ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2015年6月9日 千葉ロッテvs横浜DeNA (平塚) の感想

 久しぶりに球場に足を運びました。前回の横須賀スタジアムからおよそ20日ぶりになります。これだけ登板間隔が開くとかえって調子が狂ってしまうと、まるでピッチャーみたいな事を嘆きたくなります。DeNAさん、お願いですから本拠地開催をもう少し増やして下さい。

 というわけで今日のスターティングオーダーです。

千葉 1(二)大嶺弟 2(中)加藤 3(左)細谷 4(一)井上 5(遊)高濱 6(指)寺嶋 7(右)肘井 8(捕)江村 9(三)香月一 P二木

横浜 1(右)乙坂 2(中)関根 3(遊)倉本 4(一)後藤 5(指)多村 6(三)加藤 7(二)山下幸 8(左)赤堀 9(捕)つる岡 P砂田

 ベイスターズは支配下登録されたばかりの砂田選手、ロッテも高卒2年目の二木選手の両先発です。砂田選手は14日の1軍の試合で先発を務めることが内定しているようですが、それまで登板間隔が開き過ぎる為の調整登板という事だと思います。

 まずはベイスターズ砂田選手について。今日は調整登板とあって3回までの投球となりました。僕が球場についたのは2回表ロッテの攻撃中で、その時点でスコアボードには被安打1の0失点と表示があり、その後に3安打1失点を追加されました。最初の1安打は見ていないのでわかりませんが、まともなヒットは2本くらいだと思います。普通ならピッチャーゴロに取れるような打球を後ろに逸らして内野安打1、その後に細谷選手にレフト線にライナーで運ばれての1失点です。

 もう1軍での先発が内定しているとあって厳しい目線で見てみましたが、クイックモーションが多少遅いかなと思えたのと、ピッチャーゴロの反応が鈍いかなというのが気になった点です。1軍デビュー戦の相手となる日ハムは西川選手や中島選手を筆頭に足のある選手がスタメンで名を連ねますので、足でかき回されるのが心配になります。

 今日は特別良くもなければ悪くも無く、あとは健康的に14日を迎えて欲しいといった所でしょう。

 次にロッテ先発の二木選手ですが、昨年は御姿を拝見した記憶がなく、ほぼ初見のピッチャーです。特に球が速いわけではありませんが、高卒2年目としてはコントロールがとても良いと感じました。終始ストライク先行で相手打者に考える隙を与えないピッチングでした。まるでベテランの老獪なピッチングを見るかのようでした。パリーグのガンガン振ってくる強打者を相手に当たり負けしない球威を身につけた暁には相当楽しみな存在になりそうです。

 次にベイスターズ打線についてです。スタメン9人の中で良かったと評価できるのは2軍落ちしてきたばかりのゴメス後藤選手。第一打席にライト線へクリーンヒット、第二打席でレフト線へクリーンヒットと右へ左へ華麗に打ち分けました。いずれも狙い澄ましたかのような素晴らしい当たりで文句がありません。ただし第二打席でノーアウトであるにも関わらず2塁を欲張って余裕でタッチアウトになったのはいただけませんでした。ここでお役御免となりました。

 プロ入り以来初めての2軍落ちを経験した倉本選手が3番打者としてスタメン出場しましたが、最後の打席を除けば、見るも無残と言う他なく、クルクルとよく回ってらっしゃいました。オープン戦の頃と比べて一本足打法の右足の上げ方が中途半端に小さく、どことなくぎこちなくなりタイミングが取りづらそうでした。まるで生まれたての仔馬が足をふらふらさせているかのようなステップで、右足を着地させる方にばかり頭がいって、スイングは俗に言う「着払い」で三振に終わるパターンが繰り返されました。最終打席で見事なレフト前ヒットを打ってくれましたが、今の段階では試合に出ずにフォーム固めに徹したほうが良いのではないかと、かなり心配になりました。

 もう一人取り上げるならば後藤選手に代わって途中からショートの守備についた百瀬選手です。僕は事ある毎に百瀬選手を褒めているような気がするのですが、今日も引き続き褒めたいと思います。まず9回裏2点ビハインドで迎えた打席で反撃の口火を切る右中間へのスリーベースヒットが見事でした。これでチームが勢い付いたといって差し支えありません。

 そして延長で迎えた次の打席では、前の倉本選手がヒットで出塁して送りバントの場面。制球が定まらないロッテ矢地選手の足元を見るかのようにボール球を悠然と見逃し、結局ストレートのフォアボールを引き出しました。サヨナラのチャンスへ繋ぐ送りバントの場面ですから選球眼よりも必死に送りバントしにいってしまいがちですが、全く余裕綽々でフォアボールを引き出すあたり、とても高卒ルーキーとは思えない落ち着きぶりです。一打サヨナラの場面で力んでボール球を振りまくった挙句に凡退した関根選手に爪の垢をそのまま呑ませたい位です。

 1軍のショートの定位置争いがなんとも評しがたい状況ですけれども、夏頃には百瀬選手が颯爽と現れてそのまま奪っていくのではないかと、そこまで期待が膨らみつつあります。

 その他の野手については後ほど少しだけ触れる場面があります。

 次にロッテ打線について。主砲の青松選手が1軍に行ってしまいましたが、それでも細谷選手井上選手高濱選手のクリーンナップは、潜在能力だけなら相当なものがあります。

 ですが、こればっかりはロッテ球団の伝統とでも言いましょうか、どういうわけか長距離砲が育ちません。落合博満さんを中日に放出して以降、古川選手や丹波選手や初芝選手など「落合二世」の呼び声がかかる選手が現れては消え、また現れては消えを繰り返しています。初芝選手はオリオンズ時代に記念写真を取ってもらった思い出深い選手なので悪く言えませんが、長距離砲と呼ぶには少々苦しいものがあります。

 そのロッテ球団のジンクスを切り崩す最有力候補と目されるのがアジャ井上選手ですが、今日はこれといった活躍はありませんでした。途中から寺嶋選手に代わって大松選手が出場しましたが、通天閣打法ばりに高い内野フライを打ち上げただけで終わりました。高濱選手も恵まれた体格で大きな当たりも期待できそうな雰囲気が感じられるのですが、相変わらず1軍定着すらままなりません。このままでは日ハムにいる弟に追い抜かされてしまいます。

 その他にこれといって目立つ選手がいなかったもので、川崎ロッテ時代から長年の課題である和製大砲不在問題について書いてみましたが、好素材はそれなりに見られますので、もうちょっとなんとかならないものでしょうかね。

 次にベイスターズのリリーフ陣についてです。

 まずは4回5回の2イニングを安部選手が受け持ちました。2イニングを1人の出塁も許さないパーフェクトピッチで片付けました。元々器用なピッチャーではあると思いますので、1軍でも無理せず規則性のある起用をしてもらえさえすれば充分活躍できるのではないでしょうか。特に申し上げることは他にありません。

 6回7回は小林寛選手が登板しました。初回2人目の細谷選手をストレートのフォアボール、次の井上選手も1つしかストライクを取れずにフォアボール、そして高濱選手に甘い球をライト前へライナーでクリーンヒットを打たれて1失点。その後はなんとか抑えましたが、次の回もボール先行で危なっかしい内容でした。多少警戒の要る相手であったのは事実ですが、ちょっとコントロールが悪すぎました。

 8回は皆さんお待ちかねの三上選手が登板です。他のピッチャーの時よりも集中して見守りましたが、最速で137キロ、あとは135キロとか133キロ程度を一生懸命投げるも制球がばらつき、かなり苦労している様子が伺えました。133キロを超えるか超えないかあたりが制球できるボーダーラインのようです。確か去年の良かった頃は150キロ近い球を投げていたと思うのですが、まだまだ遠く及ばない感じではないでしょうか。もうマウンドに上がれるようになって1ヶ月位は経つかと思いますが、復調のペースが、というよりも1ヶ月前と殆ど変わっていないように思われます。

 果たして良かった頃の三上選手に戻れるのか。心配が募ります。

 9回から小杉選手が登板です。小杉選手は今年に入り1軍でもそれなりに良いピッチングを見せた時もあったと思いますが、今日も目の覚めるような速い球を投げました。その前の三上選手の球を目を凝らしてじっくり見ていたせいで、ものすごい豪速球のように見えました。150キロ近く出ていたと思います。9回裏に味方が同点に追いついたので10回も引き続きマウンドに上がり、回跨ぎの影響など1ミリも感じさせない素晴らしいピッチングで本日の勝ち投手になりました。このピッチングを2軍でやるのは反則のような気さえします。

 ロッテのリリーフ陣は、6回松永選手、7回小林敦選手、8回服部選手、9回金森選手、そして10回矢地選手と1イニングづつ繋ぎました。

 6回の松永選手は1軍でもかなりの試合数を投げているだけあって緩急自在の素晴らしいピッチングでした。こんなピッチャーを2軍に置いておくなら左腕不足のベイスターズに欲しい位だと思いましたが、1軍での防御率が6点台と振るわなかったようで、このへんの原因が今の僕にはちょっと見当がつきませんでした。左打者相手には全く打てる気配すら感じられませんでした。リリーフで緩急を上手に使える左腕といえば巨人の青木選手もそうですが、良いですね。

 7回の小林敦選手8回の服部選手もそれなりに1軍で活躍した実績のあるピッチャーなだけに、今のベイスターズ2軍では手が出ないと感じました。

 9回の金森選手と10回の矢地選手はいずれもトライアウトで移籍してきた選手ですが、いずれも期待を大きく裏切る内容です。金森選手は百瀬選手に右中間へ運ばれた打球以外はそんなに痛烈な打球を打たれたわけではなく、高いバウンドのゴロが内野安打になるとか、無駄なフォアボールとか、悔いの残る内容です。

 輪をかけて残念なのが10回の矢地選手です。倉本選手にレフト前ヒットを打たれ、次の百瀬選手にフォアボール、送りバントの次の加藤選手を敬遠で歩かせて満塁策、山下幸選手を浅いセンターフライで打ちとったかと思いきや、なぜかセンターが捕球してすぐにホームに返球せず、そのまま3塁ランナーがタッチアップで生還してサヨナラ負けとなりました。なぜセンターがバックホームしなかったのか球場中が妙な空気に包まれ、キャッチャーは呆れて立ち尽くし、ベイスターズベンチも「え?」と唖然とした妙な間を置いて、ようやくみんなが飛び出してきてサヨナラ勝利を喜ぶという、なんとも渋いエンディングとなりました。

 ヒーローインタビューに呼ばれた山下幸選手はインタビュアーに「気持ちよかったですか?」と問われ、一呼吸置いて「気持ち悪かったです」と偽らざる本音を吐露する一幕もありましたが、まぁとにかく勝ちました。

 ロースコアの行き詰まる延長戦の割に最後はグダグダな終わり方をしましたけれども、それぞれに希望と課題が見えて良い試合観戦が出来たと思います。このホーム6連戦であと2試合くらいは見に行きたいと思います。

千葉ロッテ2-3×横浜DeNA

勝:小杉

敗:矢地

観客数:571人

以上