ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

3年目の選手たち ~其の1~

 今日の1軍の試合で桑原将志選手がプロ入り初ホームランを打ちました。僕はテレビで見ていましたが、打った瞬間に入ったとわかる見事なものでした。第一打席では送りバントを決められずに気まずいスタートとなってしまいましたが、それはこのホームランで帳消しで良いでしょう。試合にも勝ちましたから、明日は梶谷選手と2人で早出バント練習に取り組んでくれればそれでファンも納得すると思います。

 それはともかく、今年は交流戦で乙坂選手がプロ入り初ホームランを放ったり飛雄馬選手がプロ入り初の1軍入りを果たしたり、3年目の選手の活躍が目につくようになったと思います。

 この選手たちが指名された時の2011年秋のドラフトはDeNAへの球団売却が進行途中で、球団としての取り組みが不充分な印象が否めませんでした。それで1位指名の藤岡投手をクジで外して以降、支配下登録で合計9人指名したうち飛雄馬選手以外8人で高校生を指名する形となりました。その時点での世の中的な評判は芳しくなかったと思いますし、「本当に必要なのは即戦力の社会人選手では?」という声も少なくありませんでした。僕自身も乙坂選手以外は厳しいと見ていたほどです。

 それがここに来て、だいぶ状況が変わってきました。まだまだ芽吹いたばかりではありますが、桑原選手のように活躍する事例も出てきました。それは非常に良いことだと思いますので、これを機に、この年にドラフト指名した支配下9人育成2人の現状を僕なりに書いてみたいと思います。

■ドラフト1位 北方悠誠

 藤岡選手と松本選手を続けざまにくじ引きで逃したベイスターズは佐賀の北方投手を指名しました。甲子園で活躍したピッチャーですからそれなりの期待はされたと思いますが、実戦デビューは1年目のイースタンも終盤に差し掛かった頃までずれ込み、ようやくリリーフで初登板した試合では最初のストライクを取るのに8球を要する大乱調ぶりでした。

 その後も制球難に苦しみ続けましたが、2年目は1イニング1個ペースの与四球がだんだん減ってきて、やがて先発も任されるようになり、閉幕後は台湾で行われたウインターリーグに参加して実力のある所を見せつけました。3年目は中畑監督に見初められて春のキャンプではセットアッパー候補とまで持ち上げられたものの、制球難は相変わらずで1軍昇格もならず、シーズン中はサイドスロー転向をしてみたり、また戻してみたりと迷走を続けました。

 2年目くらいまでは徐々に良くなってきている印象を持っていましたが、今春のキャンプで変な持ち上げられ方をしたのがかえって良くなかったのかもしれません。豪速球やマウンド度胸の良さ等非常に良い物を持っているのは確かですので、どなたか腕の立つコーチに見て頂けないものかと期待しております。

■ドラフト2位 高城俊人

 同期の間では一番の出世頭で、ルーキーの年から1軍の試合でマスクをかぶるなど首脳陣の期待の高さも伺えます。入団時に問題と見られた捕球から送球までの動きの悪さも大変良く改善され、守備面で残された課題はリードの勉強をいかに重ねていくかといった所です。黒羽根選手をはじめこれまで見てきた高卒捕手と比べると、短時間で随分レベルの高い所まで駆け上がったなという印象があります。

 彼は捕手ですから打撃は大目に見てもらうか、それともファームでじっくり打撃練習に時間を割くか、そのどちらかに腰を据えて育成して欲しい所ではないでしょうか。1軍の控えとして見て学ぶことも重要に違いありませんが、一番成長する時期なだけに控えでいる時間が長すぎて実戦感覚が失われてしまうのが恐い所です。

■ドラフト3位 渡邊雄貴

 入団当初はヒョロヒョロの身体で、これでプロとしてやっていけるのか心配になったものです。ただ、梶谷選手もつい数年前に食事面を改善するようになってようやくガッチリしてきたわけで、それを考えれば入団時にヒョロヒョロだから即ダメと判断してしまうのは早計です。そういった理由でルーキー年は主に体力づくりに重点が置かれ、試合の出場もそれほど多くはありませんでした。

 2年目は1年目と見違えるほど、一回りも二回りも胸板が厚くなってようやくプロらしい体つきとなり、試合にも頻繁に出させてもらえるようになりました。しかしまだ1年目の選手のようなプレーぶりで、始めは打球を外野に飛ばす事も厳しいといった日々が続きました。守備面でも課題が山のようにありました。それも徐々に慣れてくるようになると強い打球を打てるようになり、軽く振ったようなスイングでも遠くへ飛ばす事ができるようになりました。

 3年目は、打撃面で成長が著しく見えるようになりました。7月の楽天戦では好投していた美馬投手から一人気を吐く2打席連続アーチを放つなど、少しづつではあるものの大器の片鱗を見せるようになりました。守備の面では相変わらず課題が多いですが、打席での粘り強さは同期でも1番だと思いますし、そこにセンスの高さが見えますので、4年目となる来年あたりは1軍昇格を目指したい1人です。

■ドラフト4位 桑原将志

 1年目から抜群の野球センスを見せつけていたのが桑原選手です。以前にもブログエントリーにして書きましたが、とにかく足が速く、走塁センスも抜群で、守ってもすぐに1軍に上げても良いのではと思えるほどの完成度の高さでした。ポジションは内野でも外野でも、1年目の春からバンバン試合に起用されました。当時の山下監督いわく、桑原選手と乙坂選手の2人は体力があったからすぐに使うようにしたそうです。同期の野手で1番早く1軍昇格を果たしたのも頷ける話です。

 ただし2年目は伸び悩みました。元々のスタートラインが同期よりはるかに前の方にあったので成長の実感がしにくかったのもあったと思いますが、唯一の課題と言える打撃面でもそれほど進歩したとも感じられず、いまいちな1年でした。

 3年目は春のキャンプで1軍に呼ばれず開幕でも2軍スタートとなりましたが、夏前に打撃が好調になり、その勢いで1軍昇格して、その後はご覧の通りの活躍ぶりを見せています。一旦2軍落ちした後はセカンドでスタメン出場するようになりましたが、再び1軍に戻ってからは外野の守備をやっていて、首脳陣が彼をどこで使おうと考えているのか、本人にとってもそこが難しいところです。

以下後日に続く