ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

風通しの良い組織を作るべし

 今日はまずこの記事を読んだ感想から入ります。

楽天が“安心のDeNAブランド”藤江を獲得

http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/332624/

 安心のDeNAブランド云々はともかく、僕にとって気掛かりなのは、藤江選手が投手キャプテンになってから球団フロントとの関係がギクシャクするようになったという点です。僕はこのブログでも再三書いてきましたが、今年の藤江選手がどうして調子が悪かったのか原因がわかりませんでした。そして、こんなにも早く戦力外通告を言い渡されたのにも驚きました。

 それらの謎の1つや2つがここいらの問題と関係するのだとすれば、なるほど納得がいきます。

 「スポーツ新聞の記事なんて…」と言う人もいるかもしれません。確かにスポーツ新聞や週刊誌の記事の中には信用を失うようなものが往々にして見られます。先日もサッカーの内田選手がマスコミの記事で不信感を募らせる出来事があったと聞きましたので、そういう場合も頭の片隅に置いておく必要はありますが、さはさりながら、仮に記事に問題点が見つかったとしても、書かれた側が自分にとって都合が悪いものを虚偽だと言い張る場合や、我々読者が妙な思い込みを元に偏った解釈をしてしまうような場合も決して無視できないわけです。

 ですから僕は、例えスポーツ新聞であろうと週刊誌であろうと朝日新聞であろうと、なるべく先入観を持たないように、なるべくフラットな心持ちで記事を読み、自分なりに解釈するよう心がけているのです。

 そういった所で本題に戻って藤江選手と球団フロントとの関係についてですが、ベイスターズの選手と球団フロントが関係を悪化させるような出来事がこれまで何度も繰り返されてきましたので、率直に言って「またか」と、球団フロントに対して残念な気持ちを抱きました。

 親会社がTBSの頃から監督や選手と関係を悪化させるようなトラブルを度々繰り返してきましたが、それがDeNA体制になった今でも性懲りもなく繰り返されているのですから、これほど残念なものはありません。金城選手が球団フロントと意思の擦り合わせでギクシャクした話をつい最近耳にしたばかりの我々にとって、東スポの記事の信ぴょう性が俄然高まってくるというものではないでしょうか。

 そして、この問題について球団は危機感を持つべきだと僕は考えます。

 かつて我らがベイスターズから非常に多くの優秀な選手たちが他球団へ移籍していきました。FAで出て行った相川選手や内川選手や村田選手の時には、フロントとの確執のような話が漏れ伝わってくるのが常でした。戦力外通告で出て行かざるを得なかった選手にしても、野手転向を強要されて退団を選んだ福山選手や今回の藤江選手など、後味の悪いものばかりではないでしょうか。

 そして、他球団へ移った選手の穴を埋めるために、ベイスターズは決して少なくないお金を費やし、その上で当たり外れを繰り返してきました。自らの至らなさで優秀な選手の怒りを買って出て行かれてしまい、その穴を埋めるのに四苦八苦しているのですから、こんな愚かな話はありません。手塩にかけた選手に出て行かれる監督やコーチもさぞ無念でしょう。

 こんな事なら、最初から他球団に逃げられないように、選手とギクシャクしないように、風通しの良い組織を作ることを努力するほうが、選手の補強よりも優先されるべきなのではないでしょうか。僕は常々、ベイスターズは穴の空いたバケツのようだと指摘してきましたが、その穴の一つが、毎年のように選手と揉める風通しの悪い組織なのではないでしょうか。

 この際注意しなければならないのが、プロ野球という特殊な職業に就く選手のコミュニケーション能力とでも言いましょうか。プロ野球選手はあくまで野球の技術や才能を評価されて選手の座を掴んだに過ぎません。普通のビジネスマンのような社会常識が必ず備わっているわけでもなければ、言葉の選び方が拙い人もいるでしょう。交渉術に長けた選手などそうそう見当たりません。

 そういった人達と日頃から円滑で風通しの良い組織を守っていくためには、「アスリートファースト」の精神を大前提とし、どうしたら選手が気分よくプレーに打ち込めるのかを、一般常識とは全く異なる次元で構築しなければなりません。現ソフトバンクの内川選手の言動をよく思わないベイスターズファンが今でも少なくないようですが、そもそも彼らは言葉の上手い下手を気にして生きているような人種でない事を忘れてはなりません。ただでさえ言葉の拙い選手のコメントを意地悪なスポーツ新聞や週刊誌の記者が拾い上げて、その結果として出てきた記事を読んで「内川ふざけるな!」と怒るのは、これは非常にナンセンスです。

 かつて杉内俊哉選手が巨人にFA移籍した時もそうでした。フロントにいた小林至さんが不用意な言葉を発し、それに憤慨した杉内選手が巨人に移ってしまったのでした。普通のサラリーマンが上司から不用意な言葉を投げかけられても大抵は我慢するでしょうが、プロ野球選手はそうではないのです。それを普通のサラリーマンの感覚でコミュニケーションを取っていれば、いつまでも揉め事を繰り返すに違いありません。

 ちなみに念のため付け加えておくと、「普通のサラリーマンが~」と書いたのを「サラリーマンを貶すな!」と怒るのはやめて下さい。はなからそんなつもりは無く、ただ常識人とプロ野球選手の感覚は違うのだという物差しに登場させただけに過ぎません。以前に同様のことを書いてお怒りになった方がおられたので付け加えておきます。

 つまりは、一般人とプロ野球選手とは初歩的な肌感覚からしてまるで違うのでして、そこを充分頭に入れた上で、球団フロントと選手の間に立つような調整役を複数名常設しておくべきだと僕は提唱します。最近は一流選手の多くが代理人を雇ってオフの契約更改に挑んでいますが、選手が契約で直接相対するよりも感情的にならずに済みますので、これはぜひとも参考にすべきです。

 楽天に入団が決まった藤江選手が投手キャプテンとして球団フロントとの交渉役を担ったと東スポの記事にありましたが、選手はあくまで選手なのであって、直接野球に関係のない役割を選手に担わせるのは百害あって一利なしですから即刻やめるべきです。

 プロ野球選手の多くは乙女心の持ち主です。今日ヤクルトとの契約交渉に臨んだ大引選手も日ハム栗山監督から「来年も頼む」の一言をかけて貰えなかったのが相当辛かったと言います。まるで旦那さんにねぎらいの言葉ひとつかけてもらえず不満を溜め込む主婦のようではありませんか。そういう選手の心情を理解し、球団フロントとの調整役を担う職員を何人か常設すべきなのです。

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 弱小プロ野球チームにはお家騒動がつきものです。阪神の暗黒時代もお家騒動が定番になっていました。しかし、それではダメなのだと気付くべきです。選手の補強にいくら大金をつぎ込んでも、肝心の選手が本気でプレーに向かってくれるようでなければ効果が半減してしまうのではないでしょうか。

 ですから、ベイスターズ球団はこの問題に危機感を持って改革して頂きたいと強く願っております。