政治とプロ野球
今日はこのニュースについて書きたいと思います。
僕は以前「日本プロ野球界も改革開放に舵を切るべし 」という記事を書いた事もあり、プロ野球の球団数を増やすことについては諸手を上げて大賛成という考えです。
テレビや新聞といったオールドメディアの人達は何かにつけて規制緩和を悪しきように論いがちですが、我が国はかつて明治維新という一大改革に取り組んだからこそ今日の日本を築き上げた、そういった歴史的経緯を忘れてはならないと思います。
プロ野球も歴史に習い、鎖国を解いて平成維新を行わなければなりません。
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それはそれとして、この問題が国会で議論されている点については、やや首を傾げたくなる部分でもあります。
我が国が中国や北朝鮮のような社会主義的な統治機構を持つ国ならともかく、一応は資本主義であり自由主義陣営に属する国なのだから、民間のことは民間が独自に考えて決定すべきものであります。
ですから、後藤田正純議員の球団数拡張を求める質疑に対して石破大臣が「民間のことは民間で」と慎重な答弁に留めた事は、これも至極もっともな話であります。
さて、我が国で人気を二分する団体プロスポーツといえば野球とサッカーが両巨頭という事になろうかと思います。
ですが、野球はサッカーとは違い、常に政治と密接なかかわり合いを持ってきた経緯があります。
戦前は完全な民間資本の元で殆ど政治的な関与を受けずに運営されてきたようですが、戦後の運営再開や球場の接収解除に関係してGHQの判断を仰がなければならなくなったあたりから徐々に政治的な色合いを持ち始め、やがては税制や球団経営権の売買等で、事ある毎に政治と関わるようになってきた、そういう流れだと思います。
そういう流れの中で出てきた今回の件については、いよいよプロ野球が政治の道具になり始めたぞ、と、違和感というか、危機感にも似たものを感じ始めています。
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しかし、何が何でも政治の介入を避けろといった、青々しい、ピュアな心みたいなものは僕は持ちあわせておりません。
むしろ、せっかくの機会だから精一杯活用させて頂くべきであると申し上げたいのです。
なぜなら、僕はプロ野球の球団数拡張を求める立場だからです。
既存球団の主だった経営陣の中には球団数を増やすどころか減らしてしまおうと目論んでいる人がいることは周知の事実であります。この抵抗勢力といいましょうか、ステークホルダーの人達を打ち破って、球団数を増やすためには、この際政治介入も厭わない姿勢が必要なのだと考えます。
政治の世界では一強他弱と言われるようになって久しいわけですが、一強の自民党とて国政選挙の得票数は年々減少傾向にあって、決して盤石とは言えない現状にあります。
ですから、与党自民党に「地方にプロ野球球団をこしらえてやるぞ!」と気炎を上げてもらって、それを人気取りに使って貰えば良いのではないでしょうか。
それによって球団数拡張が実現し、自民党の得票数が増加傾向に戻るのであれば、お互いWINWINの政策となりうるのではないでしょうか。
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ちょっと前に農協の元締めであるJA全中の経営に関して大きな政治決定がなされました。全国700の地域農協に対する監督指導権限を剥奪したわけです。
これを日本プロ野球機構にも当てはめて考えていってはいかがでしょうか。
現在の日本プロ野球は一応日本プロ野球機構という組織があって、そこに監督指導権限を持たせているわけですが、この組織の実態はオーナー陣の傀儡政権であり、そこに独立性が存在しないのは自明の理であります。
ですからこれを所轄の文部科学省に介入させて、オーナー陣からの介入を受けない独立した組織に生まれ変わらせると、脅すように持って行くべきです。
ただし、球団数拡張を受け入れるのであれば、この脅しは取り下げてやっても良いとすれば良いのです。
方法論はなんでも構わないですが、要するにオーナー陣に球団数拡張を受け入れさせる方法を考えていく必要があります。
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地方ではプロ野球球団の誘致に色気を持っている自治体が複数存在すると言われていますし、経営に参画したいと考えている大企業も少なくないと言われています。ですから、供給サイドの障壁はほとんど存在しないと考えて宜しいかと思います。
地方では「ゆるキャラ」や「踊ってみた動画」を作ってみたりと、「まちおこし」が非常に重要な課題としてあるらしいのですが、そうであるならば、年間百万人以上の動員が見込めるプロ野球球団の誘致は喉から手が出るほど大きなものであるに違いありません。
また、安倍政権としても地域活性化のひとつの大きな功績となりうるのではないでしょうか。
この際、政治でも外圧でも使えるものは何でも使って球団数の拡張を推し進めてもらいたいと思いますので、特に地方政治に関わりのある方にボトムアップでどんどん声を上げて貰えたらありがたいなと考えている次第であります。
以上