ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2015年9月26日 ヤクルトvs横浜DeNA (横須賀) の感想

 早いもので、今日でベイスターズファームの本拠地最終戦となりました。思い起こせば半年前のデーゲームから始まった今シーズン。始めの頃は負けてばかりで、一体どうなってしまうだろうと心配でなりませんでした。いくらファームは目先の勝ち負けではないとは言え、こう何度も負けてばかりいると、育成機関としても問題が大きいのではなかろうかと思ったこともありました。

 しかし、高須さんや有働さんといった新任コーチの方々も仕事に慣れてチームが上手く回るようになれば自然とまともな試合をこなせるようになって、最終的には貯金が3でイースタン・リーグ3位まで順位を上げることができました。色々有りましたが、今年も見続けてきて本当に良かったと思います。

 今日の本拠地最終戦は、色々あった今シーズンを象徴するような、いかにもベイスターズらしい浮き沈みの激しい試合となりました。

 本日の先発ピッチャーはベイスターズがビロウ選手、ヤクルトが1軍で6勝をマークしているアンダースローの山中選手の両投手です。この時期にビロウ選手が先発マウンドに上がるというのでは、先発ピッチャーの厳しい台所事情が伝わってきます。ローテの一角を担っていた小林寛選手も1軍に行ってしまいましたし、ビロウ選手くらいしか投げる人がいなかったのかもしれません。

 まずはベイスターズ先発のビロウ選手についてです。先日の1軍初先発で制球を乱して大わらわになったのがトラウマ的に残っているのか、今日は随分と慎重なピッチングです。元々球速のある方ではありませんが、なおのことゆっくりと球速を抑えて、いわゆる「置きに行く」ようなピッチングです。それでも随所に制球を乱しがちな上に高めに浮くことも多く、特に2回はヒットやフォアボールに味方のエラーも重なって3失点(たぶん自責は1)してしまいました。

 3回くらいから気持ちの切り替えができたのか少し球速が速くなり相手打者に振り遅れさせるような場面も何度か見られるようになりましたが、ただし首脳陣に来季の契約をアピールするほどの好内容という感じもなく、4回終了でマウンドを降りました。

 次にヤクルトの山中選手。元々1軍でポンポンと勝ち星を重ねてヤクルトの救世主のような活躍ぶりでしたが、肉離れをしてしまって戦線離脱後、一旦は1軍に戻るも打ち込まれて再び2軍再調整という経緯でここに至っています。ブランコ選手やモスコーソ選手もそうでしたが、肉離れ明けの選手は自分では大丈夫だと思っても見えない何かが狂っていて、それを戻すのに少し時間がいるという事なのかもしれません。

 ただし、やはり1軍であれだけ勝ち星を重ねているピッチャーなだけに2軍の打線では太刀打ちができません。5回まで投げましたが、まともなヒットを打たれたのは石川選手と井手選手の各1本づつくらいだったのではないでしょうか。とにかく球が低め低めに地を這うようにくるので2軍の打者ではまともには捉えられません。5回まで無失点の上々の内容でマウンドを後にしました。

 ベイスターズ打線についてですが、今日の試合途中の入れ替わりはこんな感じです。

石川(4打席くらい)→加藤(2打席くらい)

多村(1打席のみ)→井手(5打席)

松本(3打席くらい)→渡邉(3打席くらい)

高城(3打席くらい)→西森(1打席)→つる岡(2打席)

 今日は7回までほとんど抑えられて仕事らしい仕事はできませんでしたが、7点ビハインドで迎えた8回に1点を返すと、土壇場の9回に6点を追加して同点とし、延長11回裏、イースタンの規定でこの回が最後という場面で押し出しでサヨナラ勝利となりました。

 ベイスターズの打者で特筆すべき活躍をしたのは途中出場の井手選手です。なんと5打数4安打で、4安打は全て痛烈な当たりのクリーンヒットと文句のつけようがない活躍ぶりでした。いずれも甘い球を逃さずに見事に捉えたという感じでしたが、ミスショットが全く無かったのも好調な証だと思います。強く振りすぎず、適度な強さでぶれないスイングを心がけているように見受けられます。

 セカンドでスタメン出場の石川選手は山中選手から技ありのヒットを打ってアピールしましたが、肝心の守備ではセカンドゴロの1塁送球で暴投し、2点タイムリーエラーとなってしまいました。一二塁間のゴロを捕球する際によろめくように体制を崩し、そのまま送球しようとして最悪の結果を招いた形でした。よろめいてしまったのは怪我の影響なのか、そうでないのか、なんとも難しい所です。

 その他去就が注目される多村選手が3番DHでスタメン出場するも、1打席立っただけでお役御免になってしまいました。その1打席目はサードへのやや強めのゴロでランナーとして1塁に残る形でしたが、どこかを痛めた様子は見られませんでしたので、1打席で下げてしまったのが少々不可解に思われました。

 スタメンファーストの赤堀選手は長い試合の最初から最後までフル出場でした。場内の観客から「最後なんだから頑張れ!」と、まるで戦力外になるのが決まっているかのような心ない野次が繰り返され非常に気の毒でした。この時期の当落線上にいる選手にありがちな傾向ですが、今日の赤堀選手はやや気が立っているというか、ピリピリして余裕が無い様子が見て取れました。ただしファンの声援は大きいもので、赤堀選手のレプリカユニフォームに身を包んだ観客の数がいつもよりも多く感じられました。残念ながら結果は残せませんでしたが、最後まで腐らずに頑張ってもらいたいと思います。

 ヤクルトの選手交代は松井淳選手とデニング選手がそれぞれ途中から出場でしたが、誰と入れ替わったかは失念してしまいました。

 確かチーム全体で12安打くらいしていたと思います。先制中押しダメ押しと効果的に得点を重ねる展開でした。

 個別にはあんまりハッキリと記憶していませんが、デニング選手が好調なようでマルチヒットを記録したように覚えています。体型的にもあんまり大きい当たりを狙うバッターという感じではなく、野手の間を強くライナーで抜いていくのが理想とする選手なのでしょうが、外国人枠を使うからには少々物足らなさを覚えます。

 もう一人の外国人選手のミレッジ選手は故障が多い人で、なかなかフルに働けていません。最近はようやく故障も癒えて今日もレフトでスタメン出場していますが、1軍の外野陣と比べると帯に短し襷に長しと言いましょうか、ちょっと咬み合わない存在という感じがします。見ていて長打を打たれそうな危機感というものが感じられない選手です。

 次にリリーフ陣について。

 今日はビロウ選手が降板して以降、実に7人ものピッチャーで継投していきました。TBSベイスターズだった頃はファームの最終戦でリリーフで登板するのがその年限りで戦力外となるピッチャーというお約束がありましたが、DeNAベイスターズになってからは特にそのような事はなく、純粋に育成の場として色んなピッチャーが登板する傾向になりました。

 まず5回から、すごいすごいとうわさに聞くルーキーの飯塚選手がマウンドに上がりました。おそらくかなり久しぶりの実戦のマウンドだと思いますし、僕は初めて登板するのを生で見ます。今日は何かを確かめるように、たぶん力をいくらかセーブしてのピッチングではなかったかと思いますが、それでも無難に無失点で切り抜けました。今日のピッチングで特に球が速いとか変化球がめちゃくちゃ切れるという感想は思いませんが、なんとなくすごい人っぽい雰囲気を感じるのは確かです。国吉選手が現れた時の「お!」という感動を髣髴とさせる、などというと逆にガッカリされるかもしれませんが。

 6回からマウンドに上ったのは、こちらも久しぶりに見かける萬谷選手。1軍から何の説明もなしに忽然と姿を消してから数ヶ月、ようやく試合に現れてくれました。ただしこちらも飯塚選手と同じく試運転のような、おっかなびっくり投げている様子で、6回は無失点で切り抜けたものの、7回は火ダルマになりました。7回にとった3つのアウトはいずれも野手のファインプレーに助けられた感じがありました。特に山下幸輝選手の頭上高くを抜けようかという強烈なライナーをジャンプして図ったかのように最も高い点でキャッチしたのは、まるで京劇や型空手の演舞を見ているかのような美しさでした。

 萬谷選手としては来月のフェニックス・リーグで遅れを取り戻したいといった所でしょうか。

 8回は豪腕ピッチャー大田阿斗里選手。今年は制球に苦しむ場面が繰り返された印象ですが、今日もやはりストライクを取るのが精一杯で、置きに行った所を痛打されるの繰り返しで2失点となりました。一昨年は1軍でもバンバン投げて、これはいよいよだなと胸が高鳴りまくっていたのをよく覚えているのですが、昨年は調子の良い時に1軍に上げてもらえず、今年は最初から最後までずっと低調なままできてしまいました。

 投手も野手も調子の良い時に1軍に上げてもらえないと、そこから「なぜ?」という気持ちが高まってしまい、そうこうしているうちにモチベーションを失って技術も含めて元に戻らなくなる事があります。元ベイスターズの高森さんも自身の経験としてそのような風に言っておられましたが、もしかしたら阿斗里選手もそういった事なのかもしれないと、想像している所です。

 9回は土屋選手。野手転向するのではないかとまことしやかに囁かれているようですが、今日もピッチャーとしてマウンドに上がりました。僕的にこの時間帯は「どうせ負けだろう」みたいなあきらめモードと、その後の山下監督の挨拶などのセレモニーについて考えてボヤボヤしてしまい、このイニングについてあまり記憶がありません。無失点で切り抜けたのでまぁまぁ良かったのだろうと思われます。

 9回裏の猛烈な追い上げで急遽出番がやってきた延長10回は国吉選手がマウンドに上がりました。今日の投手陣は軒並み頼りない感じが続いていましたが、国吉選手が現れた時は「今日はいける!」というムードになれました。あまり具体的には覚えていませんが、いわゆる「4凡」で無難に終わったと思います。国吉選手としては少々球速が物足らない感じがしましたが、もしかしたら準備不足があったのかもしれません。

 そして延長11回は、福地選手がマウンドに上がりました。確か先頭打者にヒットを打たれ、次の左バッターが送りバントの構えをしたところであわやデッドボールのワイルドピッチで1塁ランナーが2塁へ進み、バッターは引き続きバントの構えで次の球もあわやデッドボールで2ボール、その次の球もバントの構えでついに頭部にデッドボールを当てて危険球退場となりました。福地選手が元々コントロールがアバウトなのは知っていましたが、さすがに2球続けてデッドボールになるような球を投げてその次に頭部デッドボールとは、いくらなんでも暴れ過ぎであると残念に思いました。バッターには幸い怪我はなくそのまま塁に出ました。

 ブルペンの準備もいまいち足りていなかったようで少し時間がかかってから安部選手がマウンドに上がりました。安部選手は先日1軍に上がったものの、大して出番も得られないままいまいち消化不良な感じで再び2軍のマウンドですが、なんとも頼もしい限りで後続を抑えて、ノーアウト12塁のピンチをゼロで切り抜けました。

 率直に言ってチームにおける安部選手の存在感というものがいまいち掴めていないのですが、1軍のブルペンでもそれなりに働けそうな感じもしますので、2軍に置いておくのはちょっと残念です。

 試合が予想外に長引いたためヤクルトのリリーフ陣も総勢7人もマウンドに上がりました。七條選手のような1軍実績のある顔ぶれも出てきましたが、中でも目に止まったのが2番手としてマウンドに上ったルーキーの土肥選手です。

 ヤクルトは今年二十代中盤から後半のオールドルーキーと呼ばれるピッチャーを多めに獲ったようですが、その中でこの土肥選手はいかにもリリーフ向きな小気味の良いピッチングをする人です。とてもリラックスして軽く投げるようなフォームから速い球がドスンと来ます。あのフォームからドスンですからタイミングが取りづらそうです。コントロールもそれほど悪くはありませんので、特に気持ちが弱いとかでもなければ1軍で見てみたい選手です。

 ルーキーだった昨年に1軍で活躍した岩橋選手は、今日は試合に波乱を呼び込んだ悪い意味での立役者になってしまいました。投げる球投げる球ことごとく打たれまくり、どうしてしまったのだろうと心配になります。ヤクルトの左腕ピッチャーといえば昨日投げた村中選手もそうですし、赤川選手や、ソフトバンクに移籍した日高選手もそうですが、一時期1軍で活躍できたのに、そこからガタガタっとダメになって全く別人のようになってしまうパターンが少なくないように思います。

 1軍は優勝目前の勢いですが、それはそれとして切り分けて、この課題に取り組んでもらいたいものです。

 試合開始から4時間40分ほどが過ぎた午後5時40分頃、すっかり日も落ちてナイター照明に照らされた中でようやくホーム最終戦が幕を閉じました。ヤクルトの8番手ピッチャー大場選手が2アウト満塁から百瀬選手に押し出しのフォアボールを与え、試合の幕が閉じたのです。

 それにしても長い試合でした。両軍とも2エラーづつ喫し、危険球による退場者も出しましたが、とにかく試合が終わりました。大敗ムードだったのが最後にサヨナラ勝利ができたのは良かったですが、色々考えさせられることの多い試合でした。

 試合後は恒例の監督挨拶が行われました。

 ガラケーで撮った汚い写真ですが一応載せておきます。

 ベイスターズ2軍は明日のヤクルト戸田球場で行われる試合をもって今シーズンの戦いに幕を閉じます。毎年のことでは有りますが、最終戦で監督挨拶に耳を傾けていると、楽しかった日々が終わってしまうのが惜しいなぁと、もっともっと球場に足を運べばよかったなぁと、いろんな事をしみじみと考えます。

 明日の試合も見に行くつもりですからまだ今シーズンの総括まではしませんが、楽しかった日々を与えてくださったベイスターズ球団の皆々様には厚く御礼を申し上げたいと思います。

ヤクルト7-8×横浜DeNA

勝:安部

敗:大場

観客数:2001人

以上