外国人バッターは黒人の方が良いのではないか
僭越ながら、僕は今年の2月に書いたこのブログエントリーの中で
白人よりも黒人バッターのほうが破壊力の意味で非常に期待できるというのが
近年のプロ野球から受ける僕の印象です。
という事を書きました。
人種差別的との誤解を招かぬようくれぐれも注意した上で書かなければならない性質の話になりますが、こと日本プロ野球における外国人バッターでは、白人選手よりも黒人選手の方が活躍する確率が高いのではないだろうかと、今でもそのように考えています。
もっとも、僕の頭の中にある印象だけを書いても仕方がないので、今シーズンの12球団の新外国人バッター(来日一年目)について以下のように触れてみます。今シーズンの1軍の試合に出場した経験のある選手だけを対象とします。
■白人
巨人 ギャレット・・・31試合 .231 6本塁打 17打点
横浜 ロマック・・・17試合 .104 0本塁打 2打点
オリ モレル・・・28試合 .255 2本塁打 12打点
オリ ボグセビック・・・26試合 .220 1本塁打 10打点
■有色人種
中日 ビシエド・・・32試合 .327 9本塁打 24打点
千葉 ナバーロ・・・10試合 .273 0本塁打 10打点
(敬称略)
という合計8名になります。
この中で誰しもが文句無しで「アタリ」と評価できるのは中日のビシエド選手くらいと言ってよく、開幕からしばらくの間の出場停止のため出場数が少ないロッテのナバーロ選手が及第点、巨人のギャレット選手とオリックスのモレル選手が今後の様子を見守りたい、という評価になるのではないかと考えています。
サンプル数が8名だけと少ないので、これで全てを結論づけるのは望ましくありませんが、おおまかな傾向としては黒人選手が優勢であると言えるのではないかと思います。
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ではなぜ白人選手よりも黒人選手の方が活躍する確率が高いのでしょうか。
100%僕の推測だけで書きますが、その人種がこれまで辿ってきた民族性や歴史が大いに関係しているのではないかと、僕は考えています。
白人というのは、産業革命以降のほとんどの期間において、世界中で支配者階級を独占して、どこへ行っても自分たちの言葉や自分たちの流儀を使い続けてきたと思います。北米もオーストラリアも、元はといえば有色人種が暮らす土地でしたが、大航海時代以降にイギリスやスペインから渡ってきた白人たちが入植し、言葉から社会的なルールから何まで全て白人の方法を、いわば押し付けてきたという歴史があります。
ですから、「郷に入れば郷に従え」を上手に出来ない、適応力が備わっていない人種、民族と言えるのではないでしょうか。
他方で、黒人はどうでしょうか。白人とは逆に、歴史が進めば進むほど「押し付けられる」側に追いやられ続けてきた経緯があるのではないでしょうか。アフリカ大陸がいつまでも内戦状態から抜け出せないのも、映画「アラビアのロレンス」で描かれてきたような、白人国家から受け続けた横暴の影響がいまだに色濃く残っているからです。
ですから、必然的にどこか別の人々の流儀やルールに適応せざるを得なかったと言えると思います。だからこそ、地球の裏側の日本へ来て、比較的早く日本の野球に適応して結果を残せるようになるのではないでしょうか。
日本プロ野球でも少し前までは白人のバッターが大活躍する事が少なくありませんでした。ヤクルトのボブ・ホーナー選手や阪神のランディ・バース選手はいまだに語り継がれる名選手でしたけれども、ではなぜ近年になって白人バッターが活躍しにくくなったのかと言えば、恐らく、それだけ日本プロ野球の競技レベルが向上したからだと言えるのではないでしょうか。
日本では様々な分野で「ガラパゴス○○」と呼ばれる特異な文化を形成する傾向があり、野球界もご多分に漏れずそのような傾向が見られます。そして、過去の白人バッターはこの日本プロ野球の特異性に適合しなくても太刀打ちできる位の体力差や技量差があったのが、最近は競技レベルが向上して、この特異性に適合する必要が出てきた。そこで適応力のある黒人バッターが成功して、適応力の劣る白人バッターは苦戦を強いられている、という事なのではないでしょうか。
「そんな何世代も前の歴史が今更影響する筈がない」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、我々日本人が農耕民族的な欠点として、21世紀の今もなお交渉事や議論を苦手とし続けているのは周知の事実です。
現代の我が国において第一次産業に従事する労働者の割合は労働者全体の5%程度にまで減っているにも関わらず、いまだに農耕民族的な欠点から抜け出せていないのですから、白人や黒人が歴史的に身につけてきた性質から脱却できていなくても、全く不思議ではないのであります。
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バッターと違ってピッチャーは今でも活躍する白人が少なくありませんが、これもまた歴史的に身に着けてきた民族性とか性質が影響しているように思われてなりません。
先ほど僕は、白人は自分たちのルールや流儀を押し付けてきたと書きましたが、ピッチャーに関してはその性質が逆に奏功できるのかもしれません。言葉は悪いですが、図々しいとか押し付けがましい位の性格の方がピッチャーには向いているからです。
打たれたとか、ボールを打者にぶつけてしまったとかで「それがどうかしましたか?」とケロッとしていられるような性格というのは、社会人としては評価が難しいですが、ピッチャーに向いているのは間違いありません。
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我らがベイスターズは新外国人バッターのロマック選手が思うような活躍が出来なかったという理由から、まずはマクブライド選手を獲得する寸前まで至っていたそうですが、それが色々あって実現せず、今度はムーア選手の獲得を目指しているというニュースが飛び込んできました。
しかしですね、ロマック選手もマクブライド選手もムーア選手も、揃いも揃って皆さん白人なのですね。白人は嫌とか言いますと排外主義的とか人種差別的とかと誤解されかねないですけれども、これまでくどくどと書き続けてきた理由により、僕はあんまり、というか全くもって期待しておりません。
むしろ、野手の補強は必要ないのではないだろうか?とさえ考えています。
それこそグリエル選手が弟を連れ立って再び入団するとかともなれば話は別ですが、今のベイスターズが貧打で苦しんでいるのは、これだけ揃いも揃って打てないとなると個々人の問題というよりはチーム全体の指揮系統の問題ではないかと考えておりますので、ですから1人バッターを連れてきた所でどうにかなるような話ではない、と考えております。
むしろ、バッターに1億円も費やすのであれば、そのお金でどこからか腕の立つ打撃コーチでも連れて来てくれたほうがよっぽどチームの為になると考えています。1億円も出せば相当な力量のコーチを呼べそうですし、その波及効果がチーム全体に及べば、それこそが今のベイスターズが必要としている事なのではないでしょうか。
というわけですので、決して歓迎しないわけでは無いのだけれども、でもまぁ再考を促したいのが本音である、と申し上げて本日のブログとさせて頂きたいと思います。
以上