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ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

戦力外通告を受けたベイスターズ戦士たち

 去年も同じタイトルで同じ趣旨のブログエントリーを書きました。少しは違ったものにしようかとも思いましたが、あえて変えずに、僕の初心みたいなものとして続けようと考えました。

 さて、我々日本人は熱しやすく冷めやすいと言われる性質があるそうです。他国ではどうなのかわかりませんが、確かに我が国では色んなものがあっという間に「コロッと」変わってしまう所があろうかと思います。

 僕は個人的な趣味として、我が国の太平洋戦争前から戦後数十年に至るまでの歴史を学んでいます。僕には学がありませんので体系立てて現近代史を学んだ経験は無く、したがって自己流で本を読んだりドキュメンタリー番組を見たりして学んでいるのですが、そうした中で、日本人でいる事が嫌になるくらい「コロッと」変わってしまう局面が、時々あります。

 例えば1942年とか1943年くらいには「出てこいミニッツ!マッカーサー!出てくりゃ地獄へ逆落とし!」と歌っていたのが、1948年頃になると一転して「マ元帥の米国大統領就任を祈ろう!」みたいな風潮に180度変わってしまったりしていますし、神風特別攻撃隊や回天に搭乗する兵隊さんへの評価が戦前と終戦10年後で恐ろしい位変わってしまったりするわけです。

 戦争当時や直後の場合は国民が平常心を失っていたからだとか正確な情報が得られなかったからだとかやむを得ない事情もあったのかもしれませんが、これもひとつの教訓として、物事への評価を短絡的に行わず、地道にコツコツと見守り続ける事を是としたい。そのように考えています。

 それはプロ野球についても然りです。かつてはチームの為に粉骨砕身して頑張った選手が、故障や体力の衰えでチームを離れなければならなくなったならば、万雷の拍手と、盛大な感謝の言葉でその労に報いたいと考えています。また、頑張ったけれども、あまり活躍ができなかった選手についても、これまでの頑張りに敬意を評し、僕なりの言葉を綴りたいと考えています。

                      ■

■8番 多村仁志選手

 今年の春に故障が治りきらないまま1軍の試合に出場し、その際の走塁で故障して2軍降格を言い渡され、結局それが最後の姿になってしまいました。

 僕はこれまで数多くのプロ野球選手を見てきましたが、ここまで消化不良のままクビを切られた選手を見たのはこれが初めてで、簡単に残念とか無念とかと言い表すことのできない複雑な感情を残したままでいます。去年の藤井選手や中村紀洋選手も消化不良だと思いましたが、多村選手のそれは桁が大きく違うものです。

 多村選手戦力外の報を受けてもう既に楽天が獲得に興味を示しているというニュースも出ていましたし、他にも何チームかが獲得に乗り出すだろうと、当然のことのように考えています。急な福岡行きも急な横浜復帰も特に不満を漏らすこと無く従順にチームに従い続けた苦労人の評価は、きっと実力以上に高いものになる筈です。

 本来戦力外通告を受けた選手への思いというのは「どこかのチームが獲得してくれないかな」と心配調になるのが僕の常なのですが、多村選手については全く違います。来季は数多あるオファーの中から多村選手を正当に評価してくれるより良いチームに入団し、久しぶりにシーズン30ホーマーくらいはマークしてもらいたい。オールスターにも出てもらいたい。そのように考えています。来季の雇用に対する不安ではなく、来季の活躍に期待を膨らませているのです。

 ベイスターズが「捨てた」選手が新天地で大活躍するシーンというのはもうだいぶ見慣れた感じも致しますが、来季は多村選手がその新バージョンになってくれる事を確信致しております。

■58番 大田阿斗里選手

 一昨年はベイスターズの頼もしいリリーバーとして、ついぞその潜在能力の一端を明るみに出してくれました。その時は、まだまだこれからが本番だ。もっとよくなって球界を代表するセットアッパーになるに違いない、と思っていました。

 躓いたキッカケは昨春あたりでしょうか。春先はなかなか調子が上向いて来ず首脳陣の期待を裏切ってしまいました。しかしそれも夏が近づいてくるにつれて調子を取り戻し、これならば1軍で充分活躍できるぞという所まで持ち直してきたのですが、残念ながら1軍昇格の機会を得られませんでした。あくまで僕の推測に過ぎませんが、ここで何か精神的な意味で歯車が噛み合わなくなってしまったのではないでしょうか。

 今年は春から秋に至るまで、ほぼフルシーズンに渡って調子が上向きませんでした。何よりコントロールがまとまらず、まるで高卒ルーキーのような制球難に苦しみました。何が彼をそうさせたのかはわかりません。新たな変化球でも覚えようとしたのか、それとも精神的なものか。

 ただ、何かちょっとした指導一つで大きく生まれ変わる可能性を秘めた存在であることには違いありません。リリーフピッチャーに必要とされるハートの強さ、ボールの威力を兼ね備えた、類まれな存在です。おいそれと諦めるのはもったいない逸材です。どこか指導力のあるチームに入団を果たし、再び輝く姿を見せて欲しいと思っています。

 とにかく、場合によっては独立リーグでも構わないので、絶対に引退してはなりません。絶対にやれますから。

■31番 赤堀大智選手

 DeNAベイスターズとしての最初のドラフト会議で指名されて入団を果たした赤堀選手は、横須賀のファンからとりわけ熱い支持を集めた好人物であります。

 昨年は大村2軍監督の指導でバッティングの調子が上向きとなり打率.288をマークしたものの、1軍昇格の機会を得られませんでした。昨年は他にも3割前後のアベレージを残しながら1軍に上げてもらえなかった野手が何人もいましたので特別赤堀選手だけが虐げられたとは思いませんが、旬な時期に使ってもらえないのは成長途上の選手にとって非常に重いものがあったと言わざるを得ません。

 赤堀選手については、僕は2つの懸念を持っていました。1つは、あれだけ恵まれた体格を持ちながら、体力的な意味での成長がこの3年間で殆ど見られなかった事です。プロ生活が2年3年と続けば胸回りや腰回りが分厚く逞しく成長していくのが後々活躍する選手の常道ですが、赤堀選手についてはこのあたりがどうだったか。物足らなさを感じたものでした。

 あとはやはり性格的なものでしょうか。今シーズンは1軍で1打席だけ立たせてもらったものの、呆気無く三振に倒れてしまいました。ファンとやり取りする場面を何度か見てきて思うに、彼はプロ野球選手としてはいささか優しすぎたのではないでしょうか。優しいのは人として良いことですが、プロ野球選手としては仇になる場合のほうが多く、それがあの三振する姿から見て取れたのであります。

 優しい性格のままプロで活躍する選手もいないわけではありませんが、それには3年では短すぎたという事かもしれません。

 トライアウトを受けるつもりがあるのかどうかわかりませんが、ぜひ悔いのない野球人生を送ってもらいたいものです。

■67番 加賀美希昇選手

 今シーズンは背番号変更と大減俸であからさまに崖っぷちに立たされて始まった加賀美選手でしたが、結局1軍で登板する事もなく戦力外通告を受けてしまいました。

 僕は以前どこかで見聞きした、三浦大輔選手が加賀美選手にかけたとされる言葉が頭から離れないでいます。確か「恵まれた身体能力やチェンジアップがあるのにもったいない」という趣旨だったと思います。言外に、加賀美選手の気持ちの問題を指摘しているのだなと、その時僕は思ったのです。

 しかし、三浦選手からの言葉も、球団からの大減俸や背番号変更の処置も、加賀美選手にはいまいち響かなかったのか、今年もあまり変わったところがなく、ファームとはいえたくさんもらった登板機会も満足に活かせないまま、ついにこの日を迎えてしまったわけです。

 なんとなく那須野選手に被って見える所があるのです。那須野選手は移籍したロッテを戦力外になった後週刊誌のインタビューに答えています。結構長めのインタビュー記事でしたが、要するに野球に気持ちが入っていかなかったという趣旨の発言をされていました。一時期は乗ってくる事もあったものの、それが長続き出来なかったというのです。

 あの恵まれた身体能力や周囲からの期待の大きさと、その後の野球人生とを見ていると、どうもこの2人は似ているなと、そのように感じてしまうのです。

 ただ、加賀美選手が最後に登板した9月25日のヤクルト戦は、まだ充分1軍で活躍できるのではとつい夢を見てしまう素晴らしい内容だった事は間違いありません。もしも最後の最後に何かを思い出していたのだとすれば、ぜひともトライアウトを受けて、育成でも何でも石にしがみつくような気持ちでプロを続けて欲しいなと、そのように思っております。

■100番 今井金太選手

 赤堀選手と同じくDeNAベイスターズの最初のドラフト会議で育成の1位に指名されて入団したのが今井選手です。

 入団初年度の2013年は10試合を投げて防御率3.60だったのが、2年目の2014年は6試合で防御率6.75、今年に至ってはたった2試合で防御率18.00と、年を追う毎に悪化してしまいました。昨年はシーズンの殆どをBCリーグへの派遣選手として過ごしていますし、元々持っていた素質をチーム編成の弊害で腐らせてしまったという、非常に残念な思いがしています。

 高校を出てからの3年間というのは野球選手としての成否を大きく左右する大事な時期であるというのが多くの野球ファンの共通認識としてあるだろうと思いますが、この大事な時期に、ピッチャーが多過ぎて満足な指導も出場機会も与えられず、挙句に口減らしも同様の格好でBCリーグに派遣されたわけですから、同情の念に耐えません。

 ユニフォームを着るからには未成年であろうと育成選手であろうと関係なく自己責任で高いプロ意識を持てと突き放すのは容易ですが、そうはいっても未成年の少年をこうも粗雑に放っぽりだしたのは、いかにも無責任であったと思います。この点は昨年戦力外通告を受けた3年目ピッチャーの4人についてと同様の感想を持っています。

 登板機会があまりに少なすぎて、一体彼にどのような可能性や才能が秘めているのか判断することもままならないのが実情ですが、諦めずに良い野球人生を送っていただきたいものです。

■60番 加藤政義選手

 昨シーズン佐藤祥万選手との交換トレードでベイスターズに入団した加藤政義選手は、2年間で一度も1軍の試合に出ること無く戦力外通告を受けてしまいました。

 この点は赤堀選手の項でも触れましたが、加藤選手も昨シーズン3割ちょうどの数字をマークしながらも1軍での出場機会を得るには至りませんでした。昨シーズンはポジションのかぶるグリエル選手が所属していた影響もあったでしょうが、それにしてもシーズン終盤のいわゆる消化試合の時期くらいは1軍で起用してくれても良かったではないか、という憤りの気持ちもありました。いまいち競争原理の働きにくいベイスターズの特殊性の弊害を受けたという感じがします。

 特別肩が強いとか足が速いとか一発があるとかといったわかりやすい長所は持ちあわせていませんが、小器用さと巧みなバッティングが持ち味で、だいたい強いチームに1人必ずいるような便利屋タイプとして重宝される選手なのではないかなと思います。それだけに1軍に置いてもらえなかった(出場登録のみはありましたが)のが悔やまれてなりません。

 球界では二遊間の人材がそれほど潤沢とはいえませんし、貧打にあえぐチームもあることですから、諦めずにトライアウトを受けて新天地を目指してもらいたいと思います。

■45番 土屋健二選手

 2013年にトレードでベイスターズにやってきた土屋選手です。僕は交換相手の北篤選手に並々ならぬ期待を寄せておりましたので、正直言ってこのトレードには大ショックでした。いま1軍で梶谷選手がいるような場所に北選手が収まっているというのが当時の僕が描いていた未来予想図でしたから、ある意味「梶谷選手と土屋選手がトレードされた」くらいの衝撃を持って受け止めておったわけです。土屋選手には何一つ罪はないのですけど、そのせいかどうも厳しく見てしまう所がありました。

 その土屋選手は日ハム時代からファームでは素晴らしいピッチングをするものの、1軍になるとどうも力を発揮できずに終わるという前評判を背負って入団したわけですが、残念ながらその前評判通り、2軍では格の違いを見せつけるものの、という事でした。

 ただ、結構プロで長くやっているイメージながらまだ25歳と若く、元々野手としての評価もすこぶる高かった選手でもありますので、いきなり戦力外でユニフォームを脱がしてしまうよりかは、野手転向を勧めてもう一度育成選手から這い上がってくる姿を見たかったという思いがあります。ヤクルトで押しも押されもせぬ主力選手となった雄平選手が野手転向を決意したのもこれくらいの歳だったと思います。野球に対する熱意が残されているならば、もうちょっとじっくり見てあげて欲しい一人であります。

■00番 東野峻選手

 現役を引退しベイスターズの裏方スタッフになる事が発表されたのが今季入団したばかりの東野選手です。

 東野選手は昨シーズンオリックスから戦力外通告を受けてベイスターズにやってきたわけですが、トライアウトの段階ではベイスターズ以外の他球団も獲得を検討するような、ある種期待株のような存在だったと思います。ファンの中には気も早く先発ローテの駒として計算に入れている人やリリーフ陣の一角として計算に入れている人も見られたくらいで、トライアウト組としては異例な位の大きな期待を背負っていました。

 実際、ピッチャーを見る目が無いと自負している僕からしても「これは相当活躍してくれるのでは」と期待してしまう人でしたから、やはり僕の目は節穴だったと再確認するに至ってしまった次第です。

 結構球は速いですし、マウンド度胸も相当なものがあると思うのですが、なぜかファームでもよく合わされて痛打を浴びてしまうのですね。これはもうなぜだか本当によくわからなかったのですが、タイミングを取りやすいピッチングフォームなのか、球威(初速から終速までの落差の意)が足らないのか。かなり高度な、僕ごときでは計り知れない何かがあるんだろうと結論付けるしかありません。

 まだまだ若いですが、ご家族を背負って大きな、そして重大な決断をされたのだと思います。ベイスターズで輝けなかったのは残念としか言いようがありませんが、今度はベイスターズのスタッフとして輝いて欲しいとお祈り申し上げます。

■21番 岡島秀樹選手

 これくらいの年齢の選手ともなると、1年を通して1軍の戦力になるような状態を維持し続けるのは難しかったのではないかと、今更ながら考えています。逆に言えば、きちんと状態を見定めて、状態の良い時に1軍で起用できる体制を整えておくことが出来れば、ここまで期待はずれの烙印を押されずに済んだのではないか、とも考えています。

 岡島選手は今シーズン2度ほど1軍昇格して過ごした時期がありましたが、1度目の時は散々でした。1度目の時はファームの試合で見ていても、変化球でストライクが取れずに苦しんでいるような状態で、これでは1軍でどうにかなる筈がないと一目瞭然でしたし、1軍でも案の定でした。

 2度目は9月に入ってからで、4試合続けて好リリーフを続ける事もありました。登板間隔が開くとかえってダメなタイプのようでそれが数字に現れていましたが、この時期はだいたい期待された成績を残せていたのではないかと思います。

 あれだけの高い給料をもらって実際に戦力として働けたのが9月に入ってからというのはいかにも遅すぎましたし、調整方法の問題等色々あったのだろうと思いますが、1軍と2軍の情報伝達に難のあるベイスターズの事情にマッチしていなかったという風にも見えました。

 まだ現役を続けられる意向という事ですので、是非とも燃え尽きるまで頑張って頂きたいと思います。

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 だいたいどの選手に対しても「もっとやれるのでは」と、まだ燃え尽きぬものを感じ取ってしまうのです。これは何年見続けてきても相変わらず変わることがない、独特な感情です。

 ベイスターズのユニフォームに袖を通した人には、敬意を持って思い出を振り返りたいと思って書いていると、自然とこういう感想に行き着いてしまうのです。ドライな見方をする人からすれば僕の言うことなどバカバカしく見えるかもしれませんけれども。

 来年こそはもう少し清々しい思いで選手を送り出せるように、強くて頼り甲斐のあるチームになってもらわなければならないという事で結論づけたいと思います。

以上