ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

福岡ソフトバンクホークス日本一おめでとうございます

 まずは福岡ソフトバンクホークスの関係各位にお祝い申し上げます。クライマックスシリーズのMVPが吉村選手で日本シリーズのMVPが内川選手という事で、我らがベイスターズも十二分に貢献できたものと思います。

 それと、かつて秋山幸二信者と呼べるくらい熱烈に秋山現監督を応援してきた者として、有終の美を飾れた事が何より嬉しく思います。

 ただ、優勝が決まったそばからこんな事を書くのも無粋ですが、僕はかねてから秋山さんは監督には向いていない、と考えてきました。

 というのも、秋山さんは今日の優勝監督インタビューをご覧になっていただければお分かりの通り、とても口下手な人です。ダイエーで現役を引退した後、民放TV局のバラエティ番組にゲスト出演したのを見た覚えがあるのですが、それこそ放送事故かとお茶の間に戦慄が走るほどの口下手っぷりを見せつけていました。

 監督というのは部下のコーチや選手たちに自身の考えを言葉で説明するのが最も重要な仕事です。いくら卓越した野球理論の持ち主であっても、その考えをコーチや選手に正しく伝えられなければ、せっかくの理論も台無しになります。だから言葉の上手い下手は極めて重要なのです。これまで球界で名を残してきた名監督と呼ばれる人達も、その殆どが弁舌の巧みさを持っていました。

 秋山さんは恵まれていたと思います。

 現役時代に西武から衝撃のトレードで移ってきて、当時弱小球団だったホークスを戦う集団に生まれ変わらせた立役者として、周囲やファンからそれなりの敬意を持って受け入れられたと思います。ホークスにとっては根本さんや王さんと肩を並べられる位の功労者なのだと思います。それが、監督としてはやや頼りなさが見え隠れする秋山さんの背中を支え続けたのではないでしょうか。

 今季限りでホークスのユニフォームを脱ぐと発表された時は何事かと大変驚きましたが、結果的にはこれで良かったのかもしれないと思うようになりました。日本一で華々しい最後を向かえることが出来たのです。現役時代はホームランを打ってバック転でホームインするような、世界中探しても見つからないような特別な華のある選手でしたから、監督としても華々しく終えられて、それで良かったのです。

 兎にも角にも、秋山幸二監督、お疲れ様でした。

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 それはそうと、ソフトバンクホークスの次期監督は、こちらも西武黄金時代を知り、ホークスの出身でもある工藤公康さんが既定路線だと言われています。

 また、工藤監督で決定するとなると、パリーグ4球団の監督が西武黄金時代に選手生活を送った人達で占められるようになります。西武は田辺徳雄さんが代行から本物の監督となり、楽天は物議をかもしたデーブ大久保さんが監督となり、ロッテは伊東勤さんが続投で決まっているからです。

 これはなかなか凄いことです。ベイスターズ黄金時代に選手生活を送った人で監督になったのは現中日の谷繁さんくらいしかいませんので、この差は一体なんであろうかと、少々渋い気持ちに陥ります。

 これは今後、競馬界におけるサンデーサイレンス産駒みたいにどんどん勢力を拡大して、やがて西武黄金時代出身監督ばかりになってしまうのでは?とさえ感じられます。

 西武黄金時代の野球とは一体何かと言えば、それぞれの選手が自分の役割をストイックに突き詰める野球です。

 最近では「チームの為に自分を犠牲に」等と言って中軸打者でも進塁打(という名のセカンドゴロ)を打ってみたり、または送りバントをさせてみたり、そういう野球がまかり通っていますが、西武黄金時代の野球は、クリーンナップの打率はみんな2割6分前後で3人が揃ってリーグ三振王争いをするような、進塁打(という名のセカンドゴロ)などどこにも見当たらない、かなり極端に役割分担するような野球でした。

 この極端な役割分担は、しかし選手に非常に細かな要求がコミットされるものでした。クリーンナップはとにかく長打を求められましたし、走力が平均レベルの選手は少なくともシーズン10盗塁以上していましたし、とにかく個々の選手の持ち味を究極までに突き詰めていた印象があります。

 要するに「餅は餅屋」なのだと思います。普通の会社で置き換えて考えるならば、営業マンには営業の仕事だけに専念をさせ、経理マンには経理の仕事だけに専念をさせる、そういう合理的な野球だったのです。

 工藤さんが監督としてどういった野球をやるのか全く想像もつきませんが、西武黄金時代出身の監督たちが切磋琢磨するパリーグは、今後ますます手強い相手となるのでありましょう。我らがベイスターズも再来年あたりには優勝できる所を目指して欲しいと思いますので、ファンとしても学べる所は学んでいきたいと考えている所です。

以上