ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2015年3月7日 巨人vs横浜DeNA (大和) の感想

 皆様こんにちは、今年最初の野球観戦に出かけて上機嫌な僕です。実はここ2週間ばかり持病に関連してものすごい体調不良に苛まれていたのですが、今日の試合を見にゆくのだと前々から考えていたのもあったせいか、数日前からようやく元通りの状態まで回復してきた次第です。まさに病は気から、であります。

 余談は程々にして今日の試合についてですが、神奈川県は大和市にあります大和スタジアムで開催されました。確か昨年までは「大和引地台球場」として神奈川の高校野球ファンに親しまれてきた球場でしたが、改装を経て新しい名前に生まれ変わりました。僕自身は大和引地台球場の頃も含めて初めて訪れる球場ですので前とどのように変化したのかわかりませんが、イースタンの試合を年に数回開くだけではもったいないと感じる、実に素晴らしい球場でした。

 僕は以前、ベイスターズの練習場を瀬谷に移転せよという趣旨のブログエントリーを書きましたが、そこからも近い場所にあります。横浜市の北西部から大和市にかけてのエリアは人口がそれなりに多い割に広い土地もそこそこ残っておりますので、ベイスターズはもっとこの地域を注目すべきだと改めて指摘しておかなければなりません。

 さて、本日の試合は「教育リーグ」という名目で行われています。平たく言えばファームのオープン戦ですが、この時期のファームは帯同する選手の数が少ないケースがあり、そのため試合のルールをその場その場で臨機応変に変えてしまう場合があるのが教育リーグの一つの特徴です。

 過去に実際に見た経験があるのは、指名打者制で試合を始め、指名打者としてスタメンに名を連ねた選手が試合途中から守備につき、スタメンで守備についていた選手が指名打者に変更された事がありました。指名打者としてスタメンに名を連ねた選手が途中から守備につくのはルール上も可能ですが、守備についている選手を試合途中から指名打者に変更するのは本来であれば認められません。しかし教育リーグの試合ですから、そこはお互いのチームが了承するならOKとしましょう、というのが教育リーグの特徴です。

 今日の試合でもいかにも教育リーグらしい場面がありましたので、それを後ほどご紹介したいと思います。

 今日は巨人が2011年のドラフト1位松本竜選手、ベイスターズは昨季1軍で二桁勝利をマークした井納選手の両先発です。今日は1軍が札幌ドームでオープン戦を行っていますが、井納選手はこちらに回ったようです。巨人はおおむね2軍のメンバーで投打のオーダーを組んでいますが、ベイスターズにはなぜか筒香選手がおります。調整の場が必要な投手やスロースタートが許される大ベテランならいざ知らず、なぜ筒香選手がここにいるのか、見られるのは嬉しいですが、なんかちょっと違うぞという感じがしてしまいます。

 さてさて、まずはベイスターズ先発の井納選手ですが、さすが1軍で二桁勝利するピッチャーは格が違うなと唸らされます。僕が球場についたのは2回の裏からですので井納選手のピッチングを見られたのは3回~5回までの3イニングしかありませんが、終始ストライク先行で、巨人打線を格下扱いするかのような堂々たるピッチングでした。自分のペースでストライクが取れる、安心感のあるピッチングとはまさにこういう事を言うのだと思います。

 また、今日は非常に寒くピッチャーには厳しいコンディションだったに違いありませんが、その影響をまるで感じさせない、まるで井納選手の半径5メートルだけ空調を効かせて適温に保たれているかのような表情で淡々と投げていたことにも感心させられました。寒かろうが暑かろうが、どんなコンディションでも自分のピッチングをできるのが1流投手だからです。大袈裟かもしれませんが、遠藤一彦さんの再来ではないかと、僕はそのように感じております。今年の井納選手には20勝を期待したいと思います。

 次に巨人先発の松本投手ですが、この寒さで指先の感覚が思い通りにいかなかったのでしょうか、常にコントロールに苦しんでいた印象を持ちました。元々そんなにコントロールの良いピッチャーでは無かったと思いますが、今日は球速もそれほど出ておらず、常にランナーを抱えて投げていたと思います。今年で4年目を迎えるわけですから、コンディションが悪いなりにもうちょっと上手に立ち回れるようでないと1軍定着は望めないかもしれません。

 打線についてですが、特に目立って良かった選手や悪かった選手というのはいなかったと思います。6回に集中打を浴びせて大量5点を挙げていますが、巨人松本投手のピッチングが「ボール球or打ち頃の球」みたいな状態になって、ボーナスステージの恩恵を受けただけという感じもあります。

 守備ではショートを守る内村選手が元気よく走り回って守備範囲の広さを見せつけていましたが、その他の野手の守備はあまり野心的な感じのしない、ギリギリの打球は見過ごしてフェンスから跳ね返ったボールの処理に専念するとか、外野から内野への返球はそつなく内野手のカットマンに返すだけとか、プロらしい「魅せる守備」の魅力に欠ける印象を持ちました。寒かったので怪我を恐れた面もあるかもしれませんが、各人とも1軍昇格を強くアピールするようなアグレッシブさがあっても良かったのでは?と思いました。

 巨人打線についてはドラ一ルーキーの岡本選手と井納選手の対戦がなかなか面白いものが有りました。第2打席は井納選手の速球に全く歯がたたない感じで三振したかと思えば、第3打席ではなんとかレフト前にクリーンヒットを放ってみせたりと、対応力のようなものが垣間見られました。対応力というか適応能力にいまいちな印象が拭えない大田泰示選手のルーキー時代と比べると、1軍に上がってくるまでにはそんなに時間は要らない人のような感じがします。

 岡本選手以外の野手についてはいまいち記憶に無いのですが、途中からセカンドの守備についた川相ジュニアのボール回しが父譲りの華麗な手さばきで、守備に関してはプロレベルに達するのも近いのではと感じました。

 ベイスターズ投手陣は6回の頭から須田選手にリリーフしました。6回~8回くらいまでは大変順調にポンポンと剛球を投げ込んで、これはいよいよ本格化かと期待させてくれましたが、問題はその後に起きました。なぜか8回裏の指名打者の荒波選手に打順が回った所で、ヘルメットを被った須田選手が登場したのです。

 須田選手と言えば野手転向を打診されたと噂されるほどの打力の持ち主ですから、これはもしや二刀流挑戦かと勝手に盛り上がらせて頂いたのですが、なんてことはなくやる気のない空振りを3回で三球三振してしまいました。わざわざ指名打者の荒波選手を下げて指名打者制の解除をし、その上しっかりヘルメットを被って手足のレガースも装着して打席に入ったのですから、なぜ打たせないのかさっぱりわかりませんでした。大和市の隣の瀬谷区に実家のある荒波選手が試合そっちのけで帰ってしまったのでしょうか。それともベンチにいる間に怪我でもしてしまったのでしょうか。代打を出す為の残りの野手もいなくなってしまったのでしょうか。

 なんだかよくわからない状態で9回もマウンドに上がった須田選手は、前の回の快調なピッチングとは一転して、どうにも制球が定まらなくなって塁上にランナーを溜め込み1失点。巨人打線の拙攻のおかげで1失点で済みましたが、このイニングに調子を崩した原因はしっかり反省してもらわなければなりません。突然打席に立って気持ちが動揺したのかもしれませんが、そんな些細な事で動揺しているようでは厳しい1軍のマウンドが務まるはずもありません。

 巨人の2番手は田原啓吾選手です。家に帰ってから気付きましたが、横浜高校出身だったようです。非常にコントロールが良く、小気味良くポンポン投げ込む好投手という印象を持ちました。先発向きなのかリリーフ向きなのかわかりませんが、リリーフなら遠からず支配下登録して1軍で使って貰えるレベルにあるのではないでしょうか。

 まだまだ書き足らない感じもしますが、試合の内容についてはだいたいこんな所です。

巨人2-8横浜

勝:井納

敗:松本竜

観衆:2000人ちょっと

                      ■

 教育リーグを見に行くようになって10年近く経ったと思います。よく覚えているのは、楽天2軍が東京都の大田スタジアムを仮の本拠地のように使って教育リーグのホームゲームを組んでいた頃で、だいたい3月の1日とか2日に最初の試合が行われました。

 まだ現役だった山崎武司選手が出場して、ベイスターズは捕手登録の選手が4名くらいスタメンに名を連ねて、数えるほどの少ないお客さんが見守る、ものすごい寒さの中で試合をしたものです。確か2年続けてオープニングゲームが楽天ベイスターズの試合でして、それで2年続けて行ったものです。

 だいたい教育リーグというのは入場無料でこざっぱりと行われるのが相場なのですが、今日は大和スタジアムのこけら落としのような意味合いも含まれていたらしく入場料有料で行われました。地域のボランティア風の方々が駐車場から場内からあらゆる場所に配置され、実に熱心に気持ちのこもった対応をされていました。大和スタジアムのこけら落としというのは、ともすれば他地域の我々にとってそれほど重要ではない事のようにも感じられますが、あの場内運営をされていたスタッフの方々の熱心な働きぶりには、そこに込められた並々ならぬ熱意のようなものさえ感じられました。

 以前相模原や小田原の試合を見に行った時にも感じた事ですが、普段プロ野球の試合が行われない地域で行われる試合というのは、その地域の方々にとっては相当な思い入れがあるのでしょうか。行く度に運営に携わる現地住民の熱意とか、愛情のようなものに心を打たれる思いがします。

 率直に言って2軍の試合を1試合やった位では大した儲けにはならないでしょうし、運営スタッフのほとんどはボランティアみたいなものでしかないと思うのですが、ただ、その熱心な働きぶりであるとかおもてなしの心であるとかは、1軍の試合に何千円も払って得られるものよりも、はるかに深いような感じがするのです。

 大和市横浜市の隣ですから地方球場呼ばわりするのも失礼な気もしますが、こういった地方球場的な場所で試合を見るのは野球を見ること以上の感動が得られます。今年も横須賀スタジアム平塚球場だけでなく、様々な球場に足を運んで、この感動を繰り返し味わっていけたら良いなと考えています。

以上