2017年9月13日 ヤクルトvs横浜DeNA (横須賀) の感想
僕は今季ベイスターズファームの公式戦を27試合くらい球場で見ている筈なのですが、ルーキー京山選手の登板に立ち会えていません。
京山選手はもう13試合に登板していますのでそのうち1回位見られていても良い筈だと思うのですが、どうも運命のイタズラというやつでしょうか。なんとなく、京山選手が将来大物選手になるような、そんな気がしてなりません。
本日の先発ピッチャーはベイスターズが高卒2年目の綾部選手、ヤクルトはドラ1ルーキーの寺島選手です。
綾部選手は最近僕の観戦試合によく登場してくれます。先日平塚球場の試合に試合中盤くらいからふらりと立ち寄ったら綾部選手が投げていましたし、8月下旬にも横須賀スタジアムで登板を見ることが出来ました。
その綾部選手は7回を投げて被安打6の2失点で負け投手となりました。
球速はこの前見たときよりも若干遅くて141キロくらいしか出ておらず、コントロールにもだいぶ苦しんでいるようでした。特に変化球が高めに浮く場面が目につきました。この前平塚球場で見た試合はブログには書かなかったのですが、スピードガンの渋い平塚球場にも関わらず142キロくらい計時していましたので、140キロ台後半を、それも試合の中盤以降に投げていたわけですから、それと比べると今日の綾部選手は物足りませんでした。
ただ、それでも被安打6の2失点と大崩れをしなかったのは非常に良い点でありますし、かなり球数を放っている割に最後まで球速が落ちなかったのも、スタミナにはスランプが無いんだという事で高評価できると思います。
今日は石田選手が二軍落ちして先発ノックアウトの飯塚選手の降格も決まったようですので、その代わりを、久保選手や熊原選手との競争にはなるでしょうが、試しに一度投げさせてみてはどうでしょうか?という気持ちもありますね。
ヤクルトの寺島選手は5回を投げて被安打2の1失点で勝ち負けはつきませんでした。球速は140キロを若干超える程度であまり速いとは思わなかったのですが、バッターはタイミングを取るのに苦労しているように見えました。だいたい120キロ台の変化球でバッターが腰砕けになるような緩い空振りで倒れるようなシーンも数多く有り、5回しか投げていないのに7奪三振という数字に繋がりました。
楽天の藤平選手が最近一軍で投げるようになっていますが、見た感じは右腕左腕が逆になっただけの、非常に似たタイプという感じがしますね。スピードガンの数字以上にバッターが速く感じている様子で、この調子ならそろそろ1軍のお試し登板も有りうるのではないでしょうか。
次に打線について。
今日は、と言うか今日もベイスターズのバットは湿度100%くらい湿りに湿って、チーム全部で5安打しか打てませんでした。今日のスタメンは一軍実績のある選手も少なくなかったのですが、ルーキーの寺島選手にプロの厳しさを味あわされる結果となりました。
そんな中では白根選手が2安打のマルチヒットと一人気を吐きました。寺島選手からヒットを打てたのはルーキーの松尾選手と白根選手だけですが、白根選手は腕をたたんだコンパクトなスイングで右中間に低い弾道で運ぶ2ベースを放ちました。もう一本は一二塁間をゴロで抜く渋いヒットで、2本とも右方向を意識したような、ジャイアンらしからぬ技巧派の一面を見せました。
チーム事情もあって去年と比べて出場機会が激減している白根選手です。出場試合数が少ないとその分調子を維持するのも難しいわけですが、なんとか調子を維持して良いアピールが出来ているのではないでしょうか。
ルーキーの佐野選手がスタメンマスクをかぶりました。8月下旬の鎌ヶ谷の試合で途中から初マスクを被り、最近はスタメンで出るまでになりました。
あいにく相手チームが盗塁を企図する場面が僕が見た範囲で存在しなかったのでスローイングがどうなのかはわかりませんが、キャッチングは思いの外うまく、綾部選手の曲がりの大きめの変化球も上手にキャッチしていました。もしかすると亀井選手よりもキャッチングは上手かもしれません。
来季以降もキャッチャーを続けるなら良いですが、果たしてどうでしょうか。キャッチャーをやると選手寿命は伸びるのですが、彼の長所である打力を磨く機会は大きく損なわれてしまいますので、来季以降も末永くキャッチャーをやらせるつもりが無いなら、彼をキャッチャーとして試合に出すのを極力控えて欲しいと僕は思っているのですが、いかがなものでしょうか。
それこそキャッチャー不足のフォローならば山崎憲晴選手に任せるというのも一手だと思いますよ僕は。
ヤクルトは鵜久森選手が猛打賞の活躍です。あんまり「うまく打った」という感じはしなかったのですが、彼の持ち味である思い切りの良いスイングで多少詰まっても外野手の前まで運んだ、という感じの3本だったと思います。
鵜久森選手が1軍に戻って活躍するとなれば、まずは代打という事になろうと思います。代打で出てきていきなり躊躇いもなくフルスイングするというのは言葉で言うような簡単なものでは無いらしく、だからある程度キャリアを積んだベテランが代打の切り札に収まりやすいのだそうですが、それもなるほどだと、今日の鵜久森選手を見て感じました。
調子は良いのでしょうし、また1軍で、出来れば阪神戦や巨人戦で大暴れしていただきたいと思います。
次にリリーフについて。
ベイスターズは8回林選手、9回国吉選手が1イニングづつ投げました。
林選手が被安打3にフォアボール1つで2失点です。最初はストレートが130キロ台前半しか出ず、もっとスピードを上げようと力んだような感じでコントロールがばらつき、高めに浮いては打たれ、低すぎてホームベース手前に叩きつけ、そういうピッチングでした。
それで結局球速は141キロまで上がりましたが、渾身の140キロ近いストレートがいとも簡単にライナーで弾き返される等、かなり苦しい内容に違いありませんでした。
国吉選手は四死球5、被安打1で3失点です。とにかく始めからストレート一辺倒で球速は150キロをマークするも、ストレートでコースを突こうとしてボール先行になり、フォアボールを積み重ねていく流れでした。
変化球はイニングで4球くらいしか投げませんでしたが、そのうち2球を亀井選手が捕球できずにポロポロして、それで結局ストレートだけでどうにかしようと悪戦苦闘を続けたようにも見えました。
国吉選手や、三嶋選手もそうですけれども、荒れ球で落ちる変化球が武器のピッチャーはキャッチングの良いキャッチャーとバッテリーを組まないと本当に脆いわけでして、今日はその国吉選手の不器用さが全開で露出してしまったピッチングでした。
この数字を誰がどこからどう見ても評価できないのは僕も同じですが、かといってこの数字を額面通りに受け取って「国吉選手は期待できない」と見切るのは、それもそれで早計であるように、僕は思います。
ヤクルトのリリーフは小刻みです。6回から中島選手久古選手土肥選手が2/3イニングづつ、8回風張選手、9回村中選手がそれぞれ1イニングづつで5人のリリーフピッチャーが登場しました。
これだけ小刻みだと一人ひとりの記憶がほとんど残っていませんが、最後に投げた村中選手は球速に往年の凄みがなく140キロ前後だったように思います。まるで技巧派ピッチャーのように細川選手と亀井選手の2人の若者を三振に切って取りました。
もうちょっと迫力のあるピッチャーだったような気がするのですが。残念な感じがしますね。
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今日は平日にも関わらず1000人を超えるお客さんが集まりました。特にヤクルトのレプリカユニフォームを身にまとった方が多くいらっしゃってまして、わざわざ横須賀スタジアムまでお越し下さり誠にありがとうございますと、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
ヤクルトもベイスターズも立場は違えど、なんだか苦しい立場にあるという間柄にあろうかと思いますので、お互い切磋琢磨して頑張っていきたいものですね。
ヤクルト7-1横浜DeNA
勝:久古
敗:綾部
観客数:1000人ちょっと
以上