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ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

中継ぎと抑え投手について

その他

 先日中畑監督の続投反対論というエントリーを書きました所、山口選手の先発転向を肯定的に捉えている人が思った以上に多かった事に少し驚き、そして考えました。

 日本のプロ野球界では昔から先発投手が投手の中で最も格上というか、偉い位置づけとされる事が多いと思います。昔と比べれば中継ぎや抑え投手への認識も高まってきたとは思いますが、それでもまだ「中継ぎ降格!」などと書くスポーツ新聞などが目につきますし、現役の指導者からそういった声が聞える事もあります。

 しかし、週に1回投げればいい先発投手と比べて、毎試合ブルペンに入って登板の支度をしなければならない中継ぎ抑え投手の方がはるかに過酷な労働条件です。だから日本の投手の多くは先発で使ってもらうことを目指します。週に1回投げるだけで最高の評価をしてもらうのと、毎試合ブルペンで支度して頑張っているのに先発の半分くらいしか給料をもらえない中継ぎ抑え投手で選ぶのであれば、個人的な感情としては先発を選ぶほうが良いに決まっています。

 ですから先発をやるか中継ぎ抑えをやるか、実力があってある程度自分で選べる立場にある投手の多くは先発を選びます。現に今季からベイスターズに加入した久保康友選手は前年まで所属した阪神で抑えで起用されていた事に不満を漏らし、そしてFA宣言しています。

 こういった具合に、選手の自主性にほとんどを委ねてしまった場合、優秀な選手ほど先発ばかりやりたがり、先発をやりたくてもやらせてもらえないような二流三流の実力の投手ばかりが中継ぎ抑えをやらされるようになるのです。

 果たして、中継ぎ抑えが二流三流の投手ばかりになっても良いというのでしょうか?

 先述した中畑監督の続投反対論というエントリーの中でも触れていますが、抑え投手を育成するのは実に難しい作業です。ルーキーで年間15勝以上あげるような先発投手は数年に1人くらいは現れるものですが、ルーキーで30セーブ以上あげた投手は過去に中日の与田選手ただ1人しかいません。過去の例から見てもわかるように、抑えはルーキーに務まるようなポジションではないのです。

 また、数年続けて二桁勝利をあげる投手はいつの時代もそこそこ現れるものですが、数年続けて抑えでまともな成績を残し続ける選手は滅多にいません。1年だけ頑張れても、2年目は全く別人のような不甲斐ないピッチングをするようになってしまう人が殆どなのです。

 だからこそ僕は、山口選手を先発に転向させてしまったことがチームにとってどれほど重いものかを力説したのです。

 中畑監督の続投反対論にいただいたコメントの中ではルーキーの三上投手が登場したからもう大丈夫だとする楽観論が数多く見られましたが、実際の所、このエントリーから1週間少々が経ってみて、今でもその考えが揺るがない人はどれほどいるでしょうか。

 これは去年のソーサ選手についても同じことが言えました。ソーサ選手が不調の山口選手に代わる抑え投手としてまずまず期待に応える働きをしてくれたので、これでしばらく抑えは安泰だと思った人も当時は少なくなかったと思います。

 しかし見ての通り、長続きしないのです。

 だからこそ、まがりなりにも4年間抑え投手として働いてくれた山口選手を大切にすべきだったと僕は振り返るのです。彼は精神面で弱い所があってそれがスランプの原因になったという声もありますが、そうであるならば彼だけのためにメンタルヘルスの専門家を招いて彼の心が安定するよう、過保護なくらいの対応をしても良かったのです。

 抑え投手に全知全能の神みたいなものを求める人も少なくないようですが、どんな有名な抑え投手でもスランプの時はあったはずです。佐々木選手にしても岩瀬選手にしてもそういう時期はあって、それぞれのやり方でスランプを克服してきたわけです。それを一時期のスランプで見切ってしまうだなんて、抑え投手の希少性を全く理解していない証左です。

 山口選手は先発投手として既にファンからそれなりの信頼を勝ち取り、先発投手の居心地の良さみたいなものを十二分に感じ取っている頃だろうと思います。ですから、今からまた抑えに戻ってくれとお願いしても、それは難しいだろうと思います。なにせ山口選手はそう遠くない時期に国内FAの権利を手に入れるはずです。そういう時期に無理な要求をすれば、かつての阪神の久保選手のように、FAを取ってすぐに他球団に出て行かれる恐れが高いと思います。

 したがって、ベイスターズは新たな抑え投手の擁立を真剣に考えなければなりません。

 抑え投手として手っ取り早く使われがちなのは外国人選手ですが、ベイスターズは外国人選手枠を目一杯使っており、追加を入れる余裕がありません。グリエル選手の契約を来季も取りにいくのであれば、バルディリス選手かブランコ選手かモスコーソ選手のいずれかを切らなければなりません。あっちが立てばこっちが立たずになる恐れがあります。

 では日本人選手はと言っても、今オフFA宣言の見通しのオリックス野投手を獲得するとか、もしくは既にベイスターズにいる選手の中から擁立する位しか手立てがありません。いまいち現実味に乏しい話です。三上選手がひと冬越して一丁前の抑え投手に進化してくれるのを願うしかありませんが、そうだとすれば、三上選手には抑え投手として一人前になってもらうための英才教育を今からでも施し始めておきたい所です。

 チームが強くなっていくプロセスにおいて、安定した抑え投手の存在は不可欠な要素です。今季最下位に沈んだヤクルトがつい数年前までCS争いの常連でいられたのも林昌勇選手の存在がとても大きかったはずです。いなくなった途端にあの落ちぶれようなのは林昌勇選手退団だけのせいではないでしょうが、カギとなったのは間違いありません。

 なんにせよ、今オフのベイスターズの最優先課題は来季の抑えをどう擁立するか。この一点に限られていると言っても過言ではありません。さもなければ、また再びセリーグの地べたを這う生活に逆戻りすることになるのは間違いありません。

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 それと並行して申し上げておきたいのが中継ぎ投手の育成と待遇の改善についてです。

 今季の開幕戦でブルペン入りしたリリーフ投手は、林、長田、山口、ソーサ、平田、三上、田中の7名ですが、このうちこれまでで一度も2軍落ちをしなかったのは三上選手ただ1人です。残りは故障や不調で2軍落ちを経験し、今でも2軍に残っている選手もいます。

 今季これまでで先発投手の完投数は9回ですので、したがって133試合中124試合はリリーフのお世話になっているわけで、ここが試合の行方を左右するのは間違いありませんが、その重要なポジションがこの不安定さでは来季の上位争いもままならないのではないでしょうか。

 そこで、どうしてこのような不安定な形となっているのかを検証し、来季までに解決策を示しておかなければなりません

。同じ過ちを繰り返すのは賢いことではないからです。

 僕の考えとしては、約1ヶ月おきに10日間のリフレッシュ期間を設けてはどうでしょうか。中継ぎ投手は毎試合肩を作って出番に備えているからこそ疲労が蓄積しやすいわけで、だからこそ全く肩を作らなくても良いリフレッシュ期間を設定し、その間は2軍にいてもらって疲労の長期間に渡る蓄積を防ぐのです。

 方法としては、必ず1軍に置いておきたい能力水準のリリーフ投手が5枠必要だとするならば、7人から8人をそのメンバーに選出して、その7人から8人でグルグル回していくのです。9/25時点でブルペン入りしているリリーフ投手が加賀、国吉、小林寛、田中、長田、林の6人ですが、このうち加賀国吉田中長田林の5人とファームにいる萬谷尚成大原の3人を加えた8人を中継ぎローテとして命ずるのです。この8人を中心に疲労を蓄積しないように10日おきにグルグル回し、その他ビハインド用の中継ぎを、やや実力の足らないローテ漏れ選手から1~2人選出して、これで総勢6~7人のフレッシュなブルペン陣を構築できるのではないでしょうか。(この顔触れはあくまで仮のものです)

 給料の査定も考慮しなければなりません。先発投手は二桁勝利を2年続けるくらいの実績でも億の年俸をもらえるのに、中継ぎ投手はどうあがいても億はもらえないのでは、それでは中継ぎをやめて先発に転向したくなるのが常です。ですから、中継ぎでも1億円プレイヤーを育てるべきです。

 そうやって名実ともに中継ぎの地位を向上させ、常に僅差の手堅い試合を作れるようにシステムを構築すべきではないでしょうか。

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 数日前に神奈川新聞にこういう記事が出ていました。

【フルマーク】解せぬ采配で逃げ切れず 14連戦突入へ/広島戦から

http://www.kanaloco.jp/article/77940

 僕もおおむね同意見です。中継ぎ投手の扱いがいかにも雑だと感じていました。これではせっかく今季好調だった林選手を壊してしまうと何度も思いましたし、同じことを大原選手にも思いました。痩せこけた大原選手が横須賀スタジアムブルペンから飛び出してくる度に、「本当はここにいてはいけないのに」と感じてきました。これではいけないと思います。

 彼らの優秀さは誰もが認めるところだと思いますので、なるべく長く活躍できるよう、もっと大切に起用してあげて欲しいと痛切に願っております。

以上