ベイスターズを二軍中心に見守るブログ 本店

毎年20~30試合ほどベイスターズ二軍の試合に足を運ぶ我慢強い男のブログ。野球関連の問題提起や将来へ向けた改革提案等も

2018年3月25日 横浜DeNAvs日本ハム (鎌ヶ谷) の感想

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 21日の春分の日横須賀スタジアムで行われる予定だった今季最初の本拠地公式戦が雪で中止になりましたので、先日の浦安のロッテ戦に続いて、千葉県まで公式戦を見に行ってまいりました。

 思ったよりも到着が遅くなって鎌ヶ谷スタジアムの客用駐車場が満車のため入庫出来ず、やむを得ず東武野田線鎌ヶ谷駅近くのコインパーキングに車を停めて、そこからタクシーで球場入りしました。

 そのせいで試合開始に間に合わず、観客席に入った時には既に2回表が終了し、ベイスターズが2-0でリードしている状況でした。

 

 鎌ヶ谷スタジアムの周辺にはコインパーキングが一切無いので、これに懲りて、今後はもっと早く行こうと肝に銘じましたね。

 

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 両チームの先発メンバーはご覧の通り。ベイスターズは高卒ルーキーの阪口選手、日本ハムはご存知ハンカチ王子こと斎藤佑樹選手の両先発です。

 

 

 まずはベイスターズ阪口選手。初めて見るのですが、球速が140キロを超えるストレートが8割方を占める実に若々しい配球で、たまに110キロ台のカーブと120キロ台のチェンジアップのような球を織り交ぜるピッチングです。ものすごくストライク先行でズバズバと、それを5回まで続けて、6回になってスタミナが切れたのか球速が140キロを切るようになって、そこから変化球の割合を増やして、6回終了で降板となりました。

 失点は1で被安打とフォアボールがいずれも2と、高卒ルーキーの3月の内容としてはすこぶる良いと、非常に嬉しくなりました。近年のベイスターズは飯塚選手綾部選手京山選手と毎年のように高卒で右投げの先発型ピッチャーを獲得してきましたが、入団1年目の3月の時点でここまで完成度の高い選手は、間違いなく初めてではないかと思います。

 まずなにより、6回までで球数が86で収まっているというのが良いです。つまり無駄なボールをあんまり投げていません。しっかりストライクゾーンで勝負できていて、それでいて5回まで常時140キロ以上の球速で相手打線を抑え込めているのですから、技術的にはDeNAになって以降では最高の高卒ピッチャーと呼んでも差し支えがありません。

 課題はスタミナ面です。これはもう年齢的にやむを得ませんが、まだまだ体力不足で、その影響が6回に出てきました。球数が少ない中で6回で疲れが見え始めていますので、まずは体作りをしっかりやらなければなりません。

 あとは、今日見た限りでは横に曲がる変化球が無いのかな?という気がしました。僕が見れていなかっただけかもしれませんが、もし本当に持っていないなら、今後学んだほうが良いと思います。

 

 いずれにせよ、鎌ヶ谷まで行った甲斐がありました。

 

 

 日本ハム斎藤佑樹選手は5回を投げて3失点で敗戦投手となりました。僕が覚えている限りにおいて球速が140キロを超えた事がなく、今まで見た中では明らかに球が遅かったと感じました。

 あとは、これは非常に気になったのですが、投げた後の体勢が崩れていて、強めのピッチャーゴロはほとんど捕球出来ずにセンター前へ抜けるか、セカンド・ショート任せになりました。あんなにフィールディングの悪い選手では無かったと思いますから、怪我でもしているのか、それともピッチングで頭が一杯になってしまっていたのか。理由はわかりませんが、気になりました。

 ヒットもホームランも打たれていますし、首脳陣へのアピールどころでは無かったと思いますね。

 

 

 次に野手陣について。

 

 

 まず個々の選手の感想に触れる前に書きたいことがあって、今日は皆さん何時になく盗塁を仕掛けまくっていました。

 関根選手のような俊足型のみならず、狩野選手や細川選手も果敢に盗塁を仕掛けました。日本ハムのスタメンキャッチャーがあまり強肩とはいえないベテラン市川選手だったのでベンチから指示が出たのかもしれませんが、思惑は的中し、キャッチャーが郡選手に替わった後も含めて全て成功いたしました。

 あくまで盗塁をしているだけで、それ以外の基本的な走塁面がいつもと比べて果敢だったというわけではありませんので、キャッチャーの顔ぶれを見て決めただけかもしれません。

 

 

 野手ではファーストスタメンの網谷選手が2打席連続でホームランを打ちました。1本目は斎藤佑樹選手から、2本目は替わった浦野選手から、いずれも左中間のスタンド後方にある防球ネットに突き刺さる、目の醒めるような素晴らしい弾道の特大ホームランでした。

 昨年と比べて身体つきが大きくウエイトアップしたという感じは無く、フォームも特に変わった印象はありませんが、とにかく迷いのない思い切りの良いスイングで、今年こそ支配下登録を勝ち取るぞという意識を感じさせてくれました。

 同じ右のスラッガーとして注目される細川選手と比べると幾分バッティングに柔らかさがあって打率もそれなりに残せそうなのが網谷選手の特徴ですので、この勢いで打ちまくって支配下登録をゲットしていただきたいものです。

 

 

 かつてベイスターズのキャプテンの座に君臨していた石川選手が3番指名打者で出場して、あいにくノーヒットで2打席終了後に途中交代となりました。

 今年の石川選手は特にどこかを痛めていたという話を聞かない割に、ずいぶんと仕上がりが遅く、まだピッチャーと対戦していてもタイミングを取るのに苦労しているような、とても1軍に呼んでもらえるような状態では無いという印象を、前回の浦安のロッテ戦の時と同じく感じさせられました。

 僕は石川選手には代打の切り札になって欲しいと思っています。1軍では2年目の佐野選手やルーキーの楠本選手が代打要員として考えられているようですが、シーズン通して期待できる代打の切り札というのはそれなりに場数を踏んだベテラン級でなければならないというのが僕の持論で、ですから石川選手にもうひと踏ん張りして欲しいのになと、非常に残念に感じています。

 確か一昨年くらいに山下幸選手が代打の切り札として活躍した時期がありましたが、長続きさせられずに、彼は今ファームを主戦場としています。若手でも彼のように代打の切り札として一瞬の輝きを放つ事はあるけれども、シーズン通してとなると、下園さんやゴメス選手のように、ある程度のキャリアが必要なのだと思うのです。

 ですから、石川選手には、こういう所でモゴモゴしていないで、ファームのピッチャーなんか相手じゃないんだと見せつけてもらいたいと、残念に感じています。

 

 

 日本ハム打線は全般的に低調で特に目につく選手はおりませんでした。

 

 膝の靭帯損傷から復帰を目指す谷口雄也選手がスタメンで出場して4打席ノーヒットに終わったわけですが、ちょっと気になったのは、足の調子が引き続き芳しくないのか、内野安打になりそうな打球でも間に合わずにゴロアウトに倒れるなど、自慢の俊足が完全に影を潜めてしまっておりました。

 スタメンで守備にも就いてフル出場しているのだからお医者さんからもゴーサインが出ているのではないかと思いますが、もしかしてもうかつてのような俊足は取り戻せないのでは?などと、余計な心配をしてしまったりもしました。

 

 

 次にリリーフ陣について。

 

 ベイスターズは7回加賀選手、8回武藤選手が1イニングづつを投げ、9回にマウンドに上ったルーキーの寺田選手がピリッとせず1アウト取っただけで降板して急遽平田選手が登場し、残る2アウトを取ってゲームセットとなりました。

 

 その中で加賀選手について触れますが、球速は130キロ台中盤がMAXで、おなじみの外に逃げるスライダーで危なげなく3者凡退に切って取りました。

 加賀選手くらいのレベルになると、よほど状態が悪くない限りファームのバッター相手に打ち込まれることは無く、だから見ている僕らは1軍に行っても活躍できそうだという気分になりがちなのですが、ここが1軍と2軍の違いで、1軍の主力級のバッターともなると外に逃げるスライダーをカットしたり見逃したり出来ますので、そうすると苦しくなって打ち込まれたりフォアボールになったりして、なかなか抑えられません。

 ですから今の状態を持って1軍でどれくらいやれるのか未知数なのですが、彼のようなタフな精神力の持ち主はやはり心強い存在ですので、なんとか1軍に這い上がって頂きたいものだと思います。

 

 

 日本ハムは6回と7回の2イニングが浦野選手、8回高山選手、9回は昨秋の侍ジャパン代表戦に選ばれて出場した堀選手がそれぞれ1イニングづつ投げました。

 

 この中で堀選手について触れますが、球速は140キロ台中盤となかなかの速いボールを続けざまに投じるものの、関根選手に狙いすましたようにレフト線へ強烈なライナーの2ベースを打たれ、その後味方の守備のミスなども重なって自責は0ながら3失点となりました。

 味方のエラーが大きく響いたのは確かですが、それにしても打たれた打球はいずれも芯を食った強い当たりばかりでしたので、あまり満足のいくものではなかったと思われます。

 結局1軍のオープン戦にも全く登板していないようですし、2年目のジンクスにぶつかってしまったという感じでしょうか。

 

 

              ■

 

 

 というわけで今季3戦目にしてようやく初勝利(僕の目の前において)となりました。

 

 1軍のオープン戦も終わり、今後は開幕1軍入りを目指して当落線上にいた選手達がこちらに移って試合に出るようになって来るでしょうが、現有メンバーだけで見ても今年はイースタンの良い順位を狙えそうな感じもしますので、引き続き見守っていきたいと思います。

 

 

横浜DeNA7-4日本ハム

勝:阪口

敗:斎藤

S:平田

本塁打:網谷(僕の推定飛距離130メートル)網谷(僕の推定飛距離135メートル)

観客数:1300人ちょっと

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年3月17日 横浜DeNAvs千葉ロッテ (浦安) の感想

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 年を取ると月日が経つのが早く感じられるようになります。四十路の大台を迎えた今年は特にオフの期間が短く感じたような印象を受けています。

 毎年毎年ストーブリーグばかり頑張るチームだったのでオフの期間も戦闘モードを崩せなかったのが、今回のオフはいつになく心穏やかに過ごせたから、それで心身ともにリフレッシュして開幕を迎えられているという事なのかもしれません。

 

 さて、今日はイースタンリーグ開幕戦。万永ベイスターズの船出だよ!という事で、頭に耳の飾りをつけたリア充が集う街「舞浜」にて、ネズミ野郎には目もくれずに浦安市運動公園野球場で行われた試合を見に行ってきました。

 

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 ネズミ野郎そっちのけでロッテのファーム戦に集いし勇者達がこんなにも大勢で列をなしております。ちなみにこの行列はロッテ応援側席の入場列で、ベイスターズ側にはもう一本行列が出来ておりまして、いかにすごい人数が入ったかおわかり頂けるかと思います。

 結果的に2000人以上入ったそうですから、マリーンズファームはロッテオリオンズをも上回る、集客力を誇るチームと言えましょう。

 

 ロッテ球団はファーム戦でもこんなにお客が入るのに、明日はほとんど客席のないロッテ浦和球場で試合をやるというのだからわかりませんね。実にもったいない事です。一昨年市原市で行われた試合でお客さんが大勢いるのを見ましたし、当時と同じことを感じてしまいました。

 ファームとは言えプロ球団なのだから、そういうお客さんの集まる球場で試合をやるべきではないでしょうか。

 

               ■

 

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 本日のスタメンはご覧の通り。ベイスターズは高卒2年目の京山選手、ロッテは大卒2年目の佐々木千隼選手で、2年目ピッチャー同士の対決です。ちなみにベイスターズのキャッチャーであるルーキー山本選手はBCリーグの滋賀ユナイテッド出身で、京山選手は滋賀県出身ですから、滋賀絡みバッテリーという事になります。

 

 まずは京山選手についてですが、今日は被安打6に与四球6で4失点の負け投手となりました。

 球場のスピードガンがまともに機能していなかったので正確な球速はわかりませんが、感覚的には140キロ台中盤は出ていたように思います。立ち上がりはそれほど制球に苦しむ様子は見られなかったものの、4番を打つ角中選手に対してストレートのフォアボールを出した所から「おやおや?」という雰囲気を醸し出し始め、3回から球が打ち頃の高さかつコースに集まるようになってきてヒットと押出しを含むフォアボールで3失点。さらに次の回にももう1点を奪われて、5回終了で降板となりました。

 

 今日バッテリーを組んだ山本選手が低めのボールをファンブルしたり後ろに逸らす場面が繰り返されて、そこから少し調子を狂わされたような印象もありましたし、内外のストライクゾーンでも多少首をかしげる素振りを見せていましたので、山本選手とのコンビネーションにまだまだ不慣れな感じがあったのかもしれません。

 

 球速はそれなりに出ていましたし、最後のイニングとなった5回はそれなりに修正してきましたので、今日4失点したからすぐに「ああダメか」と落胆するような重い話では無いと思います。次回に好投を見せて挽回して欲しいものですね。

 

 

 ロッテ先発の佐々木選手は5回を投げて1失点(自責点ゼロ)で勝ち投手となりました。初回先頭の荒波選手をサードへの高く上がった内野フライに打ち取るも、ゴールデンルーキー安田選手が打球を見失ってエラーという不運から始まり、好調楠本選手にタイムリーを打たれてエラーで出たランナーの荒波選手に生還されてしまいました。

 球場で時々表示されるスピードガンによれば130キロ台のストレートと、110キロ台中盤の外に逃げる変化球(たぶんスライダー)を中心とした組み立てで、あんまりすごみは感じないものの、結局その外に逃げる変化球をベイスターズ打線がまともに捉えきれずに5回までいってしまったという感じがしました。

 今日のベイスターズ打線は右打者が多かったのですが、左の楠本選手にはボールをしっかり見られているような感じがしましたので、左打者との対戦が増えてくると果たしてどうでしょうか?という印象を受けました。

 

 

 次に打線について。

 

 まずはオープン戦で絶好調の楠本選手です。佐々木選手から一人気を吐く2安打をマークして存在感を示しました。特に圧巻だと思ったのは2本目のレフト線2ベースで、タイミングは振り遅れ気味に、バットの出方は大根斬りみたいな少し無理のある体勢ながら、しかしバットの芯でキレイにミートして打ち返してしまいました。

 プロ野球に入ってくる選手は皆何かしら抜きん出たものを持っているとは思いますが、それにしてもこのバットの芯で捉える能力は天性のものがあると唸らされました。

 なんでこんな良い選手がドラフト8位で取れるのかよくわかりませんが、守備も走塁もソツが無い所を見せてくれましたし、これはファームの試合で見られる機会もそれほど多くないんじゃないかと、大変感心致しました。

 今後は、まだ身体の線が細いように見えますので、体力増強が課題になってくるという感じでしょうか。

 

 それ以外は野手で目を引いた選手はいませんでした。

 

 

 ロッテ打線は個々の選手の感想を書く前に一つぜひ書いておきたい事がありまして、チーム全員の走塁に対する意識がものすごく高く、守備側が少しスキを見せるとすぐにスタートを切ってくるのが、昨年と比べて明らかに違うところだとして感じました。

 ランナー12塁の場面でベイスターズのキャッチャー山本選手が投球を取り損ねて後方数十センチにボールが転がってしまったと思うと、2塁ランナーの肘井選手が瞬時にスタートして、12塁ランナーそれぞれが進塁してしまう、という事もありました。

 山本選手の2塁への送球が甘いと見るやいなや試合中からどんどん盗塁を仕掛ける頻度が増えていきましたし、成功する確率も高かったです。牽制に引っかかって飛び出してしまう場面もあったものの、ではすぐに凶殺プレーで捕まるかと思いきやずいぶんうまく逃げ回ってベイスターズ守備陣に冷や汗をかかせるという事もありました。

 

 ロッテファームは今年から今岡さんが監督をおやりになっているわけですが、今岡さんが足で攻めるというイメージは全くなく、それよりもむしろ井口新1軍監督の思想がファームにまでしっかりと浸透していると見なすのが自然なのかなと思います。

 率直な所戦力的にロッテに手強そうな印象は無かったのですが、監督就任1年目の3月でファームにここまで井口イズムが浸透しているのを見ると、これはもしかしたらパリーグの台風の目になるかもしれないと、そこまで考えさせられました。

 

 

 ロッテ打線では加藤翔平選手が4打数4安打と大爆発しました。4安打中3安打は文句のつけようがないクリーンヒットでしたし、もう1本もピッチャー強襲といっていいキレイなセンター返しでしたので、とにかく調子が良さそうだと感じました。

 加藤選手は走攻守三拍子揃ったいかにも井口新監督の野球に馴染みそうなタイプの選手ですし、これから1軍のレギュラー争いに割って入ることも充分可能なのではないでしょうか。

 

 ロッテと言えばゴールデンルーキーの安田選手が6番サードでスタメン出場しました。初回の守備からいきなりエラーをしてしまい、打席では1アウト満塁の場面でゲッツーに倒れるなど、良い所はあんまり見せられませんでした。

 ただ、守備で、3塁線に飛んだゴロをさばいて1塁に送球する場面が何度かあったのですが、軽く投げるように見せて矢のような送球が行っていましたので、肩の強さは相当なものがあると感じました。

 打つ方では強い打球を全く打てておらず、疲れや気持ちの問題も多分にあるのではないかと思いますが、そもそも高卒1年目の春からいきなりプロのレベルをこなせる筈もないのでして、焦らず怪我のないように体力をつけて、フォームを固めて、じっくりと力をつけてくれれば良いと思います。

 

 

 次にリリーフ陣について。

 

 ベイスターズは6回平田選手、7回三嶋選手、8回国吉選手と右の速球派を3人続けて投入です。

 

 その中で国吉選手について書きますが、今日はランナーのいない先頭からセットポジションで投げ続けて最速が148キロをマークし、フォアボールを1つ出してしまったものの、ほぼ危なげなく片付けました。

 今年の国吉選手はカットボールを多用して打たせて取るピッチングをやると言っていましたが、今日はストレートの制球が良く、変化球は多少バラツキがあって打者によく見られているような感じも受けました。

 カットボールを多用するようになったのは今年からだという事でまだ完全に自分のモノになりきっていないのかもしれませんが、今日のように、その日その日の状況を見ながら柔軟にボールの使い分けが出来るようになってくれれば良いと思いますね。

 

 

  ロッテは6回から唐川選手がマウンドに上ってそのまま最終回まで投げ続けました。

 

 唐川選手は6回から8回まで全く危なげないピッチングで、得意のカーブもコースにしっかり決まってベイスターズ打線に的を絞らせませんでした。

 

 ただし最終9回、先頭の代打網谷選手から、タイミングを外されながらもバットの先に当たったようなふわりとした打球でセンター前に運ばれると、続く山下選手には、こちらもタイミングをうまく外したにもかかわらず、まるで往年の篠塚和典さんのような右手一本でバットを押し出すようにしてレフト前に曲芸打ちするかのようなヒットを打たれノーアウト12塁のピンチを招いてしまいました。

 白崎選手関根選手には2者連続でファールフライを打たせて2アウトまでいくも、松尾選手に三遊間を抜けるタイムリーヒットを許し、さらに続く西森選手にも同じようなコースに連続タイムリーを打たれ1点差まで追いつかれます。

 そして迎えたバッターは石川雄洋選手。コースの隅を突く唐川選手に、カットして粘る石川選手。しかし最後、内角低めにズバッと決まるストレートを投げられ、見送ったのか、それとも手が出なかったのか、という具合で見逃し三振に終わり、ゲームセットと相成りました。

 

 不運な連打から2アウトを取って一安心した所で松尾選手で、少し甘く見すぎてしまった部分もあったのでしょうが、再びやる気スイッチが入ってからの唐川選手はさすが1軍のピッチャーだと感服させられました。

 

 

                ■

 

 というわけで今日は序盤の自滅による失点が最後の最後に響いて1点差で敗れてしまいました。

 

 内容的には打つ方でも投げる方でもロッテに軍配が上がる感じでしたけれども、今日の試合で目を覚まして、明日以降はビシっと引き締まった試合をやってもらいたいものだと感じております。

 

 

横浜DeNA3-4千葉ロッテ

勝:佐々木

敗:京山

S:唐川

観客数:2203名

 

 

 

以上

 

 

FAで贔屓チームから離れていった選手を、どのように見守るべきか

 

 今シーズンからベイスターズに入団した大和選手について、阪神贔屓のメディアがとても熱心かつあたたかい論調の記事を書き続けているのが、とても新鮮だなと感じております。

 

3月13日

DeNA大和がオープン戦初適時打 楽天・藤平から中前先制打「状態はよくなっている」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

3月11日

DeNA・大和 出た~オープン戦初安打&猛打ショ~「打たないと出られない」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

3月10日

阪神からFA移籍の大和、DeNAでOP戦初の3安打猛打賞 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

3月6日

DeNA大和、甲子園凱旋 無安打も遊撃で軽快な動き「楽しかったです」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

DeNA大和、移籍後初甲子園「ヤジが飛んでも気にしない」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

 ヤフープロ野球のニュース検索で「大和」を検索ワードにして出てきたデイリーさんの記事が、3月だけでなんと5本であります。オープン戦無安打が記事になる選手なんて、球界広しと言えども日本ハムの清宮選手と、そしてこの大和選手くらいのものではないでしょうか。

 

 恐らく阪神の主力選手と比べても肩を並べるくらい、熱心に記事にしてもらっているのではないでしょうか。

 

 これは単純に大和選手がそれだけデイリーさんに愛されているという裏返しでもあるのでしょうが、それにしても贔屓チームを出ていった選手に対してここまであたたかく応援してくれるとは、デイリーさんも懐が大変広いのではないでしょうか。

 

              ■

 

 今月上旬に甲子園で行われた阪神ベイスターズのオープン戦をCSのテレビ中継で見ていたのですが、やはりアナウンサーも解説者も大和選手が可愛くて仕方ないらしく、褒めてばかりいました。

 「さすが大和!」というフレーズを何回聞いたか思い出せないくらい乱発していたような気がします。

 

 また、甲子園に詰めかけた阪神ファンの中でも、阪神のレプリカユニフォームに身を包みながら、しかし大和選手のお手製横断幕のようなものを掲げている方もおられましたし、大和選手が打席に入れば阪神の選手以上に温かい声援で迎えられている様子もありまして、なんというか、阪神ファンの皆様の、球団の枠を超えた人間愛みたいなものを感じましたし、阪神ファンの皆様の懐の広さに、ただただ感銘を受けました。

 

 大和選手がそれだけ愛されていたという事なのでしょうが、それにしても、自らの意志で阪神を後にした選手にここまで温かい声援が送られるというのは、かつてない新鮮な光景でありました。

 

 

              ■

 

 ひるがえって我らがベイスターズはいかがでしょうか。

 

 これまでFAでベイスターズから国内他球団に移籍した選手は星の数ほどおりますけれども、そういった選手に対しては大半の事例において、ベイスターズファンは厳しいブーイングや野次を浴びせ続けてきたように記憶しています。

 

 中日に行った谷繁選手や、ヤクルトに行った相川選手や、巨人に行った門倉選手村田選手山口選手や、ソフトバンクに行った内川選手に対して、球場で厳しいブーイングを浴びせるのは恒例行事で、ネット上で見るに堪えない誹謗中傷を書き連ねるベイスターズファンも数多くいるようです。

 FAで移籍したけどブーイングを浴びせられない唯一の事例は、事実上の戦力外と言われた金城選手の時くらいではなかったでしょうか。

 

 果たして、阪神ファンが大和選手に温かい言葉を送るのと、どうしてここまで対応に大きな違いが現れるのでしょうか。

 

               ■

 

 ベイスターズがあまりに弱過ぎたからファンが鬱屈としていて、それで素直に応援できないでいたという事は、かつてはあっただろうと思います。

 

 ですが、2年連続でクライマックスシリーズに進出するご身分となった今なお、内川選手や山口選手に汚い言葉を浴びせ続けている人が一定程度存在しているのが見て取れまして、あまり成長の跡が伺えません。

 

 そもそもベイスターズがかつて弱過ぎたのは選手のせいというよりはフロントや首脳陣の手腕やモチベーションに依る所が大きかったわけで、そのフラストレーションをFA移籍した選手にぶつけるというのは、理屈もへったくれもない、ただのヘイトスピーチでしか無いのではとさえ、僕は感じています。

 

 こういうベイスターズファンの有り様を日常的に見てきたからこそ、阪神ファンが大和選手に送る温かい声援が新鮮に見え、そしてあのようになりたいと羨ましささえ感じるようになったのであります。

 

 

               ■

 

 僕のベイスターズ愛は、だいたいの場合その根幹を選手愛で成り立たせております。

 

 もちろん選手に対する批評もしますけれども、いつまでも際限なくグズグズ続けるような事はせず、ブログに書いて意見表明を終えたら、またイチからやり直しで、選手の奮起を心より願うというのが基本方針です。

 

 ですから、これはあくまで僕の個人的な考えに過ぎませんけれども、ベイスターズファンもいつかは阪神ファンのような懐の広さを持ち、選手がどのユニフォームに袖を通そうとも、良き人生を送ってくれるよう願えるような、そういう爽やかなものになれば良いなぁと、そのように感じた次第であります。

 

 

以上

 

 

2018年3月10日 ヤクルトvs横浜DeNA (横須賀・教育リーグ) の感想

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 今季初の球場観戦だよ!という事で今日は横須賀スタジアムで行われた春季教育リーグの試合を見に行ってまいりました。

 

 これまで教育リーグの試合はこけら落とし等の特別な場合を除いて入場無料なのが通例だったのですが、今年は特別でもなんでもないけど500円になりました。というわけでその500円のチケットをひけらかしたいと思います。

 

 

 ちなみに、現在横須賀スタジアムのある追浜公園ではベイスターズの新しい練習場を建設しております。といってもまだ現状は地面を整地している段階で、建物は何一つ作られておりません。

 当初は来春開業予定でしたが、どうやら数ヶ月ほど遅れそうだぞという事だそうですから、来年ベイスターズに入団する若人は1月末から数ヶ月だけ長浦町の旧選手寮の住人となり、それからシーズン中に改めてバタバタとお引越しをする流れになりそうです。ですから、新選手寮にお引越しする前はあんまり大きな家電や家具を買うのは控えておいたほうが良さそうだよ!と、まだ誰になるかもわかりませんけど、ご忠告申し上げたいと思います。

 

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 本日のスタメンはご覧の通りです。ベイスターズが今永選手、ヤクルトが高橋選手の左腕対決です。

 春季教育リーグの先発で1軍の主戦級ピッチャーが出てくるのは例年のことなので特に驚くものでもありませんが、今日はリリーフで出てくるピッチャーが全員1軍入りが当確じゃないかと思われる面々ばかりなので、これはサプライズでした。後ほどお伝えします。

 

 

 まずはベイスターズ今永選手ですが、4回を投げて被安打1の無失点で順調な仕上がりぶりをアピールしてくれました。

 ストレートの球速は140kmを多少上回る程度で抑えめな感じも受けましたが、しっかりとストライクを先行させて状態の良さそうな感じが見て取れました。唯一のヒットはベテランの井野卓選手だったと思いますが、さすがベテランだけあって甘く入ったところをすかさず振り抜かれたという感じでした。

 調子はすこぶるよく、開幕投手も充分狙えるのではないでしょうか。

 

 

 ヤクルトは高卒3年目の高橋選手。こちらも4回を投げて被安打4くらいで無失点でした。右バッターを相手にした時にコントロールで苦しむ所が見られましたが、ベイスターズ打線の再三の拙攻に助けられました。球速も今永選手と同じような140km前後でまとまっていて、投球練習の時に内側に小さく曲がるシュートのような変化球を投げていて、これはちょっと魅力的だぞ!と思いました。

 これから順調なら早い内に1軍の初マウンドも充分見込めるのではないでしょうか。

 

 

 次に野手について。

 

 今日のベイスターズ打線は全部で8安打するもヤクルト村上選手のタイムリーエラーによる1得点のみと、決め手に欠ける一日となりました。

 

 春のキャンプからオープン戦初頭まで1軍に帯同していた細川選手が2安打をマークしました。2安打とも少しタイミングを外されながら、なんとかバットの先で拾って内野の頭を越していく打球を打てました。

 上記の2打席でラミレス監督から指摘されたフォームの崩れを改善できたかな?と嬉しく感じていたのですが、最終打席に、やはりタイミングを外されて完全に腰砕けになりながら腕だけで当てるようなスイングで内野ゴロに倒れる場面がありまして、まだまだ自分のスイングを貫き続ける所までには戻っていなかった、と今日は結論づけたいと思います。

 細川選手といえばフルスイングのイメージですが、今日は8分くらいのスイングでしたので、まだまだ道半ばといった感じですね。

 

 その他は、「首脳陣に猛アピール!」という感じの野手はおりませんでしたね。飛雄馬選手もずいぶん大人しくなっちゃったなぁと、寂しく思いました。

 

 

 ヤクルトではドラ1ルーキーの村上宗隆選手に注目しました。4打席立って全て凡退に終わりましたが、ただしそのうち3打席はいずれも外野の定位置より後ろに飛ばす外野フライで、打球の角度はいかにもホームランバッターという感じの、ハッとさせられる美しい打球を打ち上げる選手だなと感心しました。

 外野フェンスの向こうまで残り数メートル飛距離が足らなかったその理由は、初めてのプロ野球による疲れなのか、単なるパワー不足なのかわかりませんが、さすがプロ野球のドラフト一位で複数球団が競合指名するだけの風格のある選手だと感心させられました。

 打席での振る舞い方も実に落ち着いて堂々たるもので、度胸の良さもあるように思いました。

 目下の課題は、やはり内野手転向間もないという事で守備でしょうか。今日もやや強めのゴロを弾いてタイムリーエラーを喫し、牽制で飛び出した2塁ランナー(西森選手)が3塁に向かってくるのに対するタッチプレーも甘さが出て進塁を許す場面がありました。

 ヤクルトがどうして彼をサードに転向させたのか理由はわかりませんが、いくら打撃の才能が超一流でも、守備を猛勉強しなくては1軍入りもまだまだ先の話となるのではないでしょうか。

 

 

 次にリリーフについて。

 

 ベイスターズは5回からなんと山崎康晃選手、6回エスコバー選手、7回砂田選手、そして8回と9回の2イニング井納選手という豪華な継投になりました。

 

 山崎康晃選手は先頭の山川選手にいきなりセンター前へライナーのクリーンヒットを打たれるも、後続2名をボテボテの内野ゴロ(2つ目が併殺)に打ち取って3人で片付けました。

 攻守交代で気が緩んでいる間にヤスアキジャンプの曲が流れ出してスカスタ場内の空気が一変しまして、本当にビックリさせられました。僕はベイスターズファンでありながら山崎康晃選手を生で見たことが今まで殆どなかったので(彼が2軍に落ちてこないので)、だいぶ感動しました。大谷翔平選手がスカスタに来た時クラスの感動を覚えました。

 

 エスコバー選手は150キロ弱のストレートばかり投げまくってヒットを1本許すも4人で打ち取ったように思います。コントロールがとても良く、今年は去年よりも遥かに良い成績を残してくれるのではと、非常に良い印象を持ちました。

 

 砂田選手は育成選手の頃から見てきましたが、あの頃とは違い、実に落ち着いた無駄のないフォームで淡々と3者凡退に切って取りました。砂田選手は10代の時からコントロールが良かったと思いますが、フォームはいかにも野球少年的な「うぉりゃー!」という感じでしたので、1軍に定着してすっかり大人びた都会の人になってしまったなぁと、遠くの人のように思いました。

 僕としては先発に戻って欲しいのですけど、なんせ1軍の先発ローテが充実しておりますので、このまま今季もリリーフで続けるんでしょうね。くれぐれも怪我だけは注意してもらいたいものです。

 

 最後に井納選手。春の練習試合から見ていますが、最初の1イニングは本当に鬼のように良いボールを投げて打たれる気配が微塵もありません。だけど回跨ぎで2イニング目に入ると急に別人になり、山川選手にレフトへ弾丸ライナーのホームランを浴びてしまいました。

 8回が終わってベンチに下がった後の井納選手の様子を眺めていたのですが、やはり本人も回跨ぎに対する問題意識は持っているようで、普通なら味方打線が1つか2つはアウトを取られるまでキャッチボールを休む所ですが、井納選手はルーキーの山本選手を相手にキャッチボールをやり続けておりました。少しでも休むと不安なのではないでしょうか。

 ずっと先発をやっていた人なだけに回跨ぎもへっちゃらかと思いきや相当慣れに苦しんでいるようで、このままロングリリーフ要員としての働きを期待され続けるのもちょっと酷かな?と感じ始めました。

 

 

 ヤクルトの継投は5回から石山選手、6回久古選手、7回山本哲選手、8回中尾選手、9回沼田選手でそれぞれ1イニングづつとなりました。

 

 

 その中ではBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに所属していた頃に見ていた沼田選手について。味方が9回表の土壇場で同点に追いついた為急遽回ってきた出番だと思いますが、全くその影響もなく、1軍実績のある白崎選手を腰砕けにさせて内野ゴロに打ち取ると、左打ちに楠本選手にライトへクリーンヒットを1本許すも後続を抑えて、充分首脳陣へのアピールとなる無失点ピッチングとなりました。

 球速はあんまり覚えておりませんが、本人のMAXと比べればまだ多少届いてない140km台中盤のストレートと曲がりの小さな変化球で打たせて取る、という感じだったと思います。

 1軍のリリーフで結果を残していくためには決め球になる強力な変化球が重要で、それをこれからどれだけ磨いていけるのかだと思いますが、器用さもあるようですし、環境の変化に対する強さもあると思いますので、ぜひ横浜スタジアムでの登板をお待ちしたいと思います。

 

 

 

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 というわけで今季最初の球場観戦が終わりました。

 

 毎年この時期に思うことですが、やはり野球は球場で見るのが一番です。選手1人1人の細かな動作を確認できますし、打球の速さを味わえます。

 仕事や家庭の事情などで球場に通える回数に限りがあるのは当然なのですけれども、今年もなるべくそういった障壁を乗り越えて、1試合でも多く球場で野球を見たいと、改めて噛み締めました。

 

 

東京ヤクルト1-1横浜DeNA

本:山川(僕の推定飛距離110メートル)

観客数:1200人ちょっと

 

 

 

以上

 

 

ベイスターズはレギュラーと控えの実力差が大きい説への反論

 

 

 皆様ご無沙汰しております。そろそろオープン戦も始まってまいりますので、僕も僕でウォーミングアップをしたいと思い、この度筆を執った次第です。

 

 さて、シーズンオフも何かと注目を浴びる事の多い近年のベイスターズでありますが、特に頻繁に耳にする最近のベイスターズ評が「ベイスターズはレギュラーと控え選手の実力差が大きい。だから長いシーズンで疲れや故障で脱落者を出したら脆い」というものであります。

 

 弱かった頃もあれやこれや言われていましたが、毎年クライマックスシリーズに出場するご身分になっても相変わらず何かしら言われるものなのだな、と、重箱の隅突かれ感みたいなものを噛み締めております。

 

 で、重箱の隅突かれ感を噛み締めつつも、何かしら反論を試みなければ気が済まないというのが、四十路になっても引き続きお子様メンタルが拭い去れない僕の真骨頂なのでありまして、「よーし見てろ!今から反論してやるからな!」という風に鼻息を荒くしている、という現時点の模様なのであります。

 

 

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 「ベイスターズはレギュラーと控え選手の実力差が大きい」という声に対する僕の率直な感想を申し上げますと、それこそが「強いチームあるある」なのであり、強豪チームとなったベイスターズにとって当然の現象であるという風に考えております。

 

 思い起こせば、森祇晶監督率いる西武ライオンズ黄金時代も、ダイハード打線だった頃のダイエーホークスも、落合博満監督率いる中日ドラゴンズも、毎年優勝争いするチームはどこだって、レギュラーが固定化してなかなか1軍の試合に出られない控え選手が少なからず存在したものです。

 そして、1軍の試合に出られない控え選手がレギュラー選手と比肩するほどのスキルアップをするのは、よほど爆発的な何かが無い限り難しいのでありまして、ですから「レギュラーと控え選手の実力差が大きい」現象こそ、強いチームあるあるなのである、という事なのであります。

 

 

               ■

 

 毎年優勝争いする強豪チームはレギュラーと控え選手の実力差が広がるのが当たり前なのか?を、具体的な数字でお見せしたいと思います。

 

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 まずは1990年の西武ライオンズの野手成績を見てみますと、レフト以外のレギュラーが固定化されているため、唯一レギュラーが固定されず常に競争状態だったレフトを守った笘篠選手や吉竹選手や森選手の打率についてはレギュラークラスと肩を並べられる所まで来ています。

 

 それ以外のポジションで控えとして出場機会を持てたのはベテランの鈴木康友選手や大宮龍男選手くらいで、いずれも守備型の選手であるため数字は奮いませんでした。

 

 よって、黄金時代真っ盛りの1990年の西武ライオンズはレギュラーと控えの実力差が相当大きかったと結論付けられると思います。

 

 

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 次に王貞治監督率いるダイハード打線ダイエーホークスはどうであったかと数字を羅列しますと、小久保裕紀さんが故障で離脱したサードの穴を川崎宗則選手が埋める形でレギュラーとして起用され、だいたいのポジションが固定されているのがわかります。

 控え側に記載したズレータ選手はシーズン途中に入団したため試合数は少ないですが、DHとしてほとんどレギュラークラスの扱いを受けています。

 

 ですから正真正銘の控え選手として見るべきなのはネルソン選手から下に並んでいる面々となるわけですが、やはりこの数字が示すように、ダイハード打線のレギュラークラスと比べると格段の差がついているのがわかります。

 レギュラークラスで唯一鳥越選手のみ打撃成績が奮いませんが、当時の鳥越選手はパリーグを代表する守備の名手でしたので、打撃成績については目をつぶってもらえたという事だと思います。

 

 

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  そして最後にご紹介するのは2年連続リーグ優勝を果たした時の中日ドラゴンズです。

 

 中日が先述した西武やダイエーと違うのは卓越した打撃成績を残したと言える選手が皆無であるのと、レギュラーとして固定されて130試合以上出場した選手が3人しかいなかったという所でしょうか。

 この年はいわゆる「飛ばないボール」の時代でありましたので中日に限らず打撃成績全般が低調な傾向にありましたけれども、この中にあってさえも控え組の中でレギュラーを奪取するような、目に見えて違いを発揮した選手がついぞ現れなかったという事で、よくぞこれで優勝できたものだと、改めて感じ入ります。

 

 先述した2例と比べるとレギュラーと控えの実力差は格段に少ないこの年の中日でありますが、この状態が望ましいものであるとは、僕には到底思えないのですね。

 

 

               ■

 

 この西武ダイエー中日と現在のベイスターズでは争っている順位も実績も大きく違いますけれども、ただし、現在のベイスターズがこういう方向性を目指しているのは、ラミレス監督の采配からも充分見て取れると思います。

 

 ですから、ベイスターズのレギュラーと控え選手の実力差が大きいという懸念は、過去に常勝球団と褒めそやされた各球団の状況と似通った話でもあるのだから、さほど心配する必要は無いよと、僕は改めて結論づけたいと思います。

 

 筒香ロペス宮崎という全員が全員打撃タイトル争いをするようなクリーンアップと実力差の無い控え選手がいたらそれはそれで嬉しいに決まっているのですが、それは欲張り過ぎなのでありまして、まずは具体性のない印象論に惑わされずに、しっかりとベイスターズの成長を見守って参りましょう!

 

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

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プロ野球選手のセカンドキャリアについて考える

 

 昨シーズン限りでベイスターズを退団した小杉陽太さんが、退団した次の月に会社を立ち上げたという事で、大変驚きました。

 

www.asahi.com

 選手時代は表情を表に出さないタイプでしたので、何を考えているのかよくわからない選手として見ていましたが、思った以上に冷静に色んなものを見ていたのだと、とても感心しました。感心したなんて言うと少し上から目線な感じで恐縮ですが、共感とも言えないし、感動とも言えないし、やはり感心というのが一番しっくり来ました。

 

 プロ野球選手といえば、現役時代は野球のことで頭が一杯になって、いざ戦力外通告を受けると頭が真っ白になって何も動けないという人が少なくないようですから、小杉さんが会社を立ち上げて何をやろうとしているのか、それがまた実に具体的な事に、深い感銘を覚えました。

 

 僕も一応起業家の端くれなのですが、起業する前の準備段階からこれまで十数年の間に、「起業を目指してます!」という割には具体的にどういう事業を手がけるのかさっぱり考えていない自称起業候補生の人をたくさん見てきました。

 ですから、退団翌月でここまでディテールがしっかりしているのは本当に素晴らしいと思いました。

 

 今後小杉さんにくれぐれも気をつけて頂きたいのは、見栄を張らない事、でしょうか。会社の立ち上げ時期は比較的融資を受けやすいですから、割と手元資金がリッチになったりします。

 で、それでついつい見栄を張って費用対効果の見えない設備投資や広告出稿をしてしまったりして、後で「あの時のカネがあれば」なんて後悔する事がありますので、設備投資や広告宣伝費はくれぐれも控え目に、地に足の着いた経営をして軌道に乗せて頂きたいと願っております。

 

 

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www.alliancebernstein.co.jp

 ソフトバンク自由契約にした選手全員に対して原則としてソフトバンクグループの仕事のオファーを出しているようです。それ以外にも、トレードやトライアウト経由で他球団に移った選手を引退後に呼び戻して仕事を与えるような事までしていると言います。

 

 プロ野球チームの親会社はどこでも大きな会社ですから毎年10名前後の雇用の受け皿くらいすぐに用意できるのかもしれませんが、それにしても普通の大学や高校を出たての若者と違って、ビジネスマンとして養成するのは一筋縄ではいかないでしょうから、ソフトバンクの取り組みは賞賛に値すると思います。

 

 

 また、これまで球界の盟主として君臨してきた巨人も自由契約にした選手のアフターフォローは手厚い方で、元ベイスターズで昨シーズン限りで引退した北篤さんをアカデミーのコーチとして契約したというニュースも流れました。

 

www.sanspo.com

 最近は子供向けの野球教室を展開する球団が他にも複数あって、そこが引退した選手の雇用の受け皿になっているようでありますが、ただし、加速度的に進む少子化の影響もありますので、果たしてどこまでこの方向性を伸ばせていけるのかは、あまり楽観視も出来ないかなと見ています。

 

 

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 近年のプロ野球選手のセカンドキャリア対策について、盛り上がってきているのは非常に良いことだと思う反面、ややホワイトカラー系の職業に偏っているように思えるのが、気がかりと言えば気がかりです。

 

 これまでユニフォームを泥だらけにして野球をやってきた人達ですから、引退したら今度はパソコンに向かってカタカタしたり取引先と言葉で交渉したりする仕事にすんなりと転身できる人ばかりではないと思います。

 

 ですから、大雑把な言い方をすればガテン系の道を作っていく事も必要なのではないでしょうか。

 

 

 その中で僕が推奨したいのは、漁業です。

 

 いくらIOTや科学技術が発達したとは言っても、人間のエネルギー源は食料のまま、数千年も変わっておりませんし、これから数十年で劇的な変化が訪れそうな予兆もありません。

 

 ですから食料を作るための農業や畜産業も含めて今後も非常に重要である事に変わりはないのですが、ただし農業や畜産業に関しては海外との競争が非常に熾烈であるのに対し、漁業に関しては海外勢との競争が農業や畜産業ほど厳しくありませんし、何より我が国は世界で五指に入る海洋国家ですので、このアドバンテージを活かせる漁業が、プロ野球チームのセカンドキャリアの方向性として注目されるべきではないだろうか、と言いたいのです。

 

 さらに言えば食のヘルシー志向が非常に高まっておりますので、漁師さんになるというセカンドキャリアを明瞭にシステム化して、引退後も選手や家族が安心して暮らせる方向性作りをしていったら良いのではないでしょうか。

 

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 一部では人手不足が盛んに言われていますが、詳しく状況を見ると人手不足が生じているのはコンビニや外食チェーンのアルバイトが足りていない等の非正規需要がもっぱらで、数十年先を見据えて働く場所というのは、まだそれほど選べるほどの数はないのが実情です。

 

 そういった場所へ引退間もない選手を放り込むのは非常に無責任な事ですから、様々な進路を作って、良きセカンドキャリアを送れるようにしたいものだと思いますね。

 

 

 

以上

 

 

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星野仙一さんにはプロ野球コミッショナーを務めて欲しかった

 

 星野仙一さんがお亡くなりになられました。今朝起き抜けにテレビを付けて、そこで流れていたニュースで訃報を知り、それから今までずっと星野さんのことを考えていました。

 最近は以前と比べてメディア露出の機会がめっきり少なくなっていましたし、昨秋の祝賀イベントで登場された時のお姿が少し痩せて見えましたので、健康面で少し不安を抱えておられるのかとはお察ししていましたけれども、それにしても亡くなられたとは、本当に驚きました。

 

 ご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 さて、星野仙一さんが一流の選手であり監督であった事は今更僕ごときが申し述べるまでもありませんが、それに加えて、プロ野球界の歴史上でも類を見ない、最も素晴らしい改革者であったと、僕はそのように考えています。

 

 そして、だからこそ星野仙一さんにプロ野球コミッショナーを務めてもらいたかったと、かねてより考えておりました。

 

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 日本プロ野球コミッショナー職には、昨年11月に民間出身の斉藤惇さんが就任なさいました。民間出身のコミッショナーになるのはおよそ40年ぶりの事で、それまでは全て国や公的機関の要職を務めてこられた方々の専用席となっておりました。

 さらに言えば、「プロ野球コミッショナー」というポジションでありながら、1951年のポスト創設以来、選手出身者がただの一人も選ばれてこなかったのであって、これは非常に問題であると、僕は考えています。

 

 なぜならば、プロ野球が政官財界の道具として扱われている、何よりの証拠ではないかと捉えているからです。

 

 サッカーのJリーグではコミッショナーに相当する立場をチェアマンと呼びますが、その初代チェアマンは元サッカー選手の川淵三郎さんでありました。

 2015年に創設された国のスポーツ庁長官は元水泳選手の鈴木大地さんであります。

 

 こういう様々なスポーツ団体の長の顔ぶれと見比べてみると、プロ野球の異様さがより一層浮かび上がるのではないでしょうか。

 だからこそ、プロ野球界自身がこの異様さに気付き、競技者出身のコミッショナーを据えて、世界に伍していけるだけのものを作り上げていかなければならないのではないか、と考えていました。

 

 そして、もしもこれから日本プロ野球コミッショナーに選手出身者を擁立するとするならば、もっともふさわしいのは星野仙一さんを置いて他にはいないと、そこまで考えていました。

 

 

 プロ野球が他のスポーツと明らかに違うのは、政官財の道具として便利に使われてきたという側面があるという事です。

 その具体的なエピソードを語るのは控えますが、要するに選手出身者がコミッショナーとなるからには、政官財とがっぷり四つに組めるタフネゴシエーターでなければならないわけです。

 

 その点で言えば中日ドラゴンズ阪神タイガースで、時には経営陣やタニマチ衆とも派手にやりあう位の大改革を成し遂げた星野仙一さんこそが実績的にも申し分がないのでありまして、さらに選手としても監督としても超一流の実績があるから各方面に対する発言力も抜群に発揮できるのであります。

 

 こんな風にして考えていましたので、まだやるべき仕事をたくさん残したままあの世に逝ってしまわれた事に、ただただ悔しくてならないのです。

 

 

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 日本プロ野球界は長年に渡り鎖国状態にあります。

 

 「外国人登録枠」や「WBC」などの出島を設けてごく僅かに海外との交流を残していますが、それは選手数や試合数の比率でいっても数%程度にしかならず、それは要するに徳川幕府鎖国政策を現代風に劣化コピーしたに過ぎません。

 

 そしてその影響は競技能力に禍根を残しています。

 

 1984年に公開競技としてスタートしたオリンピックの野球種目において日本代表は、1984年に金メダル、1988年に銀メダルを獲得した程の競技能力を有しておりましたが、それが今ではWBCにおいて2大会連続でベスト4に留まっています。

 世界が着実に力をつけて加速度的な成長を遂げているというのに、日本は30年前40年前と同じ強化体制のまま、明らかに世界に遅れを取っています。

 

 つまり、まさに今こそ日本プロ野球界は維新を成し遂げなければならない時期に来ているわけですが、その軸と成るべき星野仙一さんを失ってしまいました。

 

 とてつもない損失であると言わざるを得ません。

 

 

.               ■

 

 ポスト星野仙一と呼べる人材はいるでしょうか。

 

 落合博満さんは選手や監督として超一流ではあるものの、星野さんのような人望はありません。改革は一人では出来ません。一人でも多くの仲間を必要とします。だから人望は必須要件なのです。

 

 古田敦也さんは選手として超一流でしたし、プロ野球再編問題の折には改革者として辣腕を振るった実績もありますが、残念ながらあまり人望のようなものが見えてきません。むしろ最近は野球界から離れる一方という感じもします。

 

 こうしてポスト星野仙一候補を考えに考え続けても、かえって星野仙一さんの偉大さをますます思い知るだけで終わってしまうのが実情です。

 

 

 簡単なことではありませんが、ポスト星野仙一が必要であると主張したいと思います。

 

 

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 かえすがえすも、本当に惜しい人を亡くしました。

 

 ご本人は今頃何をお考えになっているのかわかりませんが、現役時代からハードに働き続ける毎日でらっしゃいましたので、ここでひとつゆっくり休んでいただき、天国から日本プロ野球の未来を見守り続けて頂きたいと、祈念致します。

 

 

 故人のご冥福をお祈りします。

 

 

 

以上