ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2019年6月10日 埼玉西武vs横浜DeNA (横須賀) の感想

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  皆様こんばんは、山梨県民になって1周年の僕です。最近のマイブームは甲州戦記サクライザーです。

 

 さて、今日は甲府盆地の天気予報が芳しくないとの事で、畑仕事を休んで今年二度目の横須賀スタジアムに行ってまいりました。

 僕は暑いのが苦手なので例年デーゲームの時期の出足が鈍るのですが、今日は気温が25度を下回るようなとても涼やかな1日でして、おかげで気分よく観戦する事が出来ました。

 

 それと、今年の夏から供用予定とされているベイスターズの新しい総合練習場「ドック オブ ベイスターズ ヨコスカ」の建設状況なども見てまいりました。

 

 

 

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 場所は横須賀スタジアムのすぐ隣の海側になります。かつて少年野球や草野球が行われていたグラウンドや、試合開催時に臨時駐車場として利用されていた土地を再活用するという流れです。

 

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 練習場からは八景島シーパラダイスも見える、そういう場所です。

 

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 この建設案内の掲示板を素直に読めばおよそ1ヶ月後の来月の25日には工事が完了すると解釈できますが。。。

 

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 見たところ室内練習場の屋根の工事は進捗率50%程度といった感じにも見えますし、中身の方もまだまだこれから手を付けるような状況のようでしたので、本当にあと1ヶ月で間に合うのか、やきもきさせられる感じでしょうか。

 

 ただし、新しく作るのだから当然といえば当然ですが、とてもキレイで随所に機能美を感じさせられました。

 

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 港北ニュータウンの一角のような、新興住宅地のような雰囲気と練習場が溶け込んで地域の方々にも愛してもらえるようなこの風景。

 

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 選手寮はオフィス街の真新しいビルのような佇まい。

 

 

 球団公式ホームページに載せてある完成予想図でこういうものが出来上がるというのは予め知っていましたけれども、しかし現物を目の当たりにしてみると、いやはや、ようやく「憧れのスターの居る場所」にふさわしい環境が出来つつあるという実感がこみ上げてくるのでした。

 

 

 川崎市多摩川沿いに社会人野球エネオスの練習場やクラブハウスが有りましてね、そこはとてもアマチュア球団のそれとは思えないくらいキレイで整っている場所で、その場所を車で通るたびに、ベイスターズやライオンズの貧相な練習環境が脳裏をよぎり「あれがプロか」、等と落胆していたのですけれども、これでいよいよ「スターを輩出する場所」らしくなってきたと、胸を張れるようになりました。

 

 

 完成する日を楽しみに待ちたいと思います。

 

 

 

               ■

 

 

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 さて、本日のスタメンはご覧の通り。ベイスターズは井納選手、ライオンズは榎田選手の三十路ピッチャー対決です。

 

 まずはベイスターズ井納選手、7回無失点で勝ち投手となりました。

 この数字だけを見れば非常に良い評価を下せそうなものですが、今日のライオンズ打線が一軍実績が殆ど無い選手ばかりで構成されている事と、序盤から強い打球のヒットを打たれている事に懸念を抱きました。

 バッテリーを組んだ山本選手は2年目とはいえ優先的に試合に起用されて能力もそれなりに身につき、ファームにありがちな「ピッチャーの足を引っ張る」キャッチャーではもはやありませんので、この結果は素直に井納選手の評価と見て良いと思います。

 

 フォアボールが一つもなかったのは好材料ですが、果たしていかがなものでしょうか。

 

 

 

 ライオンズの榎田選手は4回を投げて被安打10の4失点で敗戦投手となりました。

 榎田選手は昨年阪神から移籍していきなり1軍で11勝をマークした実力者ですが、今日はどうしたものでしょうか。

 だいたい130キロ台中盤のストレートと横の変化球で、たまに120キロ台のチェンジアップのような球を投げていましたが、いかんせん緩急の差が無さ過ぎて、ベイスターズ打線が思いっきりフルスイングして狙い打ってきましたし、それがこの結果へ繋がりました。

 ワンバウンドするくらい低いボールを投げても良かったとも思うのですが、そういう事もなく、ややボールも高めに浮きがちで、これではヒットを10本打たれるのもやむを得ないと思いました。

 

 バッテリーを組んだ相手がまだ経験不足の育成の若手選手でしたので、そのあたりを割り引いて評価する必要はあるかもしれませんね。

 

 

 

 次に野手について。

 

 梶谷選手が榎田選手から2安打をマークしました。左ピッチャーから2打数2安打したのは左バッターとしてポイントが高いと思いますが、榎田選手の後を受けて登板した速球派の平良選手(高卒2年目で一軍実績ゼロ)との対戦では2打数2三振で、まるで赤子の手をひねるか(ひねられる)のように、ものすごく不格好な2三振となりました。

 

 このへんのわかりやすさが昔からの梶谷選手の特徴なのですけれども、いくら打てないにしても、もう少しなんとかサマになるような凡退の仕方が出来ないものかと、プロ13年目を迎えようかという梶谷選手を前に、僕は思ったわけです。

 

 140キロ出ない榎田選手から150キロオーバーをバンバン投じてくる平良選手へのスイッチで合わせるのは大変だと思いますよ。しかし、しかしそれにしても少しくらい粘ってくれよと。高めの釣り球に簡単に引っかかって力ない空振りで三振に倒れ、次の打席もあまり変わり映えせずに三振とか、13年目っぽくないと僕は思います。

 

 せっかく誰しもがベイスターズの中心選手と認める存在に上り詰めたのだから、もうちょっとかっこいいところを見せて下さいよ、梶谷選手。

 

 

 

 それともう一人が飛雄馬選手です。飛雄馬選手は榎田選手から1本、平良選手から1本の計2安打をマークしました。同じ2安打でも梶谷選手よりだいぶ印象が違い、ポジティブな感想を持ちました。

 

 飛雄馬選手は速球派に強いというイメージを僕は勝手に思っているのですが、それを裏付けるかのように、今日のベイスターズ各バッターが手を焼いた平良選手の速球に唯一打ち負けなかった飛雄馬選手です。

 考えてみれば彼のプロ入り初ホームランも速球派のカープ一岡選手からでした。今日もベイスターズのどのバッターと比べても速球に振り遅れる事なくコンパクトに対処出来ていましたので、この長所をしっかりアピールして1軍昇格に繋げていってもらえればと思います。

 

 

 

 ライオンズの野手では昨秋にピッチャーから野手にコンバートされた川越選手です。

 

 彼がルーキーの年にこの横須賀スタジアムでピッチャーとしてマウンドに上がり、あの北方悠誠選手の初登板の時のインパクトをも軽く凌駕する凄まじい制球難ぶりを見せつけられたのをよく覚えているのですが、その彼が野手に転向していたと今日初めて気付きました。

 

 それで特に注意して打席を見守ったのでありますが、とにかくスイングが速いのです。そしてガンガンフルスイングするのです。その効果で打球の速さがえげつないにも程が有り、特に9回に打ったライトオーバーの2ベースは低い弾道で強烈なライナーがライトに向かい、ライトを守っていた梶谷選手は弾道が低かった事から最初は前に走るも慌てて踵を返してバックして間に合わずにバンザイする、という有様でした。

 

 まだ野手転向から間もないとあって非常に荒いのでありますが、しかしあのスイングスピードといい振り切れる力といい打球の速さといい、魅力の塊といって差し支えありません。柳田悠岐選手や吉田正尚選手のような系譜の選手で、道を誤らなければ相当な大器となりうると僕は思います。

 

 西武ライオンズは昔から右打ちのスラッガーは大勢輩出するものの、なぜか左打ちのスラッガーが出てこないという風土があります。

  秋山翔吾選手や源田選手のような巧打者タイプの左バッターはいて、森友哉選手のように入団時はスラッガータイプだったものの今年は打率で結果を出している選手もいて、明らかに西武が育てたと言える左のスラッガーバークレオ選手まで遡らなければ見つからないのでは?と思っていて、川越選手についてもそのあたりが今後どう響いていくか、それが懸念材料という感じでしょうか。

 

 

  次にリリーフについて。

 

 

 ベイスターズは8回が中後選手、9回砂田選手でサウスポーが1イニングづつ投げました。

 

 その中で中後選手ですが、3人をたった7球で片付けました。左のリリーフピッチャーはとにかく右バッターをどう対処するのかがカギとなるわけですが、全く問題にする事なく、ストライクゾーンの左右を上手に使い分けて抑えました。

 

 中後選手はルーキーの時にオープン戦で見ておりまして、当時まだ現役でベイスターズに復帰したばかりだった鶴岡一成選手(現一軍コーチ)が中後選手から空振り三振に倒れ、さらにひっくり返ってバッターボックスに尻もちをついたというシーンまではっきり記憶しています。

 タイプ的にも最初からリリーフをやるべくしてプロ入りしたような選手でしたし、その彼が右バッターをここまで見事に料理するんだから素晴らしいと当時感じていて、その姿がようやく蘇ってきたと、今日のピッチングを見て感じました。

 

 

 ライオンズは5回からマウンドに上がった高卒2年目の平良選手がそのまま最後まで4イニング投げて被安打2の無失点という、ほぼ完璧なリリーフをしました。

 

 彼は去年1試合だけ見ていまして、とにかく球が速く、そして見るからに球質の重そうな、バッターが詰まらされるとか差し込まれるといった感じのボールをバシバシ投げ込む将来有望なピッチャーでありました。

 当時感じた彼の課題はコントロールと決め球になるような変化球の精度といった所だったわけですが、コントロールはほとんど問題のない、見違えるような成長ぶりでした。今日の記録の上ではワイルドピッチが2つとありますが、いずれもキャッチャーの守備範囲内に低めに投げている球で、パスボールと記録されてもおかしくない位の軽度のものです。

 変化球は恐らくスライダーしか投げていなかったと思います。130キロ台中盤の横のスライダーを1割から2割くらい混ぜていて、この曲がりというかキレはなかなかのもので、右バッターは思わずのけぞっていましたし、きちんとストライクを狙って取れていましたので、充分戦力として機能するボールに仕上がっていました。

 

 今日4イニング投げさせた所を見ると、西武球団としては彼をなるべく長いイニングを投げる先発ピッチャーとして育成する方針なのかもしれません。

 だとすると使える変化球がスライダーだけでは全く足りませんが、リリーフで長くても2イニング程度を任せる程度であれば、僕はもう1軍で試しても良い時期に来ているのではと感じました。

 高卒2年目ですからリリーフで試合数をたくさん投げさせてしまうような起用法をするのは、まだ身体の骨格が完全に出来上がっていない時期でしょうからあんまりこのましい事とも言えませんし、なかなか判断の難しい所ですが、しかし2年目を迎えてすこぶる順調に成長しているのがわかって、僕も非常に嬉しく思いました。

 

 

 

            ■

 

 

 

 というわけで今季3試合目を見てきました。

 

 僕自身は最近すこぶる燃費の良い車に買い替えたおかげでより一層気軽に横須賀に行ける環境になりましたので、あとはナイターゲームの割合が増えて、時間の都合がつきやすくなったら、もうちょっと球場に行く回数を増やしたいと考えている、今日この頃です。

 

 

 

埼玉西武0-4横浜DeNA

勝:井納

負:榎田

本塁打:中川(僕の推定飛距離115メートル)

観客数:確か621人

 

 

 

以上

2019年5月18日 日本ハムvs横浜DeNA (大和) の感想

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 47都道府県で唯一、地元出身の現役プロ野球選手が1人もいない野球不毛の地山梨県から、実に久しぶりに野球の試合を見に行ってきました。

 

 今日のプレイボールは14時でありまして、近年のベイスターズファームの盛況ぶりだとか一軍の試合がナイターで行われる事なども鑑みて12時半には現地入りする計画で、だいたいその通りに到着できたのですが、既に球場の入場券購入の行列が1000人くらいは居るだろう長大なものとなっていて、本当に驚かされました。

 

 昨年の6月までは横浜市内の駅から徒歩3分もしない場所に住んでいましたのでベイスターズの帽子をかぶったりレプリカユニフォームを着たりする人を自宅近くで目の当たりにする事も多々ありました。

 当時はそれでベイスターズの人気がいかほどのものなのか肌で感じていたわけですが、今は山梨県の桃畑の中にぽつんとある一軒家でのどかに過ごしているものですから、このおびただしい人数のベイスターズファンの人々の中に放り込まれた自分は、ただただ圧倒されておりました。

 

 地方から上京してきた人が渋谷のスクランブル交差点を見て仰天するエピソードは毎春あちこちで聞かれるわけですけれども、本当にこんな感じなんだろうなと思いました。

 

 

 1年足らずで早くも浦島太郎の気分を味わっていると言いましょうか。

 

 ますます人気が高まっているようで何よりだと思います。

 

 

 

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 今日のスタメンと試合結果はご覧の通りです。井納選手と斎藤佑樹選手という、本当はファームで投げている場合ではない両名のマッチアップです。ファイターズにはもうひとり大スター清宮幸太郎選手の名前もありますね。

 

 

 まずはベイスターズ先発井納選手の感想ですが、立ち上がりに変化球の制球が定まらずにホームベース手前の地面に叩きつけてしまうような投球もあったくらいで、唯一ストライクを取れたストレートを皆さんに狙い打たれてしまったように見えました。

 先頭の岸里選手には低めの伸びのあるストレートでポンポンと2ストライクを先行出来て「おっ!これは良い井納さん」だと思ったものの、変化球が怪しく、2番打者の姫野選手が放ったほとんどファーストゴロみたいな一二塁間の打球をファーストの飛雄馬選手が目測を誤ったのか打球に追いつけずにヒットにしてしまい、そこからあれよあれよという間の3失点でした。

 2回3回は立ち直って一軍ピッチャーらしくなんとか抑えていたものの、4回に再び渋いゴロの打球でヒットになってしまったりしているうちに、またしてもあれよあれよという間で3失点してしまいました。

 

 極端な内野の守備シフトが裏目に出たりした場面もありましたし、一軍レベルの内野の守備力が備わっていれば6失点→3失点程度に収まっていたのではないかと思いました。

 

 ただ、守備の問題はあったにしても、井納選手自慢のストレートがファイターズのパワーあるバッターに軽々と運ばれたりもしておりまして、状態も決して良くはないんだろうと思いますね。

 

 

 

 ファイターズ先発のハンカチ王子こと斎藤佑樹選手は5回2失点で勝ち投手です。

 

 今日のベイスターズのバッターたちはどんな球でもダボハゼのように食らいついてバットを振り回しておりまして、斎藤選手はそれをうまくつかって緩いボールになる変化球を高低に散らして簡単に空振りを奪っていきました。

 ある程度一軍実績のある梶谷選手や関根選手はそのへんを見透かしてストレート系のボールがコースに来たのを見逃さずにフルスイングしてホームランにしていまして、ストレートで相手を押し込むような球の力は、あんまり無かったんだろうと伺われました。

 今日は相手が甘かったのでこの程度で済みましたが、手強い一軍のバッターを相手にどれだけやれるのか、少々疑問な感じはありました。

 

 

 

 次に野手について。

 

 

 今日特に見てみたいと思っていたのがルーキーの伊藤選手です。パワーがすごいとか、いち早く一軍で見てみたいという声なんかも耳にしていましたので、今日実際に注目してみたわけですが、選球眼が芳しくないのか、高めのボールになる緩い変化球を無理やり上から叩きつけるように振って空振り、とか、内野ゴロ、とか、あんまり良い場面を見られませんでした。

 僕は今日もいつものようにバックネット裏から見ておりまして、つまり普通のテレビ中継のセンターカメラから見るのとは全く逆の角度から彼のフォームを見ていたという事ですが、体格と言いフォームと言い中日の平田良介選手みたいだなと感じました。

 長打力が自慢なのであまり小さくまとまらないで欲しいと思いつつ、もうちょっと落ち着いて打席に入り投球をじっくり見られるようになると良いなと思いました。

 

 

 5番スタメンの飛雄馬選手にも触れておきたいと思います。色々あった2011年ドラフト組で数少ない生き残りとなった彼ですが、おそらく今から夏くらいまでが、彼のプロ野球生活にとって最も重要な時期となるんだろうと思います。

 その重要な時期を迎えた選手をこれまで何百人も見てきましたが、残れる人と残れない人の違いがどういった所に現れるのかと言えば、ゲームで声を出せているか、明るい表情でゲームに臨めているか、そんな単純な所に凝縮して見えてくると考えます。

 明るく前向きな気持ちでゲームに臨めなければ良いプレーなんかできっこ無いわけでして、そこが今日の飛雄馬選手に全く見られず、残念に感じました。

 野球だから打てる日もあれば打てない日もありますけど、前向きで明るい気持ちを失っては、絶対に成長なんて出来ないですから、かつての入団間もなかった頃の元気と図々しさを取り戻して欲しいと、それを思いました。

 

 

 ファイターズの野手ではまずなんといっても清宮選手です。

 

 最近のファイターズはホームランバッターの素質あふれる選手が揃いつつある現状ですが、その中にあっても清宮選手の打球の鋭さは抜きん出たものがあります。

 とにかく打球が速く、ミスショットで内野に高く打ち上げてしまったフライも高く高く上がってなかなか落ちてきませんでした。ライトポール際にはスタンド奥の防球ネットをも超えてしまうのではないかという特大のホームラン性のファウルも打ちました。

 最初の打席はタイミングを外されながらもおっつけるようにレフト前ヒットを打ったのですが、その打球でさえ痛烈なライナーで内野の頭を超え、まるで右バッターが引っ張って真芯で捉えた打球のような鋭さがありました。

 DHでの出場でしたので怪我の状態が守備につけるような状況まで改善しているのかどうかわかりませんでしたが、打つことに関して言えばもう一軍で十分戦力としてプレーできる状態にあるのではないでしょうか。

 

 

 次にリリーフについて。

 

 今日の大和スタジアムはスピードガンの表示がほとんど機能せずたまにしか見られなかったのですが、なぜかルーキーの斎藤選手が登場した時は表示される頻度が高まって、最速で148キロくらいの速球を投げました。2イニング目に向かう前のマウンドでの投球練習でも146キロが出ていて、仕上がってくれば150キロを超すような球を投げられるのではと期待を持たせました。

 ただ、球は速いしコントロールもまずまずまとまっているものの、どうもバッターに芯で捉えられた強い打球を飛ばされる事が多かったようにも感じました。決め球になるような変化球もこれといった感じが無く、それが今後の課題になるのかなと思いました。

 

 その後に投げた2投手も全般的にコントロールが悪かったような気がしました。

 

 

 ファイターズのリリーフでは昨年の甲子園優勝投手柿木選手が登板しました。

 1イニング目2イニング目はコントロールも良く打たせて取るピッチングで、そして何よりピッチャー強襲の痛烈なゴロを2度受けて2度とも非常に反応良く俊敏に裁きました。

 通常あのような痛烈なピッチャー強襲の打球を受けるとピッチャーはグラブで身を護るなり受け止めるので精一杯でマウンド前に弾く場面が少なくないわけですが、柿木選手はあの一瞬のごくごく僅かな時間の中で最適な角度でグラブを出して捕球したわけでして、これは相当な鍛錬の賜物ではないかと感銘を受けました。

 普通はセンター前ヒットになるような打球を止めるだけでも立派なのに、捕球してピッチャーゴロにしたりゲッツーに出来るのですから、これは自身の投球成績にも非常に大きなプラスになるのは間違いありません。

 残念ながら3イニング目になって明らかに電池切れになって球速が落ちたりコントロールが乱れたりして降板する事となりましたけれども、技術面の練度が相当高いだけに一軍の戦力になるのもそう遠くないのではと思いました。

 

 

               ■

 

 

 残念ながら試合には敗れてしまいましたけれども、それぞれに良いものを見せてもらえましたので、山梨から足を運んだだけの甲斐がありました。

 

 前回からだい月日が経ってしまいましたが、これからナイター開催が増えてくれば見に行ける試合も増えますので、楽しみにしたいと思います。

 

 

 

本日の観客数:3624名

 

 

 

 

以上

【教育リーグ】2019年3月10日 東北楽天vs横浜DeNA (横須賀) の感想

 

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 皆様あけましておめでとうございます。

 

 プロ野球の試合が無い季節はほとんど野球の事を忘れて冬眠しておりましたが、今季初の聖地横須賀スタジアムの試合だぞ!とばかりにムクッと起き上がり、見てまいりました。

 山梨県の我が家から横須賀スタジアムまでたった1時間50分の短い道のりです。吉岡里帆さんも余裕のよっちゃんだと言うに違いありません。

 

 さて、皆様もよくご承知の通り、ベイスターズの総合練習場は今年からこの横須賀スタジアムのある追浜公園の敷地内に移設される運びとなっております。

 当初は今春から開業の予定でしたが、諸々の事情によって建設工事が遅延し、開業が今夏へ延期となりました。その工事の様子も軽く見てきましたが、果たして、本当に今夏中に間に合うのか?怪しいぞ?と、そんな事を感じました。

 

 選手寮となるであろう建物はその外観を確認できましたが、室内練習場となるはずの建物やその他練習グラウンドなど、姿形も無かったような気がします。

 そのうち再延期のお知らせ等が出てくるかもしれませんですね。

 

 

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 それと、湘南シーレックスの時代からスカスタ民のお腹を満たしてきたCoCo壱番屋のスカスタ併設店舗は、今年からこのキッチンカーに変更となった模様です。特にサービス内容に変わりは無さそうですが、今後も末永くお世話になりたいと思っております。

 

 今日の横須賀スタジアムにはもう一つ昨年と違う点があって、昨年まであった小さなグッズショップが無くなってしまいました。

 

 僕は毎年最初の試合にそこで野球名鑑を買って新しい選手やコーチの顔触れを確認しておりましたので、今日は買うことが出来ず、よって野球名鑑無しの試合観戦を強いられました。

 楽天のベンチ前に楽天のユニフォームに身を包んだ「投げる金剛力士像」こと石井貴さんの姿があって、早速野球名鑑で確かめたかったのに、いちいちスマホでヤフープロ野球の無味乾燥な監督コーチ一覧を見るくらいしか出来ませんでした。

 

 このIT時代においても、野球名鑑だけは紙の本が至高だと僕は言いたいと思います。

 

 

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 本日のスタメンはご覧の通りです。ベイスターズは中堅ベテランが中心で、対する楽天は一軍実績がほとんど無いメンバーで構成してきました。

 

 「教育リーグ」というからには若手主体のメンバーで試合をするイメージを抱いてしまいますが、実際にはスロースタートが認められているような中堅ベテランの選手が出てくる事が昔から少なくありません。

 昔は3月1日には関東に戻ってきてベイスターズ球場大田スタジアムで凍えるような寒さの中で教育リーグのスタートが切られて、巨人戦でイ・スンヨプ選手や清水隆行選手や小坂誠選手がスタメンで登場したり、楽天戦で山崎武司選手がスタメン出場したりする、それが春季教育リーグというものでした。

 

 秋の教育リーグは本当に若手が主体ですから、そこは大きく違う部分です。

 

 

  ベイスターズの先発は32歳のベテラン格となった井納選手です。

 井納選手も教育リーグに出てくることが前から多かったのでよく覚えていますが、この人は例年仕上がりが早く、一軍の開幕までまだ半月以上ある時期に150キロをビシビシ投げて「今年は20勝するで!」と期待させてくれたものでしたが、今日の井納選手はそうでもなく、球速は140キロ台中盤がMAXで、ストレートよりは変化球がメインの配球。そしてコントロールもバラバラで毎回のようにフォアボールを出してしまいました。

 

 彼の場合は春先から絶好調で150キロをビシビシ投げたからと言って必ずしも一軍の公式戦の成績と直結しているわけではありませんので今日の内容がイマイチでもそんなにヤキモキする必要はないかもしれませんが、果たして、今年の井納選手はどのような結果を残してくれるものでしょうか。

 

 

  楽天の先発ピッチャーは一昨年のドラフト一位近藤選手です。体格だけ見るといかにも本格派という雰囲気のする選手ですが、今日の球速は140キロ台中盤で、ストレートも変化球もコントロールに苦しみました。

 今日は気温も暖かく風もほとんどありませんでしたのでコンディション的には恵まれていたんじゃないかと思いますが、初めてのシーズンオフを越して、思うような調整が出来なかったでしょうか。

 

 

 次に野手について。

 

 今日の試合は3-4×で最後に山下幸輝選手のサヨナラタイムリーでベイスターズの勝利となりました。チーム安打数は7で、桑原、石川、山下、乙坂、大河、山本、狩野各選手が1本づつでありました。ですので、バッティングで特に目立ったと呼べる選手はいませんでした。

 

 今日は相手ピッチャーがコントロールに苦しみ、その分甘い球も何度も来たのですが、どのバッターも「よしきた!」と力んで高く上がるフライを打ってしまう場面が目立ちました。

 

 甘い球をうまく打てたのは山本選手のレフトフェンス直撃のツーベースでしたが、あれでフェンスを越せないのはちょっとノーパワーだなと感じました。

 山本選手は今季2年目ですから昨年と比べてまずはフィジカル面の進歩が欲しい所ですが、あんまり大きくなっているという感じはありませんでした。

 あまり急にウェイトを上げると骨や筋を痛めてしまいやすいので、年単位で徐々に上げていく事が必要で、ですからその分の上積みを期待したのですが、まだちょっと細いですね。

 昨年も一軍でいきなりホームランを打ったように、バッティングでの度胸の良さ(躊躇わずにフルスイング出来る)を引き続き感じますので、長所を伸ばして頑張ってもらいたいですね。

 

 

 先日から2軍で調整している桑原選手はライト線にポトリと落ちる、半分運で打ったようなタイムリーで1安打です。

 桑原選手は以前からスロースターターですからこの時期に調子が上がらない事に特に何の感慨もありませんが、一つ非常に気になるのは、とにかく1日中表情が暗かったという事です。

 今日の試合は桑原選手とドラフト同期入団の選手が乙坂選手、飛雄馬選手、西森選手と一堂に会する珍しい状況(復帰の古村選手のみ一軍)となったわけですが、この中で桑原選手とともに入団時から元気の良さがウリだった飛雄馬選手が途中出場で打席に立って近めのボールを見送る度に謎のうめき声を上げて観客の笑いを誘ったのに対し、桑原選手の暗さは、まさに明暗を分けるという感じがしたものでした。

 

 神里選手にレギュラーの座を奪われかかっている立場という事で、それだけ崖っぷちなんだというのはわかるのですけれども、しかし暗い顔をして野球をする事で成果に結びつくというものでは決して無く、むしろ初心に帰ってガンガン声を出して明るい表情でプレーする事を心がけて欲しいと、僕は感じました。

 

 

 楽天打線も散発の6安打で特に目立って活躍したと言える選手はいませんでした。

 

 西巻選手はルーキーだった去年は春から1軍のオープン戦に出て当時の梨田監督から相当な期待をかけられているのが伝わってきました。

 当時は小柄で顔つきも高校生そのものでしたので、まるで高校生がプロのオープン戦に混じっているような場違いな雰囲気みたいなものがありましたが、1年経った今季は身体つきも少しプロらしくなって、打球にも力強さが伴ってきました。まだ若いのに右方向に打つのが上手く、同じ右打ちの渡辺直人選手のようだと感じました。

 渡辺直人選手はプロ入りが遅かった上にトレードでキャリアを遠回りさせられた感じがあって、もしも渡辺直人選手がトレードに出されずに楽天でプレーし続けたらどうなっていたかを、この西巻選手に投影出来る感じがして非常に楽しみですね。

 

 

 

 次にリリーフについて。

 

 ベイスターズは先発の井納選手が4回まで。5回から藤岡選手、6回平田選手、7回と8回を熊原選手、9回赤間選手という継投です。

 

 その中では僕が昨年期待していた熊原選手について。少しピッチングフォームを変え、課題のコントロール改善に取り組んでいます。入団時は神主投法などと呼ばれていましたが、今年のフォームはかなり大人しい、普通のフォームになりました。

 7回は楽天打線が初球から打ちに来たおかげであっさり内野ゴロ3本で終わるも、8回はデッドボールとフォアボールを1つづつ出してランナーを背負いました。デッドボールは岩見選手が少しも避ける素振りを見せない、少しずるい感じもありました。

 球速は140キロ台中盤で熊原選手本来の能力から比べれば少し物足りませんでした。2イニングで内野ゴロ5個という内容は決して悪いものでは無いですが、いずれもパワー自慢というタイプのバッターではなかったものですから、まだ評価するのは時期尚早という感じも致しました。

 

 しかし、球速が140キロ台中盤の右投げでオーソドックスな投球フォームという個性の似たり寄ったりなリリーフピッチャーがだいぶ揃ってきまして、チームは一体何をしたいのか、よくわからなくなってきましたね。

 

 

 楽天の先発近藤選手は5回まで。6回から西宮選手、7回則本弟選手、8回木村選手、9回小野選手がそれぞれ1イニングづつ投げました。

 

 最後の小野選手が山下幸輝選手にサヨナラタイムリーを打たれて敗戦投手となりましたが、今日投げた両チームのピッチャーの中で一番球速が速く150キロ出ておりました。

 際どいフォアボールで出したランナーを味方の守備ミスで得点圏に進め、最後に極端な前進守備のせいで普通ならイージーな外野フライが外野の頭を超えて運悪く負け投手になってしまったという流れで、内容的には今日出てきたピッチャーの中で一番良かったんじゃないかとさえ僕は感じました。

 基本的に150キロ前後のストレートでビシビシ押すピッチングでバッターは皆振り遅れていましたし、飛雄馬選手のフォアボールについても、飛雄馬選手が速球についていけなかった事による怪我の功名みたいな感じもしましたし、非常に楽しみなリリーフピッチャーではないでしょうか。

 

 

              ■

 

 

 という具合に今季初観戦を終えました。

 

 毎年の事ではありますが、僕はシーズンオフの間の野球熱が冷温停止状態みたいな感じになりまして、感覚的に「僕は本当に野球ファンなのか?」と自分に疑問を持つレベルになるのですけれども、それでもこうやって春を迎えて球場に足を運ぶと、やっぱり自分は野球が大好きなんだなと改めて感じたり、という風に目を覚ましております。

 

 山梨県民になってしまったので以前のように年間30試合を超える頻度で球場に向かうのは厳しい状況ですけれども、あんまり無理をしないようにコツコツとこのブログを続けていこうと思います。

 

 今年もよろしくお願い致します。

 

 

東北楽天3-4×横浜DeNA

勝:赤間

敗:小野

観客数:1181名

 

 

以上

 

 

僕が選ぶ 2018年ベイスターズ五大ニュース

 

 早いもので、もう今年も残す所数時間となりました。

 

 40年も生きておりますと、もはや年越しなんかどうでもよく、ただカレンダーの刷新作業に取り掛かるタイミングというくらいの感慨しかありません。ソバも食いませんし紅白も見ません。見たかった孤独のグルメの特番は山梨県では放送されません。チーン。

 

 

 というわけで、ストロングゼロでも飲みながら、今年のベイスターズの五大ニュースなどを考えていきたいと思います。

 

 

5位 村田修一選手を獲得せず

 

 誰もが「どこか獲るだろう」と信じて疑わなかったBCリーグ栃木の村田修一選手がNPB復帰の願い叶わず現役引退を表明した事は、いまだに悔やまれてなりません。

 

 特に古巣のベイスターズが手を挙げなかった事が大きかったと思います。

 

 ベイスターズは今年約270回の代打を送っていますから、1試合平均で約2回の代打を出したことになります。

 それでいて、戦力外から獲得して代打要員を務めた中川大志選手の代打率が.200、同様に戦力外から入団の田中浩康選手が代打率.188と、期待に応えたとは評し難い数字に終わっています。

 

 であるからこそ単純に戦力として村田選手の存在が必要だったと言えると思いますし、そういう判断を出来なかったベイスターズのフロントに失望感を禁じえませんでした。

 

 

 4位 予想外の戦力外通告

 

 10月1日から始まる戦力外通告は毎年の出来事でありながら、しかし毎年のように我が身が切り捨てられるかのような辛い感情に打ちひしがれて、そしてそれはいつになっても慣れる事がありません。

 

 そんな中で今年、また例によって10月初旬に戦力外通告を受けた選手の顔ぶれを眺めたわけですが、とりわけ意外に感じたのが、支配下の荒波選手、そして育成の網谷選手と山本武白志選手、この3名でしょうか。

 そしてまた意外なこと続きで、この3名はいずれもすぐに移籍先が見つかるだろうと思っていたのが、一番可能性の高そうな荒波選手の行き先が決まらず、網谷選手は社会人野球のヤマハ野球部、そして山本武白志選手に至っては引退表明と、いつにも増して厳しい情勢となりました。

 

 近年のNPBは一部の例外球団を除けば和製大砲の育成を半ば諦めてしまったような傾向もあって、それが網谷選手や山本武白志選手の厳しい状況に繋がったというのが僕の見立てで、荒波選手について言えば、足の故障が懸念されたという感じでしょうか。

 

 いずれにせよ、本当に無念という他ありません。

 

 

 

3位 京山選手、チーム先発陣で2位となる6勝をマーク

 

 今永選手や濱口選手や東選手のように入団初年度から先発ローテで二桁前後勝つピッチャーもありがたいものですが、ただ、「自前で育てた!」と素直に喜んで良いものか、複雑な気持ちがありました。

 それはあたかも、完成した状態で納品されたタミヤのラジコンを手に「俺が組み立てたんだぜ!」とドヤ顔するかのような、いまいち座り心地の悪さみたいなものが僕にはあったのです。

 

 ですから、入団二年目で、正真正銘の「自前で育てた!」と胸を張れる存在たる京山選手が開幕から無傷の3連勝を達成した時には、いよいよこの時が来たんだと、本当に嬉しく思ったのです。

 それで4勝目を賭けて臨んだ横浜スタジアムのデーゲームで、よりによって負け慣れている事で知られる僕がスタンドで見守っていたがためにボッコボコに打たれて初敗北を喫した時には、これはひとえに僕のせいに違いないとの横浜地裁の判断に基づき山梨への流刑を言い渡されたのも、致し方のない事でありました(※)。

 

※ 京山選手は僕が見に行ったファームの開幕戦でもボッコボコに打たれている

 

 来季入団2年目を迎える阪口選手もラミレス監督の覚えもめでたく来季の1軍入りは確実とも言える情勢のようですし、いよいよ先発ピッチャーも自前で育てちゃうベイスターズの時代がやってきたなぁと、感慨深く感じている所です。

 

 

2位 V逸

 

 常識的なベイスターズファン諸兄ならば「CSに出られなかった」くらいの強度で書くべき案件だろうと思いますが、そうは言っても昨年の11月に日本シリーズで2勝して3勝目もあと僅かという所まで上り詰めた我らがベイスターズですから、いまさらCS云々なんていう低い目標でグラついてはなりません。「V逸」という二文字で語られるべき時、それが今なのです。

 

 昨年はおおむね安定していた先発投手陣が揃って大不振に陥ったりロペス選手が故障で離脱する時期が長かったりと計算外の出来事があったのも確かですが、ただまぁ、4位に終わった原因の大部分はラミレス監督のご乱心だっただろうと、最終的な3位とのゲーム差を見て、改めてそう思いました。

 

 シーズンが終わるのと同時に監督とコーチ陣の間で不協和音があった等と大々的に報じられて監督自ら謝罪したり協調路線が表明されたり、そして不協和音を解消するのにもってこいな感じのする三浦大輔さんのコーチ就任の報があったりして、同じ過ちを繰り返す事はどうやら無さそうだぞという感じもありますので、来季こそはリーグ優勝から堂々と日本一を勝ち取って欲しいものだと、僕は頭を切り替えております。

 

 

 

1位 高城選手の放出

 

 僕が今年最も衝撃を受けた事態は、CSに出られなかった事でもなければBCリーグ静岡の設立がボツになった事でもなく、彼こそが将来のベイスターズを背負って立つ男だと密かに思っていた高城選手をオリックスに放出された件、なのであります。

 

 特に高城選手を贔屓にしていたわけでは無いのです。ただ、「扇の要」たるキャッチャーという重要ポジションを高卒1年目から1軍で務めてきてそれなりの経験を積んできましたし、守備力も申し分ありませんし、明るいキャラクターがまさにベイスターズの明るい未来を予感させるから、だから高城選手こそがベイスターズのど真ん中で、背負って立つのだと、そのように密かに考えてきたのです。

 

 今回のトレードでキャッチャー陣の年齢バランスがかなり偏ってしまったのも気掛かりです。

 

 この前のドラフトで指名した高卒ルーキー1名を含めて現時点で総勢6名しかおらず、そのうち4名が30歳前後(西森、戸柱、伊藤、嶺井)で、残る2名が20歳前後と、極端過ぎやしないでしょうか。もしも高城選手を残していたらこの中間にうまい具合にはまってバランスが保たれていましたし、リーグ最少の6名体制というのも不安でなりません。

 

 出された高城選手は結局オリックスの1軍では1試合も出場する事ができませんでしたから、オリックスがどうしても彼を欲しかったという印象は持てません。だからなおのこと、不満が募るのです。

 

 過ぎたことをグチグチ言うなと言われればそれまでですが、シーズンを終えた今尚、僕には解せないトレードだったと申し上げたいと思います。

 

 

              ■

 

 

 4位に終わった今シーズンで一つ収穫があったとするならば、ファンの間で「CSに出られなくて悔しい」という気持ちが共有されつつある、という所でしょうか。

 

 ほんの数年前までのベイスターズファンの間では「最下位でも楽しければ良いじゃん」のような事を言う人が結構多くいらっしゃって僕はそれが非常に不満に感じていたのですが、この3年間の間でファンが勝つ喜びを学び、負ける悔しさを学んだという事が証明されたのが今シーズンだったと言えるのではないでしょうか。

 

 いくらチームが頑張ってもファンが緩いとチームは強くならないんだと、僕は川崎から千葉に出ていった某球団を見て実感をしております。

 

 ですから来季以降は、程よい厳しさを胸に、ベイスターズの躍進を支えていこうではありませんかという事で、締めくくりたいと思います。

 

 

 今年も一年ご愛顧いただきありがとうございました。

 

 来年も宜しくお願い申し上げます!

 

 

 

以上

 

 

 

今シーズン限りでベイスターズを去る選手たちへ

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 ドラフト会議で指名された選手のお披露目が行われたり、FA宣言した選手の獲得競争が行われたりと華々しいニュースが色々と報じられる一方で、今後の身の振り方を考えなければならない、まさに切実な時を過ごしている選手もおります。

 

 プロ野球は厳しい世界だとは何度も聞かされて頭では理解しているつもりですけれども、いざ現実を目の当たりにしてみると、全くわかっていない自分がおりまして、何十年もプロ野球ファンをやっているのに、本当にこの問題だけはいつまでも越えられない、大きな暗闇のようなものだと、改めて噛み締めています。

 

 

 今シーズン限りでベイスターズを去る選手たちへ、これまでの感謝の気持ちを込めて、自分なりの感想を書き綴ってみたいと思います。

 

 

■須田幸太選手

 

 つまらない綺麗事を言うのは好きでは無いので率直な意見を書きますが、今年はファームで見ていて、非常に厳しいなと感じていました。それなりに球速の出るピッチャーだったのが140キロを少し超える程度しか出なくなり、球速の衰えをカバーするような大胆なモデルチェンジをする気配もなく、もどかしさを覚えたものでした。

 しかしながらベイスターズの中でもとりわけファンの多い選手でもあって、その大勢のファンの人達が心から納得出来る締めくくり方は無いものだろうかというのが、今シーズン終盤以降の僕の須田選手への見方でした。

 

 ベイスターズに入団してから数年の須田選手は社会人野球出身かつドラフト1位という立場と比べるといささか物足らない成績で、ファンからの評価も辛辣なものがもっぱらだったと思います。

 ですから、中畑政権最終年でようやく真価を発揮出来るようになった時は、これまでの努力が実って良かったなぁと本当に喜ばしく思ったものでしたが、その後が本当にあっけなく、それはあたかもセミの一生のようであったと、儚さを思わずにはいられません。

 

 喋り方を見ていると頭の良さが伺えますし、先発でもリリーフでも、そして長いファーム暮らしでも様々な事を学んできていますので、来年は1年位どこかの独立リーグチームにでも入って最後の完全燃焼をして、その上で指導者として再びベイスターズのユニフォームに袖を通す日が来たら、と願っております。

 

 お疲れ様でした。

 

 

■福地元春選手

 

 豪速球が武器のサウスポーで入団初年度はリリーフとして1軍で13試合に登板した実績を持ちますが、課題の制球難を気にするあまりどんどん球速が落ちていって、酷い頃は130キロ出るかどうかという時期もありました。

 

 制球難のピッチャーにとって重要な事は、経験豊富でキャッチングのうまいベテランキャッチャーだと僕は考えています。

 来年からコーチとしてベイスターズに復帰する鶴岡一成さんが現役時代に三嶋一輝選手や藤浪晋太郎選手から大変慕われていたように、実績十分なベテランキャッチャーにドンと構えてもらってリラックスして投げることで積み重ねる成功体験が、制球難のピッチャーにとても重要なのではないかと考えているのです。

 

 そういった意味において、福地選手は入ったチームが悪かったとでも言うしかありません。なにより入団初年度の頃はキャッチャー陣が揃ってキャッチングをボロカスに酷評される有様でしたので、どうしたって腕が縮こまってしまう環境下にあったと言えると思います。

 

 今でも忘れられないのが、昨年佐野選手がキャッチャーに挑戦した頃に、なぜか妙に福地選手と佐野選手の相性が良く、それまで140キロそこそこだった球速が150キロ近くまで戻ってきた事でした。

 これなら行けると思いました。今ならエスコバー選手がいますが、左投げで常時150キロを出せるリリーフピッチャーなどそうそういるものではありませんので、これで感覚を取り戻しさえすれば、必ずやベイスターズに無くてはならない存在になれると、当時は思ったものでした。

 

 トライアウトには参加したものの、今の所獲得に名乗りを上げるチームは出てきていないようです。左ピッチャーはどのチームも欲しがるものですから戦力外になってもどこかで再起を図る事例が少なくないのですが、福地選手を取ろうと考えるチームは今後出てこないものでしょうか。

 

 僕はまだNPBでやれるピッチャーだと思っていますので、お疲れ様は言いません。

 

 

 

■野川拓斗選手

 

 ベイスターズでは一軍でも二軍でもリリーフを任されてきたサウスポーです。

 

 なにかにつけてアニメの話題が持ち上がるほど有名なアニメ好きの選手ですが、僕はアニメのことがわからないので野球のことだけ書きますけれども、やはり自分ならではの特徴を出しきれなかったと言いましょうか。

 飛び抜けて速いボールを投げたという感じではありませんでしたが、コントロールはまずまず悪くなく、ファームの試合ではいつもそれなりの結果でまとめてくるという印象があります。

 

 しかしながら皆様御存知のようにベイスターズは他球団では類を見ないほどサウスポーが充実していて、リリーフだけでも砂田選手やエスコバー選手や田中健二朗選手がいて、さらに今季途中から石田選手がリリーフに転向したり中後選手が加入してきたりで、左のリリーフ特有の「一軍で試してみるか」的なトライアルさえ得られなかったという不憫さもあったように思います。

 

 一軍でそれなりに通用するためには一軍で投げて失敗して「自分に何が必要なのか」を肌身で知る事が重要だと思います。その為の機会が2年目以降全く無かったのも気の毒でした。

 

 トライアウトに出ず、今後の希望に関する報道も無いようですが、どこかのチームに獲得して貰えればそれが一番良いと考えています。

 

 

 

■亀井塔生選手

 

 高卒の育成選手としてベイスターズに入団したキャッチャーで、初年度からファームで試合にも多数出場していて当初から守備面の完成度が相当高かったのを記憶しています。

 

 高卒で入団してくる選手というのは一部の例外を除けばだいたい細身で、まだまだ時間をかけて体を大きくしていかなければいけないねという感想を持つもので、だから高卒の選手は大方4~5年は戦力外にならずに球団に残り続ける相場みたいなものになっているわけですが、亀井選手について言えば、何年経っても体が細いままで、それが僕は不満で仕方ありませんでした。

 

 近年のベイスターズは高卒のキャッチャーをあまり獲っておらず、それゆえ比較して語るのは高城選手くらいまでさかのぼってみなければなりませんが、高城選手は初年度から高卒1年目としては体の作りがしっかりしている方でしたけれども、そこからさらに年を追うごとに逞しくなっていったものでしたし、亀井選手と同期の百瀬選手も二遊間を守る選手としてあまり大きくなり過ぎてはいけないけれども、必要十分な成長を果たしていましたので、亀井選手の細さは目立って仕方ありませんでした。

 

 とにかく肩が強くてキャッチングも巧みで、そういった面だけで言えば高卒ルーキーの頃から一軍の選手と伍していけるだけの実力者でしたから、こういう結果で終わった事が本当に残念で仕方ありません。

 

 野球を引退して別の道に進むそうですけれども、良き人生を送ってくれるようお祈り申し上げます。お疲れ様でした。

 

 

田中浩康選手

 

 2016年の秋にヤクルトを戦力外となってベイスターズに移籍して、そこから2年プレーされました。

 

 田中選手のように他球団から移ってきたベテラン選手の評価は、単純に成績だけを見て考えて良い部分と、その数年後になってジワジワと効いてくる部分があって、この時点で軽々に口に出来ないと思います。

 そういう選手がチームに良い影響をもたらしたと我々ファンが知るのは、来シーズンになってからベイスターズの現役選手がマスコミの取材に対して「○○選手に教わった事が今に活きている」みたいなコメントを発するタイミングなのであって、今オフにベイスターズ復帰が決まった古村選手が富山サンダーバーズで同僚となった元巨人日ハムの乾選手から受けた影響云々みたいな話が、来年になってぽつぽつと出てくるようになって来るのを願いたい、という感じでしょうか。

 

 一時代を築いた田中浩康選手が最後の一仕事の場所としてベイスターズを選んでくれたことに感謝をし、良き指導者人生を歩んでくれることをお祈りしたいと思います。お疲れ様でした。

 

 

 

■網谷圭将選手

 

 高卒から育成選手として3年間ベイスターズでプレーしました。初年度の春のキャンプでは豪打を連発して勇名を馳せ、高卒の育成選手としては異例の一軍オープン戦帯同もありましたが、その期間中に大怪我をする不運もありました。

 

 最初からあれだけ大騒ぎされた選手ですから早々に支配下登録される可能性だってあるだろうと考えたベイスターズファンも少なくなかったと思いますが、あれから3年間、もがき苦しみ続けるだけで終わってしまい、育成契約の延長すら叶いませんでした。

 

 その原因は、ベイスターズファームの打撃コーチ陣の力不足に他ならないと僕は考えています。

 

 野球ファンの中には「コーチなんて誰がやっても同じ」と考えている人も結構な数がいるらしいですが、指導者が変わるだけで一気に成績を伸ばす選手が毎年あちらこちらに現れている以上、やはりそれは現実を見ていないと言わざるを得ません。

 いくら野球選手が個人事業主だからとはいっても、高校出たての18歳19歳にまともな指導もせずに結果を残せなどというのが土台無茶で、今オフで戦力外通告を受けた20代の野手3人は、その点がとても不幸だったと僕は感じています。

 

 トライアウトに出ず、その後の報道も全く出てこないのが大変不安なのですが、育成契約でも良いのでどこかのチームに入ってくれと、それしか考えられません。

 

 

■山本武白志選手

 

 お父様が元ロッテ監督の山本功児さんだという肩書ばかり先行してしまいますが、本人の実力も高校時代にホームランを量産していたのもあってドラフト会議の時は支配下ドラフトで指名されるのが当たり前のように見られていた大物選手でもありました。

 

 子供の頃から親子鷹で頑張ってきたものの、そのお父様を病気で早くに亡くしました。そういったストーリー性もあったからこそ頑張ってほしいという側面ももちろん否定できませんが、僕は入団時からの抜群の体格の良さと、そして往年の清原和博さんのようなクセの無い流れるようなしなやかなバッティングフォームがすこぶる良く見えて、きっと大活躍できるに違いないと、他の選手よりも多少贔屓目に見てきた部分があります。

 

 しかしながら、ファームにおいてもあまりに出場機会が少な過ぎました。公式戦の打席数は2016年103打席、2017年60打席、2018年110打席です。大怪我をして戦線離脱したわけでもないのにこれでは少な過ぎます。

 同期の青柳選手が2016年370打席 2017年204打席 2018年171打席、網谷選手が2016年38打席 2017年351打席 2018年138打席ですから、山本武白志選手だけかなり少ないのが見て取れます。

 実力がなかったから出られなかったのかと言えば、同程度か、上回っている場合もあって、実力主義でこの結果になったともみなせません。だからなおさら不満が強いのです。

 

 きっと現役を続けるだろうと僕は考えています。育成契約でも良いので、必ずどこかのチームに入って、その抜群のバッティングセンスを花開かせて欲しいと願っています。

 

 

 

■荒波翔選手

 

 かつてはベイスターズのレギュラーとして2年連続でゴールデングラブ賞を獲得した実力者が32歳の若さで戦力外になるというのも意外な事でしたが、戦力外にも色々あって、「うちのチームではポジションがないけど他のチームならレギュラーを取れるだろうから」という球団の配慮で戦力外にするというパターンも稀にあります。今回の荒波選手の戦力外はそういった事例であろう、と僕は考えていました。

 

 そして「戦力外の選手を他の球団が獲得できるのはトライアウトが終了してから」というルールに基づき、トライアウト終了後にヨーイドンでどこかのチームと契約するだろうと、それが既定路線だと思い込んで事態の進捗を眺めておりましたので、今の今までどこのチームに決まったとも、「○○球団が獲得を検討」という報道すらも無い現状を、どう受け止めれば良いのか、言葉に詰まっています。

 

 確かに近年の荒波選手の成績は奮いませんでした。2016年のラミレス監督初年度の当初の構想は荒波選手がレギュラーで桑原選手が控えに回るもので、実際開幕戦からスタメンで起用されましたが、1ヶ月と少々結果が出ず、チーム全体も打撃不振でこれ以上我慢して起用し続けてもらうわけにもいかずにスタメンから外され、さらには二軍落ち。そこからはレギュラーから程遠い生活を続ける事となりました。

 

 ただでは、荒波選手が1軍で起用されるにふさわしくない状況だったかといえばそうでもなく、不安定な起用かつスコアラー不在ゆえに数字を残しにくいファームでありながらも着実に数字を残し続けていましたし、一時期と比べれば格段に故障が減ってコンスタントに試合に出続けられる体質にもなったと思います。

 

 肩と足に定評があって試合に出続ければコンスタントに2割後半の打率を残せるというのはそうそう無い事ですから、来シーズンは必ずやどこかNPBのユニフォームを着て開幕一軍の地位にあるものと信じて疑いません。

 

 

 ■白根尚貴選手

 

 島根のジャイアンとして高校時代から人気選手として高い注目度を誇っていましたが、選手層が分厚すぎるソフトバンクで日の目を見ず、自らソフトバンクの育成再契約を蹴ってまで移籍してきたベイスターズでは1軍挑戦の機会をほとんど与えられないまま、ついにこの時を迎えてしまいました。

 

 白根選手はファームでも打率2割5分から2割6分くらいでホームランを量産したわけでも無いので、数字だけを見るとなかなかどう評価して良いのか難しい面もあるわけですが、本人の調子が良くファームの月間MVPを獲得していたような時期ですら一軍に上げてもらえず、結局2年間トータルで17打席しか1軍出場が無かったというのは、ただただ運がありませんでした。

 

 元々の才能の高さはプロも認めるほどなわけで、ちょっとしかキッカケで大躍進を果たすためにも、またどこかでプレーを続けられればと願っております。

 

 

 

                  ■

 

 

 今年の戦力外選手の獲得状況は例年と比べて少しスローペースな印象があります。トライアウトの後に秋季キャンプに呼んで入団テストをするような事例も増えてきているようですが、とにもかくにも、現役続行を希望する選手たちが一人でも多く、NPB球団のユニフォームに袖を通せるよう、願っております。

 

 また、来季以降ベイスターズ選手でなくなっても、これまでベイスターズの選手であった事を誇りに持ち、胸を張って良い人生を送ってくれるよう、心より、深く深くお祈り申し上げます。

 

 

 

以上

 

 

 

人はなぜ、野次るのか

 

 かつてのまだ親会社がTBSだった頃のベイスターズには、栗原治久さんとケチャップさんという二人の専属スタジアムDJがおられまして、主に栗原さんが一軍を、ケチャップさんが二軍(湘南シーレックス)の主催試合を担当されていました。

 時々、栗原さんの都合がつかない時はケチャップさんが一軍の試合を受け持つ場合もありました。

 

 栗原さんは元々FMヨコハマでDJをされている方でしたのでいかにもFMらしい洗練されたトークをするのに対し、ケチャップさんはお笑い畑出身で、オーソドックスなスタジアムDJぶりを発揮する事もありましたけれども、特に二軍の試合においては従来のスタジアムDJとは一線を画すような、観戦マナーの向上に非常に力を入れる側面も持ち合わせておりました。

 

 球場内で走り回る子供達に優しく注意し、球場最前列のフェンスに張り付いて観客席の視界の妨げになっている人に注意し、汚い野次を飛ばすファンの元に足を運んで懸命に説得を続ける、非常に特異なスタジアムDJ、それがケチャップさんだったと記憶しています。

 

                ■

 

 ケチャップさんがスタジアムDJを務めていた頃といえば、ベイスターズ暗黒時代の真っ只中にありました。ファンも選手もフラストレーションが最高潮に達しようかという時期ともなると、いやが上にもファンの野次、罵声が目に見えて増えるようになっていきます。

 

 それは一軍の横浜スタジアムのみならず、二軍の横須賀スタジアムにおいても同様の傾向を呈するようになっていきます。

 

 そこでケチャップさんは、汚い野次や罵声を飛ばすファンのもとに直接足を運び、一人ひとり真剣に向き合って、野次を止めるように、前向きな言葉で声援を送るように説得を続けるようになりました。

 

 汚い野次を飛ばすようなファンというのは往々にしてバックネット裏などの選手と近い位置に陣取る傾向が強いようで、したがってその声は選手の耳にダイレクトに届きます。ケチャップさんはその声の主の元を訪れて説得を続けました。

 素直に従う人もいれば、「俺は金を払ってきてるんだ!野次を飛ばして何が悪い!」と反発して、ケチャップさんの面前でさらに汚い野次を立て続けに繰り返すような強情な人もいましたが、ケチャップさんは努めて冷静に、時間をかけて丁寧に説得を続けました。

 

 

 たぶんですけれども、ケチャップさんが雇い主の球団から課せられた任務にそこまでの仕事は含められていなかったのではないかと推察します。

 さわやかな、しかし時に熱いトークで球場を盛り上げてくれればそれでいい的な事ではなかったかと思うのです。

 

 それに、マイクを通して球場全体に幅広く注意喚起するのとは違い、野次を飛ばす本人の元に足を運んで膝詰めで説得をするというのは、並大抵の負担では無いと思います。面倒くさいというか、気後れするというか、大変骨の折れる仕事ですけれども、それを自分に課されたミッションでもないのに担っていくというのは、なかなか出来ることではありません。

 

 

 ただ、そのおかげで横須賀スタジアムは平和に保たれておりました。確かに暗黒時代ではあるけれども、横須賀スタジアムには未来がありましたし、前向きに選手たちを応援する機運に満ち溢れていました。

 

 あの頃の横須賀スタジアムは素晴らしかったと今でも思いますし、ですから僕は今でもケチャップさんに感謝の気持ちを持ち続けています。

 

 

              ■

 

 

 僕は神奈川県川崎市の南部で育ちましたので、球場観戦のイロハのほぼすべてを、当時川崎球場を本拠地としていたロッテオリオンズの試合で学んだと言っても過言ではありません。

 

 昭和末期から平成初頭にかけての川崎球場といえば、特にお客さんが少なくて「観客席でファンがキャッチボールしている」とか「カップルが人目をはばからずにイチャイチャしている」とか「観客席でファンが流しソーメンをしている」などといった牧歌的な文脈で語られる事が多いと思うのですが、実際にはそういうのはほんの一部に過ぎず、だいたいの場所では非常に殺伐としていて、とにかくマナーが酷かったの一言に尽きると言えます。

 

 ロッテが負ければグラウンドにゴミを投げ込むのが当たり前。監督に向かって「有藤氏ね!」と野次るのも当たり前。酷いと試合のインプレー中に相手選手めがけて瓶を投げ込む輩まで現れ、金田監督自ら外野スタンド近くに来てファンに注意を促すような事件まで起きました。

 

 川崎球場がそういう場所であるというのは善良な川崎市の大人の人達は当然知っていましたので、ですから僕が川崎球場に行くのを自分の親は決して良い顔をしませんでしたし、大人に引率してもらった事もありませんでした。

 東京ドームや横浜スタジアム西武球場には大人に連れて行ってもらうけれども、川崎球場は子供たち同士で自転車かバスに乗って行く場所であり続けました。

 

 

 僕はそんな環境に身を置いておりましたので、周りの見ず知らずの大人達と一緒になって「有藤氏ね!」と野次っていましたし、試合後にはそこらへんに落ちているゴミを見境なくグラウンドに投げ入れては面白がっておりました。

 

 本当に、今思い出すと本当に恥ずかしく、穴があったら入りたいと真剣に思うくらいの黒歴史なのですけれども、負の歴史もまた後世に語り継ぐ必要があると思いますので、自戒を込めて書き残します。

 

 

               ■

 

 

 で、そういう過去を振り替えって改めて考えてみるわけですが、果たして汚い野次を飛ばす事に一体どのような意味や効果があったのかと言えば、プラスの効果など全く無かったと断言できると思いますし、マイナスの効果は語りきれないほど、山のようにあったと、これも断言できると思います。

 

 我々川崎市民がありとあらゆる汚い野次を飛ばし、ゴミを投げつけ、また冷淡な態度を取り続けた結果として起きた事は、ロッテの千葉移転でありました。

 

 野次ったりゴミを投げたりしつつも年に何十回も足を運ぶ憩いの場を、我々は失ってしまったのです。

 

 出ていかれて当然だったでしょう。当時のロッテ経営陣の判断は賢明であったと、今では理解できます。

 むしろ、あれだけ酷い扱いを受けてもなおその場に留まり続けるという方が理解できない事でありましょう。

 

 移転するだけに留まらず「オリオンズ」の名前さえ捨てられましたので、それくらい忌々しい過去だったのだろうと思いますけれども、それも致し方ないと、今では理解しております。

 

 ツンデレでは通用しないのであります。

 

 

               ■

 

sportiva.shueisha.co.jp

 この記事を読みました。

 

 森大輔選手は三菱ふそう野球部から自由獲得枠でベイスターズに入団した期待の星でありました。

 

 特に三菱ふそう野球部の練習場は僕の地元の川崎の平間という街にあり非常に親しみやすいチームですし、同じ年のドラフトでロッテの1位指名を受けた内竜也選手も平間の高校にいた生徒さんでしたので、この狭い、そしてこの名前からして取り柄のない地味な街から二人もドラフト1位が出たという事で鮮明に記憶しています。

 

 そして、ファームも含めて一度として登板機会を見ることもなく、なぜか選手なのに中国留学したという記憶だけを残してチームを去っていったわけですが、その背景にはこんな事があったのかと、あれから十数年経った今になり、色々と複雑な思いを持つに至りました。

 

 辛かったんだろうなと思います。

 

 野球少年だった僕みたいな人間にとってはプロのユニフォームに袖を通しているだけで雲の上の人物であるし、何かまるで別の生物とか、身分の違いみたいな感じさえしてしまうのですけれども、そんな人物でさえ、恐らく軽い気持ちで放ったであろう観客の野次の一つをその後十数年先まで気に病み続けているんですよ。

 

「本当は右投げなんじゃねぇの!」

 

  これを言った本人は、たぶんもう覚えていないんじゃないかと思いますよ。だけれども、言われた当人は十数年経った今でも覚えているんです。もちろん悪い意味で。

 

 こんなに重いことは無いと思います。

 

 

 僕も、言った本人が軽い気持ちで放った一言で傷ついた経験があります。もう10年は経ってるだろう一言を今でもふわっと思い出すことがあります。

 言った本人は軽い気持ちで言ってるんですよ。悪気はないんですよ。でも、言った本人に悪気があろうがなかろうが、言われた側からすれば関係無いんです。

 

 

 森大輔さんは、この記事から察するに、まだ相当引きずっているように感じられます。だから取材に対して涙をながすのでしょう。

 

 

                ■

 

 悪気は無いとか、軽い気持ちとか、いい年した大人がして良い言い訳では無いですよね。

 

 そんな事を、この森大輔さんの記事を読んで、改めて感じました。

 

 もちろんそれは自分自身が一番注意しなければいけない事ですから、あえてこうして文責みたいな意味あいをこめて、このように書き残しておこうと思います。

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

ベイスターズの何がダメだったのか 2018秋

 

 

 開幕前は優勝を信じて疑わずにおりましたし、開幕からずっと不調でセリーグの下位を彷徨っている間も「なんだかんだ3位に滑り込んでCSに出るだろう」くらいの気持ちを持ち続けていたのですが、残念ながら久しぶりのBクラス転落と相成りました。

 

 ほんの数年前までAクラスどころか5位に上がるので精一杯だった我々ベイスターズファンからしてみれば、4位という順位を不満に思えるというのはある種の成長とも言えるのかもしれませんが、ただやはり、まだ4位という順位を前向きに捉えるには時間が短か過ぎます。

 

 まだまだ破裂しそうな何かが脳みその大部分を占めておりますので、破裂しないようにガス抜きをする目的で今日のブログエントリーをしたためたいと思います。

 

 

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 今季のベイスターズは最後の2試合までCS出場の可能性が残るギリギリの戦いを続けてきたわけですが、ただ、内容的にはお世辞にも「上位争い」をしているような感じではなく、言い方は悪いかもしれませんが、他球団がそれぞれ自滅していく中で消去法的にこの地位を争わせて頂いているというような、勝ち取ったのではなく、タナボタで頂いた順位だという感想を持ちました。

 

 チームの力量とか戦いぶりに関して言えばラミレス監督体制になって3年間で最も弱かったと言って良く、勝率も過去3年間のワーストである.475(2016年.493 2017年.529)に留まっております。

 

 ですから、ラミレス監督が最終戦後に「責任を取る」と表明した際には辞任も有りうると、僕は感じ取りました。

 

 

 僕個人の考えとしては今季の反省を活かして来季もラミレス体制続行をというのがありましたが、仮に辞任するとなったとしても、それはそれで受け入れる覚悟もあった、とでも言いましょうか。

 

 それくらい、今年のラミレス監督はダメだったと、僕は感じています。

 

 

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 今年のベイスターズのダメさ加減を象徴する箇所として言及したいのが、打順や守備位置やピッチャーの投げる順番などなど、とにかくコロコロと変え過ぎたという事です。

 

 

 僕は思うに、日本人は環境の変化に脆いという特性というか弱点を持ち合わせております。

 

 

 例えば、筒香選手は打順が3番と4番で1つ違うだけで成績がずいぶん変わってしまい、3番ではダメだから4番に戻したという経緯が昨年ありました。それにも関わらず再び今季開幕を3番でスタートさせて、やっぱりダメで4番に戻しました。

 それがどういうわけかシーズン最終盤に1番を打たせてみたりして、やはり満足のいく結果は得られませんでした。

 

 

 宮崎選手はサードのレギュラーに定着してから急に首位打者を獲得しました。セカンドやらサードやら時にはファーストやらとたらい回していた頃は打率.250~.280でしたから、守備位置をサードに固定させて「サードの練習」「バッティングの練習」に集中させた効果が抜群に現れたと言えます。

 

 

 倉本選手は今季はセカンドにコンバートしたと言っていたのが、ある時はショートに戻してみたり、またある時はサードを守らせてみたりもしましたし、打順も毎日のように変わりました。その結果として、1軍定着以降ではワーストの成績に終わりました。一昨年打率.294だった選手が.232になってしまったのですから、これはチームとしても大きな損失に違いありません。

 

 

 レギュラー選手のスターティングオーダーが毎日不動だと見ている方としては飽きが来ますし、不振の選手がいつも通り起用され続けるのを見るのはとてもストレスが溜まるものですけれども、ただし、強いチームというのはほとんどオーダーが固定されているものです。

 若干、1つか2つくらいのポジションでレギュラー争いが繰り広げられて顔触れが変わる事はあるかもしれませんが、主砲が4番を打ったり1番を打ったりコロコロ変わる事は無いわけです。

 

 それは前例を踏襲せよと言いたいのでは無くて、それが先人たちの知恵なのであると言いたいわけです。

 

 日本人は環境の変化に脆い。だから打順や守備位置を変える時は慎重に慎重を期さなければならない。慎重さを欠いたならば、まず間違いなく失敗に終わるというのが先人たちの知恵なのではないでしょうか。

 

 

 かつてベイスターズでは鈴木尚典さんが2番を打たされたり4番を打たされたりした影響で調子を崩したり、内川聖一さんが故障の村田修一さんに代わって4番を任されたら急に打てなくなったりという経験を経てきておりますので、二度とこのような猫の目オーダーは止めるべきだと申し上げたいと思います。

 

 

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 今シーズンのベイスターズは先発投手陣が大崩壊し、それがチームに大きな重しとなりました。

 

主だった選手の勝ち星の推移は以下の通り

 

石田健大 2017年6勝 2018年3勝 (-3勝)

今永昇太 2017年11勝 2018年4勝 (-7勝)

濱口遥大 2017年10勝 2018年4勝 (-6勝)

ウィーランド 2017年10勝 2018年4勝 (-6勝)

(敬称略 背番号順)

 

 リリーフとしてスタートした井納選手を除いて考えてみましても、散々な結果に終わりました。

 

 

 ではなんでこんな結果に終わったのか?という事を僕なりに考えてみたわけですが、このうちウィーランド選手を除く3選手については完投、もしくはなるべく長いイニングを投げる事を主眼に置いて開幕を迎えたのではなかろうか?そしてそれが力の入れ具合に作用して、立ち上がりからよく打たれるようになってしまったのでは?と、僕なりに推測しております。

 

 この3選手は昨年、降板後のインタビューでよく「ブルペンに迷惑をかけた」という類のコメントを発する事が多かったように思います。

 

 2017年は6回7回で降板してしまいリリーフピッチャーを多くつぎ込む展開の試合が多くなった反省から、2018年は完投できる回数を増やすとか、毎試合7回8回まで投げきれるようにする事を主眼に置き、スタミナをセーブするかのような、そういうピッチングをしてしまったのでは無いでしょうか。

 そしてそれが今季のような結果に終わった要因になったのではないでしょうか。

 

 

 ピッチャーの完投能力というのは、半分くらいは先天的なものじゃなかろうかと僕は考えています。

 

 元ベイスターズの山口俊選手はリリーフから先発に戻った2015年、シーズン途中から先発に戻ったにも関わらずその年だけで3完投(うち完封2)という離れ業をやってのけましたけれども、それはただ彼の身体能力がそうなっていたから急に先発に戻っても完投しまくれたという事ですし、巨人の菅野智之選手が今季8完封を達成したのも、やはり持って生まれた身体能力に起因する部分が大きいのではないでしょうか。

 

 ですから、スタミナとか完投能力といった部分で取り立てて秀でた能力を持っているわけではないピッチャーが「ブルペンに迷惑をかけまい」として急に長いイニングを投げようとするのは土台無茶があって、迷惑をかけないようにするつもりが、かえって砂田選手に70試合投げさせる事へと繋がってしまったのではないでしょうか。

 

 

 来季は、せいぜい「1試合の平均投球数を10球増やす」くらいの目標設定を置いて、初回からのピッチングが疎かにならないように初心に立ち返って頑張って欲しいとしか言いようがありません。

 

 

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  昨年の今頃はルーキーの細川選手がいきなり2試合連続ホームランを放って我々を喜ばせてくれたものでしたが、今季は残念ながら、これといった野手の新戦力は現れずじまいだったという感じがします。

 

 ルーキーの神里選手はデッドボールで故障離脱するまで素晴らしい活躍をしていましたが、2軍で力をつけて1軍の選手を脅かし始めた野手というのは、ファーム中心に見ている僕からしても、名前を挙げるのが難しいという感想です。

 

 野手の育成が停滞しているのであります。

 

 今季もリーグ優勝を果たした広島カープは充実一途のレギュラー陣に加えて今季は野間選手や西川選手といった新興勢力まで台頭し始めておりますので、このままでは追い上げるどころか差が広がる一方だという危機感を募らせております。

 

 

 だからこそベイスターズは育成に力を入れるべく、コーチの人選を真剣に悔い改めるべきだと申し上げたいと思います。

 

 

suguru0220.hatenablog.com

 

 これは去年の11月に決まったファームの組閣に関する僕の見解です。

 

 記事中にもありますように、ファームの打撃コーチとバッテリーコーチの人選に懸念を申し上げておりまして、それがおおむね不安的中と言いたいのであります。

 

 

www.sponichi.co.jp

 そういった意味においては名伯楽として名高い田代富雄さんをベイスターズに呼び戻すなど、球団もコーチ陣の人選をこれまでと違う方向性に持っていこうとしている雰囲気を感じますので、田代さんに次ぐ第二弾第三弾のビッグネームの招聘をお願いしたい所だと思います。

 

 

 

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www.daily.co.jp

 

 今年のベイスターズの何がおかしかったのか。

 

 監督と首脳陣の軋轢など諸問題がいち早く明るみに出て、そしてその対応策として、恐らくチームの輪を取り戻すにはうってつけの人選であろう三浦大輔さんのコーチ就任の報などもありまして、来年はなんとかなりそうだという感じがしつつあります。

 

 

 なるべく早く来季のコーチ人事をまとめ上げて、来年のセ界制覇に向けてチーム一丸となってもらいたいものだと、本日の愚痴ブログを締めくくりたいと思います。

 

 

以上