ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

にわかファン問題3

 

 にわかファン問題とにわかファン問題2を立て続けに書いてまいりました。

 

 にわかファン問題の中で「溝がある」と書きましたが、案の定と言いましょうか、溝が深まるだけ深まる結果となりました。ただ、内容への賛否は別として、僕の主張を理解してくださる方はそれなりにいらっしゃったようですので、僕の当初の目的はおおよそ満たされたと思います。

 

 さて、今日も本題に入る前に一つ説明したいことがあります。僕はなにゆえ「にわか」という言葉を使うのか、についてです。

 

 日本文学の研究をされているドナルド・キーンさんによれば、日本人の特徴の一つとして「あいまいさ」があるのだそうです。僕は日本人ですから外から見た日本人の特徴を正確に評せるとは思いませんが、日本の文化をよく研究されているドナルド・キーンさんから言われますと、なるほどその通りだと実感させられます。

 

 「あいまい」と言うと、場合によっては悪い意味で捉える人もいるかもしれません。キーンさんが日本人の悪口を言っていると憤る人もいるかもしれませんが、悪い意味ばかりでも無いのでは、とも思います。

 例えば日本のあいまいさを非常によく表しているのが憲法であります。「憲法解釈」などといって、その都度その都度で、ある意味都合よく解釈しながら69年もの間使い続けてきた歴史があります。

 我が国が戦後他国の軍事侵攻を受けずに済んだのは憲法のおかげだとは思いませんが、自衛隊だけが韓国軍やフィリピン軍のように他国の戦争に駆り出されずに済んだのは、時の政権がこのあいまいな憲法を最大限駆使して、のらりくらりと米国政府の要求を拒み続けてきたからだと考えています。

 ですから、「あいまい」さも、時と場合によっては好都合な事もあるのだと思います。

 

 

 「にわか」も、そのあいまいな日本文化を表す言葉の一種ではないでしょうか。

 

 にわかファンという言葉を使い続けることについて、あたかも僕がにわかファンの人達を批判しているとか悪しきように言っているとかと誤解されている方もいるようですが、こう見えても一応この一連のエントリーの中では特に細心の注意を払って書いていますので、「にわかファン=たちの悪いファン」という意味の事は書いていないはずです。

 唯一あるとすれば「ベイスターズを単なる友達作りの踏み台程度にしか考えないようなにわかファンの人達に対し好ましからざる感情を抱いているのは事実です」という部分ですが、それは見たままの意味でしかありません。「踏み台にするんじゃねぇ!この野郎!」程度の話です。

 

 では、僕は「にわかファン」をどういう意味合いで捉えているのか?という話ですが、それこそが「あいまい」の極地なのであります。深い意味など持っていないのです。捉えどころのない曖昧模糊とした存在です。北へ向かうか東へ向かうか、よくわからない、そういう存在です。

 

 つまり、にわかファンとはよくわからないのです。

 

 ですから、一番最初のエントリーで書いた「顧客基盤が脆弱だ」という指摘に繋がるわけです。よくわからないから、どうなるのかもわからないのです。

 それは日本人の特徴ですから、外国の言葉である英語に置き換えて「ライトファン」と呼べば済む話ではないのです。

 

 どうしても白黒つけなければ気が済まない人には、申し訳ないがこのままモヤモヤを抱えて眠れない夜を過ごしてくれと言う他ありません。もしくはドナルド・キーンさんの本でも読んで勉強して欲しいと申し上げたいと思います。

 

 以上で説明終わりです。

 

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 にわかファンの割合が大きくて問題である、という話です。顧客基盤が脆弱で問題である、という話です。

 

 にわかファンの人に好まれるような取り組みは、それはそれで継続してやっていただければ宜しいと思います。球団側も株式会社横浜スタジアムTOBしたばかりで今まで以上にお金を稼がなければならない時期でありましょうから、そういった部分は今まで通り頑張って取り組んでいただきたいと思います。

 

 そして、それと並行して取り組んで欲しいのが、コアファンの育成であります。ベイスターズは選手を育てるとかコーチを育てるとかという方針を掲げておりますが、そこにもうひとつコアファンを育てる方針を掲げていただきたいのであります。

 

 では具体的にどうすればよろしいのでしょうか。

 

 非常に単純な方策としては、玄人好みするようにプレーの質を高めて欲しいという話もあります。エラーが多いとかバッテリーミスが多いとか、おおよそ玄人受けしないゲーム内容が多い近年でしたので、お願いですからしっかりやって下さいと申し上げたいのであります。

 

 それはラミレス監督にお願いするからいいとして、球団でスーツを着ている人達にお願いしたい事の一つとしては、コアファンの事をもっと研究して、系統立てて、それぞれの系統により細かくアプローチして欲しいという考えがあります。

 

 例えば鉄道ファンの世界では、一口に鉄道ファンといっても、中には「乗り鉄」もいれば「撮り鉄」もいるし「車両鉄」や「音鉄」もいるという話です。ベイスターズはこれまで「鉄道ファン」向けの商売をやっていたけど、これらをもっと細かく分析すべきだと言いたいのです。

 

 最近の野球ファン界隈でも鉄道ファンと同じように写真を撮りまくるファンが目立つようになってきましたので、それを「撮り野球ヲタ」として分類して、その人にとって最も楽しめる環境つくりをする必要があります。写真コンテストを開いてもいいでしょう。

 他にも、セイバーメトリクスのような数字の分析を愛する「数値野球ヲタ」のための環境つくりをするとか、2軍選手が入団から成長して1軍で評価されるようになるのを追いかけるのに喜びを覚える「育成野球ヲタ」のための環境つくりをするとか、プロ野球aiの常連となるようなイケメン選手が大好きな「イケメン選手ヲタ」とか、他にも挙げればかなり細かいものが出来上がるのではないかと思います。

 

 この中で言えば、僕は「育成野球ヲタ」になろうかと思います。

 

 僕の見地から言えば公式ホームページ等で見られる2軍選手の情報がかなり不足していて不満があります。故障した選手の情報がなく「あの選手は最近何してるの?」と行方不明者の捜索まがいの事をしなければならなくなる場合もあります。フェニックスリーグの情報なんて殆どありませんでしたので不満が爆発しそうになったものです。ネット中継してくれたっていいじゃないかと思ったものです。なんならフェニックスリーグに足を運んだファンに観戦記を書いてもらってホームページに載せても良いのではないでしょうか。

 

 こういうコアファンのニーズを的確に掴みとって、より深い深い沼地に誘っていく必要があるのでは?というのが僕の考えです。

 

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 親会社DeNAの業務内容を見ていて思うのは、コアファンやコアユーザーを唸らせるような性質の商品やサービスを持ち合わせていないのではないか?という事です。

 それよりもむしろ、無党派層を捉える為の、にわか層を捉えるための商品・サービス作りに重きを置いてきた傾向が強いのではないでしょうか。

 

 それが今のところベイスターズの経営に活かされていて、強みは強みでしっかり現れているのですけれども、親会社DeNAとベイスターズが違うのは、ベイスターズは「野球」から決して離れられない存在なのだという事です。

 DeNAなら、モバゲータウンが振るわなくなったら違うサービスを育ててそこで稼ぐようにすれば良いかもしれませんが、ベイスターズが振るわなくなったら、じゃあ野球をやめて違う競技をやります、とはいかないのです。

 

 だからこそ中長期的にベイスターズの顧客基盤となってくれるようなコアファンを意識して育てていかなければならないのではないでしょうか。

 

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 僕はなにも「にわかファンはお断り」などと言っているわけではないのです。経営面で、このままでは不安があると言っているのです。だからそれをじっくりと時間をかけて理解を促していきたいと考えたのです。

 

 それを説明するには一度のエントリーではとてもとても足らないと思ったからこそ3回に分けて書き続けてきたのでありまして、どうかお時間の許す限り、その全てに目を通していただければ幸いに思います。

 

 

 これからもベイスターズの繁栄を願って、この毛色の不思議なブログを僕なりに続けたいと思います。

 

以上