ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2016年9月10日 横浜DeNAvs読売巨人 (ジャイアンツ球場) の感想

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 まずは広島カープのファンの皆様、関係者の皆様、優勝おめでとうございます。優勝したチームに対してこう言うのもおかしいですが、本当に強かったと思います。

 普通は優勝を目前にするとプレッシャー諸々の理由で足踏みしたりするのが常なのですが、カープは足踏みするどころかむしろ猛加速して、どんどん突き放される一方でした。お手上げという他ありません。

 

 ベイスターズはこれからクライマックスシリーズカープと対戦できるようにしなければなりませんし、その日が気た暁には、どうぞお手柔らかに、マイルドに挑んで頂けますようお願い申し上げます。

 

 

 さて、本日は今年二度目のジャイアンツ球場に行ってまいりました。僕の家からさほど遠くもなく、横浜市青葉区あたりとも非常に近い位置にある関係もあってか、場内は非常に多くのベイスターズファンで賑わいました。

 

 ジャイアンツ球場はファームでも指折りの良い球場だと思いますが、あえて言えば飲食品類の売店がオーダーをさばくのが遅く、いつも行列が途切れません。この状況は過去何年にも渡って続いておりますし、売り上げ的にもマイナス要因でありましょうから、来年以降に向けてオペレーションや動線の見直し、売店の増設などもご検討いただければ幸いに存じます。

 

 

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 ちょっとわかりにくいと思いますが、本日のスタメンはご覧の通りです。ベイスターズは国吉選手、巨人は高卒ルーキーの與那原選手の両先発ピッチャーです。写真上だとちょうどネットの継ぎ目になって見えなくなっている巨人の5番バッターはDHのアンダーソン選手です。

 

 まずベイスターズの国吉選手についてですが、今日は5回を投げて4失点で勝ち負けはつきませんでした。1回3回5回の奇数回になると先頭バッターから制球に苦しみ、フォアボールで出したバッターを生還させてしまう悪循環の繰り返しでした。

 特に初回はフォアボールのランナーを置いて大田泰示選手にレフトへ超特大のホームランを打たれるなどなど、典型的な悪いパターンにハマり込んでおりました。

 

 今季、国吉選手が先発をする時はだいたい球速を140キロ台後半までで抑えめにゆったりと投げるのが通例で今日もそうだったわけですが、確か5回位に一度だけ151キロのストレートを、去年までのような格好で投げた場面がありまして、それが低めにズバッと気持ちよく決まったのを見て、球速を抑えるのを止めたほうが良いのでは?等とも感じました。確か先月の神奈川交流戦の時もリリーフで出てきて球速を抑えずに150キロオーバーを連発していましたけれども、その時のほうがストライクが思い通りに取れていたようにも記憶しています。

 山口選手や三嶋選手が球速抑え戦術で成功しているので国吉選手も同じような方向性で挑んでいるのかもしれませんが、前の二人のようにはうまくいっていないようですね。

 

 

 巨人の與那原選手は同郷の平良選手と同じようなスリークォーター気味のフォームから140キロ台前半、僕が見た中では最速145キロのストレートを主体に投げて5回1失点で勝ち負けはつきませんでした。

 投げる球種は7割方ストレートだったと思うのですが、ベイスターズの各バッターが全くタイミングを取れず、4回途中までノーヒットピッチングになりました。4回にロマック選手にしぶとくゴロで抜かれるセンター前ヒットを許し、続く柴田選手に右中間を深く破られて1失点というのが失点シーンでした。ただそれ以降は再び調子を取り戻し、ロマック選手柴田選手以外には申し分のない素晴らしいピッチングだったと感心致しました。

 いわゆる球の出どころが見づらいピッチャーなのだろうと思います。そして、高卒1年目にしてはコントロールがそこそこ良いのが長所だと思いました。5回で降板していますが、スタミナが切れたという風には見えず、元々5回までと予定されていたのではないでしょうか。

 体格も立派ですし、非常にまとまっていますし、1軍で活躍し始めるまでにそう時間はかからない人なのではないかと僕は思いました。いやはや、いいピッチャーを獲ったものですね。

 

 

 次に打線について。

 

 今日は全般的に低調で、チーム全体で6本くらいしかヒットが出ていなかったような記憶です。

 

 その中で2安打3打点と一人気を吐いたのがルーキーの柴田選手です。4回の第二打席はロマック選手を1塁に置いて右中間のフェンス手前に着弾するタイムリー2ベースヒットを放ちました。その後にもリリーフで登板した剛球左腕ピッチャーのペレス選手から三遊間を抜ける2点タイムリーを放ち、右ピッチャーも左ピッチャーも関係なしという頼もしいバッティングを見せてくれました。

 今春に2軍落ちしてきたばかりの頃はすぐにホームランを打ったりしてバッティングでも好アピールを続けていましたが、その後はジリジリと数字を落とし、すっかり守備の人になってしまいました。しかし今日の柴田選手は非常に思い切りの良い、力強いスイングをしていたように思います。中途半端に当てに行くとか、ハーフスイングを取られての三振といった悪い頃の柴田選手ではなくなり、大学の先輩である山下幸輝選手を髣髴とさせる思い切ったスイングで、それが功を奏したようにも感じました。

 守備に関してはベイスターズの内野で一番うまいといっても過言ではなく、毎試合のように「見に来てよかった」と喜ばせてくれる素晴らしいプレーを連発しています。柴田選手の守備を見た人は、きっと誰しもがすぐに1軍に上げて欲しいと思うのではないでしょうか。今のベイスターズ1軍の内野陣に割って入るのもそう簡単ではありませんが、シーズン中にもう一度くらい一軍でプレーする柴田選手を見てみたいと思います。

 

 

 巨人打線については、まず個々の選手に触れる前に全般的な印象について書きますが、将来中軸を任されるような長打力のあるごついバッターが揃ってきたな、と脅威に感じました。

 

 最近の巨人の二軍で4番を打つのは育成登録の坂口選手ですが、彼は元々支配下ドラフトで指名されて入団し、1軍の試合にも多少の出場経験があるはずです。それが伸び悩み等もあって今年から育成契約となってシーズン序盤は三軍に帯同していたと思いますが、力で二軍に這い上がって、今では大田選手や岡本選手を押しのけて4番を任されるまでになりました。

 見た感じは、アメリカに渡った李大浩選手のようであります。元々体格の恵まれた選手ではありましたが、ますますデカくなりました。隣に大田選手や岡本選手が並んでも一回り大きく見えます。こんなに威圧感のある見た目の日本人バッターは他にはいないと思います。

 今日のバッティングは少々打ち急ぐ感じでの凡退が目立ったものの、最後のほうでライト前に力で運ぶヒットを打ちました。たぶん普通のパワーの選手だとセカンドへのハーフフライにしかならない打球だと思いますし、あらためてパワーを感じました。

 

 坂口選手がとにかくデカイので、それと比べるとやや小さく見えてしまう大田選手や岡本選手ですが、やはりパワーは一線級で、大田選手は第一打席でレフトへ超特大のホームランを打ちました。東京ドームだと看板に直撃して賞金100万円もらえるタイプのホームランだっただろうと思います。

 

 他にも巨人に移って復活の兆しを見せる北篤選手も身体が一回り大きくなり、さらにパワーが付きました。ファールになってしまったものの、ライト線へ目の覚めるようなものすごい弾丸ライナーを放ちました。元々芯で捉えた時の打球の速さがある選手でしたけれども、さらに打球が速くなったと感じました。

 

 イースタンでは西武とロッテの野手にゴツい身体つきの選手が多いのですが、巨人の野手のゴツさは果てしないものがあります。とんでもないハードなトレーニングを積んでいるのではないでしょうか。ベイスターズの野手を体験入学させたら死んでしまうのではないかという位、厳しいトレーニングをしている姿が想像できます。

 

 内田順三さんや田代富雄さんといった名打撃コーチを呼び寄せてバッターの育成にも本腰を入れて取り組んでいるようですし、あと数年もすれば西武と並ぶ和製大砲王国になるのではないかと、そのように脅威を感じた今日一日でした。

 

 

 次にリリーフについて。

 

 ベイスターズは6回大原選手、7回ブロードウェイ選手、8回長田選手で1イニングづつ継投しました。

 

 大原選手について特に感想が浮かばないのでスキップさせてもらい、7回のブロードウェイ選手ですが、ほぼすべて150キロオーバーのストレートで押しまくりました。コントロールは悪くなく三者凡退に終わったものの、芯で捉えられた強い打球がサードと一二塁間を襲いひやっとさせられました。特に一二塁間の打球はセカンド百瀬選手の大ファインプレーと言ってよく、普通の守備ならライト前ヒットでした。

 ブロードウェイ選手について1軍での登板をご覧になったファンの方からすれば印象はあんまりよろしくないのが当然だと思いますが、僕はシーズン途中の慌ただしい入団ではなく、2月のキャンプからじっくりと日本野球にアジャストさせる準備期間さえ取れれば結果は相当違ったのではないかと思えてなりません。キャッチャーとのコンビネーションだったりクイックの練習だったりストライクゾーンの違いを学んだり、時間をかければ違う結果になりそうな要素が少なくありませんので、僕はできれば来シーズンも契約して、日本野球にアジャストしたブロードウェイ選手を見たいと考えている所です。

 

 8回の長田選手がマウンドに上がるよりも少し前からジャイアンツ球場に雨が降り始めました。それほど強いものではなく、したがって僕は傘も雨具も出さずにそのまま見続けたという程度ですが、その程度の雨が、松ヤニアレルギーでロジンバッグを使うことが出来ない長田選手にどのように影響するのでしょうか。

 果たして、この程度の雨では消化できないほどの大炎上で4失点の負け投手となりました。あまり細かく覚えていませんが、3番の大田選手から打者一巡の猛攻でして、どのバッターにも大変気持よくハードヒッティングされまくりました。取ったアウトのうちまともに打ちとったのは最後の藤村選手が打ち上げた浅いレフトフライくらいのもので、まぁとにかくよく打たれました。

 内容は、140キロを上回らない程度のストレートが打ち頃の高さにどんどん集まってきて、それで釣瓶撃ちになったのだと思います。北選手がセーフティスクイズを決めたのですが、その時の投球も完全など真ん中でした。そのまま打っちゃえばいいのにとさえ思ったものです。

 この前は横須賀スタジアムで良いピッチングを続けていたので「そろそろ一軍かな?」と考えたりもしたのですが、いかがなものでしょうか。これが完全に雨のせいなら良いですがね。

 

 

 巨人のリリーフは6回ペレス選手、7回矢島選手、8回公文選手、9回小山選手がそれぞれ1イニングづつ投げました。

 

 その中で矢島選手について触れます。昨年BCリーグの試合を初めて見に行ってすごいなと思った武蔵ヒートベアーズのピッチャーが2名おりまして、1人は現中日の三ツ間選手、そしてもう一人がこの矢島選手でした。何が凄いと思ったかといえば、スピードガンが無かったので正確な球速は不明ながら、かなりの速いボールをストライクゾーンの低めにテンポよく投げ込める所です。140キロ台後半のストレートをコンスタントに低めに投げられ、さらに2つくらいプロレベルの変化球を持っていればNPBのリリーフとして充分通用するでしょうし、BCリーグにはこのレベルのピッチャーがこんなにいるのかと驚いたのでした。

 

 巨人は三軍制を敷いていますから首脳陣に評価されなければ二軍の試合に投げさせてもらう事すら叶いませんし、ですから育成でもこの時期に二軍の試合に登板させてもらえる矢島選手は、それだけ首脳陣に高く評価されている証拠と言えます。

 もう今季の支配下登録の期限が終わっているから今季中の一軍昇格は絶対にありませんし、さらに今は1軍がシーズン終盤で2位死守のために一軍昇格できる選手のスタンバイが何より最優先事項ですから、普通に考えたら今の時期の巨人の育成選手が二軍の試合に出る事自体がすごいと思うのです。

 

 そういう前振りの上で今日の矢島選手について書きますが、確か最速は145キロで基本的に140キロ台前半のストレートが中心でしたが、非常にコントロールが良く、あっという間に3アウトを取ってしまいました。

 1軍で抑えやセットアッパーを任されるような凄みはまだまだ感じませんが、いわゆる使い勝手の良いリリーフピッチャーとして、かつての真田選手のような存在になれるのではと感じます。今シーズンは支配下登録こそならなかったものの、非常に順調にきていると思います。来シーズンは開幕から二桁の背番号を背負えるように頑張って頂きたいと思います。

 

 

                ■

 

 というわけで本日は途中まで拮抗していたものの、リリーフが崩れて敗れてしまいました。

 

 イースタンリーグの試合日程も残す所わずかとなりますので、悔いの無いよう、お時間のある方には一度でも球場に足を運んでいただければと思います。

 

 

横浜DeNA4-8読売巨人

勝:公文

敗:長田

本塁打:大田(僕の推定飛距離140メートル)

観客数:1334名

 

 

 

以上