選手のように身体を大きくするのがトレンドになりつつありますが、伊藤選手もそんな感じかもしれません。

 イニングを終えてマウンドからベンチに戻る際の悠然とした歩き方にも風格が出てきました。まだ22歳なのに、もう大エースのような雰囲気を醸し出しています。ピッチャーの特性を考えれば、これくらい堂々と偉そうに構えているくらいのほうが頼もしく、良いことだと僕は思います。

 

 肝心の投球内容ですが、7回を投げて無失点で勝ち投手となりました。被安打も6とか7くらいだったように思います。

 球速はだいたい138キロとか137キロくらいで、試合中盤に2度ほど140キロを掲示するのを見ましたが、それほど速くはありませんでした。ベイスターズで一番登板機会の多かったルーキーの頃も球速はこれくらいでしたので、特に変わらないように感じます。

 ちょっと厳しい言い方になりますが、対戦した石川ミリオンスターズの選手にはややパワー不足の小兵選手が非常に多く、相手に恵まれた感は拭えません。小兵選手に引っ張って強い打球を打たれるような場面もありましたし、試合後のインタビューで本人があまり調子は良くなかったと言っていましたので、今日は悪いなりに投げた結果という事なのかもしれません。

 

 試合後のインタビューの写真はこちらです。

 

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 石川ミリオンスターズの先発ピッチャーは左投げのレオ選手です。球速は伊藤選手と同じく130キロ台が中心で、打たせて取るピッチングをする選手のようです。

 しかしながら、非常に気の毒なことにバックの守備の乱れが何度となく繰り返され、被安打はそこまで多くはないものの、どんどん失点を重ね、5回で5失点になってしまいます。記録がつくエラーだけでも3つ、さらにショートへの強いゴロが強襲の2ベースとなる不運もありました。普通ならレフト前ヒットの打球が野手の追い方がまずく、左中間を抜ける3ベースになる場面もありました。

 

 強い打球もかなり打たれているのでバックのせいにばかりも出来ませんが、プレーオフの大事な試合で気の毒なマウンドになってしまいました。

 

 

 バッターにも触れたいと思います。

 

 先に結論を書いておくと、この試合は群馬ダイヤモンドペガサスが14-0で大勝しましたので、したがってバッターについてもペガサスの選手について書くことのほうが多くなります。

 

 ペガサスのバッターで目を引いたのは高卒ルーキーの速水選手でした。地元の桐生第一高校を卒業して入団した身長188センチ体重94キロの大型内野手だそうですが、ただ身体が大きいだけでなく、バッティングがすこぶる器用で、第三打席で詰まりながらも押し込むようにしてライト線へ3ベースを打てば、三塁ランナーを置いて迎えた第四打席はセンターへ犠牲フライ、第五打席はボールに逆らわずにセンター前へ強いゴロで抜けるシングルヒットを放ちました。

 高卒ルーキーの大型野手というと背丈は大きいけど横は細いという人も少なくありませんが、速水選手は縦にも横にもちょうど良いくらいのバランスの良い体格をしており、打席においての瞬間瞬間の判断力も抜群のものがあると感じました。

 DHだったので守備を見ることは出来ませんでしたが、ペガサスファンの非常にお詳しい方いわく非常に賢く守れるポジションも多いのだと聞きますので、行く末が楽しみでならない逸材ではないでしょうか。

 こんな選手がよくNPBのドラフトに引っかからなかったものだと思います。

 

 今季のBCリーグでホームランと打点の二冠王に輝いた主砲のカラバイヨ選手も注目してみました。

 試合の前半は集中力も高く、自身が次の打者としてネクストサークルにいる時にバッテリーエラーで三塁ランナーがホームを狙うかどうかという瞬間にはネクストサークルからとても大きなリアクションでランナーに指示を送りました。そういう状況で指示をだすのは打席に立つバッターの役割なのでネクストサークルにいるカラバイヨ選手は黙ってみているだけでも良かったのですが、黙ってみていられないくらいチームと一体となって戦っている姿勢が伝わってきました。

 ただし点差が開き始めた試合中盤以降は目に見えて集中力を切らし始め、守備ではなんでもないフライとゴロを立て続けにエラーし、打席でもあっさりと空振りする場面が目立ちました。このへんが南米人らしいなと改めて感じました。

 オリックスでは一度目の入団と二度目の入団の時期があって二度目の時は1軍で大爆発した事もあったと記憶しています。年齢的にも来月で33歳ですから老け込むような時期でもありませんので、また今オフあたりに獲得を検討するNPB球団もあるかもわかりませんね。

 

 

 石川ミリオンスターズのバッターでは、シリアコ選手を一度この目で見てみたいとかねてより大変強い関心を持っていまして、それがついに叶いました。

 残念ながら昨日の試合はレフト線へ1安打を放ったのみであとは凡退してしまいました。DHだったので守備を見ることも出来ませんでした。

 ただし、非常にガッシリとした身体つきでバッティングフォームにも変な癖は見られず、適応力の高さみたいなものを感じました。唯一のヒットも少しタイミングを外されて早めに動きすぎてしまった所から下半身で踏ん張ってバットの先で拾ったという感じでしたし、日本野球に合いそうな気がします。

 守備力がどうなのかわかりませんでしたが、こちらもカラバイヨ選手と同様にマークするNPB球団があっても不思議ではないと思います。ミリオンスターズだと阪神あたりはいかがでしょうかね。

 

 

 リリーフについても触れたいと思います。

 

 ペガサスは8回から左腕の山崎選手、9回は右腕の町田選手がそれぞれ1イニングづつ投げました。

 

 山崎選手は130キロ台後半のストレートを中心に投げるオーソドックスなリリーフピッチャーです。ベイスターズの大原慎司選手に似たようなスタイルですね。コントロールもよく無失点で抑えました。

 

 9回の町田選手は去年の開幕戦で先発ピッチャーを務めた選手なのでよく覚えています。開幕投手を任されるような所から14点リードの最終回にリリーフで出てくる所に配置転換された理由はよくわかりませんが、この試合で初めて140キロ以上の球をポンポン投げるピッチャーが出てきましたので、球が速く見えました。こちらも無失点で抑えました。

 

 

 石川ミリオンスターズは大量ビハインドという事で何人ものピッチャーがマウンドに上がりましたが、その中でなんといってもお伝えしなければならないのが、女子野球選手の先駆け的存在の吉田えり選手です。

 

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 ミリオンスターズに吉田選手が所属しているのは知っていましたので、まだ試合序盤のうちにリリーフピッチャーの待機所近くに行って吉田選手の写真を撮ってきました。

 実はこの球場はリリーフピッチャーの待機所に隣接するカメラマン席も自由に行き来できるので、一旦は吉田選手のかなり近くまで行ってみたのですが、あまりにも近くで僕が恐縮してしまい、わざわざ観客席まで戻って、背後から撮影しました。

 小柄な普通の女の子が男子選手と同じユニフォームを着てそこにいるというのは日本全国でもこのチームだけですから、もう少しアピール材料に使わなきゃもったいないなぁと思いました。

 

 そして登板です。公式戦でも6試合しか登板していないくらいですから、登板するところを見られるのが大変幸運です。しかもランナー満塁で2番の竹内選手から、アメリカの独立リーグでもプレーしていた井野口選手、カラバイヨ選手、チャベス選手とBCリーグを代表するごっついバッターばかり居並ぶ、恐ろしい場面での登板となりました。

 先頭の竹内選手と相対する吉田選手は緊張の色を隠せていません。なんとかリラックスしようとマウンド上でぴょんぴょん飛び跳ねたり肩を回したりしますが、コントロールが定まらずにフォアボールを出してしまいます。

 しかし続く井野口選手にはストライクが決まるようになり、なんと空振り三振をとりました。

 ただ、続くカラバイヨ選手にはデッドボールを当ててしまい、カラバイヨ選手はニヤニヤしながら、からかうように足を引きずるポーズをしながら1塁に歩きます。

 最後は5番チャベス選手を外野フライに打ち取って、ようやく登板終了となったように記憶しています。

 球速はコンスタントに110キロ台をマークしていまして、結構出るものだなと感心しました。お恥ずかしながら、僕は100キロ出るか出ないかくらいですから、女性が110キロをコンスタントに投げることに驚きを隠せませんでした。

 コントロールに苦しんだのは緊張ゆえなのかもしれませんが、これからも女子野球の牽引役として末永くご活躍頂きたいと思いました。

 

 

               ■

 

 というわけで通算5試合目のBCリーグ観戦を終えました。

 

 来場者数の発表はありませんでしたが、ざっと見た限りでは300人いるかどうかだろうと感じました。僕はこれまで計5試合見てきましたが、非常に面白く、常に満足させていただきましたから、このお客さんの数には寂しさを禁じえませんでした。

 

 ごくたまに見に行くだけのにわかファンとして感じるのは、地味過ぎると言いましょうか、謙虚過ぎるというか、アマチュアリズム的なものの悪い部分が出てしまっていると思いました。

 「僕たちはお金儲けを目的でやっているのではありません」というのがモットーとしてあるのかもわかりません。僕は日頃そういう考えと正反対の、ある種拝金主義的な考えの持ち主なので自分のこととしてそういう思想を理解することは出来ませんけれども、ただ、そういうものを由とする人々が一定数存在するのは承知致しております。

 

 しかしながら、やはりある程度お金を稼げなければ、いくら崇高な理念があろうと、続くものも続かないと思います。

 

 現在BCリーグの経営を金銭的に支えているのは大小様々な企業スポンサーが出すお金であろうと思いますが、スポンサーに対する満足度も考えなければならないと思います。スポンサーはお寺の檀家ではありませんので、ただチームが存続すれば良いというものでもないと思います。

 スポンサーの満足度を高め、チームの経営基盤を強固なものにするためにも、もっと集客に本腰を入れなければならないと僕は感じます。

 

 BCリーグはどこかの企業を親会社にしたりチーム名に企業の名前を入れることを認めていないようですが、そこは意固地にならずに、NPBの経営形態を範にとっても良いのではと思います。

 そうすることで選手や監督コーチ、チームスタッフの待遇が改善されて、お客さんが増えて、そういう循環を作っていけるのではないでしょうか。

 

 

 とにかくBCリーグが素晴らしいことは論をまたないと思いますから、今後ますます発展するために、より一層の奮闘を期待したいと思います。僕もまた見に行きます。

 

 

石川0-14群馬

勝:伊藤

敗:レオ

本塁打:八木(僕の推定飛距離105メートル)

 

 

以上

 

 

 

2016年9月21日 読売巨人vs横浜DeNA (横須賀) の感想

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 とうとうイースタンリーグも残り5試合(この日を含め)となりました。そのうち21日22日の横須賀スタジアム2連戦がホーム最終戦となります。僕は22日の試合は見に行けませんので、今日で最後となります。

 この前の日曜日に行われる予定だった平塚球場の試合が雨で流れてしまったため、ファームプラスの観戦試合数をピッタリ30試合に乗せることは叶いませんでした。イースタンは雨天中止の振替を行わない協定となっているからです。

 まぁ、年会費1万円で29試合も観戦させていただきましたので、毎度のことながら本当にお世話になりました。

 

 また、今日は1軍の試合が組まれていなかった影響からか、平日にも関わらず横須賀スタジアムは満員となりました。TBSベイスターズ最終年からDeNAベイスターズの始めの頃は本当にお客さんが入らずに寂しい球場でしたから、隔世の感があります。そしてとてもうれしく思っております。

 

 明日22日は午後2時から、今日と同じ横須賀スタジアムで対巨人戦です。お時間のある方は、ぜひ最後の本拠地試合をご覧になっていただければ幸いです。

 

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 今日のスタメンはご覧の通り。ベイスターズが国吉選手、巨人は左腕の今村選手の両先発ピッチャーです。今日のベイスターズは一軍登録の控え野手が出番を求めてこちらに回ってきた関係で、いつもとは少し趣が違う顔触れになりました。

 

 まずはベイスターズ国吉選手についてですが、今日はニコニコ生放送の中継をご覧になった方も多いかと思いますけれども、その皆様方におかれましては嫌というほどよくおわかりのように、6回無失点で勝ち投手にはなったものの、フォアボールを6つも出す、実に国吉選手らしいピッチングでした。

 今日も先発ということでリリーフの時と比べて球速は抑えめで、僕の記憶では4回の宇佐美選手の打席で150キロの球を1球投げたくらいで、あとはだいたい140キロ台中盤のストレートが中心だったと思います。だいたいストレートでも変化球でもコントロールがアバウトなのは変わらず、ワンバウンドさせる球がそこまで多くなかったからバッテリーエラーが云々みたいな事態には陥りにくかったのかと思います。

 このアバウトさこそが国吉選手の持ち味なのだと開き直ることが、本人にも首脳陣にも必要なのかなと思います。彼は筒香選手と同期入団の7年目で、これからコントロールが画期的に向上するような期待はまずもって不可能でしょうから、この持ち味をどのように活かすか、ポジティブに考えてもらいたいものです。

 

 一方の巨人先発の今村選手は7回を投げて2失点ながら味方の援護に恵まれずに敗戦投手となりました。

 国吉選手はフォアボールを出しまくるピッチングですが、今村選手は7回まででヒットを9本も打たれながら、ランナーを出したところでやる気スイッチがオンになってしっかり低め、かつコースのキワキワに決まる、1軍のピッチングをする、という塩梅でした。

 打たれたヒットは右打者から5本で左打者から4本なのでどちらに偏っているわけでもありませんが、見た感じの印象としては左打者の方が今村選手に手を焼いているように見え、左打者のバットを2本折りました。

 球速は降板した7回まで衰えること無く145キロくらいの数字が出ていたように思いますし、ランナーを出してからの内容があまりにも良いので、こっちのほうが本当の今村選手なのかな?と僕は感じました。

 1軍でも結構投げているピッチャーですから、1軍途上の選手とは異なる課題を持ちながら投げていた結果として被安打がかさんだだけで、最初からピッチを上げて投げていたらこんなものでは済まされなかったような気はします。

 

 

 次に打線について。

 

 8月以降は好調をキープしているロマック選手が今日も初回にレフトへ2ランホームランで先制点を挙げてくれました。その後の打席は三振とフォアボールのみでしたが、いずれも粘った結果でして、春頃のクルクル回ってばかりいたロマック選手とは別人のようです。

 試合終了後にはヒーローインタビューでロマック選手がインタビューに出てきたわけですが、本人はすこぶる上機嫌で、ホームランを打てた理由は「試合前にファンの女の子からもらった青いハイチュウを食べて打席に挑んだから」とか、他にも軽妙なトークで場内を沸かせてくれました。

 過去2度の1軍昇格で悪いイメージをびっしり抱えたままのお客さんからは「これで見納めだな」などと厳しい声もかなり飛び交っていたのですけれども、僕は、もしかしたらもしかするのではないかと、そのように感じ始めております。

 

 スタメンマスクで最後まで出場した嶺井選手が2安打を放ちました。そのうち1本は内野安打ですが、もう1本は今村選手が投じた甘い球を見逃さずに左中間の奥深くへ3ベースヒットとなりました。やや弾道が低かったものの、その割に飛距離が伸びました。

 キャッチャーですから守備の話もしなければなりません。今日は4つか5つくらい盗塁を企図されて、そのうち北選手が走った際にどストライクの2塁送球が決まって盗塁阻止に成功したものの、あとはいずれも送球が大きく逸れ、2塁への盗塁を許すどころか3塁まで進めてしまってエラーをつけられた場面もありました。

 ピッチャーがコントロールのアバウトな国吉選手だったので普通に2塁に送球するより多少難易度が上がるのは理解しますが、それにしても精度がよろしくないと思います。ラミレス監督がキャッチャーに求める能力はキャッチングとスローイングであると春のキャンプからずっと言われ続けてきている事で、それが秋になっても甘いままでは、ちょっと厳しい評価を免れないかなと思いました。

 

 巨人打線は1安打の選手が5人でマルチヒットは1人もいない寂しい一日でした。その中で目を引いたのは、8回に3ベースヒットを打った重信選手です。

 3ベースヒットは左中間へのものでレフトセンターともそつなく守ったと思いますが、それにしても重信選手のベースランニングが速かったです。足が速いのは開幕前から散々言われていたので知っていましたが、ベースランニングで塁を回る時に全くスピードを緩めず、走路に無駄な膨らみもなく、最短距離を最高速度のまま3塁に到達してしまう、素晴らしい走塁でした。これは鈴木尚広二世だと思いました。

 プロ野球界には足の速い野手はゴマンといますけれども、それでも体力に衰えが見える鈴木尚広選手が1軍で重宝され続け、他球団から警戒され続けるのは、走塁は足の速さだけで決まるものではないという事ですから、その意味において重信選手の走塁は見事だと感心しました。

 

 

 次にリリーフ陣について。

 

 ベイスターズは7回から高崎選手が1イニング、8回先頭から小林寛選手が打者3人で1アウトを取って、そこから大原選手、藤岡選手とワンポイントで繋ぎ、9回は福地選手が1イニングで試合を締めました。

 

 その中で高崎選手について触れますが、今日はいつにも増してテンポの早いピッチングで三者凡退に切って取りました。僕が見ていた位置からだと変化球の球種までよく分かりづらかったのですが、ストレートが145キロ程度、変化球は130キロ台のスライダーらしきもので打者に的を絞らせないピッチングが出来ていたと思います。

 今年の高崎選手は良い時と悪い時の落差が相当大きいので、今日が良かったから、ではすぐに1軍で見たいですとはなかなか言いにくいのですけれども、願わくば年内に1試合くらいは一軍で投げる所を見てみたいと個人的には思っています。

 

 

 巨人のリリーフは8回から公文選手がマウンドに上って簡単にアウトを取ったものの、次の渡邊雄貴選手の打ち取った当たりのサードゴロを岡本選手の1塁への送球エラーで出塁を許し、さらに2塁への盗塁の際に今度はキャッチャーが悪送球で3塁まで進まれ、続く乙坂選手白根選手に連打を浴びて、西村選手にバトンタッチとなりました。

 最後の1アウトを託された西村選手は嶺井選手をあっさりと内野ゴロに打ち取って終了です。

 

 公文選手は昨年より少しマウンドの立つ位置を1塁寄りにずらして、ボールのリリースポイントをバッターに見えづらくしたように思います。それによって以前よりコントロールがしづらくなったと思いますけれども、最近はこのフォームも完全に自分のものにしたのか、コントロールの問題もなくなってきたと思います。

 だいたい左のワンポイントリリーフというのは球速はそこまで速くないものですが、公文選手は常時140キロを越えるストレートが投げられますので、もうちょっと実績をつければ1軍に呼んでもらえるのかもしれませんね。

 

 

               ■

 

 というわけで僕にとって今年最後のベイスターズファーム戦観戦となりました。いつもなら最終戦も見て、セレモニーで監督挨拶を見届けてシーズンの終わりを実感するのですけれども、今年はシーズン最終戦が祝日ということで、デーゲームなので見に行くことが出来ず残念です。

 

 この残念な気持ちを皆さんに代わりに果たして頂けたら、僕は嬉しいです。

 

 

読売巨人1-3横浜DeNA

勝:国吉

敗:今村

S:福地

本塁打:ロマック(僕の推定飛距離120メートル)

観客数:1561名

 

 

以上