ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

今シーズンのベイスターズを展望する

 2軍を中心に見ているためすっかり開幕済の気持ちになっている僕ですが、世の中的には今週の金曜日が本格的な開幕という事ではないでしょうか。

 いくら僕が2軍が中心と言ってもプロ野球の核となるのは1軍ですから、今日は1軍のベイスターズが今シーズンどのような戦いぶりを見せてくれるのか、僕なりに展望してみたいと思います。

 さて、今シーズンはオープン戦の順位が12球団中で2位タイと非常に良い成績だったものですから、上機嫌で開幕に向かうベイスターズファンも多いのではないかと思いますが、僕の見立てはそうではありません。極めて渋い、厳しい、夢も希望も無い予想をしています。それこそ、中畑監督を愛してやまない人達にとって胸糞悪いことこの上ないブログエントリーになるのは間違いありませんので、中畑愛に満ちあふれて異論反論を受け入れる心境にない人はこれ以上読み進めないほうが宜しい、と申し上げておきます。

 さてさて、今季の戦いぶりに触れる前に簡単に昨シーズンについて振り返っておきますと、投手陣では二桁勝利が2人(久保、井納両選手)二桁勝利に近い大活躍をした選手も2人(モスコーソ、山口両選手)と、ベイスターズ史上最も先発陣が充実した年でありました。

 また、野手では梶谷選手が盗塁王、筒香選手が得点圏打率両リーグトップの活躍を見せ、途中入団のグリエル選手も目覚ましい活躍をしてくれました。グリエル選手と同様に休みがちではあったものの、ブランコ選手も打率.283の17本塁打と、出場できた試合に限ればまずまず活躍してくれました。

 つまり何が言いたいかといえば、投打の中心選手は期待値程度、もしくはそれ以上に働いてくれたのが2014年シーズンだったわけですが、それでもチームの順位は5位でした。

 そして今年。今年も新加入のロペス選手がオープン戦から力のあるところを見せてくれ、投手陣も久保、井納両投手が素晴らしい仕上がり具合を示しています。キューバのグリエル選手も思ったより早くチームに合流できそうだという状況なのだそうで、主力選手の現況はおおむね良好であります。

 ですが、主力選手が良好な働きぶりをしてくれたからといって、それがそのままチームの順位に直結するとは限らないのだと、それを嫌というほど学んだのが昨シーズンですから、ですから僕の今シーズンの展望が渋いのです。

 僕は、プロ野球チームとはパソコンのようなものだと考えています。いくら高品質なデバイスをたくさん繋いでも、肝心のハードやオペレーションシステムがヘボでは殆ど機能しないのです。いくら32インチのタッチパネル対応モニターや5段給紙の高速カラーレーザプリンタや5.1chサラウンドシステムを買い集めてきても、パソコンのメモリーが0.5ギガしかありませんとか、OSがWindows95です、では話になりません。それを痛感したのが昨シーズンでした。

 オペレーションに対する不安はこれ以上掘り下げても意味が無いのでこれで終わりにして、次に懸念を示したいのが抑え投手を中心としたリリーフ陣の脆弱さです。

 今シーズンのベイスターズは守護神を誰にするのかと言えば、昨日のセリーグファンミーティングで中畑監督が言うにはルーキーの山崎投手になるのだそうです。僕は以前このブログエントリーの中で抑え投手がどれくらい難しいのか書きましたが、それと同じ懸念があります。大魔神佐々木投手も岩瀬投手も藤川投手も最初は別のポジションでプロのレベルにしがみついて、それであのような地位を築いたのであって、ルーキーにポンと渡してなんとかなるような甘いものではないのです。前例がないからダメというのではなく、統計的に成功例が見当たりにくいという事です。

 また、山崎選手の体力面も心配です。大卒ルーキーですから、1年143試合ブルペンに入って待機した経験がありません。どこかでバテた時に、大事を取って休ませる選択ができるのでしょうか。山崎選手が前途ある有望な若者であるのは誰もが認めるところでしょう。その前途ある若者を使い潰すのか、それとも目先の試合よりも山崎選手の健康を優先するのか。ルーキーならではの心配もあるのです。

 春のキャンプが始まった頃は三上選手が抑えの最有力候補だったと思いますが、それがエレラ選手になり、国吉選手になり、そして山崎選手に白羽の矢が立ちました。ご覧のとおりの二転三転ぶりは、見通しの甘さを示しています。上位争いするチームには確固たる抑え投手が不可欠なのはプロ野球ファンなら誰でも理解しうるもので、ですから、これは大いに心配であると申し上げたいのです。

 あくまで僕の想像ですが、もしも今シーズン上位争いをしていたならば、シーズンのどこかでモスコーソ選手を抑えに回すことになるのではないかと見ています。

 久保選手は先発をやりたくてFA移籍した経緯があるので抑え転向は不可能、井納選手は侍ジャパンの選手でもあるので抑え転向は難しいでしょう。山口選手は過去の経緯やFA取得が間近という立場でもあるので今更抑え復帰は厳しいでしょう。そうすると、可能性が出てくるのはモスコーソ選手だと見ているのです。高崎選手がリリーフに戻る可能性も無きにしもあらずですが、その時の高崎選手の状態がどうなっているかわかりませんので、可能性としては第二候補の粋を出ません。

 先発投手の候補は既に名前を挙げた4名の他に三浦選手三嶋選手高崎選手といて、僕はそろそろ山下峻選手も候補に入ってくるだろうと見ていますし、砂田選手も支配下登録されれば当然候補に入ってくるでしょう。よって候補はいるのです。モスコーソ選手の抑え転向を推進しているわけではありませんが、状況から考えてそのような配置転換を行う可能性があるだろうと見ています。

 リリーフ陣に対する懸念に続いては、ルーキーの倉本山下両内野手についてです。どうやら倉本選手が開幕スタメンを勝ち取りそうだという話ですが、僕は2012年の梶谷選手のようになるのではないかと見ています。この時の梶谷選手もオープン戦で活躍して開幕ショートの座を掴むに至りましたが、いい結果は得られませんでした。

 それだけならともかく、ベイスターズは内野4名のうち3名を外国人選手(バルディリス、グリエル、ロペス各選手)で占めるチームですから、その中で唯一の日本人としてルーキーの倉本選手を置くというのは少々荷が重いのではないでしょうか。幸いバルディリス選手が日本語をかなり喋られるというので簡単なコミュニケーションの問題はクリアできるでしょうが、そもそもの物の考え方が日本人と南米人とで180度違いますので、苦労は絶えないと思います。

 中畑監督がどこまで倉本選手で引っ張るのかわかりませんが、監督自ら打撃指導にあたってアッパースイングをやめさせようとしたりもしているようですし、相当な思い入れがあるのが伝わってきます。長引くのではないかと思います。そこで倉本選手が僕の懸念をあざ笑うかのような大活躍をしてくれるのが最もハッピーなシナリオなのですけど、とにかくこの点についての僕の見通しは暗いです。

 僕としては白崎選手のバッティングの進化が目覚ましいと思いますので、白崎選手がショートのレギュラー争いの中心に立つくらいが丁度良いと考えています。

 個々のセグメント別の懸念は他にも色々ありますが、やはり重要な事はオペレーションですから、これが改善されない限りは、良くて4位、悪ければ6位に逆戻りも充分あり得るだろうと思います。4位でも6位でも僕がベイスターズファンであり続けるのは確かですが、僕の懸念がまるで外れて、10月頃には僕のこのブログエントリーが恥を晒すような展開になってくれる位であって欲しいものです。

 毎年のように新しいものに目移りする軽薄な野球よりも、毎年毎年の蓄積を味わう野球が、僕は見たいのです。

以上