ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

ベイスターズの背番号が軽いのではないか問題

 

 今日は関内地方でベイスターズのファンフェスティバルが行われたとの事ですが、僕はそれとは全く関係なく山梨県に行っており、雰囲気がどうだったとかもわかりません。

 

 ですからファンフェスティバルには一切触れず、ジメジメとベイスターズの背番号問題について書きたいと思います。

 

 既にご存知の方も多いと思いますが、新入団選手と一部既存選手の新背番号が発表されました。以下敬称略にて番号順で書き連ねます。

 

00番 久保裕也

1番  熊原健人

6番  白崎浩之

10番 戸柱恭孝

21番 今永昇太

31番 柴田竜拓

45番 綾部翔

47番 砂田毅樹

57番 青柳昴樹

58番 野川拓斗

60番 白根尚貴

100番 網谷圭将

101番 山本武白志

102番 田村丈

 

 ロマック選手の背番号が未定ですが、それ以外は上記の通り決まったようです。

 

 そして、この決まった背番号を眺めながら思うのは、毎度の事ながら良番を実に気軽に差し出してしまうな、という嘆きの気持ちといった所でしょうか。

 

 上位指名のルーキーに良番を差し出すのは他球団でもよくある話ですから特に問題視はしませんが、今シーズン規定打席の半分程度しか出場していない白崎選手にいきなり一桁の6番を差し出してしまったり、ドラフト4位の戸柱選手にかつて佐伯貴弘選手がつけていた10番を差し出してしまったりするあたりは、良番価値のデフレ状態が著しいと思わざるを得ないのであります。

 

 選手の評価や地位を示す客観的な基準の一つは年俸ですが、背番号もそれくらいに重いものがあるというのが日本プロ野球の伝統と言えるのではないでしょうか。

 王貞治さんの「1」長嶋茂雄さんの「3」イチローさんの「51」を始め、憧れの背番号なるものが存在するのは、だいたいそういう社会的なコンセンサスがある証拠であります。

 

 ですから、選手に差し出す背番号の検討には慎重に慎重を期すべきではないかと、僕はかねがね考えてきました。

 

                ■

 

 これはマルハベイスターズの頃からの悪習かもしれません。

 

 大魔神佐々木主浩さんがMLBに移籍した翌年、佐々木さんの代名詞とも言える背番号22番は、いきなりベタンコート選手に差し出されてしまいました。

 あれだけの選手がつけていた背番号ですから、もっと大切にして欲しかったと残念がるベイスターズファンも少なくなかったと思いますが、そのベタンコート選手が1年で退団し、その翌年はルーキーの吉見祐治選手に差し出され、もはやそれが大魔神佐々木主浩さんの代名詞であるという記憶すらも消失しかねない状況になりました。

 

 この悪習はTBSベイスターズにも受け継がれました。

 

 2008年限りで退団した石井琢朗さんがつけていた背番号5は、翌2009年からFAで入団した野口寿浩さんに差し出されてしまいました。球団最多安打記録を持つ石井琢朗さんの代名詞とも言うべき背番号を、いきなり次の年に別の人に差し出してしまうのは血も涙もあったものではないと思われたファンも少なく無いと思います。

 その野口さんも2年で退団し、その翌年にやはりFAで入団した森本稀哲さんに差し出され、もはやその背番号が石井琢朗さんの代名詞だった事すら完全に忘れ去られて今日に至ります。

 

 名球会入りを果たした、ベイスターズのレジェンドとも称されるべき名選手の背番号をこれだけ気安く次の選手に差し出してしまうような文化と言いましょうか、悪い意味での伝統が、球団の親会社がさらに変わった今になっても相変わらずそのままというのが、なんとも物悲しい話であります。

 確かにDeNAが球団を買収した時には「伝統と革新」と言っていましたけれども、革新すべき悪習がそのまま伝統として踏襲されてしまっているのは、これは看過できない問題ではないでしょうか。

 

              ■

 

 まだ実績の伴わない若い選手に良番を差し出す事の弊害を考える時に、真っ先に思い浮かぶ存在は松本啓二朗選手です。

 

 松本選手がルーキーの年に与えられた背番号は、その前の年にビグビー選手がつけていた6番です。「ビグビー選手がつけていた」と前置くとあんまり大した番号では無いような気もしてしまいますが、その前は中根仁さんから多村仁選手へ魂の継承とも言うべき、非常に肩の荷の重いやり取りがあった、そういう背番号であります。

 

www.youtube.com

 

 それなりに重い背番号を背負った松本選手は、いきなり重い期待を背負わされたプレッシャーなどもあって、頭角を現すまでに相当な時間を要してしまいましたし、ある程度戦力として認められた頃には背番号が61番に変更されておりました。

 

 背番号だけが原因ではありませんが、実力が伴わない選手に一流選手のような背番号を与えてしまうことで、必要以上のプレッシャーを与えて、かえって成長の妨げになる場合が少なくないのではないだろうかと、松本選手の状況を見てそのように考えてしまうのです。

 

 僕は最初の方で「上位指名のルーキーに良番を差し出すのは他球団でもよくある話ですから特に問題視はしません」と書きました。

 

 松本選手はドラフト1位ですから問題視すべきでない事例に当てはまるかと思いますが、結果として選手の成長を阻むのであれば、上位指名のルーキーであっても、時と場合に応じて臨機応変に対処すべきです。

 とりわけ野手は難しいと思います。野手は入団してすぐに結果を残せない場合が殆どです。大なり小なり修行期間が必要ですから、その修行期間が短くて済みそうな選手、それもプレッシャーに脆くない性格の持ち主であればいきなり良番を差し出しても良いかもしれませんが、過去何十年で一体どれだけの適合例があるでしょうか。

 

              ■

 

 僕はかつて北川利之選手を応援しておりました。

 

 それは非常に見どころのある選手だと感じたから応援していたのですが、さはさりながら、ルーキーの年に一桁の背番号4番を与えられるほどの存在だったのかと言えば、ファンの僕ですら首を傾げざるを得ませんでした。

 

 それは下窪陽介選手にも思いましたし、山崎憲晴選手にも荒波翔選手にも思いました。結果として荒波選手や山崎選手のようにチームの中心選手に育ってくれれば良いのですが、そういう博打的な与え方をするべきではない、とも思います。

 

 ベイスターズは背番号が軽いチームとして今後も伝統を紡いでいくのであれば、ではなぜ昨年の松本啓二朗選手や加賀美選手に背番号変更で危機感を促したのか?という矛盾にも行き当たるわけでして、ですから、これからでも良いので、背番号をもっと慎重に考えていただきたいものであると、そのように提唱する次第であります。

 

 

以上