2016年7月23日 埼玉西武vs横浜DeNA (横須賀) の感想
全国のポケモントレーナーの皆様こんにちは。ポケモンGOには銭儲けの匂いがプンプンするぜと思い、38歳のおっさんである僕も開始と同時に始めてみました。現在のレベルは6であります。
さて、今日の横須賀スタジアムではチケットにもプリントされている通り「よこすかカレーゲーム」と銘打った、イベント性を帯びた試合が行われました。
過去のよこすかカレーゲームは毎回必ずお客さんがたくさん入り、試合開始時間の前にほとんど売り切れて、買えるのは「カレー味のたこ焼き」くらいというのが定番だったのですが、今日は「小中学生の夏休みに入って最初の週末」「好天」「一軍がナイターで時間が被らない」の好条件揃いだったにも関わらず、やや寂しい客入りとなりました。カレーは試合中でも買えましたし、残念ながら売れ残ってしまった商品もあったようでした。
なぜよこすかカレーゲームなのに客入りが芳しくなかったのか。これは言うまでもなく、ポケモンGOが影響しているように思われてなりません。
実際、球場内のあちこちで「ポケモン何匹捕まえた?」みたいな会話が飛び交っておりまして、一体野球を見に来たのかポケモンを捕まえに来たのかわかったものではない、という雰囲気でした。
また、満を持してカレーを仕込んできた業者の皆様方にとっては本当に運が悪かったと思いますが、非常に素晴らしいイベントには違いありませんので、これに懲りず次回も腕をふるって頂きたいと思います。
そして、我がベイスターズの親会社たるDeNAは、確か任天堂と業務提携した筈ではなかったかと思います。それがどうしてポケモンをグーグル傘下のNIANTICに持っていかれたのかと憤りを隠せません。
これがもしDeNAの製品としてリリースされていれば、今頃は利益も株価もとんでもない爆上げになって、その資金がベイスターズに投下されて、来季からホークスと比肩するような金満球団になれたのに、と、悔しくて仕方ありません。その資金で横浜スタジアムに屋根をつける事も可能だったでありましょう。
ま、金満球団になって欲しいかどうかと言われるとそれも正直微妙ですが、お金は無いよりあったほうが良いのは当たり前ですからね。ちょっと残念に思いましたよ。
今日の両チームの先発ピッチャーは、西武が菊池雄星選手、ベイスターズが三浦大輔選手というビッグネーム対決となりました。球場についてスコアボードを見た時、西武のピッチャーが「菊池」と書いてあるのを見て、びっくりして目を疑ってしまった程です。
まずベイスターズ三浦選手ですが、7回まで投げて被安打10の5失点で負け投手となりました。
この数字を見ればなんとなく想像がつくと思いますが、とにかくよく打たれましたし、これにフォアボールも2つ出しました。低めのコントロールに苦しんでいるような印象を受けました。低めに決めたつもりがストライクを取ってもらえず、ストライクを取りに行った所を痛打されるパターンが目立ちました。ホームランは打たれませんでしたが、山川選手からレフトポール際に、僕の位置からだと間違いなく入ったように見えた特大ファール(推定飛距離110~120メートルくらい)を打たれました。
球速は引き続き130キロ台の中盤がMAXといった所で、持ち味のゆるい変化球もあまりうまく使えていなかったようにも見えましたし、まだまだ調整に時間がかかるかもしれません。この前の1軍初登板は序盤以降は良くなったように見え、次こそはと思ったのですが、なかなか難しいですね。
次に西武先発の菊池選手ですが、たぶん登板間隔の都合でここへ回ったのだと思いますが、2イニングで降板となりました。
しかしこの2イニングが圧巻でした。最初から2イニングと決めての登板だったからでしょうけど、150kmを超えるストレートをビシビシ投げ込んできました。2回裏最後のバッターとなった井手選手には外角高めに155kmのストレートを投じて空振り三振に仕留めました。
打者6人を相手に5奪三振で唯一打球を前に飛ばせたのも乙坂選手のセカンドゴロですから、本当に「赤子の手をひねる」というのはこういう絵面を言うんだろうなと痛感しました。横須賀スタジアムのスピードガンで155kmなんて数字を見たのは初めてのことですよ。
次に野手について。
ベイスターズ打撃陣は7回裏までノーヒットで封じ込められました。途中出場の青柳選手がセンター前にポテンヒットでチーム初ヒット、9回裏に飛雄馬選手がセンター前へゴロで抜けるヒット、この2本で全てです。
ご覧の通りなので、取り立ててポジティブな情報をお伝えすることが出来ません。
今日は試合を見ながらロマック選手の扱いについて考えました。
ベイスターズファームの外野陣で最も優先して起用されているのがロマック選手ですが、チームのフロントや首脳陣はロマック選手の今後をどのように考えているのでしょうか。
ロマック選手が活躍できない最大の原因は恐らくメンタルの部分だろうと思います。2軍では時々目を見張るような活躍をする事があって、「これなら1軍でも」と感じさせたりもするのですが、いざ1軍に行くとこれまで学んだことがリセットされてカチンコチンに固まってしまい、活躍ができずに2軍に戻ってくるの繰り返しをしています。
そして、チームがロマック選手を優先して起用し続ける事で、若手の青柳選手や山本選手や渡邊選手、中堅の松本選手がしわ寄せを受けて、貴重な出場機会を失っている事を見過ごしてはなりません。
ベイスターズではかつて、森笠選手や早川選手といったベテラン選手を引退する最後の最後まで二軍の試合に優先して起用し続けた事がありました。それによって本来なら試合に出して経験を積ませたい若手の出場機会を奪い、選手層の上積みが出来ない、そういう時代を作ってしまったのです。
選手はもちろん最後の最後までベストを尽くしてプレーをしているので、試合に出ることについて文句を言うつもりはありません。仮にその年限りで引退するとしても、チームの最終戦まで戦力になれるように精一杯プレーするのが本分ですから、精一杯頑張って欲しいと思います。
ただ、首脳陣やフロントまで同じ考えでは困ります。先の見通しがなんとも言えない選手ばかり優先して起用し、まだ先がある選手の育成機会を奪っているようでは、チーム全体の利益を損ないます。
ロマック選手を来年以降も契約して、来季こそは1軍の戦力にしようと目論んでいるのであれば今年は2軍の試合に優先して起用するのもやぶさかではありませんが、果たして、ロマック選手はそういう立場にあるのでしょうか。
よくわからないな、と思いました。
西武打線は元気いっぱいで先発全員安打です。
特に良かったのが金子一輝選手です。今日は満塁の場面で回ってきた第一打席にレフト線を強いライナーで抜ける走者一掃の3点タイムリー2ベース、再びランナー23塁のチャンスで巡ってきた第二打席はセンターのやや右よりにおっつけて打った2点タイムリーヒットで5打点の荒稼ぎを決めました。第三打席もレフト線に痛烈なライナーを打ったものの、途中出場でレフトを守っていた渡邊雄貴選手のダイビングキャッチに阻まれ、惜しくも猛打賞を逃しました。
難しい球はカットして粘り、ボールは見逃し、我慢強く甘い球を呼び込んで、右へ左へ非常に巧みなバッティングをしていました。ただ打つだけでなく、相手ピッチャーに球数を多く投げさせる所も高く評価されてしかるべきだと思います。
今日の内容を見ただけですけれども、昨年限りで現役を退いた井端弘和さんのようなしぶといバッターを目指して欲しい1人だと思いました。
もう一人取り上げたいのは山川穂高選手です。西武戦の時は毎回名前を上げているような気がしますが、今日も1人元気に大声を張り上げてチームを鼓舞しました。バッターがボールを一つ選ぶ度に「よっしゃよっしゃよっしゃ!」と叫び、バッターがフォアボールを選べば「よっしゃーー!ほっほっほっ!」と、まるでプロゴルファー猿に出てくるミスターXのような雰囲気を漂わせました。とにかく元気でよいです。
打つ方でも全く夏バテする様子もなく、打席では非常に高い集中力で好球必打を堅持しています。スイングは常に思い切りがよく、三浦選手からあわやホームランの特大ファールを打ちました。最初の打席は先制点へ皮切りとなるヒットを打ち、最終回は金子一輝選手以外では初打点となるセンター前ヒットも打ちましたし、いつでも1軍に上がる準備が整っているなと感じました。
ベイスターズのリリーフは8回から小林寛選手が上がって9回まで2イニングを投げました。新加入のブロードウェイ選手の登場はありませんでした。
小林寛選手は8回こそ被安打1で切り抜け、9回も2アウトまでサクサクと進んだものの、そこから一気に4連打を浴びて2失点となりました。ピッチャー交代に合わせてキャッチャーも8回から亀井選手に代わり配球が単調になってしまった所もあったかもしれませんが、球の速さも良かった頃と比べて物足らない140km前後で高めに浮く場面も目立ちました。
しばらく見かけなかったので故障か何かトラブルがあったのかもしれませんし、その影響から抜け出せていないのかもしれませんが、徐々にでも復調して欲しいものです。
西武のリリーフは3回から佐野選手が3イニング、6回に誠選手、7回豊田選手、8回バスケス選手、9回岩尾選手と小刻みリレーとなりました。
佐野選手については先発の菊池雄星選手があれだけ速い球で押しまくった後で、ベイスターズ打撃陣に幻影みたいなものを残した影響もあったかもしれませんが、非常にコントロールが良く、140km程度のストレートと変化球を巧みに使い分けて被安打ゼロで勝ち投手となりました。
誠選手は去年のイースタン最多勝ピッチャーですから本来なら一軍で先発としてやっていても不思議ではない存在だと思いますが、今日はリリーフで1イニングのみ、140km台前半のストレートと緩い変化球で、打たせて取ることを目標とするようなピッチングに見えました。こちらも被安打ゼロの無失点です。
途中端折って申し訳ありませんが、8回を投げたバスケス選手は初球から150kmオーバーのストレートをビシビシ投げ込み、被安打ゼロの無失点でした。対戦した3人のバッターとも、打つというよりかはバットに当てるのを目的としたようなバッティングをしてしまい、とりあえず当てて三者凡退という感じでした。
球速だけなら菊池雄星選手のほうが若干上回りますが、いかにも重そうな球を投げ、そこまでコントロールも悪くなく、こういう選手を2軍の試合に出すべきではないと思いました。
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今日は投打に見せ場のない試合になってしまいました。あえて言えば守備がそこそこ堅実だったという所です。
明日も今日と同じく13時から横須賀スタジアムで西武戦となります。今日より多少気温が上がる予想ですが、熱のこもりやすい人工芝球場ですし、日陰のない場所では体感気温が30度をゆうに超える事もありますので、ご来場の際は熱中症対策をしっかりとなさっていただければと思います。
勝:佐野
敗:三浦
観客数:1000人ちょっと
以上