ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

グリエル選手の契約解除が実に残念だ

 ベイスターズファームの試合が平日デーゲームだったり遠征だったりで全く見に行けずに悶々としながら過ごしておりましたらば、ますます悶々としてしまうようなニュースが飛び込んできました。

DeNAが下した大きな決断…グリエル退団の真実とは

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00027898-baseballk-base

 ファンの間では様々な感想があるでしょうが、僕としてはただただ残念だと感じています。

 グリエル選手には昨シーズンの数ヶ月をベイスターズの選手として過ごしてもらったわけですが、その間に充分な信頼関係を築けなかったのではないでしょうか。高田GMは音信不通になったと公表していますが、それなりの信頼関係を築けていたならば、こんな結果にはならなかった筈です。

 高田GMは今回のグリエル選手の対応を「ワガママ」と切って捨てているようですが、グリエル選手は昨シーズンも背筋の故障に慎重な対応をしていましたし、試合前の練習もギリギリまで参加しない、ある意味ラジカルといいましょうか、合理的な判断をする人だとはその頃から既にわかっていたではありませんか。

 ですから今回故障を理由に来日を拒んでいるのも、昨シーズンの対応から考えて充分に想像できた範疇です。これが嫌なら最初から契約しなければ良かったものを、いまさら「ワガママ」とは、お互い様ではないでしょうか。

 それに、まだシーズンが始まったばかりのこの時期に契約解除とは性急過ぎるのではないでしょうか。長いシーズンを見越して、ロペス選手やバルディリス選手が故障したりバテたりする可能性は少なくありませんから、その時のために、制限選手としてカードを残しておく選択肢も考えられたのではないでしょうか。制限選手なら年俸も日割り計算に出来るそうですから、チームとしても非常に好都合だったのではないでしょうか。

 この契約解除に至った理由も不可思議です。

>球団関係者の話によると「野球協約に抵触する可能性はもちろんだが、現在のチーム状況と

>選手の士気に与える影響の大きさを考慮した結果」だという。球団の選択肢として、グリエルを

>待ち続けることは出来たが、それを行わなかったのは順調な滑り出しを見せたチームへの影響を

>最優先したから、ということだ。

 仮に選手の士気を云々だとするのであれば、なぜグリエル兄選手だけが契約解除でグリエル弟選手は制限選手としてカードを残したのでしょうか。

 それに第一、この事が選手の士気に影響するような脆弱なチームなのでしょうか。春から秋までのシーズンの中では色んな出来事があると思いますが、それでもブレずに負けずに立ち向かえるようでなければ、優勝はおろかCSすらも危ういのではないでしょうか。これくらいで士気が下がるようなチームが、シーズン終盤の胃がキリキリ痛むようなタイトな場面を持ちこたえられるとは到底思えないからです。

 結局のところそれは、他に適当な言葉が見つからないから持ちだした、都合のいい言い訳でしか無いのではないでしょうか。

 それでなくとも我がベイスターズは選手の契約に関して毎年のように揉め事を繰り返しています。2年前はFAで復帰してもらった鶴岡一成選手の契約に関して選手会まで立ち上がる騒ぎになりましたし、去年も藤井選手が起用を求めて新聞沙汰になっています。これらの問題の中心軸は常にベイスターズのフロントにあるわけですから、つまりベイスターズのフロントは前科持ちと言えるのです。前科持ちのベイスターズのフロントを信用しろと言う方が無理があります。

 こういう記事もありました。

契約破棄のグリエル DeNAフロントの不手際を指摘する声

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00000046-tospoweb-base

 「東スポの記事なんか信用できるか!」と怒られてしまうかもしれませんが、例えば記事中にある↓のように

>昨年12月、キューバに渡り交渉を行った担当者が昨年末、球団を退職しており、引き継ぎがうまくいかなかった可能性もあるという。

 ある程度信ぴょう性のある情報も混じっていますので、情報として拾っておいても損はないと思います。僕はこの東スポの見出しと同じくフロントの不手際だとみなしているわけですが、普通のスポーツマスコミは球団に対して角の立つような記事を書きにくい立場にあるだけに、この東スポの厳しい意見は非常に価値があると評価できます。

 いずれにせよ、今回ベイスターズは短期的な結果を焦るあまりに、実に大きな禍根を残してしまいました。この件でグリエル弟選手の入団も非常に厳しいものになったのは間違いありませんが、これも実に惜しい限りです。また、今後有望なキューバ選手がベイスターズに入団してくれる可能性もぶった切ってしまったのではないでしょうか。

 なんという重たいものを残してくれたのだと、本当に腹が立って仕方ありません。僕は高田GMが投手陣、とりわけ先発陣の整備に大きな役割を果たしてくれたと感謝しているのですが、その感謝も全て吹き飛ばさんとする勢いで腹を立てています。

 どうしてそんな性急な判断をするのでしょうか。少しは後世の事を考えてはくれないものでしょうか。

                      ■

 最後に一つ付け加えておきますと、最近のベイスターズ1軍は非常にチャレンジングで良いと思っています。

 忘れもしない、開幕第二戦。先頭の石川選手がフォアボールで出塁するやいなやいきなり盗塁した所から始まって、続く梶谷選手も盗塁。これで相手投手の調子を狂わせて一気に撃破してみせたのは、本当にあっぱれという他ありません。開幕戦がヒットをたくさん打つも得点に結びつかない、去年の焼き直しみたいな試合をしてガッカリさせられていましたので、この一気の変わり様は本当に驚いたものです。

 また、その後も、まるでどこかの高校の「機動破壊」を思わせる激烈な走塁で相手投手を打ちのめす場面を何度と無く見せつけてくれるようになりました。昨日(4/2)の試合でもヒットで出塁した関根選手がすぐに盗塁を決めて、次打者石川選手のヒットで一挙生還という素晴らしいシーンがありました。とてもビューティフルです。これぞプロ野球だと思います。

 中畑監督の采配にはまだまだ不満な部分も少なくありませんが、このアグレッシブでチャレンジングな姿勢は非常に素晴らしく、今後も継続して欲しいと思います。時には失敗が重なるときもあるかもしれませんが、それが未来の糧になるんだと割りきって、めげずに続けていって欲しいと思います。

 ファームの日程とフロントの体たらくには不満たらたらですが、1軍の戦いぶりにはいつになく満足をしております。このままの勢いで頑張ってもらいたいものです。

以上