2019年5月18日 日本ハムvs横浜DeNA (大和) の感想
47都道府県で唯一、地元出身の現役プロ野球選手が1人もいない野球不毛の地山梨県から、実に久しぶりに野球の試合を見に行ってきました。
今日のプレイボールは14時でありまして、近年のベイスターズファームの盛況ぶりだとか一軍の試合がナイターで行われる事なども鑑みて12時半には現地入りする計画で、だいたいその通りに到着できたのですが、既に球場の入場券購入の行列が1000人くらいは居るだろう長大なものとなっていて、本当に驚かされました。
昨年の6月までは横浜市内の駅から徒歩3分もしない場所に住んでいましたのでベイスターズの帽子をかぶったりレプリカユニフォームを着たりする人を自宅近くで目の当たりにする事も多々ありました。
当時はそれでベイスターズの人気がいかほどのものなのか肌で感じていたわけですが、今は山梨県の桃畑の中にぽつんとある一軒家でのどかに過ごしているものですから、このおびただしい人数のベイスターズファンの人々の中に放り込まれた自分は、ただただ圧倒されておりました。
地方から上京してきた人が渋谷のスクランブル交差点を見て仰天するエピソードは毎春あちこちで聞かれるわけですけれども、本当にこんな感じなんだろうなと思いました。
1年足らずで早くも浦島太郎の気分を味わっていると言いましょうか。
ますます人気が高まっているようで何よりだと思います。
今日のスタメンと試合結果はご覧の通りです。井納選手と斎藤佑樹選手という、本当はファームで投げている場合ではない両名のマッチアップです。ファイターズにはもうひとり大スター清宮幸太郎選手の名前もありますね。
まずはベイスターズ先発井納選手の感想ですが、立ち上がりに変化球の制球が定まらずにホームベース手前の地面に叩きつけてしまうような投球もあったくらいで、唯一ストライクを取れたストレートを皆さんに狙い打たれてしまったように見えました。
先頭の岸里選手には低めの伸びのあるストレートでポンポンと2ストライクを先行出来て「おっ!これは良い井納さん」だと思ったものの、変化球が怪しく、2番打者の姫野選手が放ったほとんどファーストゴロみたいな一二塁間の打球をファーストの飛雄馬選手が目測を誤ったのか打球に追いつけずにヒットにしてしまい、そこからあれよあれよという間の3失点でした。
2回3回は立ち直って一軍ピッチャーらしくなんとか抑えていたものの、4回に再び渋いゴロの打球でヒットになってしまったりしているうちに、またしてもあれよあれよという間で3失点してしまいました。
極端な内野の守備シフトが裏目に出たりした場面もありましたし、一軍レベルの内野の守備力が備わっていれば6失点→3失点程度に収まっていたのではないかと思いました。
ただ、守備の問題はあったにしても、井納選手自慢のストレートがファイターズのパワーあるバッターに軽々と運ばれたりもしておりまして、状態も決して良くはないんだろうと思いますね。
ファイターズ先発のハンカチ王子こと斎藤佑樹選手は5回2失点で勝ち投手です。
今日のベイスターズのバッターたちはどんな球でもダボハゼのように食らいついてバットを振り回しておりまして、斎藤選手はそれをうまくつかって緩いボールになる変化球を高低に散らして簡単に空振りを奪っていきました。
ある程度一軍実績のある梶谷選手や関根選手はそのへんを見透かしてストレート系のボールがコースに来たのを見逃さずにフルスイングしてホームランにしていまして、ストレートで相手を押し込むような球の力は、あんまり無かったんだろうと伺われました。
今日は相手が甘かったのでこの程度で済みましたが、手強い一軍のバッターを相手にどれだけやれるのか、少々疑問な感じはありました。
次に野手について。
今日特に見てみたいと思っていたのがルーキーの伊藤選手です。パワーがすごいとか、いち早く一軍で見てみたいという声なんかも耳にしていましたので、今日実際に注目してみたわけですが、選球眼が芳しくないのか、高めのボールになる緩い変化球を無理やり上から叩きつけるように振って空振り、とか、内野ゴロ、とか、あんまり良い場面を見られませんでした。
僕は今日もいつものようにバックネット裏から見ておりまして、つまり普通のテレビ中継のセンターカメラから見るのとは全く逆の角度から彼のフォームを見ていたという事ですが、体格と言いフォームと言い中日の平田良介選手みたいだなと感じました。
長打力が自慢なのであまり小さくまとまらないで欲しいと思いつつ、もうちょっと落ち着いて打席に入り投球をじっくり見られるようになると良いなと思いました。
5番スタメンの飛雄馬選手にも触れておきたいと思います。色々あった2011年ドラフト組で数少ない生き残りとなった彼ですが、おそらく今から夏くらいまでが、彼のプロ野球生活にとって最も重要な時期となるんだろうと思います。
その重要な時期を迎えた選手をこれまで何百人も見てきましたが、残れる人と残れない人の違いがどういった所に現れるのかと言えば、ゲームで声を出せているか、明るい表情でゲームに臨めているか、そんな単純な所に凝縮して見えてくると考えます。
明るく前向きな気持ちでゲームに臨めなければ良いプレーなんかできっこ無いわけでして、そこが今日の飛雄馬選手に全く見られず、残念に感じました。
野球だから打てる日もあれば打てない日もありますけど、前向きで明るい気持ちを失っては、絶対に成長なんて出来ないですから、かつての入団間もなかった頃の元気と図々しさを取り戻して欲しいと、それを思いました。
ファイターズの野手ではまずなんといっても清宮選手です。
最近のファイターズはホームランバッターの素質あふれる選手が揃いつつある現状ですが、その中にあっても清宮選手の打球の鋭さは抜きん出たものがあります。
とにかく打球が速く、ミスショットで内野に高く打ち上げてしまったフライも高く高く上がってなかなか落ちてきませんでした。ライトポール際にはスタンド奥の防球ネットをも超えてしまうのではないかという特大のホームラン性のファウルも打ちました。
最初の打席はタイミングを外されながらもおっつけるようにレフト前ヒットを打ったのですが、その打球でさえ痛烈なライナーで内野の頭を超え、まるで右バッターが引っ張って真芯で捉えた打球のような鋭さがありました。
DHでの出場でしたので怪我の状態が守備につけるような状況まで改善しているのかどうかわかりませんでしたが、打つことに関して言えばもう一軍で十分戦力としてプレーできる状態にあるのではないでしょうか。
次にリリーフについて。
今日の大和スタジアムはスピードガンの表示がほとんど機能せずたまにしか見られなかったのですが、なぜかルーキーの斎藤選手が登場した時は表示される頻度が高まって、最速で148キロくらいの速球を投げました。2イニング目に向かう前のマウンドでの投球練習でも146キロが出ていて、仕上がってくれば150キロを超すような球を投げられるのではと期待を持たせました。
ただ、球は速いしコントロールもまずまずまとまっているものの、どうもバッターに芯で捉えられた強い打球を飛ばされる事が多かったようにも感じました。決め球になるような変化球もこれといった感じが無く、それが今後の課題になるのかなと思いました。
その後に投げた2投手も全般的にコントロールが悪かったような気がしました。
ファイターズのリリーフでは昨年の甲子園優勝投手柿木選手が登板しました。
1イニング目2イニング目はコントロールも良く打たせて取るピッチングで、そして何よりピッチャー強襲の痛烈なゴロを2度受けて2度とも非常に反応良く俊敏に裁きました。
通常あのような痛烈なピッチャー強襲の打球を受けるとピッチャーはグラブで身を護るなり受け止めるので精一杯でマウンド前に弾く場面が少なくないわけですが、柿木選手はあの一瞬のごくごく僅かな時間の中で最適な角度でグラブを出して捕球したわけでして、これは相当な鍛錬の賜物ではないかと感銘を受けました。
普通はセンター前ヒットになるような打球を止めるだけでも立派なのに、捕球してピッチャーゴロにしたりゲッツーに出来るのですから、これは自身の投球成績にも非常に大きなプラスになるのは間違いありません。
残念ながら3イニング目になって明らかに電池切れになって球速が落ちたりコントロールが乱れたりして降板する事となりましたけれども、技術面の練度が相当高いだけに一軍の戦力になるのもそう遠くないのではと思いました。
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残念ながら試合には敗れてしまいましたけれども、それぞれに良いものを見せてもらえましたので、山梨から足を運んだだけの甲斐がありました。
前回からだい月日が経ってしまいましたが、これからナイター開催が増えてくれば見に行ける試合も増えますので、楽しみにしたいと思います。
本日の観客数:3624名
以上