さようなら、ハマの大エース。山口俊
無念でなりません。
そして、色々と思う所があります。
選手も首脳陣も納会で伊豆に行っているのに、どうしてこんな手際よくコメント付きのニュースリリースを出せるのでしょうか。
選手会長でチームの勝ち頭なのに、球団のマーケティング広告的なもので全面に押し出されるのは筒香選手や山崎康晃選手ばかりでした。このような面を含め、球団における山口選手の扱いの悪さは常につきまとっていました。
こうなるに至った背景は、何も今年1年だけの問題では無かったのでは?と、僕は考えています。
思いつくところとしては、DeNAベイスターズ初年度の2012年に守護神として60試合に登板して防御率1.74をマークしたのに、オフの契約更改で随分と渋いことを言われた挙句に現状維持留まりにされた、あの一件が全ての始まりだったように思います。
そこから不信感が溜まりに溜まって、それで「いつかこのチームを出てやる」のような思いを募らせていったのではないでしょうか。
長年にわたって組織の柱とも言うべき活躍を続けてきたのに、上司や経営陣は新しく入ってきた見栄えのする若い選手ばかりチヤホヤしていたら、それは嫌気も差すと思いますよ。
定年まで終身雇用のサラリーマンや公務員だって、こういう状況に置かれたら嫌気が差すと思いますよ。それが長くても向こう3年くらいしか契約を保証されない立場で、なおかつ同業他社から最大級の待遇と褒め言葉で誘いを受けたら、出ていきたいと思うのが人情ではないでしょうか。
一部のマスコミの報道によれば条件交渉が噛み合わなかったような話が漏れているようですが、果たしてそれだけが出ていく理由でしょうか。
わざわざ針のむしろになるのを承知の上でファンフェスに出席をした位ですから、それなりのチーム愛は持ってくれていたのではないかと思います。
今回のFA報道においては、やれ全員出席の総会をサボっただの、やれ条件が無理だの、山口選手にとってマイナスイメージになるような情報が次々と報じられました。
そこでね、もしも本当にベイスターズに残って欲しいならば、どうしてベイスターズは山口選手をかばう発言を公に出せなかったのでしょうか。まるで塩をまいて追い払うかのように、山口選手をどんどん追い込むような情報をマスコミに流し続けたのは、一体誰なのでしょうか。
プロ野球界全体で今オフにFA宣言をした選手は他に何人もおりますが、山口選手ほどマイナスイメージを植え付けられるような報道が繰り返された選手は、他にはいなかったと思います。
まだ移籍先がはっきりしない陽岱鋼選手にしても森福選手にしても、彼らに悪い印象を持たれるようなマスコミ報道は皆無と言ってよいのではないでしょうか。
ここにこの問題の後味の悪さが残るのです。
ベイスターズは長年に渡る先発ピッチャー不足からほぼ脱却し、まずまずの顔ぶれを用意できるようになりました。だから山口選手がいなくなっても他の選手で穴が埋まるかのような、影響を軽く考えるムードが、ベイスターズファンの間で多少見受けられます。
ですが、そんなに計算通りにいくほど甘いものではありません。2014年は先発ピッチャーが軒並み活躍してくれたからもう安心だと意気揚々と迎えた2015年がどうだったか、記憶に新しいと思います。
単純に戦力として抜けることの影響しかり、これまで暗黒ベイスターズで常にチームの中心になって粉骨砕身頑張ってきた支柱が自ら退団を選んだという精神的なショックとで、僕はあまり良いシーズンオフを過ごせそうにありません。
ただ、これだけは言いたい事として、これまでベイスターズで頑張ってくれてありがとう。これからはライバルになってしまうが、ベイスターズのフロントや首脳陣やファンが地団駄を踏んで悔しがるような大活躍をして欲しい。そのように思っています。
いなくなってしまうのはとても悔しいことですが、決まってしまった以上仕方がありません。
フラれた女に泣き言を言うような恥ずかしい真似だけはしないで欲しいと、ベイスターズファンの皆々様にお訴えをしつつ、今日のブログを終えたいと思います。
以上