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ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ボロボロになるまで続けて欲しい

 我らがベイスターズには三浦大輔投手がおります。三浦投手はベイスターズの誇りであり、ベイスターズの顔であり、ベイスターズの良心でもあります。僕は三浦投手が世界一ガッツポーズの似合う男だと思っています。

 しかし、その三浦投手にしても、近年は何度も引退の危機と戦ってきました。2010年の頃は僕も内心「もはやこれまでか」と思いましたし、今年の春先もファームでポコポコ打たれるのを見てさすがにもうダメかと諦めかけたりもしたものですが、そこから脅威の粘り腰で這い上がり、そして1軍のマウンドで世界一かっこいいガッツポーズを見せてくれたのです。

 そうやって復活する姿を見る度に、やめずに続けてきてくれて本当に良かったと胸を撫で下ろすのです。かつては三浦選手自身も一度は引退が頭をよぎったそうですが、奥様から「三浦大輔がこれで終わってもいいのか」と叱咤されたおかげで続けてこられたのだと言います。本当に奥様の仰る通りで、三浦大輔はまだまだ終わっていなかったのです。

 それもこれも、全ては諦めずに続けてきたからこそ、です。もしも2010年の長いスランプに陥っていた頃に球団の偉い人が引退勧告などしようものなら、2012年2013年のシーズン9勝づつは存在しなかった事になったのです。こんな恐ろしい話はあるでしょうか。

 ベイスターズは今年、タイトルホルダーでもあるベテラン選手2人に引退勧告をし、結果その2人とも退団をして新天地を求める事となりました。1人は中村ノリ選手、もう1人は金城選手です。

 そもそも、なぜ球団はこの2人に引退勧告をしたのでしょうか。支配下選手枠を使うのが惜しかったのでしょうか。それとも給料を払うのが惜しかったのでしょうか。

 プロ野球チームはアイドルグループでは無いのに、どうして若い選手への入れ替えばかり急ぐのでしょうか。実力よりも若さが重要だとでも言うのでしょうか。それとも、もはや1軍の戦力として期待ができないと見切ったのでしょうか。しかしそれもおかしい話です。12球団ワーストの守備力のベイスターズに好守の金城選手は不要だと言うのでしょうか。得点数セリーグワーストのベイスターズにかつての打点王は不要だというのでしょうか。

 そうやって実力勝負をさせずに、アイドルグループのように年齢で足切りをしているから、いつまでも綻びだらけの野球を続けるようになるのではないでしょうか。

 セリーグでは巨人が、パリーグソフトバンクが、それぞれ大ベテランに引退勧告をせずに雇い続けています。なぜこの2球団が大ベテランを安易に見切らずに雇い続けるのか真意の程はわかりませんが、この2チームが両リーグの強豪チームである事は確かです。それぞれの大ベテランが果たす役割は違うでしょうが、何かしらの効果をもたらしているからこそ、今年もリーグ制覇を果たしたのではないでしょうか。

 例えばシーズン終盤の厳しい順位争いで浮足立つベンチで、経験豊富な大ベテランが動じること無くベンチのムードをつくり上げることも出来るのではないでしょうか。スランプや体力の衰えをどのように克服してきたか、その経験を中堅若手の選手たちに伝承していく事もできるのではないでしょうか。

 しかし、球団は安易に引退勧告などをしてしまえば、そういった貴重な能力が瞬く間に失われてしまうのではないでしょうか。

 往年の輝きを失ったかつての名選手が、ボロボロの身体を引きずるようにしてプレーを続けるのは、僕は美しい事だと思います。そのかつての名選手の背中に色んな物を思い浮かべながら、もう一花咲かせろと、大復活の時を夢見る。そういう楽しみ方もプロ野球の一面としてあるのではないでしょうか。

 僕はかつて、わざわざグリーンスタジアム神戸まで出かけてベイスターズオリックス交流戦を観戦したことがあります。その試合は9回裏までベイスターズの3点リードで迎え、気分よく勝利の美酒を味わえると思ったのもつかの間、清原選手に逆転満塁ホームランを打たれてサヨナラ負けをしました。

 しかし、清原選手のガッツポーズと、そしていつになく饒舌なヒーローインタビューを見て、試合に負けはしたものの、それでも僕は満足しました。清原選手の「野球続けてきて良かった。本当に良かった」という言葉を聞けただけで、僕はもう充分だと思いました。他のお客さんもほとんどヒーローインタビューを最後まで見届け、帰途につく駅までの人の波もみんなとてもいい表情で歩いていました。この経験は一生忘れないだろうと思います。

 中村ノリ選手にも金城選手にも、新天地では絶対にもう一花咲かせて、そしてヒーローインタビューで「続けてきてよかった」という思いを味わってもらいたいのです。そして、自分に引退勧告を出したベイスターズ球団を見返して欲しいのです。

 潔く辞めるなんて、そんなキレイなものはいらないのです。勝負なのだから、そんな爽やかなものはいらないのです。もっと血生臭く、厳しく苦しい、そういうプロ野球をやって欲しいのです。

 だからこそ、球団には金輪際安易な引退勧告など行わないでもらいたいものです。

以上