ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

あらぬ方向に広がりを見せる野球賭博問題

 

 昨日のテレビ朝日報道ステーションで、巨人の選手が円陣で声出しをする事に絡めて金銭の授受をしていたと、番組開始早々からかなりセンセーショナルな報じ方を致しました。それはあたかも、今初めて知ったかのような口ぶりでありました。

 

 ですが、巨人のチーム内では野球賭博以外にも様々な事象で賭け事をしていたと、少なくとも昨年11月の段階で公式に発表がなされていた筈で、何を今更というウンザリとした気持ちにさせられました。

 

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 ここでは野球賭博以外の麻雀やトランプや高校野球賭博の関与者が何ら処罰されず、マスコミもそれについて強く言及する事はありませんでした。

 

 ですからそれは、「ある意味セーフ」のような相場観みたいなものがその時点で出来上がったように、僕には感じられました。

 だって、目の前で事件があると明らかになっているのにマスコミが食いつかないのですから、他球団も含めて「これは大丈夫なのか」という暗黙の了解が出来上がっても不思議ではなかったと思います。

 

 それが今度は一転して「ある意味アウト」「問題である」という空気感が垂れ込めてきたわけですから、違和感を覚えずにはいられませんでした。

 

 マスコミ的にどこまでがセーフでどこまでがアウトなのか、その時々の気分でやったりやらなかったりでは、それは問題では無いでしょうか。

 

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 この問題をややこしくしている理由の一つとして、警察の消極的な姿勢があります。

 

 漫画家の蛭子能収さんが麻雀賭博で逮捕されたのは今から18年も前の話ですが、既にその頃から違法賭博の取り締まりに積極的に関わってきた筈の警察が、ことプロ野球界の問題となると、どうしてこうも及び腰なのか、全く理解できません。

 「法の下の平等」など実際には存在しないのだと、実にあからさまに世の中の不平等を見せつけているわけです。

 

 検察庁出身の熊崎コミッショナーは事ある毎に「我々には警察のような強制的に捜査する権限がないから」と言い訳めいた発言を繰り返していますが、それならなおさら積極的に警察の関与を仰ぐべきではないでしょうか。

 

 これも結局はNPBに裏の意図があるとしか思えません。事件の根本解決をはかろうとすれば自らも甚大な影響を受けるから、警察に介入させずにうまく穏便に済ませようとしているのです。

 

 先に処分を受けた笠原福田松本竜3名が不満に思うのも無理からぬ事だと思いますし、ここに火種を抱えている以上、いつまでもボヤ騒ぎを起こし続けるだろうと、僕はそのように考えています。

 

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 巨人のチーム内で違法賭博が蔓延っていて、そこに後から入ってきた若手選手がその場の雰囲気とか誘いとかで自らも違法賭博に手を染めるようになり、やがて野球賭博までやるようになってしまったという流れを見ていくと、福田笠原松本竜の3名にあのような厳しい処分を課すのは酷なのではないかと思えてきました。

 

 プロ野球は強いタテ社会であると言いますので、そんな中で先輩に賭博に誘われれば、なかなか断れないものなのではないでしょうか。

 むしろ罰せられるべきは、そういった環境を野放しにしてきた球団側にこそあるのではないでしょうか。

 

 そういった観点から、笠原福田松本竜の3選手への処分も含めて、もう一度処分と調査をゼロベースでやり直すのが良いのではないでしょうか。

 

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 ロッテの球団社長がこのように仰ったそうですが、僕も全くの同意見です。今のままでは正直に罪を認めた先の3選手ばかりが責めを負う格好になっていて、それはそれで気の毒でならないのです。

 

 それこそ、初犯なら3ヶ月の出場停止くらいで戻してあげても良いのではないでしょうか。

 

 また、これを機に、様々な協約違反について処分の定義を明確に定めるべきではないでしょうか。同じ罪で、ある選手は無期限失格で、またある選手はそのままユニフォームを着続けるというのでは、その都度揉め事を繰り返すことになります。

 アンチドーピング機構の処分のルールなどを参考に、そういったものを明文化させるべきだと考えます。

 

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 この問題で僕が繰り返し述べてきたことですが、僕は熊崎コミッショナーの仕事ぶりに大変不満があります。

 

 検察庁OBとして、とりわけ犯罪にまつわる諸問題で辣腕を振るうことが期待される立場でありながら、何一つリーダーシップを発揮できていません。

 先代の加藤コミッショナーが統一球の問題でミソをつけたのに引き続き、能力に疑問符のつくコミッショナーが二代続けてその任についているというのが、我々プロ野球ファンに二重三重の不幸をもたらしているように思われてなりません。

 それもこれも、読売グループの意向を中心に天下り官僚を配置する、ある種中国共産党地方自治みたいな方法に大きな問題があると指摘しなければなりません。

 

 この際、NPBのコミッショナー職に公選制を取り入れるべきではないでしょうか。

 

 今回の問題を通じてナベツネさんが二度目の引退劇を演じる等、読売グループの支配力に陰りが見えるのを奇貨として、NPBの抜本的な改革を行うべきではないでしょうか。

 

 今回の賭博問題に限らず、有力選手が日本代表になかなか積極的に参加してくれない問題や、交流戦の開催方法など、歴代コミッショナーが満足に対処できずにいた大きな課題がそのまま山積みとなっているのは周知の事実です。

 

 今こそ大変革を要する時ではないでしょうか。

 

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 話を戻して野球賭博問題についてですが、きちんと論点を整理して、協約上問題のある行為、法律上問題がある行為、道義上問題がある行為をしっかり分けて、整然と公平な処分を課していくようにしなければなりません。

 

 先に処分された3選手への処分再考も含めて、しっかりと公平で論理的な議論が行われることを切に求める次第です。

 

 

以上