にわかファン問題
先日リリースされたこの東洋経済の記事を読んでいて、ふと思うことがありました。
この記事はアニメに関するガチオタクとエセオタクの問題を書いているわけですが、これはプロ野球やベイスターズにも当てはまるのではないでしょうか。
かねがね思っていたことですが、近年のベイスターズファンからは、選手を応援するためのお手製ボードをはじめとする、オリジナルグッズを制作して球場で掲げる人が本当に数少なくなってきました。
その代わりに幅を利かせているのが、球場やグッズショップで販売されている球団公式グッズです。ネームタオルやレプリカユニフォームを両手で掲げて応援の意思表示をするファンが大多数になりました。
球団からしてみれば、1円の利益にもならないお手製グッズなどを持ってこられるよりも、球団公式グッズを買って、それで応援してくれたほうが、当座の収益的には良いはずです。
ですが、わざわざお手製グッズを作って持ってくるような筋金入りのコアファンが少なくなってしまった現状というのは、それはそれで将来が心配でならないのであります。
MLBではイチロー選手を応援するコアな女性ファンの「イチメーター」が大変有名です。ベイスターズ関連でも、かつて鈴木尚典さんの現役時代には「球道一心 鈴木尚典」という横断幕を掲げるファンがおられましたし、その後も「豪打炸裂 小池正晃」という横断幕を掲げるファンもおられましたし、横須賀スタジアムにも高森選手の横断幕を掲げるファンの姿がありました。
珍しい所では、川村丈夫現コーチの大ファンの人が「川 村」と書かれた、人間の身長くらいの大きさの扇子を制作して掲げている姿などもありました。
そういったコアなファンの姿が横浜スタジアムから失われてしまったのは、単なる時代の変化としてスルーして良いものなのだろうか、僕は危機感を隠せないのであります。
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コアなファンとにわかファン(エセオタク)と呼ばれる人達の間には、言葉では言い表すのが難しい、深い溝のようなものがあります。
それこそ、長年に渡って対立関係を抱える横浜市民と川崎市民のごとく、横浜市と川崎市の間を隔てる鶴見川のごとく、簡単には分かち合えそうに無い難しい溝があるのです。
コアファン側にいると自負する僕にとっても、ベイスターズを単なる友達作りの踏み台程度にしか考えないようなにわかファンの人達に対し好ましからざる感情を抱いているのは事実です。
もっとベイスターズを深く愛し、お互いドロドロとし合うべきではないかと、こちらの沼に引きずり込んでやりたい気持ちが無いわけではありません。
しかし、だからこそコアファン側は大人の余裕を見せ、今はにわかファンな人達を今後敬虔なベイスターズ信者、コアなファンへと引きずり込むべく、したたかに策を練らねばならない、という風にも考えられます。
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他のチームの試合を見ているとお手製ボードで応援しているファンの姿が結構たくさんいらっしゃるものですから、なぜ横浜スタジアムだけ見当たらなくなってしまったのだろうと、ちょっと残念な気持ちでいます。
野球の質とは殆ど何も関係ありませんけど、ベイスターズとはこの先どこへ向かってゆくのだろうか、ちょっと心配な気持ちが募っているところです。
以上