ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

監督に求めたい事は、具体論であります

 我らがベイスターズの新しい監督がラミレスさんに決まりました。

横浜DeNAベイスターズ 監督の決定について

http://www.baystars.co.jp/news/2015/10/1019_01.php

 僕は以前書いた「僕にとっての理想的な首脳陣」というエントリーの中でラミレスさんの監督就任を希望したりもしていた位ですから、この発表を好意的に受け止めています。まだ何も始まらないうちからあれこれ決めつけて語るのは乱暴ですが、今のベイスターズに必要なものは何か、近い場所から見ていた人ですから、スムーズに進むのではと期待しています。

 さて、僕はプロ野球の監督を見るときに、ついつい「自分の直属の上司だったらどうだろう」という風に考える癖があります。

 僕は今でこそ自分で零細企業を経営する立場になりましたが、9年ほど前までは都内でサラリーマンをしておりましたから、当時の感覚は今もって色濃く残っています。会社勤めをしている間は様々な上司に仕えてきたものですが、その中には心底尊敬するような上司もいれば、二度と顔を見たくない上司もおりました。

 僕は二十代の半ばくらいからどっぷりと仕事に浸かる仕事人間になり、四六時中仕事のことを考えるようになりました。仕事人間にも色々な種類がおりますが、自分の利益を追いつつもしっかりと同僚や会社にメリットを残そうと考える、まっとうな仕事人間であったと自負しています。

 ですから僕が尊敬する上司というのも当然会社や従業員にメリットを残そうと心がける理性的な人であり、その逆は、自分のことしか考えないとか、コミュニケーション能力がないとか、仕事の指示や方向性が意味不明な人、という事になります。

 部下としてみれば、ただやみくもに「売上を伸ばせ!」「気合が足らない!」と怒鳴ったり、必要以上に残業を強いるような上司ほど迷惑なものはありません。どのようなプランで売上を伸ばせばよいのか、具体的な方向性を示すべき立場なのが上司たるゆえんですし、従業員のモチベーションを、ただキャッチフレーズを定型的に吠えるだけで持ち上げることが出来ると考えてしまうような人は、そもそも上司となるべきでは無いはずです。

 そういう視点で考えた場合、ラミレスさんが上司なら僕は気分良く働けそうな気がするな、と感じているのであります。

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 プロ野球界では、いまだに非科学的な考え方をするような指導者がいるようです。さすがに「練習中は水を飲むな」レベルの人はいなくなった模様ですが、プレーの中で「気迫を見せる」みたいな事を求める傾向みたいなものは、一部の球団でまだまだ残されています。

 特に僕が気になって仕方がないのが、やみくもにスライディングする人たちです。

 内野でも外野でも、とても届きそうにない打球に向かってスライディングをするようなシーンを時々目にしますが、ああいう愚かなプレーはプロではもちろん認められません。次のプレーに移るのを遅らせるだけで百害あって一利なしです。

 あとは、打者走者が1塁へヘッドスライディングするのもやめていただきたいです。スライディングとはすなわちブレーキですから、走り抜けたほうが1塁ベースへの到達速度が速くなります。スライディングとはわざと到達速度を遅らせる行為なのであり、タッチプレーとかオーバーランの心配がない打者走者の1塁進塁では厳に慎むべきだと選手各位に徹底していかなければなりません。

 あとは、右投げ投手には左打者を、左投げ投手には右打者をぶつけるのをお決まりとするのも問題です。選手本人の適性がそれに合っているなら良いですが、今時のプロ野球チームはベンチに常にスコアラーが常駐して選手個々の適性が瞬時にわかるようになっているのですから、適宜適切に対応してもらわなければなりません。

 僕はだいたい、このチームでよくいわれる「雰囲気」とか「ムード」という言葉が嫌いでたまらないのです。もちろん不要だとか無関係だと言うつもりはありませんが、過去10年以上に渡ってそればかりが「良くなった!」「暗くなった!」と行ったり来たりし続けていて、まるで進歩が見られないのが嫌でたまらないのです。

 具体的なプランニングで選手個々のスキルを上達させ、さらにチームプレーの練習をコツコツと積み重ねていけば、自ずと上達する自分たちの姿に自信を持てるようになり、そしてチームの「ムード」や「雰囲気」が高まっていくのではないでしょうか。

 なんの見所もアトラクションも無い遊園地にロマンチックなムードや楽しげな雰囲気など伴うはずが無いのです。より具体的な対策を打ち、その後を追うように気付いたら雰囲気が良くなっていく、そういう方向性で持って行ってもらいたいものです。

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 ベイスターズが抱える課題は、投手力と守備力に尽きると思います。

 ですが、投手力については元々のポテンシャルが高いのを2014年シーズンに実感できましたので、元々のポテンシャルをしっかり発揮できる環境整備をする事が求められます。

 先日の神奈川新聞の記事で中畑監督が久保投手に向かって机を蹴り上げたという裏話が取り上げられていたようですが、そのような選手の自尊心を傷つけるような事は絶対にあってはなりません。山口選手や国吉選手といった精神面の脆さがある選手達も、そのあたりの環境整備次第で本来の能力を取り戻せるようになるはずです。

 守備力については、重点強化ポジションにお手本となるようなベテランを連れてくるしかありません。

 ホエールズからベイスターズの歴史上、ショートに名手が続いたのは、各選手がお手本として若手の前にそびえ立っていたからに他なりません。高橋雅裕選手は山下大輔選手を超えなければレギュラーにはなれないと必死で練習したからこそですし、進藤達哉選手は高橋雅裕選手を超えなければレギュラーにはなれないと必死で練習したからこそです。

 ただし一度そういう系譜を断ち切ってしまった以上、再構築する必要があります。FAなりトレードなりでどこからか守備の上手な選手に来ていただいて、倉本選手や白崎選手の前にそびえ立って頂かなければなりません。その守備の名手と一緒にノックを受ければ、自分に足りないものがどこなのかすぐに分かるはずです。取ってから投げるまでの速さが問題なのか、グラブのハンドリングが問題なのか。コーチが教えるよりも、目の前の強力なライバルを乗り越えようとする強い意志の方が、何倍も本人のためになる筈です。

 ラミレス新監督には、是非ともそのような具体的なプランニングを打ち立てて秋季練習に取り組んで頂きたいと思っています。

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 まだまだ始まったばかりではありますが、ある程度希望に満ちた2016年シーズンを迎えられそうな気がしています。

 僕は戦力的には充分に優勝できるチームだと考えていますが、まずは贅沢を言わないのでクライマックスシリーズへの進出を果たしていただきたいと、そのように願っています。

 頑張れラミレス監督!

以上