ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2017年 夏の野球旅 ナゴヤ球場編 (2017年8月15日)

f:id:suguru0220:20170816213527j:plain

 

 野球旅の最後は中日ドラゴンズ1軍のかつての本拠地であり、現在は2軍の本拠地となっているナゴヤ球場に行ってまいりました。

 

 ナゴヤ球場と聞くと、僕にとっては1988年の日本シリーズで当時西武ライオンズの4番を張っていた清原和博さんが場外ホームランを打った場所、という印象が根強く残っています。あの時は「場外まで飛んだホームランの打球は新幹線の線路も超えていった」という噂がまことしやかに語られていたのですが、実際に初めてこの場所を訪れてみると、それもまんざらありえない事では無いと思うくらい、新幹線の線路の近くにある球場でした。

 

 球場へのアクセスは、JR東海道線尾頭橋駅から徒歩で10分くらいの場所にあります。駅から球場までの道のりは至ってごく普通の住宅街で、お店の類は見当たりませんでした。球場から少し離れた場所にセブンイレブンの看板があるのが見えましたので、ちょっと寄り道をすればコンビニくらいはある、というロケーションでしょうか。

 名古屋駅からでも歩けない距離では無さそうですから、都会の住宅街の中にポツンとある、ちょっと不思議な感じもする球場ですね。

 

f:id:suguru0220:20170816214632j:plain

 

 球場の正面入口はこんな感じです。外階段を通るのではなく、建物内に入っていくような構造ですね。

 そしてこの写真からだと左手の手前にチケット売り場があって、そこで購入するようになっています。

 

f:id:suguru0220:20170816214926j:plain

  ファーム球場の入場券というのはだいたいどのチームもオリジナルデザインのものを用意していますが、ナゴヤ球場ではこのようにチケットぴあ仕様になっています。チケット販売を外部委託しているのでしょうか?これくらいの仕事なら自前でやればいいのに・・・と思わないでもありませんが。

 

f:id:suguru0220:20170816215417j:plain

 

 球場正面入口を入った所では、このように傘の無料貸出が行われていました。ちょうど僕が見に行った15日は小雨がぱらつく天気でしたので利用するお客さんもいらっしゃったようですが、こういう細かい気配りが出来るのは実に良い事だと感心いたしました。

 また、傘の他にもウチワも無料貸出していましたよ。

 

f:id:suguru0220:20170816215648j:plain

 

 球場のコンコースには、このような展示が行われていました。見ての通りで、プロ野球で使用する硬式球がどんなに硬くて危ないものか、触って試せるようにしているようです。

 硬式球で野球をやった経験のある方はご存知だと思いますが、ちょっとかすっただけでも猛烈に痛いのが硬式球です。しかし経験がない人はそれがわからないので、ファウルボールへの対処を軽く考えてしまいがちです。そうならないようにするための中日球団の取り組みは、地味ながら非常に良いと思いますよ。他の球団も是非見習ってもらいたいものです。

 

f:id:suguru0220:20170816220114j:plain

 

 グラウンド内はご覧の通りです。1軍の本拠地だった頃と比べて、外野席やナイター照明を撤去したりしたようです。外野席はともかく、ナイター照明は残しておいて欲しかったと思いますね。

 

 そしてこの、外野の向こう側に広がる住宅街の風景がまた、なんとも言えない昭和の風情を醸し出します。僕が子供の頃に通いつめた川崎球場がモロにこういう景色でしたし、昔は、確か藤井寺球場や、他にもこういう雰囲気の球場があったように思います。

 今では球場がある場所というのは周辺が商業地になっているのが当たり前の時代になりましたけれども、昔は住宅街も野球場も渾然一体となっていて、こんなんでよくも鳴り物入りの応援なんて許されたものだと、当時のことを思い出してみたりもしたものです。

 

 試合の方は中日と広島の対戦カードで午後12時半にプレイボールがかかり、中日は阿知羅選手、カープは塹江選手という若い伸び盛りの先発ピッチャーで始まりました。

 

 細かいことは抜きにおおまかに感想を述べますと、阿知羅選手は球速が140キロを超えるか超えないか程度ながら、制球力で打たせて取るピッチングをしていました。ウエスタンでは既に結構な勝ち星を重ねている2軍のエース格のようですね。

 

 カープの塹江選手は去年1軍の試合で先発したのをどこかで見た覚えがあるのですが、150キロくらいの豪速球を投げる左の本格派ピッチャーです。まだコントロールなどで荒削りな所もあるようですが、いかにも馬力のある、将来性の豊かな選手だと思います。

 

 この両チームの試合で何と言っても見てみたかったのが、カープの高卒ルーキーである坂倉選手です。

 

f:id:suguru0220:20170816221549j:plain

 こちらが今日の時点の両リーグの首位打者争いになるわけですが、高卒ルーキーでキャッチャーの坂倉選手が2位の打率.311というのは、あまりにも出来過ぎていると言いましょうか、スーパールーキーとも言うべき破格の好成績を挙げており、これは一度見てみない事にはと考えていたのです。

 

 あいにくこの試合の坂倉選手は3打席立ってノーヒットに終わってしまったわけですが、高卒ルーキーながら速いボールに全く振り負けていませんでしたし、きちっとバットコントロールできていましたし、やはりとんでもない大物だなぁと、わざわざ見に来た甲斐を感じました。

 

 キャッチャーというのはただでさえ覚えることが多いポジションですし、身体的な負担も多いですし、職業柄自分のバッティング練習にあてられる時間も他の野手と比べて少なくなりがちです。

 さらに、ピッチャーや他の野手は1軍の「お試し起用」をする事ができますが、キャッチャーの「お試し起用」はなかなか難しいのも実情です。お試しで試合に出して、試合を壊しかねないからです。キャッチャーはだいたいベンチに2人か3人しか置けませんから、スタメンでお試し起用すれば試合を壊す不安があり、大量ビハインドなどの状況で途中から出せば、万が一用の控えキャッチャーで3人目を必ず置く必要も生じますから、だからキャッチャーは1軍に上がるのがなおさら難しいのです。

 

 でも、初っ端からこれだけ打ちまくっている坂倉選手ですから、どうにか今季中に一度くらいは1軍で見てみたいという気持ちが募ります。ベイスターズファンの僕がこう言うのも変ですが、カープにはなるべく早く優勝を決めてもらって、坂倉選手をお試し起用できる土壌を作ってもらえないかな?と、そんな風に思ったりもするわけですね。

 

 試合の感想についてはそんな所でしょうか。

 

               ■

 

 ナゴヤ球場について僕はおおむね満足しましたが、一つ難点を挙げるとするならば、一箇所しか無い売店が常に行列が出来ていて、食べ物を買うにもドリンクを買うにも十数分くらい並ばなければならない事でしょうか。

 

 この問題はジャイアンツ球場でも同様なのですが、注文を受けてすぐに販売できる既製品のお菓子やアイスクリームも、ジュースサーバーでカップに詰めるだけのドリンク類も、調理で時間のかかる食事類も、同じブースでまとめて扱っているので、それで渋滞を起こしてしまうわけですね。

 一車線の道路を農業用のトラクターが通れば、いくら交通量が少なくても道路は詰まるのです。それと同じことがナゴヤ球場の売店でも起きています。

 

 ですから、ドリンク類と既製品を販売するブースと、食事類を販売するブースとを、それぞれに分けてもらえないものかなと思いました。

 実際にそれを実現しているベイスターズファームの横須賀スタジアム平塚球場では来場者数1000人オーバーの日でも売店の行列はそこまで長くなりませんし待ち時間で2分を超える事もありませんので、ぜひこの方式を取り入れて、ストレスフリーの観戦環境にしてもらいたいと思いました。

 

 

                ■

 

 元々一軍の球場だっただけに、非常に良い球場でした。球団側の地道な取り組みも良いものでしたし、球場警備員さんの仕事ぶりも丁寧で好感のもてるものでした。

 なかなかこれだけのハコを都市部に用意するのは簡単ではありませんが、運用面の取り組みくらいは是非見習ってもらいたい(特にオリックスや西武)ものだと感じましたね。

 

 

 というわけで夏の野球旅特集は終了です。

 

 

以上