ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ベイスターズの守備が芳しくない件

 かつては貯金11で首位に立っていた事もある我らがベイスターズですが、気付けばBクラスに帰ってきてしまいました。あまり「かつて首位だった」と言い過ぎると、まるで「若い頃はモテた」と吹聴するおじさんみたいで往生際悪く見えてしまいますけれども、しかしながら「なぜ」「どうして」という気持ちは拭い去れません。

 理由は様々あろうと思います。打線がいまいちだとか、リリーフが大崩壊したとか、1つ2つで済む話でもないでしょうが、その中で僕が気になっているのがチーム全体の守備の問題です。

「あまりにもミスが多い野球」/中畑監督

http://www.nikkansports.com/baseball/news/1500641.html

 昨日の沖縄での中日戦は誰がどう見ても論外と切り捨てられるミスのオンパレードでしたからあえて言うまでもありませんが、ではそれまではどうだったかと言いますと、昨日の試合ほど極端では無いものの、全体的に芳しくないのだと思います。

 先日はこんなニュース記事もありました。

阪神鶴岡ギリギリ生還「褒められへんな」高代コーチ

http://www.nikkansports.com/baseball/news/1499193.html

 記事のタイトルは鶴岡選手ですが、記事中にはこのように書かれています。

>高代コーチは「センターが緩慢な追い方をしていたし、シートノックから送球もあんまり良くなかった。

>走塁としては褒められへんな」と言いながら、勝利の味をかみしめた。

 このセンターというのが関根選手を指すのだそうです。関根選手といえば俊足強肩で守備のポテンシャルも相当高いものがある選手ですが、WBC日本代表のコーチも務めた高代コーチの目には厳しく映ったようです。

 それも、技術的身体能力的におぼつかないという話ではないのが頭の痛い所です。「緩慢な追い方」「送球が良くない」というのは、要するに意識や準備の問題です。せっかくの恵まれた才能を持ちながら、それを活かせないどころかかえってマイナスになってしまっているのだから、これは本当に大きな問題です。

 ただ、これは何も関根選手に限った話では無いのでは?と僕は考えています。

 例えば外野にコンバートされて2年目となる筒香選手はどうでしょうか。まだ外野手2年生ですから他球団の一流外野手と同じ基準で論じるのは酷ですが、しかしながら、多少甘めに見ても、打球判断や後方へ飛んだ打球の追いかけ方に進歩が見られないのではないでしょうか。

 ある程度の技術のある外野手はあらかじめ守備位置から外野フェンスまでの歩数を頭に入れ、後方への打球にはフェンスまでの距離をいちいち気にすることなく一目散に追いかけるものですが、その点筒香選手のそれは、打球が飛んでくるたびにボールとフェンスの位置をその都度交互に見やって、モタモタとした追いかけ方しかできません。だからおのずと守備範囲が狭まってしまうのだと思います。

 そうやって、守備に対する意識や備えの甘さが、こと外野手全般に見られるという風に僕は嘆かわしく感じているのです。

 そう、今年から導入されたハマスタのLED照明への備えも然りです。相手チームの外野手が戸惑うならともかく、なぜホームのベイスターズの選手がいまだに手こずっているのでしょうか。

 昨シーズンのベイスターズは両リーグでワースト、それも唯一となるチーム3桁失策(116個)を喫してしまった事は記憶に新しいと思います。ですから今年は同じ轍を踏まないよう全力で取り組むのがプロとして当然の構えなのだと思いますが、そもそもの気構えであるとか試合前練習の段階から他球団のコーチに緩慢と看破されているようでは、昨年と何も変わっていない、これまでこのチームは一体何をやっていたのでしょうか。

 試合前練習すら緊張感を欠いているようなチームがクライマックスシリーズ進出を目指す等とは、おこがましいとしか言いようがありません。

 ベイスターズ球団は緊急補強で伊原春樹さんを守備走塁コーチとしてお呼びして、シーズン中だろうがなんだろうがお構いなしにハードな守備練習を連日連夜血反吐を吐くまでやってもらうべきではないでしょうか。

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 キャッチャーの問題も少なくありません。

 2014年シーズンのベイスターズ全体のワイルドピッチ(WP)の回数が56個なのに対し、今年は6月30日の時点で44個に達してしまいました。まだシーズン半分しか消化していないにも関わらず、です。

 一方、2014年のベイスターズ全体のパスボールの回数が10個なのに対し、今年は6月30日の時点でリーグ最少の2個となっています。消化試合数で換算するとだいたい3割減くらいになっている計算ですが、WPの異様な増え方を踏まれば、これは単純にピッチャーのせいだとも言い切れないのではないでしょうか。

 だいたいWPとジャッジされるのは確かにコントロールを大きく外れた投球であるのに違いないのですが、しかしそれを前で止めるのがプロのキャッチャーに求められる技術です。ですから、ピッチャーが悪いのは当然としても、キャッチャーにも相応の責任があると解釈されるべきです。

 そもそも、去年も今年も1軍のキャッチャーの顔ぶれはさほど変わりません。黒羽根選手と高城選手が主に出て、そこに嶺井選手が加わっていく感じのバランスです。キャッチャーで最年長が黒羽根選手の28歳ですから老いてキャッチングが衰えたという事ではないと思います。顔ぶれが殆ど同じで年齢的には技量が向上していかなければならない年代の選手ばかりなのに、WPが前年対比で50%以上も増えてしまうとは、異常事態としか思えません。

 キャッチャーがこうも頼りないようでは、ピッチャーは安心して低めに投げられないのではないでしょうか。落ちるボールを武器とする若手のピッチャーにとってWPは常に隣り合わせの存在ですが、それをキャッチャーが止めるからこそ安心して攻めのピッチングができるというものです。

 それがすべてリリーフ大崩壊のせいだとは言いませんが、不甲斐ないキャッチャー陣の問題もきちんと手当しなければチームの再浮上はおぼつかないのではないでしょうか。それこそキャッチャーの育成に定評がある大矢明彦さんに臨時バッテリーコーチで来てもらうとか、もしくは1軍の新沼コーチと2軍の山下コーチとでバッテリーコーチの交代位はやらなければならないのではないでしょうか。

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 ベイスターズが前回優勝した1998年のメンバーというとマシンガン打線のイメージが強いですが、守備力についても球史に名を残すような極めてハイレベルな守備職人揃いだったと思います。また、最後にAクラス入りした2005年のメンバーも、1998年ほどではないにしても、相当な守備力の持ち主揃いでした。

 つまり、チームが上位に食い込むためには守備力が不可欠なんだろうと僕は思うのです。

例外なし 中畑監督「守れないヤツは使わない」

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/01/31/kiji/K20120131002538980.html

 中畑監督は就任初年度にこう言っていたではありませんか。初心忘れるべからずではないでしょうか。

 もう一度原点に立ち返って、スタメン9人全員がプロの守備で試合に挑めるようになって欲しいものだと、切に願っております。

以上